キリマンジャロ(タンザニア)
- GPS
- 118:56
- 距離
- 62.0km
- 登り
- 5,112m
- 下り
- 5,285m
コースタイム
- 山行
- 4:56
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:56
- 山行
- 4:14
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:14
- 山行
- 5:41
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 6:10
- 山行
- 6:43
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 7:23
- 山行
- 12:49
- 休憩
- 4:11
- 合計
- 17:00
- 山行
- 2:21
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:21
過去天気図(気象庁) | 2013年12月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
2013年の年末は9連休。当時身を置いていた環境では、12月後半に、こんな纏まった休みが取れることは滅多になく、キリマンジャロ行きを即決した。
【トレッキングの手配】
キリマンジャロは個人では登れないので、数件の現地旅行会社へEメールでコンタクトを取って、興味のあるマラング、マチャメ、ロンガイのそれぞれのルートに関して、見積りを出してもらった。その結果、コスト的にはマラング<マチャメ<ロンガイ。安い見積りを出してきた会社で、プライベートツアーでマラングルート、マチェメルートが1,300USD台、ロンガイルートが1,400USD位からスタートだった。単純ピストンのマラングより、往路復路で違う場所を通るマチャメルートやロンガイルートの方が面白そうだったこと、既に申込をしている他の旅行者とシェアすることで多少コストを圧縮できそうだったことから、マチャメルートを選ぶことにした。Kilimanjaro-Kizimba Expeditions という旅行会社を通じて申し込み、1,290USDだった。現地までのフライトはエティハド航空で25万円弱だったので、トータル40万円程かかった。
【体力づくり】
1年前に登ったキナバル山では、下山時に足が棒になってしまい、非常に情けない思いをしたので、キリマンジャロ登山に向けて、体力作りをすることにした。具体的には、キリマンジャロに行く4ヶ月程前から、首都圏近郊の低山に通いはじめた。結果、良い具合に身体は出来上がったのではないかと。
【高山病対策】
登山ではないが、過去にボリビアで、高山病になったことがあったので、対策としてダイアモックスを準備することにした。都内の医院で、診察+薬代で4500円。正直、最初は4500円は高いと思ったので、現地購入か個人輸入も考えてみた。ただ、結果論からいえば、医師からのアドバイスに加え、サービスで(高山での下痢対策に)整腸剤もオマケで貰えたので、対価としてまあ4500円は妥当だと思った。
【登山前日】
エティハド航空でドーハ経由でキリマンジャロ国際空港へ。空港では、旅行会社の人にピックアップして、モシの街まで送迎をしてもらうことになっていたが、なぜか私の名前が書かれたプラカードが2つ掲げられていた。1つはツアーを申し込んだKilimanjaro-Kizimba Expeditionsのスタッフだったが、もう一つはツアー代金の見積りだけ依頼した別の旅行会社のスタッフだった。見積りを取った後に、特に断りの連絡をしていなかったので、一方的に申込をしたものと勘違いして、空港に来てしまったらしい…気の毒ではあるが、これまでのやりとりを説明した上で、その会社を通じて、ツアーを申し込んだつもりは毛頭ないことを主張し、お引き取りねがった。
モシへ到着後、旅行会社のスタッフと今回のツアーに関しての軽い打ち合わせをし、翌日一緒に行動するガイドとも軽く顔合わせ。その後は、ATMで現金の引き出しと、現地のSIMカードの購入のため、モシの街へ繰り出す。ガイドの1人が、親切心で案内をしてくれたので、スムーズにATMを見つけることができた。手持ちのクレカでキャッシングも問題なし。SIMカードはAirtelのものを購入。SIMカードに5,000シリング、チャージに3,000シリング(合計8,000シリングで当時のレートで500円しない程度?)払い、とりあえず1週間有効で175MB通信できるプランを申し込んだ。SIMカードを購入したのは、路上に机だけ置いている、いかにも途上国ちっくな携帯屋から。携帯屋はSIMカッターを持っていなかったので、持参したSIMカッターでnano SIMへ加工。英語が通じる国なので、購入のやり取りは簡単だった。モシ市街では問題なく3Gで通信できたものの、山行中はiPhone5+Airtel simでは殆ど電波を掴めず。その一方で、現地ガイドやポーターが携帯使ってる場面を良く見かけたが、何が違うんだろうか…
【1日目】
まずは、登山用品のレンタル屋へ。私は主要な装備は自前で持っていたが、ゴーグルや予備の防寒具などを念のためレンタルした。その後、登山口へ移動した。ツアー代金1,290USDの内、入山料に相当する部分はここで支払う。クレジットカード(Visa/Master)も使える。具体的な金額は失念してしまったが、ツアー代金の半分強は入山料な感じ。
山行中、行動を共にするポーター達とも顔をあわせて(人数多くて顔覚えられない…)、行動中必要ない荷物は彼らに預けてしまう。カメラや雨具だけ持ち歩けば良いので非常に楽ちん。まさに大名登山。
全ての手続きが済んだら、登山開始。1日目は、標高1,800m前後のマチャメゲートから、標高3,000m弱のマチャメキャンプへ。獲得標高は1,000mを超えるものの、登山道は、樹林帯の中で、勾配は全体的に緩やかで楽な道のり。
1泊目のマチャメキャンプでは、早速トラブルに見舞われる。私のハイドレーション(プラティパスのビッグジップ)が急に水漏れをするようになってしまったのだが、よく見てみるとリザーバー部に刃物で切り裂いたような跡がある。原因はスグに分かった。キャンプ地では、ポーター達が水筒に水を補給してくれるのだが、給水するときに、鋭利な刃物をつかってリザーバーの入口を広げたらしい。そのまま勢い余って、リザーバー本体もザクっと…orz これは困った。ハイドレーション以外には、500mlのナルゲンボトルと同じく500mlの魔法瓶しか水筒を持っていなかったので日中の給水には明らかに容量不足だ。ガイドに相談をしてみたところ、キズパワーパッドみたいなテープで切り口の応急処置をしてくれ、水漏れの問題は取り敢えず解決。結果、最終日まで問題なくハイドレーションを使うことができた。
【2日目】
2日目は標高3,800mのニューシーラキャンプまで移動する。前日までの樹林帯の中の緩やかな登りとは打って変わって、森林限界を超えたのか、低木や岩が多くなり、道も少し険しくなってくる。途中、岩場の急登で、他の日本人集団を追い抜く。こんなところでまで、日本人集団に出くわすとは…とそのときは思ったものの、山行が進む中で、他にも多くの日本人が私と同じ日程でマチェメルートを歩いていることに気付いた。山としての知名度や、技術的な簡単さ、年末年始の休暇シーズンといった色々と人が集まる理由はあるのだろうが、さすがキリマンジャロ。
この日は朝は非常に天気が良かったものの、徐々に天候が崩れていき、ニューシーラキャンプに到着することには結構な雨が降っていた。天気が良ければ、高所順応のため、ここから散歩に行くらしいが、今日は雨のため中止orz 1時前の非常に早い時間に到着したので、午後はテントの中でダラダラと過ごした。
【3日目】
3日目は、ラーヴァタワー経由でバランコキャンプまで移動。一旦、4,600m超まで登った後に、4,000m弱まで標高を下げる。これが、高所順応に効くのだろう。標高を上げたのが効いたのか、この日の夜、バランコキャンプでは、就寝時に軽い頭痛に見舞われたものの、翌朝にはスッキリ。上手く順応できたってことかな?
天気に関しては、この日も朝は晴天に恵まれたものの、ラーヴァタワーに到着する頃には雨が降り出し、そこから、バランコキャンプまでは、小雨と霧の中を歩くことに。
ちなみに、この日は大晦日のせいか、バランコキャンプでは、夜遅くまで騒ぐトレッカーも。寒い中、元気だなあ。
【4日目】
この日はカランガキャンプ経由でアタックキャンプのバラフキャンプまで行く。
まずは、バランコキャンプを出発し、バランコウォールという岩壁へ。険しく見えるが、三点支持を意識しながらゆっくり登れば、全く問題ない。ただ、重い荷物を持ちながら、涼しい顔して、この岩場を越えていくポーター達は純粋に凄いなと思った。
バランコウォールを超えた後は、最後の水場となる谷を経て、カランガキャンプへ。6泊7日の場合、ここに泊まるらしいが、私たちは昼食の休憩だけして、そのままバラフキャンプへ向かう。谷へ一下りていく道から、カランガキャンプまでの急な登り返しが見えるので、非常にもったいない感じがするが、まあ仕方がないw
カランガキャンプからは、荒涼とした高地砂漠を歩きながら、徐々に高度を上げていき、最終キャンプ地であるバラフキャンプへ到着。ここの標高は4640mで、3日目に通ったラーヴァタワーと同じぐらい。私は、高度順化が上手くいったので、体調面は全く問題がなかったが、このキャンプ地では、露骨に具合の悪そうなトレッカーをちらほら見かけた。間違いなく高山病だろう。ダイアモックスを服用し、自分と同じルートを同じペースで歩いていたのに、高山病になってしまった人もいた。個人差があるとはいえ、ここまで差がでるものなんだなあ。
さっさとシュラフに入って、翌朝のピークハントに備える。あまり熟睡はできなかったかな。
【5日目】
軽い食事のあと、0時にバラフキャンプを出発。高山病の影響で、全然眠れず体調が悪そうな人、道中で嘔吐する人などもいる中、出発時点では、私はぴんぴんしていた。最初は、パーティー全員で一緒に歩いていたものの、体調によるペースの差が露骨に生じてきたため、ちょっと悪い気もしたが、二手に分かれて、1人のガイドと私は先を急がせてもらうことにした。
ウフルピークで日の出を見れたらいいな〜と思っていたが、ステラポイントまでの急登に時間を取られ、ステラポイント直前で朝日を見ることとなってしまったorz まあ、ステラポイント到達でも登頂証明書は発行されるので、キリマンジャロ山頂から朝日を見たと言っても嘘にはならないなw なんか悔しいけど。
ステラポイント到達後は、当然そのままウフルピークへ向かう。ウルフピークまでの稜線は雪だが、アイゼンは必要なく、私はミドルカットのトレランシューズでそのまま歩けた。ここから見える氷河が素晴らしい。ウフルピークは、記念撮影をしたがるトレッカーで溢れかえっていた。私は、記念撮影には興味がないので、山頂標識の写真だけ撮って、さっさと引き返した。
ステラポイントまでの急登はさすがに息苦しかったものの、高山病は今回、大きな問題とならなかった。それよりも、この日辛かったのは、手の寒さだ。薄手のインナーグローブとホームセンターでかった厚手のオーバーグローブを組み合わせたものの、指先が寒くて痛くて仕方がない。割と真剣に凍傷になるんじゃないかと思った。太陽が出て、徐々に気温が上がってくると、山頂付近でも指先の冷えと痛みはなくなったものの、日の出前の2〜3時間はかなり辛かった。次に高所登山をするときは、絶対登山用の本格的なオーバーグローブを買おうと心に決めたのだった。
ステラポイントからバラフキャンプまでは、砂走のような道で、軽快に駆け下りることができた。
バラフキャンプに到着後は、他のツアー参加者が戻るのを待ち、休憩をし、昼食を食べて、午後にムウェカキャンプに向けて出発をする。昨晩は非常に寒かったバラフキャンプだが、日中は日光で暖められたテントの中が温室のようにポカポカとしていて、非常に気持ちが良かった。ピークハント時にナルゲンボトルに入れていた柚子紅茶が、山頂の寒さでシャーベットのようになっており、暖かいテントの中で味わう柚子シャーベットは格別の味わいだった。
バラフキャンプを出発後、最初は高地砂漠を通過、その後どんどん植生が増えていって、ムウェカキャンプに到着する頃には樹林帯になる。植生の変化が非常に面白いルートだ。
他のツアー参加者は、ピークハントが相当なダメージとなったようで、筋肉や関節の痛みに苦しみながら下山をしていた。私は事前のトレーニングが効いたのか、筋肉や関節の痛みは全くなく、途中からは、二手に分かれて、自分のペースで歩かせてもらった。
【6日目】
山行最終日。朝食の後、ガイドとポーター達がキリマンジャロの歌を歌ってくれた。この後に、チップを渡すことになるのだが、チップの相場は役割によって決まっていて、事前に旅行会社などが教えてくれる。
チップを渡した後は、ムウェカゲートまで下山開始。ムウェカゲートまでは2時間程度で到着。正直、ピークハント後、ムウェカキャンプに泊まらず、そのままバラフキャンプからムウェカゲートまで(歩こうと思えば)一気に歩けたなと思った。
そんなこんなで、無事キリマンジャロの山行は幕を閉じたのだった。
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