中央アルプス・将棊頭山(桂小場より)


- GPS
- --:--
- 距離
- 14.1km
- 登り
- 1,533m
- 下り
- 1,521m
コースタイム
胸突の頭(9:00)・分水嶺(9:35)〜夏道で西駒山荘(10:00/10:10)〜将棊頭山(10:30/11:05)〜冬道で胸突の頭(11:30)〜
大樽小屋(12:30/12:50)〜野田場(13:25/13:30)〜登山口(14:30)
天候 | 晴れ後霧 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
平坦地は少ないので駐車は確実にしてください。 約30分の距離に羽広温泉「みはらしの湯」が有ります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全体的に急激なアップダウンは無く、淡々と高度を稼ぐ脚に優しい道が続きます。 胸突八丁からは傾斜が増し岩を踏んで登ります。 分水嶺(主稜線)に出ると一気に展望が開けます。 ここから稜線トラバースの夏道、稜線を辿る冬道に分かれます。 今日は9/15に行われる「西駒んボッカ」に備えた道案内のおかげで、安心して歩く事に専念できました。 伊那地方では古くから西に位置する木曽駒ヶ岳を西駒、東に位置する甲斐駒ヶ岳を東駒と呼んで区別されており、 そのためこのコースは木曽駒ではなく、西駒登山コースと言われる。 歩いてみて、古くから大切にされている道なんだと実感しました。 |
写真
感想
長かった業務からやっと解放されたが、何やら台風18号の影響で微妙な週末連休に。
土曜日は何とか稜線に出る頃には晴れ間が望めそうなので計画通り将棊頭山へ。
深夜2時に自宅を出発し、4時半に桂小場登山口へ到着。
漆黒の駐車場で準備を終え見上げる空には星が煌めく。
晴れを期待して出発する。(16℃)
右に沢音を聞きながら山腹に絡んだ道のようだ。しばらくするとヘッドライトの灯りに「ぶどうの泉」の指標が浮かぶ。
流れ落ちる谷水は冷たくてうまい。(山ぶどうの蔦が絡まる山肌からの湧水が命名の由来と記されている。)
どうやらここで谷を横切り左岸山腹に絡んでんで行くようだ。
適度な傾斜で、脚に負担のない優しい道が続く。
ライトの灯りがいらなくなる頃、わずかに下りると小さな平坦地に出て野田場と言われる水場になる。
水をたっぷり補給して脇のベンチで一息入れる。
笹と唐松に囲まれた緩やかな道で淡々と高度を稼ぐと、やがて廃道化した横山部落への分岐を過ぎまもなくすると、
右から権兵衛峠からの道を併せる。馬返しだ。
わずかに傾斜を増した道で奈良井宿への分岐(白川分岐)を過ぎると尾根筋に乗ったことに気づく。
苔とコメツガ?などの静かな雰囲気に包まれた道も、傾斜を増し岩を踏むようになるとやがて大樽小屋だ。
水場も近くテントも張れそうな小台地も有る。
中を覗くときれいに使われているようだ。
トイレも有る小さな避難小屋のベンチで、胸突八丁の登りに備えて長めの小休止をとる。
樹林の間から日射しも感じられ、風の音も無く全く静かだ。(16℃)
信大ルートを併せるといよいよ胸突の頭まで長い登りが始まるが、覚悟したほどの急登は無く辛抱強く登るのみだ。
(地形図で確認する等高線もさほど混み合っていない。)
尾根の足元には赤い実を付けた草が目立ち、秋の山を実感する。
しばらく登ると六合目のベンチが休みを誘うがペースを守って通過する。
苦しい登りで脚を止めふと樹林の切れ間を覗くと、そこには槍ヶ岳〜穂高連峰が雲海上に浮かんでいた。
稜線からの眺めを期待して脚を進める。
やがて岩が集まる場所に出ると津島神社となり注意して探すと、岩の陰にヒカリゴケが見られた。
次第に樺の木が多くなり青空が近く感じられると、やっと長い登りも尽きて胸突の頭となる。
展望は得られないので、岩に腰を下ろして行動食で小腹を満たそう。
頭からは南に向きを変えた平坦路になる。行者岩の分岐を見送り、這い松を抜けて主稜線に出ると
ここで一気に展望が開ける。
目前に行者岩のピーク、木曽谷を越えた西には堂々とした御嶽、振り返った東には
鋸岳・甲斐駒から続く南アルプスや、奥には八ヶ岳の山塊が雲海上に捉えられる。
(すっきりしないのが残念だが)
這い松と砂礫の稜線は、展望に見とれてなかなか先へ進めない。
分水嶺で夏道・冬道に分かれるが、稜線トラバースの夏道を選んで改築中の西駒山荘を目指す。
権現づるね・木曽駒への稜線が交差する広い鞍部に建つ西駒山荘の下には、「天命水」と呼ばれる水場の台地が有る。
たっぷりかいた汗を流してさっぱりした後、目的の将棊頭山へ脚を進める。
改築中の山荘を回り込んで木曽駒方面へ向かう。しばらくして現れる天水岩の指標に従い、
縦走路を外れUターンするように這い松を踏み分ける。
日照りが続いても枯れないと言われる「天水岩」の脇から砂礫を踏んで、無人の将棊頭山に出る。
幸い稜線に出てから青空が続き、展望も意のままだ。
目の前には伊那前岳の稜線・宝剣岳・鞍部に建つ山小屋・中岳・そして木曽駒ヶ岳・足元から延びる主稜線と
木曽駒の全貌が一望できる。
更に眼を凝らすと伊那前岳の奥には空木岳が望まれる。
贅沢な山頂でゆっくり昼食を摂り、ガスが頻繁に流れはじめたのを機に山頂を後に
する。(25℃)
下山は稜線を辿る冬道で行こう。
這い松と砂礫の稜線で3000m級の雰囲気を満喫しながら分水嶺まで戻る。
久しぶりの山歩きだ、余力を残して下りたい。行者岩・茶臼山は次回訪れよう。
往路を下り六合目を過ぎる頃、ねっとりしたガスに覆われ始める。
気温も下がって、視界は悪いが尾根には幻想的な雰囲気が漂っている。
大樽小屋でコーヒータイムの小休止を摂った後、未明の登りでは暗く見えなかったコースの様子を
確かめながらゆっくりと下る。
久しぶりに訪れた山は、静かな脚に優しい道を辿りながら、
3000m級の雰囲気を味わい、季節の移り変わりを感じつつ、じっくりと楽しめた一日だった。
ほぼ標準コースタイムで歩けたが、明日に脚の疲れは残るだろう。
羽広温泉でゆっくりお湯に浸かってから帰ろう。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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台風の影響で、心配してたんですがやっと行けましたね。よかったですね。
山もあっという間に夏から秋に季節が変わってきています。咲いている花や、空気に秋の気配を感じます。
先週の槍ヶ岳で私も実感しました。
これからは紅葉の季節、僕は先月の西駒リベンジの後、もう少しアルプスで遊んだら11月頃鈴鹿に戻ろうかな、なんて考えております。
sugi-chanさん 今晩は。
天気予報と睨めっこの末、出かけてきました。
何とか晴れに恵まれ、久しぶりの山をじっくりと楽しんできました。少し疲れましたが・・・
山はもうすっかり秋ですね。紅葉が楽しみです。
台風直前の晴れ間、見事GETですね。
ぐっと冷え込んできて、夏山としては
今回が見納め、来週以降は一気に
秋らしくなりそうですね。
中ア北部、木曽駒千畳敷のみ
注目されがちですが、しっとりした
歩きができる山が多いですね。
直前まで迷いましたが、稜線に出る頃に晴れそうな予報を信じて正解でした。
地形的に前衛峰のイメージが有りますが、標高も2700mを越え、広がる展望も含め中央アルプスの雰囲気を楽しんできました。
komakiさんが先日行かれた空木岳も視界に捉えました。
将棊頭山はいい山でした。
ようやく山行できましたね。
しかも、中央アルプス
台風のタイミングを見計らっての青空で
稜線がすごく魅力的な山ですね。
higurasiさん 今晩は。
直前まで気を揉みましたが、台風の影響も無く中央アルプスの主稜線を歩けました。
木曽駒の全貌を東から眺めたくて辿った道は、静かでいい雰囲気でした。
久しぶりの山行をじっくり楽しめた将棊頭山に感謝です。
onetotaniさん こんばんは
14日の朝、登山計画書をポストへ一緒の時間に入れた者です。
「聖職の碑」遭難ルートを歩き千畳敷からロープウェイ、電車、タクシーを乗り継ぎ、出発点の桂木場へ15:36に戻りました。
現在、台風18号の影響で、桂小場ルートは県道伊那駒ケ岳線の「つばめ沢橋」付近の道路の崩落のため、通行止めになっています。
またどこかでお会いしましょう。
JJ0JVLさん 今晩は。
あの時は私もヤマレコの仲間だと名乗れず失礼しました。
JJ0JVLさんが記録をアップされるのを楽しみにしていました。
ハイペースで歩かれていますね。
新田次郎の「聖職の碑」は小説も映画も見ており、訪れたい場所ですので、次回は頑張って桂小場から千畳敷経由で周回してみます。
またお逢いできたらその節は宜しく。
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