オツボ峰〜明光山 (廃道)
- GPS
- 22:25
- 距離
- 35.6km
- 登り
- 2,487m
- 下り
- 2,609m
コースタイム
- 山行
- 14:41
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 15:48
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
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アクセス |
泡滝に車を置いたまま大井沢側に下山したため、翌日車回収。 高速バス 月山口ー庄内あさひバスストップ 1200円 タクシー 庄内あさひー泡滝 10600円 (落合ハイヤー) |
コース状況/ 危険箇所等 |
オツボ峰ー出合川渡渉点までは破線ルートですが、実際には廃道です。 当初は明光山までの日帰りピストン計画でしたが、自分の計画が甘く、結果的に翌日反対側に下山するという失態を犯した山行記録であります。 |
写真
感想
今回は完全に失敗の山行でした。そのためヤマレコに掲載するかどうか悩みましたが、何も情報がない中で次の人が同じトラブルに遭うよりも、正しい情報をお伝えしてその上で判断して頂いた方が良いかと思い、またそれがヤマレコの本来の趣旨でもあろうことから、僭越ながら掲載させて頂いた次第です。
オツボ峰から明光山(あけみつやま/めいこうさん)、出合川を越えて天狗角力取山へ通じる道は2021最新の「山と高原地図」にも未だに破線ルートとして掲載されている道です。しかし実際には何年も前から廃道となっており、道は全くありません。また標高差も900m下って700m登るというタフなルートで体力的にも非常に厳しいし、さらにこのルートで一番危険なのは出合川の渡渉で、融雪期、降雨後の増水時に当たってしまうと本当にどうしようもなくなります。(天狗側からであれば引き返せるが、オツボ側からだと引き返すこともできずに本当にどうしようもなくなる。)
自分はこのルート、数年前から何度もチャレンジしてその度に失敗を繰り返していました。今回一応踏破はしましたが、それでもあまりにもボロボロな形で終わってしまいました。
去年までで出合川ー明光山(下半分)は踏破済みだったため、残りのオツボ峰ー明光山(上半分)を踏破すべく、泡滝からの日帰りピストンで合計15時間ほどの計画で出発しました。そのうちオツボ峰ー明光山部分の往復で5時間ほどの計画。ただ実際にはその部分の片道のみで4時間半掛かってしまったという状況。もし往復していたらいったい何時間掛かったことか。というかその前に体力的、ヤブ的にも往復は絶対に無理だった。なので、日帰りピストンは早々に諦め、天狗方面から大井沢に下るルートに変更し、天狗小屋で一泊したのち下山しました。
藪の登り下りを経験したことのある方なら分かると思いますが、下りは体重を利用して枝をかき分けながら進めるのでまだ良いですが、登りはそれを全て自力で行わなければならず、さらに自分の体も引き上げないといけないので、下りに比べて体力は数倍以上掛かります。なのでオツボまで登って戻るのはあの状況ではとてもじゃないけど断念せざるを得ない状況でした。
ただそのまま天狗方面に下るとなるとどうしても避けられないのが出合川の徒渉。1か月前にチャレンジし、水温で断念しているので今回それが渡れるかどうかの保証は何もない。また途中から下の沢からの「ゴォーー」という水流の音がずっとしていたため、渡渉点に行くまでは不安でしょうがなかった。
何とか神様の思し召しで徒渉もクリアし、天狗へ登り返したあたりでようやく携帯電波(docomo)が繋がったので家族と会社にごめんなさいの電話を入れる。会社は月曜日に重要会議を入れてなかったのがせめてもの救い。
またそこで明日のバスの時間も電話で聞くことが出来たので、翌日その時間に合わせて夜中に小屋を出発し、月山口バス停まで歩いて何とか帰路に就くことができた。タクシーは現金持ち合わせがなく、またカード類も全て車に置いてきたため、一旦泡滝まで乗せてもらい、自車でコンビニまで一緒に戻り、そこで支払いさせてもらうという無理なお願いを聞いてくれた落合ハイヤーさんに心から感謝致します。(落合ハイヤーさんは泡滝までの季節運航乗合バスなども請け負っている"登山に強い"会社さんですので、ぜひご利用を。)
というわけで自分の計画の甘さからいろいろな方に迷惑をかけ、また偶然に助けられて何とか生還したというお恥ずかしい山行でした。決して褒められたものでありませんが、この中で一つでも皆さまの今後の安全登山の参考になるものがあれば幸いです。
コメント
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herozoさんのものと思われる足跡に勇気づけられたり助けられたりしました。
ありがとうございました。
しかしオツボ峰から明光山ピストンとは計画を立てるだけで驚きです。
ちなみに、ボクは明光山前後で踏み跡を見失い、三角点を見つけられなかったのですが、あの辺りは踏み跡はあったのでしょうか?
ボクの記録はYAMAPの方にアップしてあります
以東岳へ〜明光山からオツボ峰経由で https://yamap.com/activities/12315082 #YAMAP
確かに自分にとっても今年最大の目標でした。去年ヤブ漕ぎで地獄を見たので、こりゃ残雪期じゃないとダメかと思って今年は3月くらいからトレーニングを始めて、GWに一度大鳥方面からテン泊チャレンジしようとしたのですが、事前の下見の日帰り茶畑山で体力的、技術的にあえなく惨敗。天狗方面からだと残雪期の出合川徒渉は絶対に無理なので、残雪期にあの区間に辿り着くのは自分には無理だと思い、こうなったらヤブ漕ぎ覚悟で無雪期に行くしかないかと。今年の今までの山行は、この日のための体力作りだったと言っても過言ではない感じでした。確かに、このルートを行くにはそのレベルの準備と覚悟は必要ですよね。
で、ご質問の件ですが、1275Pからはご存じのような薄い踏み跡 (三角点の写真の1枚前、10:55の写真のような踏み跡) があって、それが三角点まで続いていたので、こちらから行くと踏み跡上に突然現れた感じでした。(「突然」と表現してますけど、もちろんGPSや地形等でそろそろ山頂なことは分かってましたが。) 記憶だと踏み跡はそこで一旦途切れていたと思いますので、下から来ると山頂付近には踏み跡は無いような感じになるので三角点見つけ辛かったんだと思います。自分も去年、下から登って探せなかったので。
ちなみに登り返す計画にしてたのは、これは完全に自分のミスです。標高差でしかモノを考えてなかった。出合川〜明光山(去年)が500m、明光山〜オツボ峰(今年)が400m、だから去年と同等か少し短いくらいでは行けるだろうと。でもヤブは標高差だけでなく、距離と藪の深さも考慮に入れなければならない。そこを完全に見落としていた。ヤブが一番キツかったのは、1275Pからオツボ直下の笹薮手前までですよね。(なので自分もその区間はルートにこだわらず行けるところを行った感じ。実際ルートよりかなり外れていたはず。)
あと天狗小屋泊した後、泡滝に残した車に戻るのに二ツ石尾根から以東方面のルート(kozou17さんのルート)で戻ることも考えたんですが、あのコバラメキ付近は以前、高度感ですごい怖い思いをしたので、自分の中では封印ルートでした。また前日にあれだけ体力を使ってるのでその状況で行くのも危険だし、あと少なくとも火曜日は普通に会社に行って仕事をしなければならなかったから2日目まで疲れるわけにはいかなかった。タクシー代1万円は痛かったけど、ま、社会人として最低限しょうがないかなと。というか、日曜日に決行というところが間違ってる!社会人として!
というわけで、お互い、今後も安全登山で行きましょうね。(笑)
なるほど、下りだと1275Pから明光山までの踏み跡は分かるんですね。
ボクは明光山手前でロストして、頂上付近を過ぎてもなかなか見つけられず、尾根の右左と探しながら進み、やっと見つけたと思ったら再びロストしてを繰り返しました。
あそこで予想外に時間がかかってしまいました。
そして1275Pからオツボ峰直下までの藪ですよね〜(笑)
ボクは事前に他の方のレポを読んでいたので、あのあたりは踏み跡がないハイマツの海だというのは予想していました。それでも想像以上の厳しさ。かき分けられず、木に乗りながらパスしたりしました。
明光山までの激登りもキツかったですが、やっぱりあそこが核心部ですね。
当初の計画では、12〜13時にはオツボ峰に登り、以東岳経由で狐穴小屋に16〜17時。
ここで泊まり、翌日は栗畑から障子が岳経由の八の字周回でしたが、以東岳で18:30頃だったので諦めました。
しかし、もし狐穴まで行けていたとしても、疲れた体と足で、二ツ石の尾根を歩いて障子は無理だったかもしれません。普段とは違う足の使い方で大きなマメができ、足の指の上側も擦れて腫れ、しかも股擦れで(笑)
ここまで体にダメージがあったのは初めてです。
今回のために、長距離の山行を重ねたり、重量を背負って泊まったり、藪漕ぎ訓練もしてきました。
2週間前に神室連峰の火打岳と小又山の間に突き上げる廃道、よっちゃん新道の激藪も踏破し、ここも行けると決行したんですが、ちょっと甘かったかもしれません。
しかし、本当にherozoさんの足跡には救われました。枯れ葉の上の足跡で間違い無いと確信したり、精神的にも。
まさか下りでアプローチして、そんな厳しいことになっているとは思いませんでしたが、無事にご帰還できて良かったです。
ちなみに、ボクと同じルートを残雪期で藪漕ぎはないとはいえ、出合川を渡り、日帰りした人がいます。
超人ですよね(笑)
https://yamap.com/activities/3665190
で、何だかんだ思いもよらない展開になってしまったので、ほかの方にも誤解がないよう図にまとめたものを写真の最後にアップしました。決してこのルートを推奨するものではないことはもちろん皆さんご存じだとは思いますが、くれぐれも取扱注意でお願いします。また勝手ながらCTも算出させて頂きました。母数が少ないので信頼性は低いし、なんせヤブルートなので状況によってかなり前後するとは思いますので、その前提の参考タイムとして見て頂ければと思います。(実際、同じルートの自分の実績で去年と今年で2倍タイムが違っている)
何があっても自力下山。よろしくお願いします。
ありがとうございます。
とにかく自力下山ですね。
ちなみに昭文社にも連絡したところ、下記の回答を頂きました。
近々対応して頂けることと思います。
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弊社出版物をご利用いただき、ありがとうございます。
ご連絡をいただきました『山と高原地図 朝日連峰 以東岳・摩耶山』につきまして、
このたびは大変貴重なご指摘を頂戴しまして誠にありがとうございます。
また、ご迷惑をおかけしてしまい誠に申し訳ございません。
ご指摘を頂きました内容につきましては、弊社でも状況を確認の上、
次回出版の際に修正の検討をさせて頂きます。
改めまして、この度は貴重なご指摘をいただき誠にありがとうございました。
引き続き弊社商品をご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
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言えば何とかなるもんですね。
#ご迷惑、では全然ないですけど。(笑)
朝日には多くのルートがあって、大朝日ピストンだけじゃない魅力がたくさんありますよね。zaomonsさんも是非、素敵な山旅を計画してください。
自分もこの一件で明光山がすっかり「愛着のある山」の一つになってしまったので、また近いうちに行きたいなーと考えてたところです。とっても素敵な「激ヤバ」ルートですので、機会があれば是非。
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