白山(白峰〜降雪直後の無限ラッセル)
- GPS
- 16:36
- 距離
- 46.6km
- 登り
- 2,513m
- 下り
- 2,498m
コースタイム
天候 | 雪のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
5台程度駐車可能。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆白峰ゲート〜市ノ瀬 ・今年は積雪が多いのでデブリや片斜面が多い。 ・水は取れないと思った方が良い。 ・道路を川が流れている箇所があり、部分的に河原へ迂回する箇所がある。 ◆市ノ瀬〜別当出合 ・下部より雪が多くなりラッセルも深くなる。 ・別当出合はすべて雪で埋まっているので休憩舎は利用不可。 ・吊り橋は橋の両端に積雪があるので例年より難易度は高いが真ん中付近は雪はない。 ◆別当出合〜御前峰 ・石畳は雪がたっぷり、どこでも歩ける。 ・石畳から上部も道は無視してどこでも歩ける。藪もない。 ・モンスター尾根〜エコーラインまではクトー必須。 ・室堂〜御前峰もクトーを付けた方が無難。 |
写真
感想
毎月白山が途切れそう。
1月は豪雪で白山に全く行けていなかった。
今日は1月31日、ラストチャンス。天気はまずまずよさそう。
降雪直後で激ラッセルが待ち構えているが行くしかない、毎月白山もそうだが、今年の豪雪で白山の景色がどうなっているのか気になっていた。
YSHRセンセー、大魔人さん、兄ちゃん達は大笠山へ行くというが自分は白山を優先させていただきます。
そんな話をしているとパクが白山に行ってくれると進言してくれた。
前からタイミングが合ったら一緒に行こうと言っていたのだが、月末最終日でようやくチャンスが巡ってきた。
元々単独でも行こうと思っていたが、ラッセルマシーンのパクがいれば10人力。これ以上頼もしいことはない。
夜中0時スタートの約束だったが自分は30分フライングスタート。
パクと一緒にスタートするとずっとパクがラッセルすることになって申し訳ないしトレーニングにもならない。
最初の3kmほどラッセルしていくとちょうどパクが追い付いてきた。
そこからはパクのラッセル祭りが始まった。
パクが先頭をラッセルしていると二番手でもちょうどいい、というかそれでも早いくらい。
結局別当出合までほぼパクが先頭でラッセル。
それでも6時間半ほどかかった。速い時は4時間くらいで行くのでやはり降雪直後のこのタイミングはハードだということだ。
それ以外にも時間がかかった要因としては年末から続く豪雪で雪崩による片斜面やスノーシェッドの出入口を塞ぐデブリの存在も大きかったと思う。
別当出合はほぼ完全に雪に埋まっていた。
こんな姿を見るのは初めて。
ライブカメラでは見て知っていたが、やはり間近で見ると壮観。
いつもお世話になる休憩舎の入り口も雪で塞がっていて入れなかった。
気になるのは吊り橋だ。
あれだけ雪が降ったらいったいどうなってしまうのか。
いざ見てみると意外と普通で、吊り橋の両端こそ高く雪が積まれていたがそれ以外はほぼ雪はなかった。
やはり鉄骨が熱を吸収して雪を解かすのだろう。
パクはツボ足で、自分はスキーで渡っていった。
吊り橋を渡ったらもう敗退の要素はない。
あとは粛々と登るだけ。
それにしても雪が止まない・・・今日は晴れるはずなのにスタートしてからずっと雪が降り続いていた。
ここからは自分も積極的にラッセルに参加。さすがにパクにばかりラッセルさせていたら自力で登ったとは言えない。
石畳はすっかり雪で埋まってどこでも歩けるようになっていた。最高の状態だ。
中飯場までのルートも小さい藪がすべて埋まって疎林の雪原になっていた。
もうどこでも歩いてくださいといった感じ。
パクと二人でテンションアップ、雪は重いがモリモリラッセルしていった。
甚之助避難小屋はやはり雪の下に埋まって姿は見えなかった。
いつものように甚之助谷に一旦下ってからモンスター尾根に登っていく。
ここの常にカチカチなので事前にクトー装着。
モンスター尾根を登っていくと徐々に青空が見えはじめた。
エコーラインを登っていくとちょうど前方に御前峰がドン!タイミングバッチリ。
ここまでくれば風衝地となるためラッセルからも解放され写真を撮りながらサクサクと歩いて行ける。
弥陀ヶ原から上は徐々に風が強くなってくる。
今日は強風予報、まあ晴れているので地獄の風でもそれほど寒くはない。
室堂で地獄装備に換装して万全の体制で登っていく。
そしてスタートから12時間後にゴール!長かった。
無事に1月のお参りを済ませたら滑走タイム。
もうどこでも滑れるがシュカブラがうるさいので上部はだましだまし滑る。
エコーラインからはパウダー滑走、モンスター尾根に入ろうとするとなんと後続のスキーヤーが!
誰かと思ったらひげ男爵でした。
1時に出発したというがソロで降雪直後の白山に来るなんてモチ高い、というかネジ外れてる。
軽く会話してリスタート、あとは楽しいツリーラン。
下部はさすがに雪が腐ってきていたがどこでも滑れるのでとても快適だった。
別当出合から市ノ瀬の区間もスキーでサクッと滑れるので問題なし、問題は市ノ瀬から白峰の平坦地。
ここの11kmの区間がめちゃきつい。
チャリが使えるのと使えないのとでは大違いだ。
パクとおしゃべりしながら気を紛らせながら歩いて16時半にゴール。
タップリ17時間山行、マジもんの完全燃焼でした。
自分の中でも最も厳しい白山だったし、パクにとっても今シーズンの山行で一番ハードだったと言っていた。
単独では絶対に登頂できなかったと思うし、付き合ってくれたパクに感謝!
1月の白山が一番きつい。週末と天気が噛み合うことは稀。運良く噛み合っても前日ドカ雪とか、晴れすぎて帰りは雪が死んでいるとか、そんなのばかり。2月になると天気は安定するし、しばらく雪が降らなくてラッセル無しなんて日もある。今年は年始に先生、カタヤさん、僕で白山初詣に行ってきたが岩さんは都合が合わずに参戦できず。岩さんの毎月白山がここで途切れてしまうのか。先生やカタヤさんに「ガン、男なら単独で行くしかないべ」とハッパをかけられていた。今年は雪の量もハンパないので単独は本当に大変だ。なので天気と週末が合えば僕がお伴して手伝うと決めていた。岩さんには色々とお世話になっている。遠征中の月山でシールを吹っ飛ばしてしまった僕のために金沢からシールを買ってきてくれたり、豪雪でスタックした僕のクルマを引っ張り出してくれたり、いっつも山でおやつくれるからね。そんなわけで1月最終日、天気は良さそうだ。金土にどっさり積もっているかもしれないがやるしかない。この脚が動かなくなるまで思う存分雪を蹴散らす。岩さんにピークに立ってもらおう。
深夜0時に風嵐ゲートを出た。トレースはあるはずもない。ずぶりと沈む重量級ラッセルだ。見た目の深さは無いがじわじわ脚にくる。雪はごんごん降っているがインナーシャツ一枚でガンガン飛ばす。シャツが雪で濡れても発熱ですぐ乾く。百万貫、変電所、オアシススノーシェッド、市ノ瀬、長い長い別当出合への登り。眠いし雪は止まないしほんとキツい。たっぷり6時間20分かかって別当出合到着。雪が多すぎて休憩舎には入れず。軒下で一休みしたら一本橋を渡ってようやく登山。一本橋の雪は先週の雨ですっかり溶けて今日はブーツで渡れるイージーモードだった。山は雪が多くてどこでも歩ける。ようやく明るくなってきて視界良好。しかし雪は深さを増す。まだまだラッセルさせてくれる。甚之助小屋は全部埋まっていてどこにあるのかわからなかった。いつものモンスター尾根にトラバースして一番高いところを登ってエコーラインへ。このあたりでようやく青空が出てきた。振り返れば別山の頭が見える。そして目の前のガスがぶわーっと晴れて御前峰どーん。素晴らしい。岩さんを手伝うという動機もあるが僕も白山に来たかった。やはり冬の白山は何度見ても良い。なんという空の青さと、山の白さよ。山頂は雪煙が荒れ狂うように舞っている。上の方は風が強そうだ。厚着をしたらピークを目指す。弥陀ヶ原は向かい風で顔がめちゃ冷たかった。これは凍傷になるんじゃないかと思ったが大丈夫だった。ツラの皮は厚い。
ゲートを出てから11時間半でピークに着いた。遠いわ。年始もそのくらいかかった。ゲートからフルでラッセルすればこんなもんだろう。岩さんは初詣なので丹念にお参りしていた。今日も砂糖水しか持ってこなかった僕を見かねて大福やチーカマを分けてもらった。あざーっす。うめえ。シールを剥がしたら寒いから早く降りよう。頂上直下はバリバリだがエッジがしっかり効くのでそこそこ楽しかった。弥陀ヶ原は追い風に乗ってびゅーんと。エコーラインから別山を眺めながら尾根のパウダーを頂く。ここは最高だった。いつまでも別山を見ていたいがそうもいかない。モンスターに癒されながら滑っていると後続の髭男爵さんが見えた。うおおお今日は誰も登ってこないと思ってたよ。よく会いますね。というかこの降雪直後に一人で白山に来るなんてすげー。帰りは暗くなるだろうがヘッデン覚悟とのこと。なんてモチベーションだ。
森の雪は日差しが当たって重たくなり始めていた。癒しのブナ林をしゅるしゅる降りて一本橋を渡ったら帰りは18kmの林道。斜度は無いので帰りも歩く。歩けど歩けど着かないが歩かないと着かない。楽々より白峰ピストンの方が楽だと思っていたがとんでもない。久々の白峰ピストンはキツかった。もう真冬の白峰ピストンはノーセンキューです。ずっと景色が変わる楽々の方が気持ちが楽。
往復16時間半の戦いだった。脚だるー。岩さん毎月白山途切れなくてよかったね。おつかれさまでした。今日は良い写真がたくさん撮れて嬉しい。特に別山に向かって飛び込んでいく写真はよく撮れている。これ印刷して部屋に飾りたいな。
ラッセル隊に引き離されていくあの絶望感😅
結局エコーラインで敗退いたしました…
ありがとうございました🙏
あ、無事に下山したんですね。
お疲れさまでした。
あのコンディションで単独で白山に行こうというモチベーション、見習うべきところがあります。
また放っておいても会うと思いますがよろしくお願いします。
動画&レコ楽しみにしてます。
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