遠征一日目:甲武信ヶ岳(千曲川の水源と緑の回廊を巡る)
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 1,487m
- 下り
- 1,482m
コースタイム
〜甲武信小屋往復〜甲武信ヶ岳:昼食(9:15/9:40)〜三宝山〜尻岩(10:50/10:55)〜武信白岩山(11:25/11:40)〜
大山(12:20/12:40)〜十文字小屋(13:10/13:30)〜毛木平(14:40)
自宅〜長坂IC〜毛木平 約4時間半
天候 | 曇り(にわか雨) 午後より回復 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
早朝4時の時点で数台の空スペースしか有りませんでした。 |
写真
感想
寝不足の身体を充分にほぐして、立派な駐車場から白樺の林へ伸びる林道へ向かう。
キャンプ場のような道をしばらく行くと山の神として祭られる「大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)」の鳥居が現れ、
林道も山道らしくなる。
やがて左から大きな沢音が聞こえ西沢の左岸に出る。
慰霊碑を過ぎ、しばらく山腹を高捲きした後再び左岸に下りると、水量も豊富な西沢の渓流が続く。
木立ちの中から垣間見る空に青さは無く、朝靄がなかなか晴れない。
晴れの予報は外れたのかな?
流れに懸る小滝を過ぎると、目の前には一枚岩を滑るような滝が現れる。「ナメ滝」だ。
ほぼ中間辺りになるので一息入れよう。
濃い緑に囲まれた苔の台地は日本庭園のようだ。
「千曲川源流遊歩道」のプレートを見ながら、ゆるやかな道を丸木橋で初めて右岸へ移ると沢は源流部の様相になる。
カラマツ、ダケカンバ、ナナカマド等の間を縫って右岸を進む。
この辺りは秋の紅葉も素晴らしいだろうな。
浅くなった沢を数回渡り返すと、段々流れが心細くなってきて水源近しを思わせる。忘れずに水を確保していこう。
朝靄は晴れるどころかガスは濃くなって来るようだ。
美味しい水で喉を潤し、一息登ると林に囲まれた左岸の台地に出る。ここに千曲川・信濃川水源地標が立っている。
早速谷底へ降りて、千曲川・信濃川となって日本海へそそぐ大河の最初の一滴を見てこよう。
小石に腰を降ろして行動食で小腹を満たし、最後の登りに備える。
目の前から始まる山腹の急登もすぐに尽きて県境稜線に出る。
右へ明日の目的地・国師ヶ岳、左へ目指す甲武信ヶ岳の分岐だ。
石楠花の多い尾根の樹林が突然開け、急な岩稜を一息上がるとそこが甲武信ヶ岳山頂だ。
白いガスが展望を遮って何も見えない。 小休止したら、懐かしの甲武信小屋へ寄ってこよう。
腰を上げたら突然ガスが晴れた。早速山頂の一枚をお願いしてカメラに収まる。
幸運にも青空を背にした写真が撮れた、つかの間再び濃いガスに包まれてしまった。
露岩の山頂を下り小屋に着く。懐かしい! 小屋の看板は当時と変わっていない。
小屋前のテラスは目新しかったが、他は当時と変わっていない様に感じた。
そしてこの後も、当時と同じコースで十文字峠へ下ろう。
登り返した甲武信の山頂で昼食を摂った後、北の斜面を下る。
途中で縦走路を外れ山宝岩に立ち寄る。濃いガスの中に現われた岩塊は幽玄な雰囲気を感じさせる。
(昔は縦走路から直接眺められたと思うが?)
縦走路に戻り三宝山に着くと、ここも石楠花に溢れているが、どれも蕾は堅そうで、開花の気配がまるで無い。
一等三角点の建つ展望の無い平凡なピークだが標高は甲武信よりも高いので、ここが埼玉県の最高点になるのかな。
原生林の濃い緑と苔に覆われた尾根は「秩父山地緑の回廊」と呼ばれるらしい。
これも奥秩父の一つの魅力だ。
大岩の集まる鞍部「尻岩」から岩の尾根を過ぎ、石楠花のトンネルをくぐるとピーク直下の台地に出る。
武信白岩山だと思い観察すると、かすかに踏み跡がピークに向かっている。
うるさい程の石楠花をくぐってピークに出て、足元を伺うと古ぼけたプレートを見つける。
眼を凝らすと何とか「武信白岩」と読める。
再び小ピークに出ると目に前には岩の尖峰が聳える。コルから岩を踏んで武信白岩山北峰の直下を捲いて
(危険な為か頂上へ攀じる事は禁止のようだ。)コルへ下ると、やっとアズマシャクナゲの花が現れる。
次々現れるアズマシャクナゲを見ながら登り返すと尾根のコブ、大山となる。
山頂を飾る石楠花に囲まれ一息ついていると、とうとう雨が落ちてきた。
あわてて雨具を着こみ、梯子や鎖で石楠花の混じる岩場を慎重に下る。
やがて原生林に囲まれた穏やかな尾根を左に折れ、一気に下ると満開のアズマシャクナゲに囲まれた十文字小屋に出る。
流石に小屋前には石楠花見物の人が溢れている。
幸い天気も回復してきたので、人気を避けてゆっくり花を眺めながら小休止。
雨具を脱いで薄着になって十文字峠から、十文字山の枝尾根を乗越して、長い八丁坂の急降下を終え、
ゆるやかな千曲川枝谷に沿った道になり、立派な橋で本流を渡ると毛木平もすぐそこだ。
豊かな森林、渓流、険しい岩稜、2500mを越える標高、谷から尾根を巡るコースで、奥秩父の溢れる魅力を感じながら、
昔辿った感慨も含め満ち足りた山行を象徴するように、毛木平の上空には青空が広がっていた。
千曲川・信濃川水源地から甲武信ヶ岳まで奥秩父を堪能されましたね。
天気も頂上で晴れでよかったじゃないですか。
アズマシャクナゲにも間に合ったみたいですし、これまたよかったですね。
そう言えば、以前TV番組で甲武信ヶ岳特集があり、荒川の水源地も甲武信にあると放送されたような記憶があるのですが・・・
次回は金峰山編ですね。楽しみにしています。
僕が見れなかった、幻の風景を
見せていただき、ありがとうございます。
十文字小屋周辺のシャクナゲは
見事ですね。未練たっぷりです。
緑の回廊、秋の紅葉時期に
期待がつのります。
sugi-chanさん、今晩は。
天気はあいにくでしたが、計画通り歩いて来ました。
深い原生林に囲まれた緑溢れる楽しい周回コースで、
アズマシャクナゲも充分見られたし、はるか昔の記憶も蘇り、感慨深い山行になりました。
名前が示すように甲武信の三県にまたがる山頂に降った雨は、信濃川に至り日本海、更に荒川で東京湾に、そして笛吹川、富士川と流れて太平洋にそそぐ。
他にも標高の高い山が有るのに、百名山に挙がるのはこんな理由も有るのでしょうね。
これからもいろんな興味を持って山へ出かけたいと思います。
komakiさん、今晩は。
甲武信からの展望は残念でしたが、渓流と緑の森林に囲まれて楽しんできました。
豊かな森林は、きっと紅葉の時期も楽しませてくれると
感じました。
奥秩父の魅力の一面を、充分に感じ取れた山行でした。
今度はkomakiさんのレコをお待ちします。
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