戸蔦別岳〜幌尻岳 2000mの極楽トレック12時間
- GPS
- 31:30
- 距離
- 23.1km
- 登り
- 1,859m
- 下り
- 1,852m
コースタイム
翌日=コル330〜P1230
天候 | 11日 高曇り 12日 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
行動時間 23時間 合計登行 1900m 気温 朝10度 昼20度 山で会った人 3人 森林限界 1700m 水場 稜線に上がるとない 山の快適さ 条件に恵まれたらビッグルート(ここだけで東京から往復) お勧め度 ごっついけど 日帰り温泉 日高の温泉に期待薄 温泉の味 無味 コンビニ セイコーが朝5時から |
写真
感想
グレートサミッツ国内編NO69
戸蔦別岳〜幌尻岳 2000mの極楽トレック12時間
日高山脈に行ったことがない。いずれ行かないと、というか日高に行かなければ、北海道の山を登ったことにならない説もある。主稜線に辿り着けるのは夏だけ。日高のどこの山に登るんだ、やっぱり目印はビッグネームの幌尻岳なのだろう。
有名な山は、最近登山規制が多くなった。幌尻もそうだ。最短ルートではなんと往復バス代3500円とは、ちょっとボッタクリ。しかも完全予約制とは、いや〜だ。
だから遠回りしても、自力で入れるチロロ林道ルートにした。結果的に登頂まで12時間。下山まで23時間。日帰りできないのは予想していたが、予期せぬ野営(ビバーク)しても、怒られることもないだろう。
千歳でレンタカー借りて、日高町へ。北海道は複雑だ、日高という地名が飛び地で太平洋と山間部と二箇所ある。その山間部の方へ。夏に限って林道ゲートが開いているというわけで、最終地点まで明け方に行ったが、やはり雨。東京は梅雨明けしたのに、前線が北に停滞している。車が5台ほどあって、雨でも入山したか、有名な三重ナンバーのスポーツカーもあった。
出直して翌日。予報が外れて晴れ。梅雨前線を東北とか新潟に追いやった。どういう天気じゃ。
日高のホテルで2時半に起きたのだが、移動して、登山開始が5時で、ちょっと遅くなった。さて今日はどこまで登るか。とりあえず昼頃までに稜線に出て、その後は調子見て決めるしかない。
林道を1時間歩いて取水口。河原に下りて2時間。踏み跡がしっかりしていてOKだが、二股を起用に3回くらい分けて、上の方で飛び石渡渉が5回あった。沢は案外本気で狭くなって、両脇ゴルジュっぽく、こんなとこが登山道で本当にいいのと思うが、大きな滝に行き止まって、いよいよ登山道は斜面に入って急登に入った。
北海道はやっぱり涼しいのがいい。朝は10度。昼だって20度程度だ。本州の37度とか馬鹿げている。だから樹林でも涼しそうな顔して登れるのがいい。せめて昼までに稜線と思っていたが、樹林3時間で11時にヌカビラ1800mに出た。
おお、ようやく向こうが見える。向こうとは、幌尻岳とトッタベツ。ちょっと想像以上だぞ。北海道の南部脊梁が日高というのは、南アルプスである。セクシーな北カールの幌尻はさしずめ仙丈ケ岳。その横、急峻ピークのトッタベツは北岳になるか。これから私は、北岳〜仙丈ケ岳を模した稜線の、トッタベツ〜幌尻岳を晴天の2000mトレックを一人で満喫してしまうのだろうか。
さほど疲れていない。しかも北トッタへの稜線は湿地帯の穏やかな山稜で、昼寝でもしたくなる。ときどき日が差す高曇りで、こんな好条件はそうないだろう。いつ幌尻へ行くんですか?「今でしょ」。ここから4時間くらいでいけるのかなと、安易に思いつつ(実際6時間)。
北トッタまで1時間。さっきからずっと見えていた双耳峰はチロロの丸っこい穏やかな峰だったが、もう自分の位置が高くなった。
北トッタにでると、ピパロイよりも手前の無名峰のほうが標高も高いし、鋭い峰。
ちょっと休んで、トッタへ向かう。見るのは近くても実際には遠いというのはよくあることで、途中にJPが幌尻山荘下山道で別れて、また登り返しでようやくトッタへ。後で気が付くが、日高山脈主稜はトッタから向こうへ、エサトッタへと続くのだが、幌尻は主稜から外れる。目の前の幌尻もでかいなあ。300m下って登り返す。ターゲットタイムに遅れだして、もう開き直り。夜7時までの明るい時間に着けばいい。真夏の晴天のえげつない日暮れまでののんびり縦走。
そうだトッタの下りで、一人客人とすれ違うが、なんと地下足袋。しかも同じチロロから4時に出たという健脚。19時までに下山できますよねと、勝手にどうぞ。
トッタ〜幌尻に4つのカールがあるのだが、なんといっても七ツ沼カール。こんなところに降りて、沼で水泳、沼で幕営と衝動に駆られるが、ヒグマに食べられたいならどうぞ。残雪に意味ない横断の足跡とは、まさにヒグマなのだが、糞は数箇所で見かけたが本物には出会わなかった、どっかで見たいけれど。
ほかにトッタカール、東カール。こんなもん見ながら、6時間も稜線トレックができたなんて、なんだか感動ものだ。11時から6時間後の17時に、目的の幌尻。出発から12時かかった。
誰もいない静かな頂上で、シャトルバスツアーはとっくに下山してしまったか。向こうにカムエク。その向こうに同じような山は1839m峰ですか。右に糸納峰。これでイドンナップと読めといわれても無理だよね。おお北海道の脊梁の日高は、どこまでも穏やかだし、山深いし、下界は見えないし、南アの光岳みたいなとこですか。なんか泣けてきちゃう。
後ろ髪引かれる思いだけど30分も頂上に滞在した。このまま夜中になれと、いやそれは違う。さあ戻るか、どこまで?
日が相当西に傾いた。でも晴れているから安心する。至近距離の谷にガスが湧いてきて、ああ太平洋からのあったかい空気が日高で冷やされているのかなんて思いながら、下る。最近は登りも下りもタイムが同じなのだが、どうしてだ。
2時間で幌尻〜トッタの最低コルに出る。そこの湿地の平坦に、今日はここまでにする。19時半。半分暗くなった。まもなく夜だ。北海道の夏は白夜かと思ったら、そうでもなかった。でも夜が短い。
少しウトウトして2時半に目覚める。薄明かりで出発準備。夜は風がガサガサで、それが動物に思えてイヤだったが。
朝露でツェルトも荷物も濡れ。寒いから雨具の上下着て出る。食欲なし。でも昨日から水2Lとポカリ2L上げていたから心配なし、食い物足りている、缶ビール不足。
3時20分に出る。東が明るく夜明けが近くて、それまでにこのトッタの斜面登りきれるかと、老人に連投だったが体調はそれなりで安心した。1時間でトッタ頂上に出てそこで日の出が見えた。西風が強いが快晴。
上り返しで北トッタへ。さらにヌカビラへ。昨日歩いた逆コースなんだけど、イメージが違うなと思いながら。ここから谷へ急斜面下る。谷に出て、実は渓流足袋もって来たのだが、履き替える。日差しが真夏で暑くなって、穏やかな谷の流れにジャブジャブ入って、これこそ夏山。山靴でおっかなびっくり飛び石するのは、気疲れするよ。
やっぱり下りも長時間になって昨日合計で下りは11時間。二日で23時間。いいじゃないの、こういう登山もね。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
初めまして。
sptakaさんと同じルートを歩いたことがあります。
七つ沼にテント泊しました。
夕方羆を見ましたが、翌日幌尻に登頂して無事下山しました。
懐かしくてついコメントしてしまいました。
日高初めてでよかったです。翌日静内の林道で、初めて熊見ました。さっさと逃げて、カモシカよりも警戒心が強いかと、でもないか。
沢のアプローチから稜線へという、クラシックルートの再発見みたいなものでした。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する