飯豊連峰 川入〜本山〜大日岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 34.3km
- 登り
- 2,790m
- 下り
- 2,774m
コースタイム
05:00 御沢野営場
07:30 剣ヶ峰
08:45 三国小屋
10:30 切合小屋
13:50 本山小屋
14:15 飯豊山(本山)
15:50 御西小屋
【5月18日】
06:00 御西小屋
07:30 大日岳
09:10 御西小屋
11:00 御西小屋出発
12:00 本山小屋(本山は通らずショートカット)
13:20 切合小屋
15:00 三国小屋
16:00 剣ヶ峰最低コル
17:50 御沢野営場
天候 | 17日:快晴 やや風強い 18日:快晴 ほぼ無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
川入集落から御沢までは、去年訪れた時は砂利の林道でしたが、 今回は舗装されており、例年以上にアクセスが楽でした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
○御沢野営場〜剣ヶ峰 上十五里までは全域夏道。 上十五里から上に行くにつれて、次第に雪が目立ち始めました。 特に危険箇所はありませんが、雪が緩んだ時間帯は踏み抜きが多いです。 ○剣ヶ峰 岩稜上には、まだ部分的に雪が残っています。 大部分の雪は落ちていますが、護摩壇(岩場終点の尖った岩)の通過が厄介。 無雪期であれば護摩壇の右側を巻いて通過しますが、そちらには雪が堆積しており通行できず。 現時点では、護摩壇の斜面を直登するしかルートはありません。 護摩壇直登は、通常の剣ヶ峰ルートよりも難しい岩登りになるので、ある程度の岩登り技術が必要になります。 傾斜は付いてるのでフリーでも登下降は出来ますが、雨で岩が濡れている時の下りは極めて危険。 雨天時はザイルでの懸垂下降を薦めます。 ○三国小屋〜種蒔山 今回の登山で、最も危険に感じた区間。 今年は雪が多く、稜線上にはまだ豊富に雪が残っています。 雪面には至るところにクラックが走っており、崩れやすい状態。 稜線東側は切れ落ちた断崖なので、そちらには足を踏み入れないように。 出来るだけ夏道通りに進むのが良いですが、雪で隠れており場所によっては夏道上も危ない。 危なすぎるようだったら、藪はもう出ているので、その中を通過した方が無難です。 (かなり手強い藪ですが…) 尚、18日に福島県沖で地震があった際、ちょうどこの区間を通過していましたが、 地震直後、足場周辺の雪が盛大に崩れ、別の場所でも谷筋で雪崩が頻発する等、 かなり恐ろしい状況になりました^^; だいぶ雪は落ちましたが、まだ危険な雪は残ってます。 剣ヶ峰とこの区間は、もう少し融雪が進んでから利用した方が良いかもしれません。 その他、留意点としては、 ハシゴ場と種蒔山の手前、の2ヶ所が雪壁状の急登になっているので、アイゼンとピッケルが必要。 また、いくつか稜線を大きく巻いて通過する箇所がありますが、巻くのは全て西側から。 一見、東を巻いて通過出来そうな場所もありますが、東側の雪面大部分は雪庇なので、そちらを巻いてはいけません。 ○種蒔山〜飯豊山(本山) 草履塚以降は、ほぼ夏道が出ており危険な箇所はありませんでした。 ○本山〜御西小屋 再び雪道になりますが、なだらかな広尾根なので特に危険箇所無し。 ○大日岳 山頂直下は雪付きの急登。 朝方は雪が硬くクラストしていたので、10本爪以上のアイゼンとピッケルが必要でした。 (クラストしてなくてもアイゼン、ピッケルは必要かと。) ○水場 今回通ったルート上の水場は全て水が出ておらず、利用出来ませんでした。 山中泊の際は雪を溶かして調達。 ○山小屋 三国小屋:問題なし、1階から出入り可能、トイレはたぶん利用可能 切合小屋:問題なし、2階から出入り、トイレ利用可能 本山小屋:問題なし、2階から出入り、トイレ利用可能 御西小屋:問題なし、1階から出入り可能、トイレ利用可能 宿泊料金2000円、料金箱へ |
写真
感想
晴天になりそうな金曜に有給が取れたので、飯豊連峰へ登り始めに行ってきた。
3連休となったので飯豊山荘までの縦走も可能に思えたが・・・
3日目の日曜日は天候が崩れそう、且つ車の回収困難なので、1泊2日で川入コースの往復にした。
残雪期に入り、様々な山へ登ったが、どの山も雪が例年以上に多かった。
飯豊連峰も例外では無く、去年の同時期に訪れた時よりも明らかに積雪量が多い。
その為、難所化している箇所も多く、剣ヶ峰の護摩壇通過と、三国岳〜種蒔山間の不安定な雪には苦労させられた。
特に危険だったのが、三国岳〜種蒔山。
17日時点では雪は比較的安定していたが、翌日の18日は朝から気温が高く、下山で通過する頃には至る所に亀裂が見られ、いつ足場が崩れてもおかしくないような状態だった。
更に悪い事に、ここを通過している最中に地震が発生し、自分が立っていた足場が大きく崩壊。
1m程落下した。
幸い、尻もちを付いて苦笑い、程度で済んだが、自分が立っていた場所以外にもあちこちで雪面が同時に崩壊し、
遠方の谷筋では雪崩が立て続けに起こる等、残雪期の地震の怖さを思い知らされる。
福島県沖の地震であり、飯豊周辺の震度は2、と微弱なものであったらしいが、
それでも残雪期の緩んだ斜面には十分な影響を与えるようだ。
その後、三国岳を通過し、剣ヶ峰の岩稜を下降している間も数回雪崩の音が聞こえていた。
これよりももっと大きな震度の地震が起こっていたらどうなっていた事やら…
そう考えると恐ろしい。
思わぬアクシデントに見舞われたが、この2日間、天候には恵まれた。
稜線上でガスに巻かれる事は1度も無く、真っ白な飯豊の稜線美を充分に堪能出来た。
前回登山で訪れた北アルプスの夕日も素晴らしかったが、飯豊の夕日もまた、それとは違った良さがある。
北アルプスの山は、どこか日本離れした海外の高峰を思わせるのだが、飯豊の山は、純和風。
いかにも日本の山だなぁ、と思わせられる。
特に大日岳の眺めが素晴らしく、今年は雪が多い為、その美しさが一層際立つ。
個人的には、積雪期の飯豊の主役は本山では無く、大日岳だと思っている。
その大日岳を間近で眺めたかったので、今回の宿泊地は、本山小屋では無く、御西小屋を選んだ。
御西小屋の2階の窓からは大日岳が見え、小屋の中に居ながらでもその山容を眺める事が出来る。
また、改築されてまだ新しい小屋なので、本山小屋よりも保温性が良いように感じられる。
テント泊だったら本山小屋を選ぶが、小屋泊まりだったら私は迷わず御西小屋を選ぶだろう。
残念なのは、朝日が良く見えない点であるが、夕日の眺めは素晴らしい。
日没の時刻は18時40分頃、とだいぶ日も長くなっていたので、小屋に到着後に夕食を済ませ、後はのんびり夕日鑑賞。
夕映えする飯豊の山々を眺めていると、次は飯豊の何処を歩こうか、と妄想が膨らむ。
この日、本山小屋に寄った際、大日杉小屋から登ってきた一人のスキーヤーに会った。
話を聞くと、もうすでに大日杉小屋まで除雪が済んでいるらしく、そちらの登山コースも良さそうだ。
他にも、石転び雪渓や梶川尾根に、丸森尾根。
宝珠山の雪の状況がかなり厳しそうであるが、ダイグラ尾根。
それと、今回、寄り道をして少しだけクサイグラ尾根方面へ歩いてみたのだが、
藪が雪ですっかり覆われており歩き易い状態で、今の時期であれば魅力的な尾根に思えた。
(下部は薮だらけかもしれないけど・・・)
歩きたいルートが幾らでも出てくる。
これからしばらく、飯豊通いは続きそうである。
会津駒の稜線から 雲の上に浮き出た飯豊をみました。
自分にとって残雪期の飯豊は行ってみたい山の一つですが、レコを拝見すると難易度の高いところもあるようですね。
また、本格的に行く計画をするときにアドバイスしてください。
とりあえず雪のない時期に一度ゆっくり歩いてみたいと思います。
地震もありたいへんでしたね。安全に戻られなによりでした。
Luskeさんへ
こんにちは。
飯豊の山は純和風。同感です
今日は支払日でてんてこ舞い。
やっと遅めの休憩を取ることができ
Luskeさんの大日岳レコをおかずにお昼ご飯を食べました
たくさんの絶景、ご馳走様です
ただでさえ大変な道が地震で更に危険になりましたね。
ご無事での下山、本当に良かったです。
大日岳、綺麗に見えましたね。
羨ましいです
大変な思いをして一歩一歩登ったから見ることが出来た景色ですよね。お疲れ様でした。
いつも素晴らしいレコをありがとうございます。
飯豊レコ第2弾、楽しみにしています
地震による足場の崩壊、怖かったですね。
レコを読んでいるこっちもビックリです。
さらに危険な場所にいなくて良かったです。
やはり登山は危険と隣り合わせなんだと
再認識しました。
夕日観賞、パソコンの前でさせてもらいました。
遠く海まで見渡せるとは!
かなり視界と日頃の行いがよかったようですね
つぎはどのルートでしょうか?
名前でいくとクサイグラが気になります
今回は視界が良く、飯豊からも会津駒が見えました。
その周辺には尾瀬の山々もありますので、どれが会津駒ケ岳かは特定できませんでしたが、とにかく綺麗でした
今回は雪が多かった為、例年に比べて難しい状態でした。
この時期、融雪は一気に進みますので
今週末位にはもっと楽に歩けるようになっているかと思います。
そうですね、まずは雪の無い時期に歩いてみるのが良いかと思います^^b
今回歩いた川入コースの場合、雪が残っていると三国岳〜種蒔山間のルートファインディングが難しいです。
基本的には夏道通りなので、どの辺で稜線を巻くか、等を夏道を歩いて覚えておくと役立つと思います。
アドバイス出来る程、飯豊の事を熟知しているわけではありませんが、
何かあればお気軽にどうぞ。
知っている範囲でお答えします
今日は忙しかったようですね。
16時に御昼ですか
御苦労さまです><
貴重なお食事時間中に御覧頂き、ありがとうございます。
少しでも食の足しになれば嬉しく思います
(熊の○○の写真を撮影してきたのですが、UPしなくて良かった・・・)
今回は例年以上にコースの状態が厳しかったのですが、その苦労が報われるような晴天続き。
色んな表情の大日岳を眺める事が出来て大満足です
さすがに地震の後は早く下山したくなりましたが、充実した二日間でした。
しばらくは飯豊のレコが続くと思いますが、また御覧頂ければ幸いです
地震はさすがに予測できないので、怖いです
今回は尾根を辿るルートでしたので、雪崩に巻き込まれるような箇所はありませんでしたが、
もし、谷を通るようなルートを選んでいたら危なかったかもしれません。
今の飯豊は、まだ雪量豊富で十分雪崩が有り得ます。
また大きな地震が起こるかもしれませんので、気をつけないといけませんね。
クサイグラ、名前が気になりますよね(笑)
名前の由来が気になるところです。
そういえば、クサイグラ尾根は熊の生息率が高い、とか聞いたことがあります。
まさか、熊のフンだらけでクサイから・・・なんて理由じゃない、よな。。。
地震は、大変でしたね。雪がついてる時期は、特にですねぇ。
しかし、飯豊はイイデ!MAXです!
行きたい、行きたい、出来れば6月中に。できれば全山縦走で(エブリ差は無理か)。
5年ほど前、同時期に、川入から入り梶川尾根で下りたことがあって、日数足らずで、大日岳も行けなかったし、、、。
行くなら、うるさい奥もに今回はになるので、車、、、。
回収が一番の難問かもしれませんね。
飯豊はイイデすよ!
ぜひ、奥様と御一緒においで下さい
6月ともなれば、雪山色は薄れますが、登山道の危険な雪は無くなり花咲き始め、快適な登山を楽しめる事でしょう。
梅雨のタイミングが気になりますが、できれば縦走したい時期ですね。
エブリ差までの全山縦走、私もやってみたいと毎年思っているのですが、
未だに未達成です^^;
やはり、車の回収が一番の問題ですね・・・
金曜日は誰もが羨む好天でしたよね。
夕日は金曜の方がよかったみたいですね。
土曜日は雲が出てきて、水平線に沈む瞬間が見られませんでした。
Luskeさんに僕の呼びかけが届いていた?
僕も今回の山行で何度か雪崩の場面を目撃しましたが、1m程の滑落で済んで何よりでしたね。
今次期、山で地震が起きると想定外の事態に発展しかねませんね。
ダイグラ尾根は今回の山行で僕も西側からよく見ていました。
ノコギリのようにギザギザで飯豊の中でも最も目立ってますよね。
クサイグラ尾根も歩いてみたいのですが、昨年の飯豊山行でお会いしたKさんが、かなりの藪漕ぎを強いられ、大変だったと言っていたのを覚えていて躊躇している所です。
4月中かもっと早い時期であれば楽だろうとは仰っておりましたが‥
今年はもう一度くらい飯豊に行ってみたいかなと考えています。
稜線でお会い出来るのを楽しみにしております
金曜日は残雪期の登山としては理想的な一日でした。
快晴にも拘らず、気温はあまり上がらず、風もやや強かったので雪が緩まず歩きやすかったです。
しかし、土曜は気温がかなり上がったので、雪はグダグダ。
雪稜が崩れやすい状態だったので、気を使いました。
地震の時は、tooleさんは問題なかったですか?
こちらはなかなかスリリングな状況になりました
クサイグラ尾根、今迷っているところです。
上から眺めた限りでは、あまり藪は見られませんでしたが・・・
下はやはり藪だらけですよね^^;
でも、一度は歩いてみたい尾根。
撤退覚悟で突入してみようかな、と考えております。
今回は残念ながらニアミスでしたが、いつか飯豊の稜線でお会いする事もあるかと思います。
こちらも、お会いする日を楽しみにしてますよ!
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