送電線鉄塔尾根〜森山岳〜蓬莱山☆前日のトレースを辿って
- GPS
- 05:00
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 1,223m
- 下り
- 1,221m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・送電線鉄塔までは前日のトレースを辿っています ・前半はオシロ谷の渡渉地点あたりまではログが非常に乱れていますが、実際には帰路と完全に同じルートを歩いています ・長池のあたりではスノーシューでも膝下までのラッセル ※前日のレコ https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3881224.html |
写真
感想
この日は京都市内は朝から晴れ間が広がっているが、北の方角には雲が多ようだ。北の方角でも午後から天気が良くなる予報なので、昼前に家を出て再び北に向かうことにする。手っ取り早く稜線に出ることが出来る山・・・と考えると真っ先に思い浮かんだのは森山岳界隈だ。それというのも昨日の私と家内によるトレースがあるせいで送電線鉄塔尾根の上部までは楽にたどり着けるからだ。
昨日と同じ中村集落の手前の道路余地に車を停めて出発する。気のせいか昨日に比べてトレースの深さがわずかに浅くなっているように思われた。昨日は積もったばかりの新雪だったで、雪の中から空気が抜けて雪が締まったのではないだろうか。
トレースの上には鹿の足跡も多く見られる。普段から鹿が通る道だからか、我々のトレースを敢えて辿ったのかわからないが、鹿もトレースの上を歩く方が楽なのだろう。
昨日はルート・ファインディングに難儀したオシロ谷の手前のガレ地の通過も昨日の下のトレースのお陰で容易に通過する。オシロ谷を渡渉すると送電線鉄塔尾根にかけての急登の尾根はラッセルの深さに体力を消耗したところだが、ここもトレースがあるとかなり快調に登ることが出来る。
送電線鉄塔尾根に出て、上部に至ると昨日のトレースの上にわずかではあるが新たに雪が積もっていた。昨日たどり着い送電線鉄塔まで1時間13分で到着する。昨日は2時間半以上かけて登ってきたので、ほぼ半分の時間でたどり着いたことになる。登っている時は昨日の2倍以上の速度が出ているような感覚であったが、こういう感覚というものは全くあてにならないものだ。
送電線鉄塔を過ぎるといよいよトレースが無くなるので深いラッセルを覚悟してはいたが、尾根の西風が当たるところでは雪がかなり飛ばされているようで積雪が浅い。稜線が近づき谷筋に入ると途端に積雪が深くなり、膝下までスノーシューが沈み込むようになる。とはいえ、傾斜が緩いお陰で昨日の送電線鉄塔尾根の急登に比べるとかなり楽ではある。
広々とした台地状の稜線に至ると景色は一変する。小さな丘陵が緩やかな起伏を描き、雪の上には自然林の疎林が樹影による繊細な縞模様を描く。何気ない光景ではあるが、冬の裏比良ならではの光景がラッセルのしんどさを癒してくれる。相変わらず膝下まで沈み込むが、標高が高くなったせいか雪は湿り気が少なくなり、送電線鉄塔尾根よりも雪質が良いように思う。
昨日引き返したところからわずかな距離だったので、昨日ここに来れば良かったと考えるが、昨日ここまで到達していたら果たしてここに来ようと思ったかどうか疑問だ。
小さなコルを越えると雪に埋もれたスギヤ池に至る。スギヤ池から小さな谷を右手に進むと長池の北側を囲む尾根に出ることが出来る。折しも空には青空が広がり、動物の足跡すらついていない無垢な広地を明るく輝かせる。家内と長男と共に数年前に初めて積雪期にこの池を訪れた晴天の日の情景を思い出す。
この数年は比良に降る雪が極端に少ないせいか無雪期の長池は訪れるたびに池の面積が減りつつあるように思うが、今年こそは長池の水量が復活してくれることを願わずにはいられない。
ここから森山岳にかけては地図には現れない無数の小さな丘陵が迷宮のような複雑な地形を織り成すところだ。ラッセルが深いので最短でなるべくアップダウンも最小となるようなコースを考える。
まずは長池の南にはオトワ池ほどの広さのある池を訪れる。もちろん池は雪の下で眠りについているので白い広地があるばかりなのだが、池に生える草のせいだろう、小さな築山のような盛り上がりが出来ていた。
好展望の小ピークca1030mを目指してなだらかな斜面を登る。樹木のないca1030mのピークからは南には森山岳の展望が広がる。北峰のあたりにはわずかに霧氷がついているようだ。
北峰に上がると比良岳から武奈ヶ岳の好展望が広がる。北峰は年末にも訪れたところだが、その時につけてトレースはやはり跡形無く消えていた。
森山岳のピークで引き返そうと思っていたが、森山岳には数名のトレースの跡がある。どうやら蓬莱山の方から来られたようだ。トレースを辿れば蓬莱山まではおよそ30分ほどの距離だろう。蓬莱山まで往復してもなんとか明るいうちに中村集落に下山できるだろうと読んで、蓬莱山までのトレースを有難く拝借させて頂くことする。トレースはワカンとスノーシューの数人のパーティーによるもののようだ。
蓬莱山の山頂が近づくと樹林を抜けてリョウブの樹がまばらに生える笹原の草原となり、リョウブの樹々にはかなりの霧氷が発達している。いよいよリョウブの樹が無くなると笹原を覆う雪原を歩いて蓬莱山の山頂に到着する。年末にこの蓬莱山を訪れた時と同様、久しぶりに自然の雪で滑走することが出来るせいかゲレンデは大にぎわいのようだ。蓬莱山から南比良の稜線を眺めると法華山にかけて人影の全く見当たらないたおやかに波打つ雪原が西陽を反射して輝いていた。
蓬莱山の山名標があるリフト・トップの南側を訪れるとスノーシューとワカンを履いた四人組のパーティーが休憩しておられた。どうやら辿ってきたトレースは彼らによるものだったらしい。
先方も彼らのトレースを追って後ろから人が現れるとは予想していなかったようで非常に驚かれる。ひとしきりラッセルの苦労話しに話が咲いた後で彼らとお別れして帰路につくが、蓬莱山の山名標の写真を撮り忘れていたことに後から気がつく。
トレースを辿る下山は速い。復路はは森山岳の西峰を訪れてみる。ここも武奈ヶ岳から比良岳に至る好展望が広がるが、先程とは異なり武奈ヶ岳の西南稜が黄金色に色づいている。先ほど往路にみた森山岳周辺の霧氷はすでにすっかり落下しているのだった。
長池にかけての多くの丘陵が織りなす山襞の間に下降してゆくと夕陽に染まる雪面と樹々のシルエットのコントラストが美しい。しかしこの景色をのんびりと楽しんでいるわけにはいかない。
長池の脇に建つ送電線鉄塔から重畳たる北山の山並みの上に傾いてゆく夕陽を確認するとすっかり山影に入った送電線鉄塔尾根のトレースを黙々と辿る。送電線鉄塔尾根下部に辿りつく頃には夕陽を反した白倉三山は夕陽を反映して淡いローズ・ピンクに染まっていた。
昨日よりもトレースの雪がさらに締まっているせいか、送電線鉄塔尾根からの下りは昨日よりも速く、17時前に中村集落に帰着する。京都に向かうと雲ひとつない藍色の空に茜色の夕空が溶けていった。
コメント
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明けましておめでとうございます。
新年も面白い山行からのスタートですね。2日かけての森山岳から蓬莱山のラッセル。
今年も「おぉ〜」「すご〜い」「なるほど」レコを楽しみにしています。
今年も素晴らしい山での出会いがありますように!
付き合いの悪い私ですが、またご一緒したいと思っています。
(今思うと昨年は一度もご一緒できませんでしたね。)
あけましておめでとうございます。新年早々にもコメント有難うございます。
本日は山梨県で富士山を眺めておりました。
ご一緒させて頂きたい山行はいろいろあるのですが、昨年は機会を逸してしまい、失礼致しました。いずれの計画も温存しております。
まずは今年は第6波を無事に乗り切ることが出来ることを祈念しております。
本年もどうぞよろしくお願いします。
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