ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 334033
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

そこにシュラフがあるから… 二度目の甲斐駒・テン泊・黒戸尾根

2013年08月17日(土) 〜 2013年08月18日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
17.6km
登り
2,402m
下り
2,399m

コースタイム

※ルート図は手入力です。

《1日目》
登山口0539→0756横手・竹宇分岐0807→刀利天狗1026→1128五合目1150→1250七丈小屋

《2日目》
テン場0335→0429八合目0515→0619駒ヶ岳山頂0657→0809テン場・七丈小屋0922→
1005五合目1013→1052刀利天狗1057→1335登山口駐車場
天候 《1日目》晴れたり曇ったり

《2日目》快晴度B→晴れ
過去天気図(気象庁) 2013年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
道の駅はくしゅうの交差点を西へ。
季節にもよるが土・日の昼前からは駐車場はかなり混雑しそう。
コース状況/
危険箇所等
全体を通して顕著な危険箇所なし。顕著でない危険箇所は無数にあります。
ルートは至って明瞭です。

《登山口から刀利天狗》
緩急織り交ぜた樹林帯。刃渡りはともかくその後刀利天狗手前にはしごがあるので刃渡りに来たら念のためストックは一度しまった方がいいでしょう。

《刀利天狗から五合目》
黒戸山の中腹まで登ってから五合目に下ります。ストック使えます。

《五合目から七丈小屋》
五合目でストックはしまいましょう。はしご、くさりのオンパレードです。危険度はあまり高くないように思いますがとにかく疲れます。下るときにはなるべくはしごの方を向いて下りましょう。

《七丈小屋から八合目》
ストック使えます。ナイトハイクでも危険度は少なめだと思います。

《八合目から山頂》
ストックはしまっておきましょう。八合目から山頂方向を見ると結構うんざりしますが、登ってみるとそれほど大変ではありません。下る時には岩場の足がかりが見つけ難いところがあります。なるべく登る時によく見て記憶しておくとよいでしょう。
予約できる山小屋
七丈小屋
カシバードで作成した甲斐駒ヶ岳山頂からの展望図です。大きいサイズで登録してあります。よかったら予習・復習にご利用下さい。
2
カシバードで作成した甲斐駒ヶ岳山頂からの展望図です。大きいサイズで登録してあります。よかったら予習・復習にご利用下さい。
登山靴よしっ。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
10
8/19 2:06
登山靴よしっ。
竹宇登山口駐車場。
朝5時半の時点でまだ空きがありましたが山から下りてくると満車で入場待ちの状態でした。川遊びの方がたくさん来ていたようです。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
1
8/19 2:06
竹宇登山口駐車場。
朝5時半の時点でまだ空きがありましたが山から下りてくると満車で入場待ちの状態でした。川遊びの方がたくさん来ていたようです。
吊り橋渡るとさあ登山って感じは北岳登山口の広河原と似てますね。他にもそういう場所はあるのかな?
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
4
8/19 2:06
吊り橋渡るとさあ登山って感じは北岳登山口の広河原と似てますね。他にもそういう場所はあるのかな?
横手からの道と合流するポイントです。写っておられる方々とはこの後小屋でビールをご一緒させて頂きました。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
2
8/19 2:06
横手からの道と合流するポイントです。写っておられる方々とはこの後小屋でビールをご一緒させて頂きました。
刃渡り。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
6
8/19 2:06
刃渡り。
刀利天狗。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
1
8/19 2:06
刀利天狗。
五合目到着。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
8/19 2:06
五合目到着。
五合目から最初の梯子がこのコース最長です。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
8
8/19 2:06
五合目から最初の梯子がこのコース最長です。
アキノキリンソウ。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
2
8/19 2:06
アキノキリンソウ。
こんな橋を渡り…
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
6
8/19 2:06
こんな橋を渡り…
こんなところや…
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
4
8/19 2:06
こんなところや…
こんなところを通り…
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
4
8/19 2:06
こんなところを通り…
五段しかない短い梯子を登ると…
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
1
8/19 2:06
五段しかない短い梯子を登ると…
七丈小屋に到着です。
今日はここまでで終了。
さっ、ビールビール。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
2
8/19 2:06
七丈小屋に到着です。
今日はここまでで終了。
さっ、ビールビール。
これ。山でもよく見るし他のユーザーさんのレコでもよく見るのですがすぐに名前忘れてしまいます。ヤマハハコ。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
4
8/19 2:06
これ。山でもよく見るし他のユーザーさんのレコでもよく見るのですがすぐに名前忘れてしまいます。ヤマハハコ。
テン場はご覧の通り盛況です。奥から3番目のテントはヤマレコユーザーのtimothyさんのもののようです。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
18
8/19 2:06
テン場はご覧の通り盛況です。奥から3番目のテントはヤマレコユーザーのtimothyさんのもののようです。
この日のうちに見えたのは鳳凰三山だけでした。
2013年08月19日 02:05撮影 by  PX , RICOH
5
8/19 2:05
この日のうちに見えたのは鳳凰三山だけでした。
2日目になりました。
サブザックで山頂を目指します。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
4
8/19 2:06
2日目になりました。
サブザックで山頂を目指します。
八合目に到着しました。ストロボの発光の加減で何かちょっと変な写真に。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
8/19 2:06
八合目に到着しました。ストロボの発光の加減で何かちょっと変な写真に。
八合目で日の出を待っています。
あれっ、まだ登ってこないな〜。
2013年08月19日 02:05撮影 by  PX , RICOH
1
8/19 2:05
八合目で日の出を待っています。
あれっ、まだ登ってこないな〜。
30分以上待ってようやくのご来光。
日の出時刻をちゃんと調べておくべきでした。
2013年08月19日 02:05撮影 by  PX , RICOH
12
8/19 2:05
30分以上待ってようやくのご来光。
日の出時刻をちゃんと調べておくべきでした。
鳳凰と富士山。
2013年08月19日 02:05撮影 by  PX , RICOH
7
8/19 2:05
鳳凰と富士山。
ちょっと染まっていますかね?
2013年08月19日 02:05撮影 by  PX , RICOH
5
8/19 2:05
ちょっと染まっていますかね?
こっちの方が赤く見えますね。
2013年08月19日 02:05撮影 by  PX , RICOH
5
8/19 2:05
こっちの方が赤く見えますね。
ゴゼンタチバナ。
それほど好みの花ではありません。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
3
8/19 2:06
ゴゼンタチバナ。
それほど好みの花ではありません。
うーん、また知らない花が…。
→ミヤマシシウド。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
4
8/19 2:06
うーん、また知らない花が…。
→ミヤマシシウド。
刀がささっているポイント。
山の上ならではの空の青さがいいですね。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
4
8/19 2:06
刀がささっているポイント。
山の上ならではの空の青さがいいですね。
ミヤマシャジンかな?
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
8/19 2:06
ミヤマシャジンかな?
刀と富士山と鳳凰。
定番ですがいいですね。
2013年08月19日 02:05撮影 by  PX , RICOH
19
8/19 2:05
刀と富士山と鳳凰。
定番ですがいいですね。
頂上が見えました。
今回も何とか登頂できそうです。
2013年08月19日 02:05撮影 by  PX , RICOH
8/19 2:05
頂上が見えました。
今回も何とか登頂できそうです。
八合目ではガスの中だった北岳が見えました。広河原からのどっしりとした北岳もいいですがこちらからのツンとした北岳もいい。
2013年08月19日 01:57撮影 by  PX , RICOH
14
8/19 1:57
八合目ではガスの中だった北岳が見えました。広河原からのどっしりとした北岳もいいですがこちらからのツンとした北岳もいい。
仙丈ヶ岳はガスがかかっていました。
2013年08月19日 02:05撮影 by  PX , RICOH
2
8/19 2:05
仙丈ヶ岳はガスがかかっていました。
そして登頂。
左に写っている方は劇団ひとりに似ておられ、本人かと思いました。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
6
8/19 2:06
そして登頂。
左に写っている方は劇団ひとりに似ておられ、本人かと思いました。
仙丈ヶ岳のガスも大体取れました。駒津峰を通るコースも歩いてみたいですね。そのうち「東駒」もやりますか。
2013年08月19日 01:57撮影 by  PX , RICOH
5
8/19 1:57
仙丈ヶ岳のガスも大体取れました。駒津峰を通るコースも歩いてみたいですね。そのうち「東駒」もやりますか。
北岳と間ノ岳を中心に。
2013年08月19日 01:57撮影 by  PX , RICOH
7
8/19 1:57
北岳と間ノ岳を中心に。
八ヶ岳の方はあまりすっきりとは見えませんでした。
2013年08月19日 01:57撮影 by  PX , RICOH
2
8/19 1:57
八ヶ岳の方はあまりすっきりとは見えませんでした。
影の自撮り。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
9
8/19 2:06
影の自撮り。
左より北岳、間ノ岳、悪沢岳、赤石岳、塩見岳。名だたる3000mの峰々です。
2013年08月19日 01:57撮影 by  PX , RICOH
10
8/19 1:57
左より北岳、間ノ岳、悪沢岳、赤石岳、塩見岳。名だたる3000mの峰々です。
仙塩尾根。
2013年08月19日 01:57撮影 by  PX , RICOH
6
8/19 1:57
仙塩尾根。
雷鳥母子。
夏も終わりに近づき雛も大分大きくなっているようですね。
2013年08月19日 02:05撮影 by  PX , RICOH
7
8/19 2:05
雷鳥母子。
夏も終わりに近づき雛も大分大きくなっているようですね。
富士山、北岳、鳳凰三山と早川尾根。
早川尾根を辿って鳳凰へ向かう場合かなり登り返しが大変そうです。
2013年08月19日 01:58撮影 by  PX , RICOH
12
8/19 1:58
富士山、北岳、鳳凰三山と早川尾根。
早川尾根を辿って鳳凰へ向かう場合かなり登り返しが大変そうです。
結構覚えたつもりでしたがまだまだ知らない花がありますね→ホツツジか?
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
3
8/19 2:06
結構覚えたつもりでしたがまだまだ知らない花がありますね→ホツツジか?
さらば、甲斐駒。
もうこちらからは登りません、多分…。
2013年08月19日 01:58撮影 by  PX , RICOH
4
8/19 1:58
さらば、甲斐駒。
もうこちらからは登りません、多分…。
テン場に戻ってきました。残っているのは昨晩の3分の1ほど。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
3
8/19 2:06
テン場に戻ってきました。残っているのは昨晩の3分の1ほど。
刀利天狗を通過。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
1
8/19 2:06
刀利天狗を通過。
刃渡りの切れ落ちている感じ。4回目の通過でようやく味わいました。前3回はガスが出ていてわかりませんでした。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
3
8/19 2:06
刃渡りの切れ落ちている感じ。4回目の通過でようやく味わいました。前3回はガスが出ていてわかりませんでした。
天気さえ問題なければ快適な道です。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
8/19 2:06
天気さえ問題なければ快適な道です。
気が向いたら調べます。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
1
8/19 2:06
気が向いたら調べます。
この辺りは昨年沢と化して苦労しました。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
8/19 2:06
この辺りは昨年沢と化して苦労しました。
これもわからん…。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
1
8/19 2:06
これもわからん…。
ホトトギス。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
6
8/19 2:06
ホトトギス。
下界に戻ってきました。
しっかしなんつー暑さだ。
2013年08月19日 02:06撮影 by  PX , RICOH
5
8/19 2:06
下界に戻ってきました。
しっかしなんつー暑さだ。
撮影機器:

感想

◆◆◆かつて膝を破壊された尾根へと向かう男◆◆◆
日本にあまたある『駒ヶ岳』の名を冠した山々。その中の最高峰が名峰甲斐駒ヶ岳である。古くから山岳信仰の対象となり修験者たちがその頂きを目指してきた。彼らが通ってきた道こそ日本三大急登の一つに数えられる甲斐駒ヶ岳黒戸尾根であり、駒ヶ岳東麓の竹宇・横手の両駒ヶ岳神社より黒戸山を経て山頂に至る、単純標高差2200mに及ぶ国内屈指の過酷なルートである。

男は一度苦杯を舐めていた。柔弱な登山者を決して寄せ付けない黒戸尾根。男の力量での日帰りは考慮するに値しない無謀な計画。
故に幕営装備とともに男は黒戸尾根を登った。出発した日のうちに山頂まで到達することは断念したが、七丈小屋で幕営後の翌朝、男は駒ヶ岳の頂に到達し計画は成功を見たかのように思えた。

しかし男の力量は黒戸尾根を何事もなく往復するには不足していた。山頂より幕営地点へと下降する途中、男の左膝に異変が生じた。鈍い痛み。だが男は慌てない。膝に痛みを感じたことはこの時が初めてではない。今回のコースの過酷さから何らかの問題が生じることは覚悟していた。

用意していた鎮痛剤を服用し、左膝に負担をかけぬよう慎重に歩を進める。下降速度を落としたものの無事に幕営地点まで到着し、撤収の準備を完了する。

あとは往路を戻るだけである。コースの状況はわかっており現状の左膝でも下降が可能であると判断することが出来た。標準コースタイムを5割ほど超過しても日没に至ることはない。「慌てることはない…」男は自分に言い聞かせた。

だが黒戸尾根はさらなる試練を男に課した。夏の午後、天気は不安定なものである。
日差しを遮る僥倖の曇り空は時を置かず牙を剥き、驟雨を樹林帯へ叩きつけ始めたのである。

えぐれた登山道は瞬く間に沢と化した。ただでさえ歩みの遅い男はさらなる遅滞を余儀なくされた。雨具を身につけたため体温が外に逃げず、体力は容赦なく奪われていく。濡れて滑りやすくなったことにより、体勢を立て直すことを要求されることは数歩毎。

七丈小屋より5時間を超える苦闘の末下山することを得た男は思った。
「ここは二度と登りたくない…」

しかし同時に男は知っていた。己が再びこの尾根を登らなくてはならないことを。何故なら男はそこに置いてきてしまったものを取りにいかねばならないのである…。


◆◆◆男がその尾根を再び登る理由◆◆◆
と、スカした調子で始めてみました。

『置いてきてしまったもの』、山岳小説なんかだと『自らのプライド』だったり『友の遺志』だったりするんですけどね。私の場合そんな格調の高いものではありません。

シュラフです。昨年の夏黒戸尾根を登り七丈小屋で幕営した際にテン場にシュラフを置いてきてしまったのです。テン場にほったらかしてあった私のシュラフをどなたかが小屋に届けて下さっていたのですが、家に忘れてきたものとばかり思っていた私は小屋で確認することもなくそのまま下山。後日念のため七丈小屋を管轄する北杜市の観光課に問い合わせてみると小屋で預かってくれていることが判明。アイタタタ…。

早く回収に行きたいのはヤマヤマなれど私の力量で黒戸尾根の日帰りは無理。泊まりの山行の機会がなかなかなく、延び延びになって早一年がすぎてしまいました。


◆◆◆行かねばならぬが行きたくね〜◆◆◆
そんなこんなで完全無雪期になり、泊まり山行が可能になったからには回収に行くのは義務です。しかし一ヶ月ほどブランクが空いた後にいきなり黒戸尾根をテン泊装備で登るのは無理です。そこで燕岳や五竜で少し脚を作って今週。
「黒戸じゃなくて白馬行きて〜!」
そうは行きません。今週白馬に行って、黒戸尾根を来週に回した場合天気が良いとは限りません。行ける時に行っておかないとまたしてもシュラフに小屋で越冬させることになりかねません。既に充分迷惑をかけているのにこの上もう一年…全然ダメでしょう。

せめて天気予報で北アは良く、南アは大荒れだったりすれば白馬に行ってしまうところです。しかしそんな都合の良い天気予報はまずあり得ませんからね。

さて、どこにも逃げ道がありません。もう仕方ない、黒戸尾根登ります。ただ問題は私のシュラフが引き続き七丈小屋にあるとの確証が得られなかったことです。


◆◆◆長い、重い、暑い、膝サポーターのザムスト大活躍◆◆◆
甲斐駒など南ア北部の場合ETC割引などの一切ない首都高を経由するしかありません。高速代が痛いので少しでも節約しようと大月ICで一般道へ下ります。しかし今回気付きましたね。大月で下りてしまうと一般道がまだ山道で面倒ですが一つ先の勝沼まで行くとかなり楽になります。次回からは勝沼まで高速にします。

ともかく登山口には5時半頃到着。準備を済ませ出発します。わかっちゃいましたがこの黒戸尾根の最大のウリはその長さです。もちろん急登には違いありませんが終始一貫急登という訳ではなく、緩急を交えてきます。

ところで今回絶対に忘れてはいけないアイテムとして膝サポーターのザムストを持参しています。一昨年夏のブナ立尾根、昨年の黒戸尾根。(幕営装備+三大急登)には二回続けて膝をやられ非常に相性が悪い。今回は転ばぬ先の杖ならぬ、痛まぬ先のザムストでしっかり防御します。

歩き始めてすぐに汗が噴出してきます。首から掛けたタオルで汗を拭いているとあっという間に絞れるレベルまで達します。詳細は省きますが息も絶え絶えに七丈小屋に到達しました。


◆◆◆感動の再会、我がシュラフよ、よくぞ無事だった◆◆◆
まずはとにかくテントの受付をし、そして恐る恐るシュラフ紛失の経緯を小屋番さんに説明し、預かって下さっているか確認します。「あ〜ハイハイ、あるよ」。二階への階段を登っていき、下りてきた小屋番さんの手に握られていたのは紛うことなく一年前に私の手を離れたナンガのシュラフ。「おおっ、懐かしや」小屋番さんにお礼を申し上げてテント設営に向かいます。お盆絡みのラストで天気予報もまずまずなのでテン場は盛況でしたが何とか下の段を確保出来ました。

燕岳の時は1年ぶりの自前テン泊と言うこともあって設営に時間がかかりました。しかしこのところ3週連続なので手慣れたものです。10分とかからずに設営完了しました。

時間的には山頂往復が絶対不可能ということもありませんがガスも上がってきているので無理はしません。小屋へと取って返しビールです。道中たびたび接近していたグループの方々に混ぜて頂き、山の話を肴に旨いビールを頂きました。しばらくするとそのグループの方々も徹夜明けでお昼寝モードに入りつつあったので、小屋の外に出て他の方々とお話しさせて頂きましたが、私も徹夜明けなのは同様。7時にはシュラフに潜り込みあっという間に眠りに落ち、翌朝午前2時半までぐっすりでした。

なお今回のビール代は700円のスーパードライ2本で1400円に留まりました。他の方のレコでこの小屋では1日に販売する量を制限しているため売ってもらえなかったと書いてあったので、念のため焼酎を持っていきました。それを背負って戻るのは面倒なのでビールは2本にしておいて持参の焼酎を片付けたためです。でも山ではやっぱりビールがいいな〜。


◆◆◆せっかく来たのでついでに駒ヶ岳登頂◆◆◆
シュラフの回収も完了し、今回の目的は8割方完了です。しかしいくらなんでもこのまま山頂を踏まずに下山と言うわけには行きませんよね。翌朝早起きして山頂を目指しました。少々スタートが早過ぎて八合目でご来光を30分も待つ羽目になったのは誤算でしたが、天気の良い中快適な山頂往復でした。

八ヶ岳や北ア方面の展望はありませんでした。やっぱり白馬は諦めて甲斐駒に来たのは正解だったのかも知れませんね。山頂では雷鳥母子も見られて楽しい一時でした。


◆◆◆黒戸尾根下り、雨さえ降らなきゃOKです◆◆◆
テン場まで下りてテントを撤収し、これから黒戸尾根を下山と言う大作業です。前回は左膝の痛みと途中の土砂降りがありました。今回は膝の痛みは出ていません。雨も降りませんでした。暑いことは暑いですが南アの深い森が直射日光は遮ってくれており大分助かっている気がします。前回に比べれば圧倒的に楽勝でした。


◆◆◆感想・膝痛レポート◆◆◆
ラクチン登山が好みの私なのに、なんの因果か二度目の甲斐駒・テン泊・黒戸尾根。三度目はないですね〜。だってキツいんだもんな〜。いや、キツいのは我慢してもいいです。でもせっかくテント背負っての泊まり山行なのに、私の愛して止まない稜線歩きが全くないのは切な過ぎる…。『労多くして益少なし』と言うのが私の黒戸尾根観です。

では北沢峠からは?
悪くはありませんが他に行きたいところがたくさんあるので大分先になるかと思います。

今回は登山口からザムストとPROなんちゃらを左右の膝にあらかじめ装備。鉄壁のサポーターディフェンスでテン泊装備&三大急登の攻撃を完封しました。長時間膝サポーターを装着していると膝裏が擦過傷気味になるので、あまりきつく締めませんでしたがそれでも膝の痛みは全く出ませんでした。

それと、やはりいきなりの黒戸尾根でなく事前に脚を作っておいた効果は顕著です。かなりペースを抑えて歩いたつもりでしたが、登り・下りともに休憩時間を除けば標準CT以下で歩けており、太腿・脹脛ともにクレームなしでした。

とりあえずシュラフ回収と言う最大の目的を無事に果たし、山頂での景観もOK。雨にも降られず、膝もやられず、太腿・脹脛も文句を言わずだったので稜線歩きの要素ゼロであっても今回の山行の満足度は110%としておきます。

あっ、そうそうシュラフを1年も保管しておいて頂いたお礼として水場の協力金ボックスに些少ながら寄付させて頂きました。小屋番さんにお渡ししても良かったかもしれませんがね。

今週末は白馬かなと思っていましたが、どうも天気が良くないようですね。せめて土日のどちらかで日帰り登山くらいは出来ないものかと願っています。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:2000人

コメント

え、シュラフあったんですか?
こんにちはmuscatさん。じゃなかったドScatさんbleah

人のレコをとんだお笑いレコにしたまま、睨んだ通りテント張って ですかっ!angry
muscatさんが してる間、僕は北と七の区別がもはやつかなくなっていたというのにー。クッソーpout

ってアホ話はこのへんにしといて、シュラフあったんですね。ってmuscatさん、テン場に忘れてたって事ですか?
さすがは放置プレイ好きなmuscatさんだけありますね!

でもまぁ、無事に手元に戻ってきて良かったです。

黒戸尾根かぁ。僕も一度は登らねばとは思ってるんですけど、やっぱ登ったからには稜線を歩きたいですね。甲斐駒から歩ける稜線となると鳳凰三山の方ですか?
この前歩いちゃったしなぁ。悩みどころですなぁ。
2013/8/20 17:45
甲斐駒はオマケですか
シュラフの回収お疲れさまでした。1年ぶりに再会できて何よりです

黒戸尾根はずいぶん登山者がいますね!テント場の賑わいを見てビックリです

山梨あたりへは中央道が無難なようですね。先日、雁坂峠ルートをとおりましたが、お得度はいまいちでした。
2013/8/20 18:20
しゃーしゃーとテント張ってビール飲んでました
こんばんは、zawadaさん。
コメントありがとうございますhappy01

ご推察の通りテント張ってしゃーしゃーとビールでした

シュラフあったんですよ。
昨年の秋の時点で所在が判明していたんですが
泊まり山行のチャンスはことごとくつぶれていつしか冬に。
冬の甲斐駒なんて登れませんから再び無雪期が来るのを
待っていたという訳でして。その節はご心配おかけしましたcoldsweats01

黒戸尾根。山屋として一度は登ってみたいコースですが
稜線歩きの要素を入れようとするとかなり無理が出てきます。
あまり多くの日数をかけずに縦走ということだと
やはり黒戸尾根を登り早川尾根を経て夜叉神または
青木鉱泉・御座石鉱泉に下山かな〜。車だと回収が大変です。

あと森林限界の高い南アですからね〜。早川尾根って『視界の開けた稜線歩き』
が出来るのかどうか…ヤマレコで調べてみないとわかりませんね〜despair

zawadaさんだったらどってことないコースかも知れませんが
やはり一度は黒戸尾根からの甲斐駒はやってみてもいいと思いますよhappy01
2013/8/20 18:34
雁坂峠ルートですか
こんばんは、Happiさん。
コメントありがとうございますhappy01

シュラフ回収出来ました。
1年ぶりの再会を祝して熱い夜をともにしました
って山の上なのでそれほど暑くはありませんでしたがsmile

雁坂峠経由ですか
と言うことは16号から途中で逸れて秩父方面へ向かった?
それは大変そうですね〜。でも甲武信ヶ岳を北側から登る場合は
意外と重宝するかも知れませんね。甲府より遠くが目的地だと…bearing

首都高は避けようがないので、なるべく早く中央道を下りるのがコツでしょうかcoldsweats01
2013/8/20 19:27
忘れ物
muscatさん

感想のプロローグからおかしくて吹き出しそうでしたよ

シュラフあってよかったですね、テントの撤収の時に忘れ物しちゃうのわかります。
その辺にぶちまけとくと入れ忘れってあるんですよね、ザックが妙に軽くなってると不安になります。

なんてことはない、食べた食料だったりするんですけどね(笑

今度は忘れ物なかったですか
2013/8/21 8:25
あの頃は忘れ物ラッシュでした
おはようございますsakuraさん。
コメントありがとうございますhappy01

当時は常念岳や美ヶ原で忘れ物や無くし物をしたり那須に行くのに登山靴を忘れて行ったりひどかったんですよsad

で、とどめが甲斐駒でシュラフでした。テントを設営する時にザックから道具を出してその辺に一度ぶちまけて、テントにしまい忘れたまま小屋にビール飲みに行っちゃったんですね。テントに戻ってさあ寝るかって時にシュラフが見つからない。周囲を見回しても見つからない。その時点でどなたかが忘れ物として小屋に届けてくれていたようです。

家に置いてきちゃったものだと思い込んで小屋で確認しなかったんです。ちゃんと確認していればまた黒戸尾根を登る必要はなかったのですが…coldsweats01

でも計画的に脚を作って登ったからか、思ったほどには大変じゃなかったのでまあ良かったです。天気もまずまずでしたしね。

とは言え黒戸からの甲斐駒はさすがにもう遠慮したいですな〜。今回は忘れ物はしないで済んだようですしsmile
2013/8/21 9:16
文才〜!!!
最初の下り、どんなハードボイルド山岳小説が始まったのかと思いました(^_^;)
うち的には「置いてきてしまったもの」の候補として「山で出会った忘れられぬ女性との思い出」とかでもいいかなぁ〜 なんて思ったりしましたが…
なにはともあれシュラフ、無事に回収できて良かったですね
もう忘れないでくださいね

そして黒戸〜
これはうちにとっても大きな宿題なんです(-_-;)
甲斐駒ケ岳は北沢峠からさくっと登っちゃおうと3回計画立てたんですが、諸事情で3回とも潰れちゃって、
これはきっと甲斐駒の神様が「黒戸から来なさい 」って言ってるんだと思うので、
今年こそ黒戸(一泊二日、テント泊で)と思ってるんですが、
うかうかしてると夏が終わる〜
急いで計画立てます
2013/8/21 9:32
黒戸尾根しかないですね〜
おはようございます、CATさん。
コメントありがとうございますhappy01

>「山で出会った忘れられぬ女性との思い出」

さすがオット氏とラブラブのロマンチストですね〜lovely

何とかシュラフ回収してきましたよ。
本当は白馬行きたかったんですけど、これ以上迷惑かける訳には…sweat01
『三大急登+幕営装備』のコンビとは二度対戦して二度とも膝を破壊されたので
戦々恐々でしたが膝サポーターのおかげで初勝利出来ました。

北沢峠の魅力は標高差が楽になることもありますが、仙丈ヶ岳と甲斐駒の
二座登れることですよね。でもCATさんは仙丈はもう登っているし
やっぱり黒戸尾根から行くしかないですな。テント担いで。

とにかく長いコースなので序盤飛ばし過ぎるとヤバいことになります。
初日は七丈小屋までいければいいのでゆっくり登るのがコツかな〜。

CATさんの好きな梯子や鎖もたっぷりあるので是非行ってみて下さいhappy01
2013/8/21 10:30
ちょうど1年前(◎o◎)!
muscatさん、こんにちは。

自分が南ア縦走をし黒戸尾根を下っている時に七丈小屋でmuscatさんにお会いした時の話のようですね

それにしても忘れて行ったシェラフを1年間取っておいてくれるとは親切な山小屋の方ですね

自分は先日、プロトレック(時計)無くしてしまい縦走中だったのですぐに諦めました

黒戸尾根はまだ登りで使ったことがないので、機会があったら挑戦してみたいと思っています
周りの 友曰く、黒戸尾根から登らないと東駒らしいのでcoldsweats01

PS:黒戸尾根を上がり早川尾根を経て鳳凰三山からドンドコ沢を下山
日帰りで自分も同じことを考えていました
帰りはbicycle
2013/8/21 10:32
わっはっは、、、
いつになく堅苦しい書き出しだったので、一体どんな山行かと姿勢を正して読み始めましたが、、、、

なあ〜んだ、忘れ物を取りに行ったとは

水戸から高速代とガソリン代、当然ビール代もハンパないでしょうから、元が取れるシュラフだったのでしょうか

それにしても黒戸を登って忘れ物を取りに行く、見上げた根性です
お疲れ様でした
2013/8/21 11:17
まさにその時の話ですcoldsweats01
こんにちは、Maieさん。
コメントありがとうございますhappy01

まさにその時の話です。
あの山行は膝をやられるは、シュラフを無くすは、
土砂降りの雨に降られるは、で結構大変でしたbearing

まさか再び黒戸尾根から甲斐駒に登ることになるとは思ってなかったんですが
ご親切にシュラフを保管して頂いている以上放っておく訳にはいかないですからね〜。

プロトレックの件は拝見しましたよ。痛いですね。
かくいう私も昨年常念岳から下山後にホームセンターのトイレでプロトレックを
無くしました。あれも結構な値段しますから懐が寒くなりますね。

Maieさんの脚力ならただの黒戸尾根往復なら楽勝過ぎるでしょ〜。
早川尾根はまだ歩いておられないようなので黒戸尾根を上がり
早川尾根を経て鳳凰三山からドンドコ沢を下山なんてどうですかhappy01
2013/8/21 11:37
実はそんなに高いシュラフではないんですよね
こんにちは、hottenさん。
コメントありがとうございますhappy01

ナンガのシュラフで3シーズン用、13000円くらいかな〜。
黒戸尾根を往復してまで取りに行くものかと言うと…gawk

でも1年以上も預かって頂いて「要らないんで処分して下さい」
とは言えないでしょう。それに道具は大事にしないといかんですよ。

それにビール代は別会計なんでいくらかかっても構わない…
これはhottenさんも一緒ですよね〜

ところで私は成田在住ですよ。水戸なんて納豆臭い場所と一緒に
しないで下さい…なんて書いているとebiさんに見つかっちゃうかな?
ebiさん、ほんの冗談です。怒らないで下さいね〜shock
2013/8/21 12:36
muscatさんは全水戸市民27万人を敵に!
まわしたでしょうか?意外と「納豆臭い」は水戸市民には褒め言葉かもしれません?
市民歴8年目のヨソ者なので水戸っぽ気質はよく理解できません

新田次郎の再来かと思いました。

>何故なら男はそこに置いてきてしまったものを取りにいかねばならないのである…。
置いてきてしまったものは、小屋番の美しい娘が管理していた。
「ありがとう…」雷に打たれたように美しい娘に魅了される男。
だがしかし宿敵のライバルである山男と美しい娘を取り合うことになる。
そして男たちは山に散っていくのであった…

てな感じで女が絡むと、完璧新田次郎です!
2013/8/22 21:42
なるほど、「娘」ですか〜
こんにちは、ebiさん。
コメントありがとうございますhappy01

美しい娘が出てくると新田次郎風になるんですね。
残念ながら七丈小屋での娘の調達は難しそうですな〜smile

>「納豆臭い」は水戸市民には褒め言葉かもしれません

確かに。実際私自身納豆は大好物で、三食納豆が出てきても
文句はないレベルです。本当は匂いも嫌いではないんですよね

と言うことで27万水戸市民の皆さん、怒らないで下さいね〜coldsweats01
2013/8/23 11:52
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

積雪期ピークハント/縦走 甲斐駒・北岳 [2日]
甲斐駒ヶ岳〜黒戸尾根
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
5/5
体力レベル
5/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら