毛無山雨ヶ岳縦走


- GPS
- 07:46
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 1,538m
- 下り
- 1,465m
コースタイム
08:40 地蔵峠
10:00 毛無山頂(休憩30分)
11:20 (恐らくここが)高デッキ
11:50 雨ヶ岳山頂
13:00 端足峠
13:20 東海自然歩道分岐
13:35 A沢貯水池
13:45 根原浅間神社(ここから国道を自転車で麓駐車場まで戻る)
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年11月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
麓から地蔵峠までの道、案内少なめ 辺りを見回して踏み跡を確認すれば迷うことはない 沢近辺の広場に出たら要注意 毛無山頂付近に積雪あり 当日はアイゼン持参するも必要なし 今後踏み固められて凍る可能性あり 雨ヶ岳から端足峠までの急坂は 溶けた霜柱、落ち葉、剥き出しの木の根の3点セットで大変滑りやすいため 下りは要注意 ※GPXファイルは途中電池切れのため、国道を自転車で帰るルートが途切れています |
写真
感想
秋も深くなったこの時期、日の出前の朝6時から歩き始めようという人が、いつも持ち歩いてたヘッドランプをなぜこのときに限って忘れますか。
5時に自宅を出発。登山口がある麓の駐車場へ行く前に、根原のゲートへ自転車を置きに行った。真っ暗な中で車のヘッドライトを頼りに、自転車を組み立ててゲートを通り抜けて作業小屋の脇に鍵をかけて止めてから、来た道を少し戻って駐車場へ向かった。山から下りてきたら、この道を自転車で帰ることになる。
6時になってなんとか足元が見えてきたので、出発することにした。500円を入れた封筒に車のナンバーを書いてポストに入れると、帰ってくる頃には領収書がワイパーに挟まれている仕組み(らしいが、前回に続き今回もそれはなかった)。
私が登山を始めるきっかけになったのがこの毛無山。4月に訪れたときは近道のルートを選び、ものすごい急登をペースもわからずがむしゃらに進んだ挙げ句、筋肉痛が一週間近くとれなくて難儀した。あのころに比べたら多少登り方も心得ているつもり。今回は地蔵峠を経由する道を辿ってみた。
しばらくは同じ沢の渡渉を繰り返す。時折現れる小滝の音が耳に心地よい道。沢を離れて登り始めたと思えばまた下ってさきほどの沢を越す、というような道に戸惑いつつも、探せばしっかりと見える踏み跡をゆっくり歩いた。沢近辺の広い場所には、岩に矢印が描いてある。枝にはビニールテープや布が巻いてあるので、多少わかりづらいが辺りを見回せば必ず目印は見つかる。
沢から離れるといよいよ本格的な登りが始まる。迂回ルートは、直登ルートに比べると勾配は多少緩やかだけれど、それでも1000メートルの標高を登るのだから、急登の続く道を覚悟しておいたほうがいい。地蔵峠の標高が1520メートルくらいなので、そこから山頂まではあと400メートルの登りになる。
風もなく快晴の天気のもと、気持ちよく前へ進めた。早々に脱いだ上着に加え手袋も外して、さらにうっすらと汗をかきながら登れば、時折見晴らしの良い場所へ出て、富士山から朝霧高原、果ては駿河湾の先に伊豆半島まで見渡せた。この景色がこの日ずっと端足峠まで続いた。
毛無山頂でおにぎりを食べお湯を沸かしていると、雨ヶ岳方面から登ってこられた男性と出会い、しばし歓談した。本栖から乗り始めて途中日の出を待ったというこの方は、もの凄い強風で身体が凍え、どうなることかと思ったと話していた。私が登ってきた方面とはえらい違いだ。山頂に雪が積もっていたのは想定内。一応念のためザックへ入れてきたアイゼンを使うまでもない程度の積雪だった。
30分ほど滞在して件の男性と別れを告げ、私は雨ヶ岳への縦走路へ入った。毛無山頂の案内板には「雨ヶ岳への縦走路は藪漕ぎのため、熟練者同行のこと」とある。しかし最近は年2回ほど地元山岳会有志の皆様による熊笹の刈り払いが行われているため、ルートは至って明瞭で苦労することはない。ほぼ緩やかな尾根道は広くて歩きやすく、景色も抜群だ。
尾根道筋に1921というピークがある。登山記録を散見するに、ここが「高デッキ」と言われているところだろう。ぽっこりと盛り上がったその箇所は木立の中で、尾根が北へ曲がる支点になっている。ちなみに何の標識も案内もないため、みんなこの辺りで「これが高デッキだろう」くらいの感触しか抱けない模様。
高デッキを下りた直後、2人連れと出会った。ご主人と思しき方から「山頂はあれですか?」と聞かれたので、毛無を目指していると思った私は「毛無はまだまだ先ですよ」と答えた。すると奥様と思しき方がきょとんとした顔で「いえ毛無ではなくて雨ヶ岳へ行きたいんです」とおっしゃった。こんどは私がきょとんとする番だった。地図を見せながら「私は今ここから雨ヶ岳へ向かっているんですよ」と示すと、お二人は顔を見合わせて「ああ、それじゃあさっきのが」と納得されたご様子。
おふたりは、本当なら毛無まで足を伸ばしたいが、この夏の帰り道に東海自然歩道を歩いたら思いの外時間がかかったのを後悔したようで、この日は高デッキまで行って引き返すとおっしゃっていた。お互い道中の無事を祈り合ってから、私は再び先へ進んだ。
雨ヶ岳へ到着して改めて見れば、やはり「ここが雨ヶ岳だ」という案内はない。広場といっても気が付かない程度のささやかなもので、ベンチなど腰を落とせるものは何もない。前回ここへ来たときは、藪の中を峠まで下って道に迷いかけた。そしてこの瞬間遂に、毛無山から雨ヶ岳、佛峠を経て中之倉を越え、精進湖パノラマ台、三方分山、女坂峠までを歩き繋げたことになる。
感慨もそこそこにして、先を急いだ。懸案していた端足峠までの急坂をこれから下らなければいけない。毛無山頂で会った人から強風の話を聞いていたので道の様子が気になっていたが、溶けた霜柱の上に枯れ葉が積もり、濡れた木の根が隠れているため、どこを踏んでも滑りやすかった。3回ほど大袈裟に転倒して、一度はストックが抜けず途中で曲がってしまった。そこからはストックに頼らず、周囲の木をしっかりと握ってゆっくり足を降ろしていったら、思いの外時間がかかった。
泥だらけになりながらも、なんとか端足峠まで下りてきた。ここからは先週歩いたばかりの道を再び歩く。前方に鈴の音が聞こえたので急げば追いつくかと思ったら、追いつくどころかその音はどんどん離れていった。私も結構なスピードを出しているというのに、前の方は一体何物か?と思っていたら、そのうち鈴の音が聞こえなくなった。幻聴を起こすほど疲弊していなかった。もしかしたら、獣が落とし物の鈴をくわえて歩いていたのか?
東海自然歩道をA沢貯水池まで歩いて、そこから国道へ至る分かれ道を進むと、別荘地を経て神社の参門へ行き当たる。明け方にそこへ留め置いた自転車に跨って国道を下っていると、毛無山頂で出会った彼とすれ違った。帰り道は長いのでバスを使ったほうがいいと助言しておいたが、ちょうどよいバスが来なかったんだろう。それでも元気で歩いていたから安心した。
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