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記録ID: 3311098
全員に公開
沢登り
北陸

【奥越】鍋又山&中高山(鍋又谷〜西ノ水谷〜中高谷 周遊)

2021年06月26日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
15.1km
登り
1,082m
下り
1,083m

コースタイム

日帰り
山行
12:20
休憩
0:30
合計
12:50
5:30
210
駐車地
9:00
9:30
100
鍋又山
11:10
11:10
230
西ノ水谷に下降
15:00
15:00
120
中高山
17:00
17:00
80
林道に出る
18:20
駐車地
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2021年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
笹生川沿いの福井県道230号線から蠅帽子川沿いの林道に入ってすぐの路肩に駐車。2〜3台停められるスペースがある。
コース状況/
危険箇所等
※ 積雪期に鍋又山を再訪しました!記録はこちら
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6444763.html

※鍋又山…屏風山の北西にある1200.6m三角点(三等・下髪)
※中高山…屏風山の西にある1100.6m三角点(三等・中高)
※この記録に出てくる西ノ水谷は,岐阜県側の岩ノ子谷の奥にある西ノ水谷とは別ですのでご注意を

【鍋又谷〜鍋又山】
・鍋又谷は中ノ水谷より一本下流側の笹生川支流で,鍋又山の北西に突き上げている谷。概ねおとなしい谷で,最大8mほどの滝がいくつか出てくるのみで,通過は容易。周囲は深い自然林に覆われており,雰囲気は良い。ただし,この谷は源頭部がかなり急峻で,詰めは岩盤が露出した草付き混じりのルンゼとなり半分岩登りのような状況になるため,適当なところで小尾根に逃げてしまったほうが良いかも(詰めでどの枝沢を選ぶかにもよると思いますが…)。
・鍋又谷を抜けてからは,稜線に乗るまではシャクナゲの濃い急斜面に苦しめられるが,稜線に乗ってしまうと藪は少しマシになり,獣道らしき踏み跡も走っているので意外に良いペースで進める。獣道は概ね稜線の西側に走っています。
・鍋又山は小さな切り開きがあり,三角点はすぐ見つかると思う。西方面の眺望が非常に良好で,堂々とした屏風山が望める。

【鍋又山〜西ノ水谷〜中高山】
・鍋又山からは同山の東側にある枝谷(笹目谷)から西ノ水谷に下降。笹目谷へは,鍋又山の山頂から少し北側に降りて傾斜が緩くなったところから下るとうまく下れる(山頂直下は岩壁が露出しているため,山頂からは直接下らないほうが良い)。源頭部は溝状のルンゼの中にナメ滝がいくつか出てくるが,クライムダウン可能。それ以降は大した滝に会うこともなく西ノ水谷に合流できる。
・西ノ水谷は概ね平流で容易に通過できる。立派なブナとミズナラ,トチノキの自然林に包まれており,特にトチノキの大木が多く,素晴らしい源流散歩が楽しめる。途中,1箇所だけ10mほどの立派な滝が出てくるが,容易に直登できる(高巻きも可能)。源頭部は小滝が連続するが,それほど苦労せず中高山の稜線に出られる。
・中高山周辺の稜線は,シャクナゲの藪が濃く,藪漕ぎがちょっと大変。獣道が稜線の西側に断続的に走っているので,極力それを辿ると少しマシ。
・中高山の山頂は,藪に囲まれ眺望はないものの,ヒノキの大木が何本も立っており壮観(遠目にもヒノキがにょきにょき立っていて目立つ)。三角点は山頂の最高点より少しだけ北側にある。

【中高山〜中高谷〜蠅帽子川沿いの林道】
・中高谷は蠅帽子川支流で,中高山の北西に突き上げている谷。源頭部はナメ滝が連続するが,ロープを出さずに巻き下りorクライムダウンで下れる。あとは数か所小滝が出てくるものの概ね穏やかで問題なく下れる。下流に林道が入っているので,それほど期待していなかったのだが,意外に自然林が美しく良い雰囲気の谷。
笹生川に掛かる小さな橋を渡り,蠅帽子川に続く林道に入ったところの路肩に車を止め,歩き出す。鍋又谷へは,地図にない林道が続いており,楽にアプローチできる。
笹生川に掛かる小さな橋を渡り,蠅帽子川に続く林道に入ったところの路肩に車を止め,歩き出す。鍋又谷へは,地図にない林道が続いており,楽にアプローチできる。
鍋又谷に入渓。地形図ではかなり等高線が詰まっており水線がうねっているため,険しい谷を想像していたが,思っていたより穏やかな谷だ。入り口から既に深い自然林に包まれており,気持ちがいい。
鍋又谷に入渓。地形図ではかなり等高線が詰まっており水線がうねっているため,険しい谷を想像していたが,思っていたより穏やかな谷だ。入り口から既に深い自然林に包まれており,気持ちがいい。
穏やかな谷だが,出てくる滝は美しい。
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穏やかな谷だが,出てくる滝は美しい。
5mほどのきれいな斜滝。右岸から楽に巻ける。
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5mほどのきれいな斜滝。右岸から楽に巻ける。
600m二俣は,両方ともナメ滝になって出合っている。右俣のナメ滝のほうが立派なので右に進みたくなるが,ここは左を取る。
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600m二俣は,両方ともナメ滝になって出合っている。右俣のナメ滝のほうが立派なので右に進みたくなるが,ここは左を取る。
穏やかにもかかわらず沢床には岩盤が発達しており,きれいなナメ滝が多い。
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穏やかにもかかわらず沢床には岩盤が発達しており,きれいなナメ滝が多い。
ちょっとゴルジュ状になって,3mほどの2連滝。
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ちょっとゴルジュ状になって,3mほどの2連滝。
下段は右手をへつり抜けた後,上段は左手をへつる。
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下段は右手をへつり抜けた後,上段は左手をへつる。
気楽な散歩が続く。もっと険しい谷を想像していたのだが,周囲の森もきれいだし,これはこれで楽しい。
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気楽な散歩が続く。もっと険しい谷を想像していたのだが,周囲の森もきれいだし,これはこれで楽しい。
源頭に入ると,小滝が連続し始める。
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源頭に入ると,小滝が連続し始める。
どれも手掛かりが豊富で,楽しく直登できる。
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どれも手掛かりが豊富で,楽しく直登できる。
これは8mほどの滝。右岸を巻くことができる。
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これは8mほどの滝。右岸を巻くことができる。
深い緑の中,小滝が続く。
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深い緑の中,小滝が続く。
ブナとミズナラの立派な森が続く。この谷に入ってから,一度も植林らしき形跡は見ていない。笹生川ダムができる前は,結構人里に近い谷だったはずなので,意外な思いだ。
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ブナとミズナラの立派な森が続く。この谷に入ってから,一度も植林らしき形跡は見ていない。笹生川ダムができる前は,結構人里に近い谷だったはずなので,意外な思いだ。
750m二俣で鍋又山の北側の鞍部に続く左俣に入ると,水は少なくなるが,谷はさらに岩っぽくなる。入り口のこの滝は直登。
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750m二俣で鍋又山の北側の鞍部に続く左俣に入ると,水は少なくなるが,谷はさらに岩っぽくなる。入り口のこの滝は直登。
その後もナメ状の滝が途切れることなく続く。全部直登できるが,滑りやすく気を遣う。
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その後もナメ状の滝が途切れることなく続く。全部直登できるが,滑りやすく気を遣う。
水が切れ,源頭の様相。
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水が切れ,源頭の様相。
と,谷の両側の斜面にニッコウキスゲの群落が。
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と,谷の両側の斜面にニッコウキスゲの群落が。
こんなところで会えるなんて。
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こんなところで会えるなんて。
ニッコウキスゲに誘い込まれるように沢を詰めるうち,どうやら鞍部に直接出る沢の一本南側の沢筋に入ってしまったらしい。次第に沢は急峻になって,気が付けば草付きの中に岩をむき出しにしたルンゼのようになってしまった。滑り出したら止まらないような急斜面を,慎重に登っていく。
ニッコウキスゲに誘い込まれるように沢を詰めるうち,どうやら鞍部に直接出る沢の一本南側の沢筋に入ってしまったらしい。次第に沢は急峻になって,気が付けば草付きの中に岩をむき出しにしたルンゼのようになってしまった。滑り出したら止まらないような急斜面を,慎重に登っていく。
ルンゼはどんどん斜度を増していくため,たまらず右手の小尾根に乗り移る。しかしこの小尾根もかなり急で,灌木の幹を足場にして慎重に這い上がっていく。
ルンゼはどんどん斜度を増していくため,たまらず右手の小尾根に乗り移る。しかしこの小尾根もかなり急で,灌木の幹を足場にして慎重に這い上がっていく。
やがてシャクナゲの藪に突入。やはりこうなったか…。
やがてシャクナゲの藪に突入。やはりこうなったか…。
と,ヒノキの巨木に遭遇。この辺りの稜線は,天然ヒノキの巨木が多い。
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と,ヒノキの巨木に遭遇。この辺りの稜線は,天然ヒノキの巨木が多い。
根っこをくぐれそう。
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根っこをくぐれそう。
しかし,容赦ないシャクナゲの急斜面が続く。稜線はまだか…。
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しかし,容赦ないシャクナゲの急斜面が続く。稜線はまだか…。
シャクナゲの藪を突き抜けて,やっと稜線に出ると,目の前には見事なトンガリ山が。鍋又山だ!
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シャクナゲの藪を突き抜けて,やっと稜線に出ると,目の前には見事なトンガリ山が。鍋又山だ!
稜線の向こう側には,両肩をいからせたような屏風山が堂々とそびえている。今年2月に登ったときの美しい雪稜が嘘のような,深々とした緑だ。
稜線の向こう側には,両肩をいからせたような屏風山が堂々とそびえている。今年2月に登ったときの美しい雪稜が嘘のような,深々とした緑だ。
眼下は鍋又山に登った後に下る予定の西ノ水谷,そしてその奥は中ノ水谷,東ノ水谷の広大な流域。
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眼下は鍋又山に登った後に下る予定の西ノ水谷,そしてその奥は中ノ水谷,東ノ水谷の広大な流域。
左手はP1187mに続く稜線。西ノ水谷側の斜面は屏風のように切り立っており,目を見張る。
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左手はP1187mに続く稜線。西ノ水谷側の斜面は屏風のように切り立っており,目を見張る。
鍋又山への稜線上は深い藪を予想していたが,なんと意外にも藪はそれほどでもなく,しかも薄い獣道まで走っていて,予想以上に歩きやすい。これは助かった。
鍋又山への稜線上は深い藪を予想していたが,なんと意外にも藪はそれほどでもなく,しかも薄い獣道まで走っていて,予想以上に歩きやすい。これは助かった。
散り残ったシャクナゲの花。
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散り残ったシャクナゲの花。
鍋又山の鋭鋒が次第に近づいてくる。トンガってるねぇ。やっぱり目立つ山だ。
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鍋又山の鋭鋒が次第に近づいてくる。トンガってるねぇ。やっぱり目立つ山だ。
山腹にはかなりの規模の岩壁が露出している。この岩体が鍋又山のピラミダルな山容の形成に一役買っているのだろう。
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山腹にはかなりの規模の岩壁が露出している。この岩体が鍋又山のピラミダルな山容の形成に一役買っているのだろう。
鍋又山への急な斜面を登り切ると,山頂一帯は濃い藪。おそらく,獣道は山腹のどこかを巻いているのだろう。
鍋又山への急な斜面を登り切ると,山頂一帯は濃い藪。おそらく,獣道は山腹のどこかを巻いているのだろう。
トンガリの頂点を目指して登っていくと,小さな切り開きに飛び出し,その真ん中に三角点を発見。鍋又山に到着。
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トンガリの頂点を目指して登っていくと,小さな切り開きに飛び出し,その真ん中に三角点を発見。鍋又山に到着。
三等・下髪。
山頂にはプレートはないが,このテープだけ下がってました。
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山頂にはプレートはないが,このテープだけ下がってました。
切り立った山なので,空中に浮かんだかのような大展望。特に西側の眺めが良い。堂々たる屏風山。
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切り立った山なので,空中に浮かんだかのような大展望。特に西側の眺めが良い。堂々たる屏風山。
中ノ水谷と東ノ水谷の奥深い谷々。
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中ノ水谷と東ノ水谷の奥深い谷々。
鞍部から歩いてきた稜線と,P1187m。さらにその向こうに見えている山は,御伊勢山。
鞍部から歩いてきた稜線と,P1187m。さらにその向こうに見えている山は,御伊勢山。
鞍部のあたりの東側斜面にかなりの岩壁が露出している。夜叉壁みたいな眺めだ。
鞍部のあたりの東側斜面にかなりの岩壁が露出している。夜叉壁みたいな眺めだ。
そしてその下には,これから下る西ノ水谷の枝谷・笹目谷が深く落ち込んでいる。さっきの岩壁を見せられてしまうと,無事にこの谷に下れるか不安になる…。
そしてその下には,これから下る西ノ水谷の枝谷・笹目谷が深く落ち込んでいる。さっきの岩壁を見せられてしまうと,無事にこの谷に下れるか不安になる…。
ちなみにこれは,中高山へと続く南西方向の稜線の様子。シャクナゲ・ツツジの藪に覆われており,その上に天然ヒノキがぽこぽこ立ち並んでいる。藪は濃そうだ。
ちなみにこれは,中高山へと続く南西方向の稜線の様子。シャクナゲ・ツツジの藪に覆われており,その上に天然ヒノキがぽこぽこ立ち並んでいる。藪は濃そうだ。
さて,山頂直下の岩壁帯を避けるように,一旦鍋又山を北側に引き返し,少し傾斜が緩んだところから一気に稜線東側の藪に突入。西ノ水谷に下るべく,その枝谷の笹目谷に急下降していく。
さて,山頂直下の岩壁帯を避けるように,一旦鍋又山を北側に引き返し,少し傾斜が緩んだところから一気に稜線東側の藪に突入。西ノ水谷に下るべく,その枝谷の笹目谷に急下降していく。
しばらく藪をかき分けながら下ると,次第にルンゼっぽくなり,ナメ滝が連続するようになる。ヌメる岩肌にそっとスタンスを求めながら,クライムダウンを続ける。
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しばらく藪をかき分けながら下ると,次第にルンゼっぽくなり,ナメ滝が連続するようになる。ヌメる岩肌にそっとスタンスを求めながら,クライムダウンを続ける。
谷の両側は岩が張り出している。鍋又山の山腹に露出していた岩盤が,そのまま続いているのだろう。
谷の両側は岩が張り出している。鍋又山の山腹に露出していた岩盤が,そのまま続いているのだろう。
この谷でも,ところどころでニッコウキスゲに出会えた。
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この谷でも,ところどころでニッコウキスゲに出会えた。
モミジカラマツ。
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モミジカラマツ。
タツナミソウ。京都北山でよく見るデワノタツナミソウかと思ったら,葉に紫色の筋が入っているので,違うタツナミソウっぽい(シソタツナミソウ?)。これは沢筋の至る所に群生していた。
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タツナミソウ。京都北山でよく見るデワノタツナミソウかと思ったら,葉に紫色の筋が入っているので,違うタツナミソウっぽい(シソタツナミソウ?)。これは沢筋の至る所に群生していた。
岩盤の張り詰めた,滑りやすい沢床を慎重に下っていく。
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岩盤の張り詰めた,滑りやすい沢床を慎重に下っていく。
ヤブデマリの白い花が沢床に散り敷いている。
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ヤブデマリの白い花が沢床に散り敷いている。
やっと谷らしくなった。そろそろ西ノ水谷との出合も近いか。
やっと谷らしくなった。そろそろ西ノ水谷との出合も近いか。
そして,西ノ水谷に合流。(左は西ノ水谷本流,右は降りてきた笹目谷)
そして,西ノ水谷に合流。(左は西ノ水谷本流,右は降りてきた笹目谷)
西ノ水谷は,中ノ水谷や東ノ水谷と並んで,長いこと来てみたかった谷のひとつだ。思ったより水量は少ないが,深い自然林に包まれた素晴らしい谷が続いている。
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西ノ水谷は,中ノ水谷や東ノ水谷と並んで,長いこと来てみたかった谷のひとつだ。思ったより水量は少ないが,深い自然林に包まれた素晴らしい谷が続いている。
立派なブナやサワグルミ,トチノキの大木が立ち並ぶ中,伸びやかな水のプロムナードが続く。
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立派なブナやサワグルミ,トチノキの大木が立ち並ぶ中,伸びやかな水のプロムナードが続く。
今日はべつに滝とかなくてもいいです。この森だけで十分です。
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今日はべつに滝とかなくてもいいです。この森だけで十分です。
これはなかなか大きなトチノキ。おいくつでしょうか。
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これはなかなか大きなトチノキ。おいくつでしょうか。
地形図を見てもわかる通り,この谷はまっすぐに伸びているので,胸が空くくらい見通しのいい渓流が続く。
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地形図を見てもわかる通り,この谷はまっすぐに伸びているので,胸が空くくらい見通しのいい渓流が続く。
気持ちいいなぁ。
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気持ちいいなぁ。
立派なサワグルミが立ち並ぶ。
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立派なサワグルミが立ち並ぶ。
背の高いトチノキ。
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背の高いトチノキ。
このトチノキも立派。
このトチノキも立派。
このまま穏やかな谷が続くかと思っていたら…
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このまま穏やかな谷が続くかと思っていたら…
おや?ちょっと滝が出てきたぞ。
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おや?ちょっと滝が出てきたぞ。
お,今度は何だかゴルジュっぽく…
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お,今度は何だかゴルジュっぽく…
ややっ,いきなり大き目の滝が!
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ややっ,いきなり大き目の滝が!
ひたすら平流が続くかと思いきや,急に10mくらいの滝が出てきてびっくり。しかもなかなか姿も美しく,にわかにテンションが上がってしまった。
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ひたすら平流が続くかと思いきや,急に10mくらいの滝が出てきてびっくり。しかもなかなか姿も美しく,にわかにテンションが上がってしまった。
手掛かりも豊富で,ここはもちろん直登。久しぶりに全身に浴びるシャワーが気持ちいい。
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手掛かりも豊富で,ここはもちろん直登。久しぶりに全身に浴びるシャワーが気持ちいい。
その上も小滝。もしかしてここからしばらく滝場か?
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その上も小滝。もしかしてここからしばらく滝場か?
と思っていたら,何事もなかったかのように穏やかな平流に逆戻り。さっきの滝を形成していた岩盤は,どこいっちゃったんでしょう…。
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と思っていたら,何事もなかったかのように穏やかな平流に逆戻り。さっきの滝を形成していた岩盤は,どこいっちゃったんでしょう…。
まあ,気持ちいいからいいか。またもや大きなトチノキ。この谷はトチノキの大木が多い。
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まあ,気持ちいいからいいか。またもや大きなトチノキ。この谷はトチノキの大木が多い。
と,源頭に入りだいぶ水量が少なくなると,小滝が連続し始める。
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と,源頭に入りだいぶ水量が少なくなると,小滝が連続し始める。
稜線が近くなると小滝が急に増えるのは,この近辺の谷のパターンのようだ。
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稜線が近くなると小滝が急に増えるのは,この近辺の谷のパターンのようだ。
谷が狭まると,両岸の樹林が圧迫感を感じるほどの濃密な緑で迫ってくる。
谷が狭まると,両岸の樹林が圧迫感を感じるほどの濃密な緑で迫ってくる。
小滝の連続を越えていく。
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小滝の連続を越えていく。
楽しかった西ノ水谷の散歩もついに終わり,水切れを迎えた。谷は濃い藪の斜面に吸収されていく。もうすぐ稜線だ。
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楽しかった西ノ水谷の散歩もついに終わり,水切れを迎えた。谷は濃い藪の斜面に吸収されていく。もうすぐ稜線だ。
藪をくぐるようにして稜線に上がると,右手にこんもりとしたピークが。中高山だ。ピークそのものより,その一角だけ背の高いヒノキが奇妙に林立していて目立っている。
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藪をくぐるようにして稜線に上がると,右手にこんもりとしたピークが。中高山だ。ピークそのものより,その一角だけ背の高いヒノキが奇妙に林立していて目立っている。
振り返ると,やけに遠く見える鍋又山の姿。やっぱりピョコンと尖っている。
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振り返ると,やけに遠く見える鍋又山の姿。やっぱりピョコンと尖っている。
さて,稜線を中高山へと向かうが,この稜線は鍋又山周辺の稜線より更に藪が濃く,奮闘的な藪漕ぎとなった。
さて,稜線を中高山へと向かうが,この稜線は鍋又山周辺の稜線より更に藪が濃く,奮闘的な藪漕ぎとなった。
稜線の西側に時々獣道が走っており,極力それを使うが,すぐ途切れてしまい,結局激藪に再突入してしまう。山頂は遠くないはずなので,黙々と漕いでいく。
稜線の西側に時々獣道が走っており,極力それを使うが,すぐ途切れてしまい,結局激藪に再突入してしまう。山頂は遠くないはずなので,黙々と漕いでいく。
山頂に近づくと,急にヒノキの大木が姿を現し始める。
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山頂に近づくと,急にヒノキの大木が姿を現し始める。
これも立派だ。
数本のヒノキが絡み合って,もはやどうなっているのかよくわからない。
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数本のヒノキが絡み合って,もはやどうなっているのかよくわからない。
こいつもでかい。
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こいつもでかい。
中高山のピークと思しき高みに立った。そこにも巨大なヒノキが。
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中高山のピークと思しき高みに立った。そこにも巨大なヒノキが。
このヒノキは幹の下に空洞があり,トンネルのようになっている。トンネルをくぐりぬけると…
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このヒノキは幹の下に空洞があり,トンネルのようになっている。トンネルをくぐりぬけると…
その先には,三角点が。中高山に到着。
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その先には,三角点が。中高山に到着。
三等・中高。
三角点の傍らにも,異形のヒノキが堂々とそびえていた。本当にヒノキの巨木が多いピークだ。
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三角点の傍らにも,異形のヒノキが堂々とそびえていた。本当にヒノキの巨木が多いピークだ。
巨大ヒノキを鑑賞しつつ山頂でしばらく休憩したあと,直接帰路の中高谷に降りるため,北西斜面の藪に突入。
巨大ヒノキを鑑賞しつつ山頂でしばらく休憩したあと,直接帰路の中高谷に降りるため,北西斜面の藪に突入。
どんどん藪斜面を下りて中高谷の源頭に降り立つと,案の定ナメ滝が連続し始める。巻いたりクライムダウンしたりしながら,慎重に降りていく。
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どんどん藪斜面を下りて中高谷の源頭に降り立つと,案の定ナメ滝が連続し始める。巻いたりクライムダウンしたりしながら,慎重に降りていく。
この谷は下流に林道が入っているので,あまり期待していなかったのだが,今日歩いてきた他の谷に遜色ないくらいの深い森に包まれている。この谷でも大きなトチノキを何本か見かけた。
この谷は下流に林道が入っているので,あまり期待していなかったのだが,今日歩いてきた他の谷に遜色ないくらいの深い森に包まれている。この谷でも大きなトチノキを何本か見かけた。
これも立派。
気持ちの良い森を散歩するように下っていく。
気持ちの良い森を散歩するように下っていく。
帰りの谷でもこんなに素晴らしい森に見送ってもらえて,いい一日だった。
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帰りの谷でもこんなに素晴らしい森に見送ってもらえて,いい一日だった。
時々滝も出てくるが,通過は容易。
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時々滝も出てくるが,通過は容易。
やがて右岸側に林道(正確に言えば,林道跡)が現れるため,別れを惜しみつつ沢を離れ,それを辿っていく。
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やがて右岸側に林道(正確に言えば,林道跡)が現れるため,別れを惜しみつつ沢を離れ,それを辿っていく。
轍がはっきりしてくるにつれて,日常の世界に引き戻されていくようだ。今日一日経巡ってきた深い森や谷を一つ一つ思い浮かべつつ,駐車地へと戻っていった。
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轍がはっきりしてくるにつれて,日常の世界に引き戻されていくようだ。今日一日経巡ってきた深い森や谷を一つ一つ思い浮かべつつ,駐車地へと戻っていった。

装備

備考 ・フェルトソール沢足袋使用。沢は若干ぬめりがあるためフェルト推奨。
・40mロープ携行(不使用)

感想

 鍋又山という山名をはじめて目にしたのは,確か「福井の山150」(増永迪男著,ナカニシヤ出版)だったと思う。その黒々とした鋭角的な山容の写真と,何となく厳しそうな感じのする登山内容の記事に興味を惹かれた。この山域では,鋭鋒と言えば屏風山が有名だが(もちろん,もっと西に行けば冠山とかもあるけれど),ほかにもこんなにピラミダルな姿の山があるとは,と記憶に残った。
 今年2月に雪の屏風山に登った際に,北西方向に鍋又山の姿を認めて,ますます登りたくなってしまった(注 この時目についたのは,隣のP1187mだった可能性もあり。なぜなら,屏風山からだと,こちらのピークのほうが尖ってみえるからです…まあいいか笑)。しかし鍋又山の冬季のアクセスの悪さは,ある意味屏風山以上である。雪解けを待って,沢詰めで登ることにした。
 登路として選んだ鍋又谷は,あまり下調べしなかったこともあり,地形図から受ける印象と,鍋又山の険しさから,何となく一筋縄ではいかない谷なのではと思って身構えていたが,実際は基本平流,時々きれいな小滝,という穏やかな谷で,むしろ美しい森の逍遥をたのしむのに相応しい谷だった。ナメ滝とニッコウキスゲの群落が続く源頭を越えて立った稜線から間近に眺める鍋又山のトンガリピークは,藪山とは言え,なかなかのかっこよさ。山頂からの眺望も,足元をぐるりと深い谷に囲まれていることもあって意外に良いです。
 また,西ノ水谷(岐阜側の西ノ水谷とは別)も,以前から歩いてみたいと思っていた谷だった。中ノ水谷や東ノ水谷は,沢登りの定番ルートとしてよく記録を見るのだが,西ノ水谷はあまり話を聞かない(気がする)。屏風山を結節点とした理想的な周回ルートが取れる中ノ水谷と東ノ水谷に対して,行き止まりなうえに(少なくとも2万5千図上で)名前が付いている山には一つも登れない西ノ水谷に人気がないのは当たり前なのだが…。こういう機会でないと行かないよな,ということで,今回の山行に組み合わせてみた。結果,なかなか良い谷でした。とにかく半日,森と水の中をひたすら歩きまわりたいという気分にはぴったりの谷です。

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