初めての妙義山(白雲山上級者コース)はやっぱり怖かった!



- GPS
- 07:37
- 距離
- 7.8km
- 登り
- 1,128m
- 下り
- 1,126m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
今回歩いたのは白雲山側の上級者コース。上級者コースは言わずもがなですが、危険な個所の連続です。軽い気持ちで行くのは絶対に避けるべきです。一般登山道は誰でも歩けると思いますが、通行止めの個所があるので、事前に歩く順路を調べておかないと、無駄に遠回りを強いられます。今回の自分のように。 |
その他周辺情報 | 道の駅みょうぎのすぐ近くにもみじの湯という温泉施設があります。入浴料が500円程度と安いですが、露天風呂からの眺めの良い、非常に素晴らしい温泉でした。 |
写真
装備
個人装備 |
念のために今回の山行のためにハーネス
スリング2本
カラビナ2個を購入して持参しましたが
これが大正解で活躍してくれました。落下を完全に防ぐものではありませんが
鎖にカラビナをかけることで気持ち的な安心感と余裕が生まれました。
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感想
登山を始めてちょうど2年くらいが経ちました。半年前くらいから妙義山の上級者コースに登ってみたいと思っていたものの、なかなか踏み込む勇気がなかったのですが、今回一緒に登ってくれる同士を見つけたのでチャンレンジしてきました。
YouTubeやブログで下調べをして、頭の中にイメージを作ったうえで臨みました。ハーネスやロープは無くても登れるのですが、我々は念のためにハーネス、スリング2本、カラビナ2個を組み合わせて命綱を準備。鎖に命綱を掛けて登れるようにしました。
スタートは妙義神社。本当は妙義神社の右側のコースから大の字に向かうつもりでしたが、気がついたら第一見晴方面に向かっており、引き返すのも面倒なのでそちらから大の字を目指しました。
第一見晴分岐点までは普通の登山道でしたが、そこから大の字までは高度をグンと上げ、痩せ尾根歩きが続き、徐々にそれらしい雰囲気になってきます。辻という分岐ポイントに向かうまでに1か所、少し危険な鎖場を下りました。
辻から大の字までは結構降り、妙義神社からのもう一つのルートとの合流点のすぐ近くに大の字があります。そして、大の字の直下のほぼ垂直に登る鎖場を登れば大の字に到着です。大の字は想像と違って、煙突状の岩稜の上に建ってました。大の字からの眺めは素晴らしかったですが、目の前が断崖絶壁なのでかなり危険な場所です。大の字を後にして、辻まで結構登り返します。そして辻から先がさらに危険エリアへの入り口となります。
辻から奥の院まではさほど難しくありません。奥の院の先にルートがあると思っていましたが、奥の院のすぐ手前右側に最初の有名な長い鎖場がありました。奥の院で安全をお祈りして、鎖場に取り付きます。
奥の院脇の鎖場は斜度は70度くらいかもしれませんが、慣れない人には垂直に感じると思います。ゆっくり焦らず、足の置き場を探しながら登ります。常に鎖を両手で握るのではなく、時には片手を鎖から外し、掴みやすい岩を掴んで登るのがコツかと思います。
奥の院の鎖場をクリアした少し先にまた鎖場があります。長くはありませんが、左側が岩の壁、右側が切れ落ちているので、道幅が狭く少し登り辛かったです。この鎖場をクリアすると見晴というポイントに到着。そこには2つ目の大絶景が待っていました。印象としては大の字からの景色の10倍感動的でした。大絶景を楽しんだ後はいよいよ白雲山コースの核心部です。
まずは細い岩の隙間をよじ登るとビビリ岩が現れます。こんないきなり核心部が来るとは思っていませんでした。2mほど垂直に登った先の向こう側が見えない鎖場になっており、この2mをよじ登って向こう側に行く瞬間が個人的には今回のルートで一番怖かったです。ビビリ岩は右斜めに傾斜した岩稜をトラバースするような感じで進んでいくので、態勢が不安定になりやすく、最大限の集中力が求められます。特に中間地点は足を掛ける凹みや突起が少ないので怖かったです。ちなみに見晴まではハーネスなしで登れたので、ビビリ岩もハーネスなしで行ったのですが、ここは絶対にハーネスがあった方がいいポイントでした。
次にやってくるのがセビレ岩。ここは見た目的には一番の恐怖ポイントです。特に左側は垂直に200mほど切れ落ちており、落ちたら一巻の終わりです。さすがにハーネス命綱を付けて取り付きました。ところがビビリ岩に比べると足や手を掛ける突起が多く距離も短いので、セビレ岩の方が難易度は低いと感じました。ただ、セビレ岩と比較しての話しで、十分注意が必要なことに変わりはありません。
セビレ岩をクリアした先にあるのが今回3つ目の大展望、大のぞきです。正面に迫力ある岩壁がそびえたちます。大のぞきからは少し長めの鎖場を下ります。斜め方向に下るので少し勝手が違い、ここも気を付けて下ります。
そして息つく暇もなく大きな難関、約30mのほぼ垂直鎖場がやってきます。ビビリ岩、セビレ岩でだいぶ鎖場に慣れてきたとはいえ、真下に長く続く鎖場を見るとやっぱり怖いです。ここの鎖場は懸垂下降に近いイメージだと思います。思い切って腕を伸ばして重心が腰に乗るように意識し、足裏をべたっと岩壁にくっつけるようにして下りると(後ろに歩くようなイメージ)下りやすいと思いました。また、ここもハーネス命綱があったおかげで気持ち的に安心して下ることができました。ハーネス命綱さまさまです。
この長い鎖場をクリアするとようやく普通の登山道っぽいルートに戻ります。ぐいぐい高度を下げ、ぐいぐい高度を上げると天狗岳に到着。天狗岳からまたぐいぐいと高度を下げて、下山ルートとの分岐点を境に再びぐいぐいと高度を上げると、ようやく相馬岳山頂に到着です。相馬岳手前の登りには残雪が多く滑りやすく、鎖場とは違った怖さがありました。ここも細心の注意を払って登りました。
相馬岳に到着した時の安堵感・達成感はひとしおで、一緒に登った相棒と労をねぎらいながら昼ご飯を食べました。山頂には木々があるものの、切れ目から金洞山やその先にある荒船山が見え、裏妙義(谷急山など)とその先にある浅間山が良く見えました。後続の登山者とも談笑して、それまでの険しさとは対照的な穏やかな時間を過ごしました。
山頂での休憩後、本当は金洞山方面に進んで鷹戻しの手前まで行こうと思っていたのですが、もはやそこまでの気力と体力が残っていませんでした。天狗岳と相馬岳の間のコルにある下山分岐点まで戻り、そこから下山しました。下山ルートは斜度のあるガレ場と言った感じで、延々と下っていきます。想像していたより2倍くらいの距離を黙々と下ると、ようやく一般登山道(中間道)と合流します。
と、ここまでは順調に歩いてきたのですが、ここからが苦難でした。本当なら一般道との合流点を左に進みスタート地点の妙義神社に戻る予定だったのですが、妙義神社に続くルートの途中の第2見晴付近の階段が使用禁止、つまり通行止めになっていました。そのため、スタート地点とは逆方向の金鶏橋登山口方面へ向かうことに。変化のない景色、かつ地味に上り下りのある一般道をひたすら歩き、東屋のある分岐点を経てようやく下山が完了。さらにそこから車道(県道196号)を30分歩いて妙義神社まで戻ってきました。今回の山行で歩いた距離は7.5kmほどでしたが、疲労感は上高地から涸沢カールまで歩いた以上に感じました。
今回の山行は、今までの登山とは一味も二味も違うもので、様々な経験が積めたと感じています。その中でも一番はやはり鎖場の攻略法です。きっと何が正解というものがあるのでしょうが、今回我々二人はこれまでの経験を元にぶっつけ本番で臨みました。感じたこととしては、もちろん簡単ではありませんでしたが、慎重に手足を運べば対応できると感じました。念のために用意したハーネス命綱に頼らないと登れない下れないという鎖場はありませんでしたが、熟練者でなければハーネス命綱はあった方が確実に良いと思います。
怖さを克服して登った先にとてつもない達成感と絶景が待っています。高所恐怖症で無い方でであれば、一度はチャレンジしてみても良い山ではないかと思います!
※肝心の鎖場の写真がありませんが、後日動画をYouTubeにアップしますので、よろしければご覧ください。
チャンネル名「槍ヶ岳を夢みて」
https://www.youtube.com/c/YARIYUME
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