限界に挑戦してよかった。北アルプス満喫の笠ヶ岳
- GPS
- 13:43
- 距離
- 45.1km
- 登り
- 2,814m
- 下り
- 2,513m
コースタイム
- 山行
- 12:26
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 13:42
天候 | 薄曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
百名山55座目は笠ヶ岳。本来であれば東北遠征の続きを行って東北北部の山々に登る予定であったが、台風で天気が崩れる可能性があったので中止した。天気予報とニラメッコするも、ここ数日で天気に恵まれそうなのは8月11日だけだとわかり、計画を練り直す。しかしながら、自宅から比較的近く、日帰りできそうな百名山はほとんど残っていない。悩んだ末に決めた山が笠ヶ岳。ここは歩行距離が23km、累積標高差が2100m、標準コースタイムも16時間を超える。今まで挑んだ山では皇海山のクラッシックルート並みのハードコースになる。しかも今回は炎天下の8月なので、覚悟を決めての挑戦となった。
【前日〜出発】
17時30分に市営穂高第3駐車場に到着。ここは人気があり、すぐに満車になることで有名な場所らしいので止められるか不安があったが、6割程度の状態であった。雨が降り風も強かったので、回復を祈ってすぐに寝る。炎天下での歩行を避けるため、1時30分に起床して2時に出発。この時は微量な雨が降っており、路面は濡れている。この後の笠新道で雨は止んだが雨つゆで靴とズボンはびっしょりになることに。
【駐車場〜笠新道登山口】
10分ほど歩いて新穂高センターによる。ここのトイレは24時間開いており、とてもきれいで使いやすい。通常料金の飲み物の自販機もあり感謝の一言である。登山口までは暗闇でも迷うことはないが、ずっと水の轟音が響いている。帰りに見るとかなり大きな川が流れている。予想以上に距離があり、時間がかかった。登山口の表示も明確である程度歩いてから左側に注意を払っていれば、まず見落とさないと思う。
【笠新道登山口〜杓子平】
笠新道は九十九折でクネクネ曲がっている。傾斜はそこそこあるが道は整備されているので、基本的は夜間歩行でも問題ないと思うが、曲がるポイントがわかりづらく、少し行きすぎた後に戻って道を探すことが数回あった。私の場合は単3電池1本のヘッドライトなので、光量が少ないことが原因かもしれない。私を追い抜いて行った他の方のヘッドライトはもっと明るく、幅広い範囲を照らしていた。帰りは全く曲がるポイントに迷うことがなかったので、明るさの要因は大きいと思う。また、2000mを超えると岩がゴロゴロし始め、段差が大きくなるので、夜間歩行するなら注意が必要である。私の場合はちょうどこの頃明るくなってきたので、ラッキーであった。別件だが、この2000m付近で迎えた夜明けの風景はまさに絶景。槍ヶ岳や穂高連邦の黒いギザギザのシルエットが朝焼けの空に浮かび、刻々と変化していく。感動した。
【杓子平〜笠新道分岐】
杓子平に到着する瞬間が印象的。歩いていく先に森林の隙間があり、それを抜けるといきなり眼前に笠ヶ岳の全容が現れる。10m前までは穂高や焼岳が見えていたのが、突然姿を消し、笠ヶ岳とそれに向かう稜線がドーンと迫ってくる感じである。ここでは誰もが一休みしたくなる。ここから先は笠ヶ岳という目標が明確になり、気分的に楽な山行が始まる。ただし、平坦な道はすぐになくなり笠新道分岐までは今まで同様の険しい坂道が続く。あちこちに花も咲いており、帰りはそれを楽しんだ。
【笠新道分岐〜笠ヶ岳山荘】
笠新道分岐では、今まで見えていた槍ヶ岳、穂高岳、焼岳の風景の他に笠ヶ岳まで延々と続く稜線の景色が加わる。この長い稜線は一直線というわけではなく、緩やかなアップダウンを繰り返しながら、何度か左右に折れ曲がり山頂まで続いている。体は疲れていたが、否が応でもこの稜線を歩いて山頂に登りたいという気持ちにさせてくれる。実際に歩いてみると歩行時間は1時間ほど。帰りの登り返しはそれなりにきつかった。
【笠ヶ岳山荘〜山頂】
山荘少し下から山頂までは石がゴロゴロしているが、白いペンキで案内表示があるので歩きやすい。山荘付近に雪渓があり景色のアクセントがある。山荘には立ち寄らなかったが、外から見てみても綺麗で雰囲気がいい。山頂からの景色はパノラマの大展望。今まで登ってきた稜線の反対方向には、一昨年登った焼岳、乗鞍岳と昨年登った御嶽山や白山が見える。そして稜線の右側には槍ヶ岳、穂高連峰、正面から左側には鷲羽岳、水晶岳、立山、剣山、薬師岳、黒部五郎岳が見える。(正面から左側は帰宅してから調べて名前を一致させたが…)これらの山々は私が登っていない残された北アルプス百名山である。これら全てが笠ヶ岳から見えるとは思っていなかったので、予想外の感動が心に湧き起こる。
【登山を終えて】
やはり体力的には限界に近かった。ログを見ればわかるが帰りのゴールが中の湯温泉近くになっている。ログの終了を忘れていた。こんなことは今までにない。車に着いた時にヘトヘトで余裕がなかったのだろう。歩行時間は13時間で今季最長。笠新道の下りは登り以上に辛かった。段差が大きい不規則な石歩きが続くので、一歩一歩の足運びに注意を払う。疲れていても常に集中力が要求される。今回は薄曇りで景観的にはベストではなかったがこれが幸いした。炎天下であったら更にきつかっただろう。(今回は行きは涼しかったが、帰りは蒸し暑く、帰りの発汗の方が多かった)
とは言いながらも、それ以上の達成感があった。何よりもよかったのは、未踏の北アルプス百名山をたくさん見れたことだろう。考えてみると一昨年に焼岳に登り、南側から穂高岳、槍ヶ岳を眺め、昨年は常念岳に登り、東側からこれらの山を眺めていた。今年は西側からこれらの山を眺めた上で北部の山々全てを眺めたことになる。「次は槍、穂高、そして北アルプス深部に挑戦したい」とモチベーションが一気に上がった山行であった。
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