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Yamareco

記録ID: 364375
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
蔵王・面白山・船形山

東根温泉〜船形山(御所山)〜定義 長谷川末夫・トリビュート【かもしか山行】

2013年11月01日(金) 〜 2013年11月02日(土)
 - 拍手
体力度
8
2〜3泊以上が適当
GPS
15:53
距離
48.2km
登り
2,045m
下り
1,843m
歩くペース
とても速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

23:30東根温泉-0:23大森山公園-1:15原宿-3:31ジャングル・ジャングル-4:13柳沢小屋-4:43観音寺コース登山口-5:30粟畑-6:30仙交小屋跡分岐-7:55船形山8:10-9:10蛇ヶ岳-10:10後白髪山10:30-定義14:00-宇治沢バス停15:12
天候 晴れ、5-15℃。
過去天気図(気象庁) 2013年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
仙台駅21:03発・仙山線「山形」行 山形駅22:24着
山形駅22:37発・奥羽本線「新庄」行 東根駅23:06着

宇治沢バス停15:22発・仙台市営バス「仙台駅」行
コース状況/
危険箇所等
●長谷川末夫
長谷川末夫さんは、高名な登山家ではなく、一般ハイカーです。ただし、ただのハイカーではなくスーパーハイカーです。関東・東北地方を中心に、枯木山や博士山など、今となっては垂涎ものの山行をこなしています。長谷川末夫著『汽車が好き、山は友だち』(草思社)によると、船形山には昭和14年と15年に1回ずつ登っており、前者では東根〜熊ヶ根の約45キロを約17時間、後者では定義温泉〜東根温泉の約30キロを約12時間半、という日帰り山行をしています。特に昭和14年のロングコースは、現在は廃道となった仙交小屋跡分岐から大倉川(鬼口沢)沿いに定義へと辿るルート(当時は「御所山林道」と呼ばれ、後白髪コースのほうが「船形林道」と呼ばれていたらしいです)を利用しており、当時の雰囲気を詳細に伝える貴重な記録になっています。これは以下のサイトでwebでも読めますので、興味ある方はご確認下さい。
http://mokkiriya.at.webry.info/201206/article_3.html

●大倉ダム
大倉ダムができたのは1961年(昭和36年)ですから、戦前にはダムはなく、大倉川の深い渓谷には、高さ50メートルほどの、奇勝で有名な旧天狗橋が掛かっていました。菅野照光著『30年のドキュメント 沈んだ村』によると、そもそも大倉ダムの建設にはトラブルがあったようです。十里平(約10戸)にダム建設を推進しようとする仙台市と、大倉(約60戸)に大きなダムを作ろうとする宮城県との争いがあり、最終的に国の支援を受けた県が勝ち、大倉が水に沈むことになりました。このとき、旧天狗橋も、近くにあった天狗茶屋(ところてんで有名でした)も一緒に消えています(昭和48年頃、ダムの水位が下がったとき、天狗橋が久しぶりに往事の姿を現した、という記述もあります)。陸前落合・赤坂方面からの定義街道や熊ヶ根からの道を進んできた定義参詣の人々は、急峻な高柵山のトンネルを抜け、天狗橋に至って天狗茶屋で一服し、橋を東から西に渡って定義如来を目指したようです。ということで、長谷川さんが旧大倉集落のどこを通ったのかは分かりませんが、西側を通って昔の天狗橋を渡り(ところてんで有名な天狗茶屋がありました)、高柵山隧道を夜盗沢のほうに抜けてから、熊ヶ根へと至ったと考えられます。1/25000地図には旧道もまだ残存しています。
ちなみに、高柵山隧道道については以下のサイトが詳しいです。
http://www.geocities.jp/hkdo2/ro/jok/01.html
東根駅。さくらんぼ東根駅ではないです。
2013年11月01日 23:13撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
1
11/1 23:13
東根駅。さくらんぼ東根駅ではないです。
ということみたいです。お湯が沸いてました。
2013年11月01日 23:27撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
11/1 23:27
ということみたいです。お湯が沸いてました。
うまそう1。
2013年11月01日 23:50撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
1
11/1 23:50
うまそう1。
うまそう2。
2013年11月01日 23:52撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
11/1 23:52
うまそう2。
うまそう3、じゃなかった。定番の湯殿山神社。
2013年11月01日 23:57撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/1 23:57
うまそう3、じゃなかった。定番の湯殿山神社。
十八夜供養塔。見たのは2回目。以上、東根の旧街道終了。
2013年11月02日 00:01撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
1
11/2 0:01
十八夜供養塔。見たのは2回目。以上、東根の旧街道終了。
仙台まで51km。このまま歩くか・・・。
2013年11月02日 00:24撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
11/2 0:24
仙台まで51km。このまま歩くか・・・。
ココからジャングル・ジャングル方面へ。
2013年11月02日 01:14撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
11/2 1:14
ココからジャングル・ジャングル方面へ。
トンネルを抜けて少し行くと黒伏山が見えてきます。
2013年11月02日 03:01撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
11/2 3:01
トンネルを抜けて少し行くと黒伏山が見えてきます。
観音寺コース登山口。ここまでが暗くて寂しくて単独行冥利に尽きました。
2013年11月02日 04:43撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 4:43
観音寺コース登山口。ここまでが暗くて寂しくて単独行冥利に尽きました。
粟畑の道標。
2013年11月02日 05:19撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 5:19
粟畑の道標。
さ、明るくなってきたら月も出た。楠峰方面?
2013年11月02日 05:20撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 5:20
さ、明るくなってきたら月も出た。楠峰方面?
怪峰・仙台加護。
2013年11月02日 05:33撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 5:33
怪峰・仙台加護。
船形山の、新しい朝。
2013年11月02日 05:46撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
11/2 5:46
船形山の、新しい朝。
仙台駕籠。角度を変えるとこんなん。
2013年11月02日 06:03撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
5
11/2 6:03
仙台駕籠。角度を変えるとこんなん。
荒神山も。遠いですが気になる山です。
2013年11月02日 06:16撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
2
11/2 6:16
荒神山も。遠いですが気になる山です。
憧れの仙交小屋跡。
2013年11月02日 06:30撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 6:30
憧れの仙交小屋跡。
船形山がだんだん近づいてきます。
2013年11月02日 07:02撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
1
11/2 7:02
船形山がだんだん近づいてきます。
この尾根は急登ですが実に趣深い。
2013年11月02日 07:07撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
11/2 7:07
この尾根は急登ですが実に趣深い。
仙交小屋跡から船形山まで、至福の1時間半です。
2013年11月02日 07:12撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
11/2 7:12
仙交小屋跡から船形山まで、至福の1時間半です。
一歩一歩、踏みしめながら山巓に近づく。
2013年11月02日 07:18撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
11/2 7:18
一歩一歩、踏みしめながら山巓に近づく。
寒くなって参りました。
2013年11月02日 07:33撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 7:33
寒くなって参りました。
標高1430m付近から月山と黒伏高原の山々。これはキテル。早く山巓に上がらねば。
2013年11月02日 07:37撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 7:37
標高1430m付近から月山と黒伏高原の山々。これはキテル。早く山巓に上がらねば。
見えた見えた。
2013年11月02日 07:49撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 7:49
見えた見えた。
こんなに穏やかな船形山は初めてです。全部見えました。
2013年11月02日 07:53撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
5
11/2 7:53
こんなに穏やかな船形山は初めてです。全部見えました。
鳥海山。
2013年11月02日 07:54撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 7:54
鳥海山。
薬師森。後に見えるのは・・・。
2013年11月02日 07:54撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 7:54
薬師森。後に見えるのは・・・。
栗駒山。
2013年11月02日 07:55撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 7:55
栗駒山。
たぶん早池峰かと。
2013年11月02日 07:55撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 7:55
たぶん早池峰かと。
泉ヶ岳と北泉、中央に三峰山。太平洋方面は眩しい。
2013年11月02日 07:55撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
1
11/2 7:55
泉ヶ岳と北泉、中央に三峰山。太平洋方面は眩しい。
月山、葉山。さすがに雪が多い。
2013年11月02日 07:56撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
7
11/2 7:56
月山、葉山。さすがに雪が多い。
黒伏山の向こうに朝日連峰。
2013年11月02日 07:57撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
2
11/2 7:57
黒伏山の向こうに朝日連峰。
おそらく以東岳。
2013年11月02日 07:57撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
5
11/2 7:57
おそらく以東岳。
大朝日岳。
2013年11月02日 07:57撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 7:57
大朝日岳。
飯豊連峰ですかね。こんなにクッキリは初めてです。
2013年11月02日 07:57撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
6
11/2 7:57
飯豊連峰ですかね。こんなにクッキリは初めてです。
日本海方面。真ん中の右が荒神山。鳥海山。庄内平野に雲。
2013年11月02日 07:57撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
1
11/2 7:57
日本海方面。真ん中の右が荒神山。鳥海山。庄内平野に雲。
蔵王と二口。
2013年11月02日 07:59撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 7:59
蔵王と二口。
船形山山頂。ともかく抜けるような青い空でした。
2013年11月02日 08:13撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 8:13
船形山山頂。ともかく抜けるような青い空でした。
薬莱山。遠くに早池峰。
2013年11月02日 08:16撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 8:16
薬莱山。遠くに早池峰。
七ツ森のポコポコでしょうか。
2013年11月02日 08:16撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 8:16
七ツ森のポコポコでしょうか。
マイ・フェイバリット。
2013年11月02日 10:27撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 10:27
マイ・フェイバリット。
バイバイ、船形山。今日はありがとう。
2013年11月02日 10:27撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
4
11/2 10:27
バイバイ、船形山。今日はありがとう。
このあたりで10m先を小さな熊さんが右から左に横切りました。鈴を鳴らして「ほーい。ほーい」と言ったら、慌てたのでしょうか。上の方でもガサガサゴソゴソ音は聞きました。
2013年11月02日 11:50撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
4
11/2 11:50
このあたりで10m先を小さな熊さんが右から左に横切りました。鈴を鳴らして「ほーい。ほーい」と言ったら、慌てたのでしょうか。上の方でもガサガサゴソゴソ音は聞きました。
こんなに色づいていたでしょうか。記憶にありませんねぇ。
2013年11月02日 12:22撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
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11/2 12:22
こんなに色づいていたでしょうか。記憶にありませんねぇ。
伐採のため作業道はこんなんです。
2013年11月02日 12:47撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
11/2 12:47
伐採のため作業道はこんなんです。
アイヤー。そんなんありでっか。最初から通行禁止にしてくれても。
2013年11月02日 12:56撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
2
11/2 12:56
アイヤー。そんなんありでっか。最初から通行禁止にしてくれても。
ヘロヘロで定義まで来た。結構歩いているから、ダイエットにはなっただろう。って、なんだこの白いものは!?
2013年11月02日 14:06撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
4
11/2 14:06
ヘロヘロで定義まで来た。結構歩いているから、ダイエットにはなっただろう。って、なんだこの白いものは!?
derakkumaを舐めるなよ、誘惑には負けないんじゃ。
2013年11月02日 14:10撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
9
11/2 14:10
derakkumaを舐めるなよ、誘惑には負けないんじゃ。
4分後に出発だそうです。derakkumaを舐めるなよ、誘惑には負けないんじゃ。
2013年11月02日 14:13撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
3
11/2 14:13
4分後に出発だそうです。derakkumaを舐めるなよ、誘惑には負けないんじゃ。
白い物体が消えました。新手の手品です。
2013年11月02日 14:17撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
7
11/2 14:17
白い物体が消えました。新手の手品です。
誘惑が行く。これで、熊ヶ根挑戦権獲得!
2013年11月02日 14:19撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
3
11/2 14:19
誘惑が行く。これで、熊ヶ根挑戦権獲得!
力尽きてあっさり敗退。いやあ、熊ヶ根は遠かった。
2013年11月02日 15:13撮影 by  PENTAX Optio RZ18, PENTAX
3
11/2 15:13
力尽きてあっさり敗退。いやあ、熊ヶ根は遠かった。

感想

船形山のオールドコースに挑戦してきました。

前回の黒伏山のナイトハイクは、実のところは偵察で、今回が本番です。戦前に東根温泉から船形山に登った長谷川末夫さんの記録をなぞるのが目的です。ただし、昔と現在とでは道が異なる部分もあり、完全な再現ではありません。長谷川さんは仙交小屋跡分岐からの廃道(ただし、長谷川さんが登った当時は仙交小屋すらなかったかもしれません。旧仙南交通ができたのは1959年=昭和34年でした)を利用して定義に降りていますが、私は後白髪コースを利用することにします。また、定義から熊ヶ根への道も大きく変わってしまいました。

道路が整備される以前は、船形山の登山基地として東根温泉は有力だったようです。ということで、東根温泉から歩きます。東根駅でJR奥羽本線を降りて、東根温泉方向にいったん北上し、29号線を南下するルート。温泉はそれなりに賑やかでしたが、歩き出せばアッサリ漆黒の世界になりました。この日はほとんどお月様が出ず(早朝日の出前に細い三日月が見えた程度)、電灯も控え目で寂しい気持ちになること請け合いです。「東根の大けやき見てみたいな」と思いながら、三日町の信号を東へ行くと、旧街道の趣きが滲み出てきます。しかし橋を渡って十八夜供養塔を見届けると、人気はもっと深刻に薄くなりました(ちなみに、長谷川さんは早朝4時に宿を出て、途中の高崎までバスに乗っているようで、そんなに早い時間帯にバスが走っていたことが不思議です)。

大森山公園を左折してから原宿までが長いストレート。トラックが行き交う中をテクテク歩くと右脚付け根がジンワリ痛みます。「前途多難だな」と思いますが、仕方ありません。ただ、登山道よりも脚に負担の掛かるアスファルトは、今回のロングコースの鬼門となりました。原宿からジャングル・ジャングルまでは先々週に通った道ですが、今回は真っ暗なのでプレッシャーを感じました。ラジオをつけますが、NHK第一の電波が強くなったり弱くなったり。アテにならないので、舗装道が砂利道に変わるあたりで熊鈴を手に持ち、「ほーい。ほーい」と熊よけの発生をしながら進みました。柳沢小屋と観音寺コース登山口の間で車2台に追い抜かれましたが、登山口から進み出したのは私のほうが先でした。落ち葉が敷き詰められ、ところどころかなりぬかるんだ道を粟畑に至ると、空が白んできました。始まりを遅くしたので、前回のように山林の中で長い夜を経験せずに済みました。

粟畑からのコース、圧巻は仙台カゴです。この山は船形山の山頂から見ると、楠峰や白髪山に囲まれ、その良さが分からないと思います。このロックガーデンは近くで見れば貫禄充分。観音寺黒伏や沢渡黒伏に並んで、御所山の五箇所参りに選ばれるだろうと思いました。遠く荒神山を見ながら仙交小屋跡に至りますが、ここから定義への廃道はいずれは歩いてみたい道です。遠景では、大倉川の支流が十里平のほうへ集まっていくのが窺われました。

今回の核心部は、仙交小屋跡分岐から船形山への400-500mの登りです。船形山が少しずつ近づいてくることを感じながら、ペースを落とさないようにロープ場を上がっていくと、森林限界を越えたときに素晴らしい展望が待っていました。早く山頂に上がった方がいいと判断します。

8時頃の船形山山頂は、風がほとんどありませんでした。気温は5℃くらいなのでやや寒いのは仕方ないですが、こんな展望は初めてです。鳥海、月山、栗駒山、神室連峰、早池峰、以東岳、大朝日岳、飯豊連峰、蔵王、太平洋。なにからなにまで見えました。条件が良ければ、日本海も見えるのかと。船形山が奥羽山脈の真ん中にあることが実感できます。大滝から登ってきたというご夫婦と立ち話をして、名残惜しく山頂を去りました。

残りは蛇ヶ岳と後白髪山を辿るいつものコース。長谷川さんが2度目に船形山に登ったときに使ったコースです。後白髪山の北にある円錐形のポコポコは、その昔「南宝森」と呼ばれていたとか。途中、後白髪山の下空沢と水茶屋の間で小さい熊に遭遇するアクシデントもありましたが、4km地点まではスンナリでした。が、ヤブ漕ぎを必要とする後白髪登山道は現在伐採作業中のため、道路がドロドロになっています。途中で出会った男性2人に話は聞いていたのですが、想像以上の悪路で大変な目に遭いました。ココは使えないと思った方が良く、定義林道を使うのがベターです。

定義まではだいたい予定タイム通りだったのですが、泥を落とすために30分ほどロスしてしまいます。再びアスファルトの歩きになり、流石にそろそろ怪しくなってきます。「行けるところまで」と思って熊ヶ根を目指して歩き始めましたが、約1時間歩いたところで小指の圧迫感が極まり、右脚鼠径部、左足の膝関節が痛み出し、宇治沢バス停で山行を終了することとしました。長谷川さんのように熊ヶ根までは無理でしたが、長谷川さんのバス区間を歩いているので、だいたい同じくらいの距離になったのではないかと思います。

振り返って、40km overはおそらく今回が初めてでしたが、いつものように、終わってみればあっという間でした。登山口から登山口まで、過ぎてしまえばいつも一瞬、長い一瞬です。出会ったのは車中の方々を含めて7人。困難でも古人に思いを馳せる静かな長駆けと極上の展望。こんなにぜいたくな時間を過ごせたことを、幸せに思いました。

帰ってyomeが一言。

「ていうか、ドン引きだよね」

雰囲気壊すんじゃないよ、ゴルァ(ヽ゜ω゜)ノ

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コメント

はっ?
前夜から不眠で16時間・48kmって孤高の変態プレーですね ドMとかそんなレベルじゃ無いです。
誰も真似しようとも思わないし、「お気に入り」に登録するのも躊躇します

参りました。この先更にエスカレートするのでしょうか?くれぐれも安全登山でお願いします。
お疲れ様でした。
2013/11/3 11:29
Shamineko様
コメントありがとうございます。ドン引き間違い無しで、放置プレイされるのを覚悟していました(爆)

夜寝ないで歩くコトを「かもしか山行」と呼ぶらしいです。土曜日の夜に歩き始めて、月曜日の朝までに帰るスタイルのことを意味するのだとか。
http://hwm7.gyao.ne.jp/mima/info/k_essay.htm
戦前の一時期、中村謙さん(ペンネーム加茂鹿之助)さんが考案したもので、昭和14年6月、谷川岳から仙ノ倉岳を通って三国山、法師温泉まで歩いているのですが、土合駅を前夜午後10時20分に出て、法師に着いたのが翌日夕方の6時15分。これが最初の「かもしか山行」で、時間的に制約のある社会人向けの山行形態として、中村さんの山岳会だけでなく、一般の山岳会の中にも広くブームを引き起こすことになったそうです。(中村謙「私の山岳生活」から)。

ということで、両側が切れ落ちているような危険なコースは歩かないようにしていますし、体力的な限界があるので、コレ以上のエスカレートもないと思います。というか、自分の限界を知りたかった、というのもあります。もう少しアップダウンのあるコースなら、もっと早く膝が笑い始めて終了ではないかと。

最近、下野と南会津の国境に特に惹かれます。単に山に登るのではなく、炭焼きとか、生活の跡があったというのが、さらに魅力的ですね(ヽ゜ω゜)ノ
2013/11/3 17:09
びっくりものです。
お疲れ様でした。
かもしか山行、こんな事が出来る人は希少価値があります。
プレミアものです
夜の魑魅魍魎、百鬼夜行、恐れを知らず歩けるとは大物の器ですね〜

観音寺コース、いつか歩いてみたいですね〜
2日は午後1時前後に後白髪山にいました。
お会いできなくて残念です
2013/11/3 19:31
Mレコに、最後の決め手
 derakkumaさん、こんばんは。
 「お、日程二日間!、derakkumaさんも遂に山泊まりか・・・・」またも夜駆けでしたか。しかも48km !Mな長駆けも、遂にフルマラソン越えですか
 「かもしか山行」、懐かしい響きです。身近な唯一の山の先輩が結構やってました。先輩曰く、

「日曜”しか”休めない、でもこれなら長く歩ける”かも”

 関東近場では、丹沢全山縦走とか、長沢背稜から雲取・石尾根周回とか。odaxも、ライトな笹尾根全縦走はやりましたが、チキン者なので夜目が効かないのか(?)、夜駆けは苦手でした
 しかし、一般舗装道は距離は稼げるのですが、山靴だと足に来ますよね。一般道が長いのが予め分かっているならジョギシュとか履き替えを用意した方がいいですよね。
 derakkumaさんのとは比べものになりませんが、2年前、泉ヶ岳から降りた時、少年自然の家発13:05(だったかな)のバスにすんでで行かれ、「次のバス(約2時間後)より早くいずみ中央に着く!」とばかり、仙台中心部の仮住まいまで(20km位?)山靴で歩いて帰ったことがありました。でも、足にまめができて、後半ペースがた落ち、ゴール寸前で次のバスにかわされてしまいました

 にしても、
「ていうか、ドン引きだよね!」
 レコの最後にyome様のきつい一言、これからderakkumaレコの定番となるのか ?odaxの"自爆"日記も霞みそうです。

derakkumel司令「yomeが私の最後の決め手だよ!(ゲール君!)」

昔アニオタのodaxでした
2013/11/3 23:41
今回は歴史もの?
darakkumaさん、お早うございます。

長谷川末夫さんですか。寡聞にして存じませんが、昔からすごい人がいたものです。
歴史ものに挑戦ですか。それにしても全48km、凄い記録です。東根からの24km、定義からもの街道歩きはともかく、山に関しては粟畑過ぎ辺りで夜明けなら、前回の真夜中の黒伏山よりずっとノーマルですよ。ドン引きではありません。2日は天気も良く素晴らしい船形の早朝だったでしょうね。
2013/11/4 11:22
meiken様
ナイトハイク、怖いのは熊だけですが、熊鈴鳴らし続けていればまず近寄って来ません。さらに腹から野太い声で「ほーい」と言っていれば、「ガウガウ」とか言いながら、向こうから逃げてくれます。出会い頭さえ避ければOKで、基本的には熊よりも人間のほうが危険かと。

ニアミス残念でした。天気が良かっただけに尚更。meikenさんに山座同定のレクチャーをして頂ければと思ったこの日の展望でした(ヽ゜ω゜)ノ
2013/11/4 11:24
odax様
師匠の仰るとおり、ジョギング・シューズは必携と思いました。ただ、そうなると登山靴をリュックに入れて歩かなければならず、それはそれで面倒だなと思った次第です。え、そんなこと気にしちゃいけないんでしょうけど。靴交換ありならもう少し行けそうな気もします。が、それだと昔の人に対してフェアじゃないような気がして、今回は登山靴で通してみました。

アスファルトは本当にキツイので、田んぼのあぜ道とか、歩けるなら土の上を歩いた方が良いかもしれませんね。師匠も登山靴で20kmだとかなり参ったことと思います。足首がロックされているのがマズイのでしょうか、最後はペースがガタ落ちで一般人に追い抜かれ、ストック頼りになったので諦めました。

泉ヶ岳だと、青葉区北山の輪王寺からかつての根白石街道を通って登るプランがあります。おかげさまで、靴交換ありで快適にやる踏ん切りが付きました(ヽ゜ω゜)ノ
2013/11/4 11:37
kyen様
ミッドナイトin黒伏山で反省し、今回は時間調整をして挑みました。ナカナカの山行だったと思います(ヽ゜ω゜)ノ

長谷川末夫さんは全然有名な人ではないですが、たまたまyomeが見つけてくれたあの本は、驚きと感動に満ちていました。栗駒山から荒尾岳への4泊5日の縦走とか、下北半島で死にそうになったりとか、戦前の不自由な時代の様子が分かると人生観が変わります。

昔は、山中では熊よりも野犬が怖かったそうです。現代人は決して思いつかないですよね。昔よりも、遥かに環境の良い山を歩いているのだと、自覚した次第です(ヽ゜ω゜)ノ
2013/11/4 11:48
恐れ入りました
derakkumaさんから6時間遅れで観音寺コース入りしました。
天気最高でしたね。

それにしても、すんごい距離
恐れ入りました。
仙交小屋跡から定義までの廃道レポート期待してます
2013/11/4 15:14
solo-solo様
仙交小屋跡から定義までの廃道、webでもいくつか情報があるのですが、かつての定義森林鉄道とカブっている部分もあるらしく、資料不足でルートを確定しかねています。通常歩きで4時間かかったらしいので、探索しながらだと倍以上は必要でしょうし、実質沢登りになりそうなので、やるなら夏のほうが良いかと思うのですが、夏だとヤブ漕ぎが酷そうということで、残雪期にやったほうが良いのかと悩んでいます。

この日の船形界隈はホント良かったですね。特に西側の景色が良く、仙台カゴや楠峰など周囲の山々にも登ってみたい、と思わせるに充分でした。solo-soloさんの軽いフットワークで、五箇所参りを期待しています(ヽ゜ω゜)ノ
2013/11/4 17:51
やはり怪物ですね
驚愕黒伏山ナイトハイクはこれの伏線だったんですね。
それにしても凄い。
私も今回、derakkumaさんのレコを参考に泉ヶ岳から船形山行って定義に降りました。ただし小屋1泊です。
derakkumaさんはそれを日帰りでしたから。私からみたら怪物です。尊敬を込めて!
2013/11/4 20:55
szkmsy様
黒伏山ナイトハイク、実は船形山まで行くつもりだったんですが、ヒヨリました。ヒヨったと言えず、ナイトハイクなんてことで誤魔化しただけでした(爆)

私も70リットルに15-20kgくらい背負うと、たぶん15キロも歩けないと思います。斤量が上がると、大腿四頭筋の疲れ方が違うんですよね。もっと鍛えないとマズイとは思うのですが、結局35-45リットル10-12kgくらいで突撃するのが最もバランスが取れているようです。個人差があるので、自分にとってイチバン良いスタイルを見つけるのが肝腎だと思います(ヽ゜ω゜)ノ
2013/11/4 23:12
しかし
この記録はちょっと唖然としますね。
普通、東根駅から歩こうとは思いません。並の者はジャングルジャングルまでが無駄と思ってしまう。
その辺が只者ではありませぬな・・・。
2013/11/5 19:36
Georgey様
はじめまして。10月の月山レコから拝見させて頂いております。

私も、つい最近までは東根駅から歩こう、などと考えたこともありませんでした。でも、昔は東根から歩いた人がいた、御所山登山とはそういうものだった、ということを知ると、俄然、何かメラメラと燃えるものが湧いてくるのでした(爆) やってみると、肘折温泉から月山まで行く感覚とほとんど変わらず、御所山はかつては秘境の山だった、ということが納得できました。

ジャングル・ジャングルまではウォーミング・アップで、定義に降りるまでは普通の山歩き、最後の散歩は惰性、そう考えると決して無茶なコースではありません。かもしか山行も、終わるとドッと疲れが出ますが、歩いている間はアドレナリンが出ているのか案外疲れも眠気も感じませんでした。イーブンペースを維持すれば、案外夜駆けの長歩きは可能なのだと確信するに至った次第であります(ヽ゜ω゜)ノ
2013/11/5 21:13
旧天狗橋、高柵隧道をたどっていたら...
はじめまして。
こちらに辿り着きました。
長谷川さんの記事が気になります。ゆっくり読みたいと思います。

また仙交小屋跡のことが分からないのですが、仙台交通とか、そういう会社さんが管理していた山小屋なのでしょうかね。
もうちょっと調べてみたいと思います
2020/8/31 16:54
Re: 旧天狗橋、高柵隧道をたどっていたら...
HOYA_taroさん、はじめまして。私も正確なところは知らないのですが、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E4%BF%9D%E9%9B%BB%E6%B0%97%E9%89%84%E9%81%93
こちらのwikiをみて頂きたいのですが、かつて「仙南交通」と呼ばれた鉄道会社が秋保にありました(現在の仙南交通とは異なります)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E6%A3%AE%E6%9E%97%E9%89%84%E9%81%93
船形山はかつて1960年頃まで定義森林鉄道(林野庁青森営林局仙台営林署の管轄)を使って登られていた時期があり、この縁で(?)登山道の途中に仙南交通小屋を建設したのではないかと推測しているのですが、真実は分かっていません。

この程度ですみません(ヽ゜ω゜)ノ
2020/8/31 21:28
Re[2]: 旧天狗橋、高柵隧道をたどっていたら...
ありがとうございます。
興味深く拝見しました。
山の歴史のほうからも調べてみたと思います!
2020/9/1 15:18
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