暗闇に目を凝らし、静寂に耳を澄ました夜間登山 〜雨乞岳から杉峠、コクイ谷周回〜


- GPS
- 06:40
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 755m
- 下り
- 751m
コースタイム
天候 | 断続的に雨、ガスが出る天気ですが、近づいてくる台風の影響はまだ出ていません。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雨乞岳まで危険箇所は特にありません。 地面は雨で緩んでいるので不用意に足を置くと滑落の危険はあります。 濡れた岩には気を抜かないで要注意です。 コクイ谷のルートは道迷い遭難(日暮れまでに下山できない)が多発しているので読図のできる熟練者でなければ立ち入らないでほしいとの事です。 |
写真
装備
個人装備 |
ザック 1
下着着替え 1
靴下予備 1
防寒インナー 1
ウインドヤッケ 1
レインウェア上下 1
救急薬品 1
ナイフ 1
折りたたみ傘 1
非常食 1
昼食 1
スマホ 1
帽子 1
トレッキングポール 1
ガスカートリッジ 1
コンロ 1
手袋 1
コッヘル 1
マグカップ 1
タオル 1
ティッシュ 3
財布 1 カード・保険証含
シューズ 1 靴紐予備含
自家用車 1
水 2.5ℓ
カメラ 1
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感想
さて、先週途中まで下見をした雨乞岳からイブネ、クラシの周回を完了させるべく行ってきました。
先週の途中撤退の原因はまず時間の余裕のなさでした。
最悪14時が私の下山のリミット。
スタート時から時間に追われる感覚では山を楽しむどころではありません。
その上にガスで視界を遮られ、ルーファイに手間取るわけにもいかないとの判断でした。
今回はまず時間の制約を和らげるためにスタートを早めました。
先週7時過ぎだったのを4時にしてみます。
真っ暗の山道は伊吹山以来ですが、あちらは夜間登山の条件が整っています。
勝手知ったる・・・とは行かないこの山ですが、先週歩いていることと夜明けまでの時間が短いこともあってOKとしました。
もう一点、コクイ谷沿いのルートの件。
この谷道での道迷いが多発しているらしくて基本入るなとの表示でしたが、以前に一度(大先輩に付いて)コクイ谷を歩いた経験が一応(汗)あるので、これも良しとしました。
天候など山の危険を回避するのは当然でもルーファイを怖がるのは情けない!
直前になって台風の接近が報じられ、また荒れ模様の天候のようでさすがに延期を考えました。
予報では近畿中部に再接近するのは当日夜からのようで、朝方までは天気は持ちそう。
状況によってルートの短縮を考えることとして、前回よりもテーマが一歩進んだ山歩きが楽しみです♪
夜明け前に武平峠に着きましたが、断続的な雨が続いています。
雨の降り出しが早いと心配になるのが谷の増水です。
このコース、ほとんどが谷沿いを歩くルートで渡渉も度々あり、増水するとたちまち進退窮まります。
ただでさえ水難の相が顕著な私のことで、スタートすべきか取りやめるべきか、しばらく迷いました。
雨が弱まり、まずは今できる1つ目のテーマの夜間歩行体験はできると判断し、歩き出しました。
雨乞岳までに夜が明けるとその先の判断もできるだろうし、暗闇の山道の誘惑に心が騒いだのもあって、えいっと歩き出したのが本音・・・かな?
サーッと雨の音をBGMに、ヘッデンを頼りに進みます。
伊吹の時とは全く違う緊張感。
情報を逃すまいと五感をフル動員して山に合い対します。
息を切らすと心拍数と比例して五感の余裕もなくなるもので、ペースを上げすぎないように維持しながら一歩一歩・・・
暗闇の中でも案外多くのものが目に入ります。
赤テープやリボンはヘッデンの灯りによく反射してくれるので助かります。
何気なく視線を上げた先に、いくつもの光る点が現れました。
距離はあるようですが、動くような動かないような点の集合は最初季節外れのホタルかと思ったのです。
ありえないような想像も働いて体が固くもなりましたが、しばらく見ていると微かな動きはふたつずつが揃って動いていることに気付きました。
獣の目が光っていることに思い当たると、猛獣の可能性はなく、すぐにシカだと見当がつきました。
お互いにじっと見合っている時間が過ぎ、こちらが動き始めるとシカたちも別方向に。
正体がわかると落ち着いて反応できますが、わからないままだと恐怖心が勝ってしまうケースもあるんですね。
暗闇の舞台のおかげでなんでもない出来事がなにかサスペンスじみた演出に思えて楽しめます!
もちろん道の間違いや迷いには最大限注意を払います。
(ONE PIECEでウソップが言っていた)「何かがやべーセンサー」が反応するとその場で立ち止まります。
無意識に目が探しているテープが見当たらない時、いつもなら10分も歩いていてはじめて気付きますが、今回は数mでセンサーが反応しました。
何度もルートをはずれかけましたが、ことごとく早期修正できたのは闇のおかげだったかも・・・
七人山手前で夜が明けて、スリル満点の夜間登山は終了しました。
雨は断続的に降り続いています。
さ、次の課題は雨乞岳から引き返すか杉峠に進むか・・・
実際には一瞬の休憩の後、迷わず先に進んでいたんです。
谷の増水は確かに怖いことで、山では短い時間で水量が変わることも経験しています。
ただこのときまでの雨量では、まだ谷の水量が変わるまでには至っていないと判断し、杉峠を過ぎてから再度判断の余地もあることから先に進んだのです。
ほんの短い痩せ尾根を越えると急勾配を下り、杉峠に着きました。
ここから当初の計画では真っすぐ北に登り返した先がイブネ、クラシです。
実は今回、スタート時からそこに行く考えはなかったんです。
senrakuyaさんやchuraさんが言われているように、「テントを張りたくなる」山上台地を味わうために、そこだけは天気を選んで行ってみようと思っています。
yuconさんの情報にあった千種街道も見つけました。
今度イブネ、クラシへはこのルートから行ってみますよ。
杉峠から東の谷に向かって下っていくと、沢沿いに石垣や石段の跡が多数残っていました。
御池鉱山跡です。
案内板によるとこのあたりでは明治から昭和にかけて銀や銅の産出があり、いくつもの鉱山とそこで働く人たちの集落があったそうです。
年月を経ても朽ちない磁器の茶碗のかけらなどが想像力を刺激してくれますが、驚くのはこの山奥に尋常小学校まであったこと。
今風に言うならライフラインなんて存在し得たのか、謎です!
コクイ谷分岐までやってきました。
道標にはコクイ谷方面廃道(!)の表示があってかなりショックでした。
でもよく見るとかなりしっかりした道が谷の奥(上流)に続いているように見えます。
先日釣りに来て歩いたと言うryujiさんの情報もあり、腹をくくって進むことに。
ここまでは赤テープをメインの目印に歩いていましたが、あらためて地形図の等高線と風景を合わせながら注意して歩きます。
やはり何箇所か崩落していたり、道が塞がっている所がありました。
でもそのそれぞれに新しいルートの目印が設置され、廃道ではなくきちっと管理されていましたよ。
等高線を見たり、テープを探したり、渡渉箇所を選んだりと休む間もないこの谷道ですが、早朝のスタートから誰にも会わないこのルート、自分にとってはこれ以上ない最高のリフレッシュハイキングです!
足元を走るイタチやタヌキもアクセントになり、雨と沢の音が途切れずに空間を満たして緑に光る森を飾ります。
一人歩く自分の足音も鳥の声と同じ森の効果音に思えてくると、自分がこの山にいる事が当たり前のことに思えてきてどこにいつ着くかなんてどうでもよくなってきます(笑)
コクイ谷から沢谷へ、朝歩いた分岐について周回ルートは閉じました。
そこそこ体力を使った一回り、武平峠までを朝と同じテンションで歩く元気はなかったけれど、大事に大事に歩けた気がする一日でした。
イブネ、クラシがまだ未踏のまま残ってますが、まだまだ楽しむシーンは作れそうですね。
鈴鹿の山とも仲良くできそうだ・・・
おはようございます。yuconです。
イブネ・クラシを残されたのは正解かも! 谷は雨でも趣がありますが尾根や山頂は雨、ガスは似合いませんよね、次回秋晴れの山上台地をお楽しみに機会を窺って下さい
私はいつも滋賀県側から千種街道を歩いて杉峠で雨乞岳、イブネ・クラシを踏んでピストンのパターンなので杉峠より東へは下りたことがなく鉱山跡も未踏です。一度「朝明」まで突き抜けたいのですが帰りの事を考えると少し無理があるのと千種街道の脇にはお金明神や清水の頭、魅力的な谷や尾根などがい〜っぱいあり1日〜2日で単純に街道を突き抜けるのが非常にもったいないです。満足しようとすると一週間〜10日ぐらいかかります(いやいや1ヶ月くらいかも)。それくらい魅力的な所が満載です
yuconさん、ありがとうございます
甲津畑から杉峠の道、確かに歩いてみたい道ですね。
もう少し秋が深まって山の色が鮮やかになればこの谷もきれいに色付きそうです。
杉峠からイブネ、クラシで過ごした後はタイジョウからカクレグラへの稜線歩きも有りかなと地図を見ていました。
こちらは谷道ではない分破線表示でも歩けるかも知れません。テン泊地もあるし、泊まりを入れて歩いてみたいものです。
こうしてみると、いくらでもルート候補が現れます
雪の季節まで遊べそうですね
鈴鹿山脈の横を年に数回通行しているのに
鈴鹿
monさんが地図を確認したり テープを見つけたりして
歩いている姿だけは物語の進行のように楽しく
次はどうなるのかな?
時々 次回のお楽しみ〜
日帰りで遊ぶことの出来る
達人たちのレコを参考に勉強したいこの頃です
merさん、実は私も鈴鹿の山の魅力はよく分かっていません
比良の山ほど力を抜いて歩けることもないですし、地形図をにらむ視線にも力が入ってるかも・・・
主な山を一度ずつ登ったくらいで、山域を線で繋いでもいません。
これから足で庭を広げていくのが楽しみなところです。
merさんも機会を見つけて散歩してみてくださいな
これからの色づきに期待が持てますよ
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