ついに歩いた!朝日岳・栂海新道
- GPS
- 54:45
- 距離
- 36.6km
- 登り
- 2,673m
- 下り
- 4,054m
コースタイム
蓮華温泉登山口(1470m) 7:00 12℃
瀬戸川鉄橋(1180m) 8:10
白高地沢鉄橋(1335m) 9:10-20 16℃
花園三角点(1754m) 10:40-50
吹上のコル(2225m) 13:10-15
朝日岳(2418m) 13:55-14:15
朝日小屋(2140m) 14:40
Total 25,000歩
累計標高差 上り1320m 下り650m
【2日目(9/10)】朝日小屋から栂海山荘
朝日小屋(2140m) 5:30
朝日岳(2418m) 6:20-25 6℃
吹上のコル(2225m) 6:50
アヤメ平(2030m) 8:00-10 13℃
黒岩平(1650m) 9:15
黒岩山(1624m) 9:45-10:05 20℃
サワガニ山(1612m) 11:15-30
北又ノ水場(1480m) 12:00-25
犬ヶ岳(1593m) 13:05 20℃
栂海山荘(1550m) 13:10
Total 26,800歩
累計標高差 上り730m 下り1320m
【3日目(9/11)】栂海山荘から親不知
栂海山荘(1550m) 5:40 13℃
黄蓮山(1360m) 6:25
菊石山(1210m) 7:00-10
下駒ヶ岳(1241m) 7:45
白鳥山(1287m) 9:00-30
シキ割り水場(900m) 10:25
坂田峠(610m) 11:05-30
尻高山(677m) 12:00
二本松峠(365m) 12:40
入道山(435m) 12:55
親不知登山口(80m) 13:45 24℃
Total 28,400歩
累計標高差 上り750m 下り2220m
【総計】
Total 80,200歩
累計標高差 上り2800m 下り4190m
天候 | 1日目(9/9):快晴→晴れ→曇り 2日目(9/10):晴れ→曇り 3日目(9/11):晴れ時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
蓮華温泉から親不知まで回送サービスを利用 ※糸魚川市JDS社 (TEL)025-553-2465 \10,000 クルマの回送はちょっと痛い出費ですが、この時期平日の蓮華温泉バス便がないので利用しました。複数人数の場合はお勧めのサービスです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◇危険箇所 今回は天候に恵まれたので、身の危険を感じるようなことはなかったけれど、次のようなところは要注意 ・蓮華温泉から瀬戸川への下りの木道はヌルヌルでかなり滑りやすい。 わたしも注意していたが、尻モチをついた。 ・三日間ともコースは長丁場、体調のキープはもちろんだが、天気が崩れると怖い。特にサワガニ山から犬ヶ岳にかけての痩せ尾根で強風にあうと逃げ場がない。 ◇急峻な箇所 ・犬ヶ岳の前後 ・下駒ヶ岳の登り…岩や木の根や補助ロープにつかまってよじ登る ・金時坂(坂田峠までの下り)…地図で想像する以上の急坂 ◇水場 ・蓮華温泉から朝日小屋にかけては水場豊富、マイカップがあれば水筒もいらないくらい ・栂海新道では、黒岩平、北又、黄蓮、シキ割り、以上4箇所のみ。 ただし、わたしは黄蓮の水場は利用しなかったので未確認。 もちろん残雪の多い時期ならもっと利用できる水場は多いと思う。 ◇アップ&ダウン とにかく全行程、アップ・ダウンが嫌というほど続く。 1日目より2日目、2日目より3日目がきつくなる。3日目などは小さな上り・下りを勘定すると二十数回のピークがある。しかも後半ほど標高が下がるにつれて気温があがる。それでも自分の体力を出し切って、北アルプスを日本海まで歩き抜ける達成感が山好きを吸引するのだろう。 ◇入山者 9/8までずっと悪天、9/9からしばらく好天の予想。 このため9/9入山者が増えたと見られる。 <9/9>下山は女性3人のみ、他はすべて入山、朝日小屋の宿泊約20人、幕営約10人 <9/10>南行きは男性ソロ1人、栂海山荘の宿泊約20人(多い)、幕営2人 <9/11>南行きは男性ソロ2人 |
写真
感想
◇栂海新道
わたしの手元に、さわがに山岳会・小野健著『山族野郎の青春』という本がある。昭和46年に山と渓谷社から発刊されたもので、新潟県青海町の小さな山岳会メンバーが無償の情熱に突き動かされ、悪戦苦闘しながら数年かけて北アルプス長栂山から親不知まで27kmに及ぶ山稜を切り開き、登山道をつけた記録である。読んだ当時その熱意と行動力に圧倒され、自分もせめてその道を歩いてみたいと思った。しかし、その後山から遠ざかり、これだけの行程を縦走をする機会はなかなかやって来なかった。40年余りの月日がたち、本もすっかり黄ばんで古くなった。
三四年ほど前に山歩きを再開し、最近ようやく少々の山行なら耐えられる体力がついた。7月に白馬岳から朝日岳を歩き、そのとき同宿した70代の男性が残雪の栂海新道を単独で縦走すると話していた。機も熟してきた。混雑期を過ぎたこのタイミングに蓮華温泉から親不知まで先人の道をたどってみようと思った。
◇蓮華温泉から朝日小屋まで
このコースもわたしには初めてである。
歩き始めの蓮華温泉から一旦300mほど瀬戸川まで下って、あらためて上り返すのが気分的には難点だが、そんなことを補ってあまりある魅力に満ちている。まず湿原や草原、あるいは木々の向こうにどっしり見える白馬から朝日にかけてのいわゆる大蓮華の山容がいい。少しがんばって登ると、もう標高1600mあたりから五輪高原の一角に飛び出して広々とした見晴らし。
そして足下には、実にさまざまな高山の花々が咲き乱れている。
今回特に驚嘆したのは、ほかの山なら7月にとうに終わっている花が、なお咲いていたことだった。ここではお盆を過ぎてからでもまったく遅いということはない。
しかも、コースの至る所清冽なせせらぎが流れていて、水には困らない。マイカップひとつ腰にぶら下げておけば、水筒の必要もないくらいだろう。
◇長栂山から黒岩山まで
40年前、まだ道が切り拓かれたばかりの頃このあたりの美しさはどれほどだったろうか想像する。いまでも、ひと気の少ない静寂な湿原に立つと、田部重治いうところの『永遠というものの一角』に踏み込んでいるような気がする。人知を超越した別天地だと思う。
さわがに山岳会から環境省が所管するようになったとのことで、木道や標識などきっちり整備されている。この地がいま以上に荒れずこのままであってほしいと願う。
◇黒岩山から犬ヶ岳・白鳥山まで
今回は歩くのに精一杯で、この山稜を自分として十分わかったといえない。
日陰のない縦走路で太陽に炙られ、つぎつぎ続くアップダウンをゆっくりと味わうゆとりがなかった。富山や新潟方面の遠望もあまりきかなかった。
少し寒いくらいの10月頃が適期ではないかと思う。
◇白鳥山から親不知まで
消化試合のような歩き方をして、もったいないことだった。
坂田峠以降の尻高山、入道山にかけても注意すれば興味深いことが多そうだ。
たとえば、樹林の杉の大木は通常の植林杉ではなく、立山杉のたぐいの古木であり、樹齢何百年のようだし、今回野猿の群れにも出くわした。毛並みのいいボス猿らしき奴が、わたしの行く手をゆっくりと横切って行った。おーいと声をかけたが、まるで動じる様子もなかった。
入道山を越えてもなお二三アップ・ダウンがあったが、最後の坂道を下っているとき、ついに木々の向こう青々とした日本海が見えた。胸にこみ上げるものがあった。さわがに山岳会のひとたちの新道伐開にかけた思いがわかったように思えた。
◇親不知観光ホテル
ちょっと蛇足ですが、一言。
下山したあとホテルで汗を流して、早々に帰途につくひとが大半のようですが、出来れば登山口の目の前の親不知観光ホテルに一泊されたらと思う。
まず、最上階の風呂の展望がすばらしい。天嶮の絶壁から日本海を見下ろす。まあ、これは一泊しなくても入浴だけでも味わえますが、夕食は新鮮な海産物尽くしの料理オンパレード。糸魚川の地酒とともに味わえば、至福の気分になれると思います。栂海新道完走のご褒美にちょっと時間とお金を使ってみることをお勧めします(ちなみに、ホテルから宣伝費の類はもらっておりません)
◇もうひとつ蛇足
栂海新道のトイレ事情は現状放置は許されないと思います。
糸魚川市が地元をあげてジオパーク認定をうけ、栂海新道もその一環であるなら、なんらかの改善策を公的に考えるべきではないかと思いました(ただ歩いているだけのものとして、あまり偉そうなことはいえないですが…)
コメント
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mt-Harriman sanはじめまして。5年前に縦走しました。改めて長いなあと、記録を拝見させていただきました。
所で、栂海山荘のトイレは相変わらずの空中トイレでしょうか?下に散乱したxxを見るとがっかりです。
北海道と同じく、簡易トイレ持参義務か、トイレの整備か必要ですね。
今後共、楽しい山行を!
jm1bwoさん、コメントありがとうございました。
わたしは今回初めて栂海新道だったので、5年前と比較できないのですが、その後何の改善もされていないようです。現在も空中トイレのままです。
(多分白鳥小屋も同じ)
栂海新道がマイナーな山域だった時代ならまだしも、これだけ入山者が増え、かつ世界的なジオパーク認定の対象になり、栂海新道の名前をつけたお菓子まで出ているときに、トイレがあれはないでしょうと正直言いたいですね。
栂海新道に限らず、登山人口が増えた我が国では、臭いものにフタ、見て見ぬふりをいつまでもするわけにはいかないはずです。
いつだったか『山と渓谷』でもこの問題を真剣に取り上げていましたね。
先日四国のおかめ岩避難小屋に泊まりましたが、小屋に併設されたトイレは定期的にバイオ分解菌を投入しているとのことで、ほとんど臭いもせず、実に清潔な印象でした。
2020五輪も決定し観光立国をめざす我が国なら、技術的に解決できない問題ではないはずです。
個人にできることは限られますが、わたしもまじめに考えてみたいテーマです。
それでは、今後ともお元気でやま行きを楽しんでくださいませ。
mt-harimaoより
mt-harimaoさんこんにちは!
栂海新道縦走お疲れ様でした。
本当にすばらしいルートですね。
前から憧れのルートなのですが、アクセスが悪いので行けずにいましたが、車の周回サービスがあるのですね!
これなら3日間の休みでも行けそうなので、天候が合えば紅葉の時期に挑戦してみたいと思いました
親不知観光ホテルにも泊まってみたいのですが4日も休めない とても悩ましいです
素敵な写真とすばらしいレコありがとうございました!
hissy369さんコメントありがとうございます。
いつも貴兄のヤマレコ、写真もレコも楽しく拝見しています
栂海新道に来た方はみなさん交通アクセスに悩んでいました。親不知観光ホテルは展望風呂 を満喫いただければ、まずまず満足できるのではないでしょうか
それでは、つぎのヤマレコを楽しみにしています
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