後白髪山 登頂する気はなかったのに・・・


- GPS
- 10:07
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 1,047m
- 下り
- 1,059m
コースタイム
天候 | 晴れ、山頂付近は強風。 -5〜5℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●定義林道入口〜4km地点 ところどころ、ワカンだとヒザまで沈み、踏み抜きも多いです。ここが最大の難所でした。 ●4km地点〜雪庇取付き地点〜ゲレンデ風尾根下 広尾根は深いところはもちろん深いですが、見極めながら進めば、ワカンだとせいぜいスネまで。固いところだと、登山靴が沈む程度です。4km地点さえ過ぎれば楽になります。 ●ゲレンデ風尾根下〜山頂 ゲレンデ風尾根は傾斜がかなりく、雪が崩れますが、スネくらいまでは掘れるので、転んでも滑落することはありません。山頂付近はアイスバーン気味で、沈まずに歩けました。 |
写真
感想
後白髪山に行って来ました。
久方ぶりの復帰戦。「どこに行こうかな。とりあえず蕃山かな、戸神山かな」と思っていたところ、職場の若手ピエール(25歳)が「雪山ですか? 僕も連れて行ってください!」とのこと。ほんじゃ、ワカンだけ買ってハイキングっぽいことでもできればと思い、「泉ヶ岳は?」と聞くと「登ったことあります!」という力強いヒトコト。走ったり泳いだりで鍛えているとのことなので、「後白髪山の雪庇でも見に行くか」となりました。中間職のはぐりん(29歳)も加わって3人でスタートです。
月曜日は絶好の天気。やや暑いくらいで、グローブを外しても行けます。が、土日に期待していたトレースはゼロで、今年の雪の深さを警戒して誰も寄りつかないんだろうなぁと思われました。この時点で、登頂はないだろうと思います。
ピエール「ワカン、凄いですね。こんなに違うのか。さて、どこ歩いたらいいんでしょう?」
はぐりん「どこでもいいんだよ。行けそうなところを行けば」
derakkuma「若い人達で先頭交代してね〜(楽チン楽チン)」
derakkumaは最後尾からラッセルを見守りますが、定義林道は体重の重いderakkumaだとかなり沈んで遅れ気味です。メタボ不安のない若い二人はサクサク進むので、足手まといになっては困ると荷物を若干デポして減らし、ようやく付いていくことができました。
材木置き場で積もった雪のレイヤーを確かめ、後白髪山登山道に入ります。十里平遠望点を過ぎて、尾根に出るまでも、かなり深く沈みました。
はぐりん「これ、けっこう沈みますね」
derakkuma「木のそばは沈むから気をつけてね」
ピエール「了解ですッ!」
2時間かかって定義林道の4km地点に到達します。いつも見掛ける旗が見つかりませんが、とりあえずここからが広尾根のスタートです。広尾根は沈み込みが浅く、これまで以上に歩きやすくなりました。コンパスを使いながら、なんとなく北上していきます。後白髪山がようやく右前方に見えてきます。
derakkuma「あ、あれが、後白髪山」
はぐりん「あ、あれぇ!? 遠くないすか? 聞いてないよ」
ピエール「けっこう、距離ありそうですね・・・」
derakkuma「大丈夫、途中のどっかで引き返せばいいから(オイラも今日はそんなに頑張る気はないから)」
大東岳、面白山、蔵王の勇姿を眺めつつ、昼食休憩を交えながらさらに進むと、出発から4時間で後白髪山名物の雪庇に到達しました。
ピエール「うわぁ。この雪庇すごいですね。感動します」
はぐりん「こりゃ凄いわ。泉ヶ岳とは違う」
derakkuma「適当なところから雪庇の上に上がってね」
流石に今年は雪が多かったのか、雪庇は高いところでは5m以上あり、去年の1.5倍という印象です。雪庇の切れ目から上がってみると、傾斜も急で最初は後白髪山が見えないほどでした。
derakkuma「この雪庇をずーっと歩いて行くと、ゲレンデみたいな尾根に突き当たるから。そこまで行ったら充分じゃないかな」
ピエール&はぐりん「ウイッス!」
雪庇の真ん中を進んでいくと、やがて後白髪山が姿を現します。青い空に恵まれ、素晴らしい景色。奥羽山脈脊梁の、白髪山や仙台カゴを左手に眺めながら、雪庇にできた小さなクレバスに落ちたり、雪庇を降りたり登ったり、エンジョイします。やがて、出発から6時間でゲレンデ風尾根に到達しました。傾斜は急で30度くらいあります。当初の目的は充分に達成したので、derakkuma的にも満足です。
derakkuma「どうする? もう14時だし、引き返しても良いけど?」
ピエール&はぐりん「うーん・・・」
もうちょっと行きたそうな、でも、安全のためには引き返した方が良いような、微妙な頃合いです。
derakkuma「ほんじゃ、荷物デポして、上がれるとこまで上がってみようか」
ピエール&はぐりん「ウイッス!」
derakkuma「(コイツら元気だな・・・)」
ストックだけを持って、斜面を上がっていきます。最初のほうが傾斜がきつく、四つん這いでもたまに滑るほど。風も強くなり、山頂にも雲が掛かってきました。それでも「帰ります」とは言い出さない二人は立派。特にこれが雪山デビューだというのに、このロングコースでバテを見せないピエールはいったい何者なのか。
ゲレンデ風斜面を抜けると、山頂は目の前。こうなるとアドレナリンも出て、登頂意欲が湧いてきます。デポ地点から1時間、出発地点から約7時間で、登頂することができました。強風の中、三人で万歳三唱して、記念撮影します。
ピエール「いやー、見たことのない景色です。水墨画みたいですね」
はぐりん「観音様が見えるぅ」
derakkuma「あれが三峰。左が船形山。雲が懸かってるね」
山頂にいたのは2分ほどで、すぐに降りてきました。あとは、帰り道。行きの半分以下の3時間ちょっとで帰って来ましたが、ずいぶん長く感じられました。
はぐりん「大東岳よりキツかった。これヤバイでしょ。ヒザがガクブルです」
derakkuma「大丈夫。たぶんこれよりシンドイ日帰りピークハントは宮城県にはないから。自信を持ってイイよ」
ピエール「長かった〜。でも凄い達成感ですね。また、来たいです!」
derakkuma「(これ、完全にderakkumaさんのMレコルートなんですが、こなしちゃうんですね・・・)」
トレースはないし、雪も多いしで、登頂する気はなかったのに、登頂してしまいました。
若い二人のエネルギーに脱帽です(ヽ゜ω゜)ノ
コメント
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首を長〜くして復帰待ってました!
これだけの積雪の中で標高差1000m以上
ん?食事シーンが無いですけど、歩きながら行動食ですか?
しかし、最高ですね。青空と分厚い雪庇。
次回もラッセル要員としての働きは期待できそうですかね?
この時期に14キロ日帰り高低差1000m、、、
レコからは辛さが見えませんが(笑)
相当疲れたでしょうね〜
それにしても見事な雪庇ですね〜
Derakkumaさん、お久しぶりでーす。
やっと良い天気になりましたね。大雪から1週間経って、雪は締まってきていますかね。それにしてもノートレース、雪庇を乗り越えての後白髪山、すごいです。若い力の結集ですね。
2月は忙しく山に行く暇と気力がありません。まだ暫く無理かな。今年は樹氷の蔵王を歩きたかったのですが、もう来シーズンですかね。
ようやく山に帰って来ました。はー、長かった。
そうですね。どういうワケか予想以上に天気に恵まれて、雪山トレッキングが本格ピークハントになってしまいました。食事シーンとか、踏み抜いたシーンとか、かなりハショッてます。ともかく長かったので、休みたくなったら休んでこまめに食べる、という感じでした。バーナーは持って行っただけでしたね。
ラッセル要員の二人は素晴らしい働きで、このままだと自分が弱体化しそうです(笑) フカフカの沈む雪、ガリガリの沈まない雪、ブナ森の静寂、野鳥のさえずり、青い空に分厚い雪庇、ノートレースを切り開くMy Foot、若者二人も雪山の楽しさを堪能してくれたようで安心しました(ヽ゜ω゜)ノ
どうも、コメントありがとうございます。レコお世話になっております。お初の気はしていないのですが、たぶんお初ですね(笑)
ハンパなく疲れました。特に日が暮れてきてからの最後の一時間、天気が良かったせいで多少緩んだのか、往路よりも沈みに沈んでかなり萎えました。車に戻ってからも、ドライバーのはぐりん君が疲労のため意識を失いそうだったので、ハイチュウを舌下投与し続けてなんとか帰って来ました(爆)
今年の雪庇は本当にスゴイです。林道入口から4-5時間くらいで辿り着けると思うので、是非一度トライしてみてください。(不忘山狙いの?)ponsukeさんなら手負いでも楽勝ですよ(ヽ゜ω゜)ノ
ホント、やっと良い天気になりました。週末ごとに大雪だったので、何処にも行けずモンモンとしていましたが、腹を括って天気の良さげな月曜日を狙って大正解、憂さ晴らしをして来ました(爆)
雪の締まり具合は標高700-800m以上ならOKというカンジですね。林道入口からしばらくはまだダメで、脚の付け根まで踏み抜くことも数回ありました。レコからは辛い部分がかなーりショートカットされています(爆) 今回は若い二人のおかげでかなり楽をさせてもらったので、単独だと早々に撤退していたと思います。
蔵王方面は私も二の足を踏んでいて、樹氷も見に行ったことがないんですよね。なんか観光地っぽくて、人が多そうでヒヨってしまうというか(笑) でも、今年は雪が多いし風も強そうなんで、好天が続くらしい今週を乗り切れば大丈夫かもしれませんよ。私もそろそろお邪魔しようとは思っていますが、いつになりますかねぇ。
忙しい日々もそのうち終わるので、kyenさんのレコをマッタリお待ちしております(ヽ゜ω゜)ノ
derakkuma師匠、お疲れ様です。
素晴らしい写真の数々に見とれてしまいました。
今年も、師匠のエクストリームレコを楽しみにしてます。
類は友を呼ぶと言いますが
derakkumaさんの周りにはM体質の方が多そうですね〜
ピエール&はぐりんとの今後のコラボが楽しみです
三人とも火曜日は筋肉痛ではなかったのですか?
タフですね〜
お疲れ様でした
どうもお久しぶりです。今年はこれからボチボチですね。
え? エクストリーム? エムストリーム?
ともかく「技術レベル☆ 体力レベル☆☆☆☆☆」目指して頑張ります(ヽ゜ω゜)ノ
ピエール君はさすがに筋肉痛だったようですが、こちらは後から付いていっただけなので、脚のほうは程良い張りで済みました。むしろ首回りの背筋が疲れていますかね。
確かにderakkumaの周りにはエム友が多いです。というか、Mの道に無理矢理引きずり込んでるというか(ヽ゜ω゜)ノ
雪山を楽しんで貰って、「ダマされた!」って言わせないギリギリの山行をマネジメントするのが、キモですね(爆)
derakkumaさん、おはようございます。
遅コメです。(仕事の)クレバスにはまり、レコチェックもままならないので
後白髪の雪庇、昨年のレコでもなかなかで、気になってましたが、今年のは見事ですね
にしても、タフなラッセル車、2台付き!いいですね〜。羨ましいな〜。もし、宮城の雪山に行ける機会があれば、お借りしようかな〜。レンタル料おいくら位ですか
ノートレースでのこの距離、交替でラッセルとはいえ、雪山初心者とは思えませんネ。やはり若さですかね、それともはぐりん&ピエールコンビなので、”HP”高いんでしょうか
それを考えると、derakkumaさんの雪山MレコとしてはややL(light or loose)めなのかな
後白髪というより横白髪のodaxでした
お師匠様お久しぶりです。
ウチのトナカイ二頭はいつでも無料で提供しますよ。ついでに私もつけて、三頭立てで。あ、一匹はクマになりますが、従順なんで使ってやってください(爆) 若さもありますが、ピエールもはぐりんも60kg台なので軽やかですね。それでも全ルートをワカンで切り抜けたので、HPは高めですね。回復も早いので倒しにくいです。ただ、一番大きかったのは天気ですかね。天気が良かったので、不安がよぎることもなく、疲れてはいたものの、充実感が優りました。
今回のMレコ、derakkumaにとって決してライトではないですヨ(笑) ラッセルしない代わりに、万一に備えて私だけテン泊装備を背負っていたので、だいぶ沈みました。ま、沈まない場所ではラクな側面もあるんですが、最後は私だけ遅れ気味になるほど苦戦しました。そのあたりは役割分担ですかねぇ。
月間自虐日記、休載で安心しました(ヽ゜ω゜)ノ
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