佐坊から仏ノ尾(またの名を兵庫白馬)
- GPS
- 05:44
- 距離
- 8.2km
- 登り
- 707m
- 下り
- 715m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
林道は風雪が残した多数の木、枝、また、残雪がある。登山道標識は2か所、トレールは最下部ではごく一部が融雪により露出、大半は雪の下。マーキングは地籍調査のもの他あり。 |
その他周辺情報 | 村岡温泉。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
アイゼン
ストック
|
---|
感想
大雪だった今冬、雪山を長く楽しんできたが、もう限界。先週はその最終戦のつもりで因幡の「くらます」に登った。「くらます」は山頂付近こそすっぽりと雪に覆われていたが、少し下ると雪はきれいになくなっていた。しかし、「くらます」山頂から眺めた扇ノ山や仏ノ尾、青ヶ丸はまだまだ白い輝きを放って誘いかけているかのよう。
阪神間では桜も満開を過ぎ、この週末は気温が25℃を越えて夏日となる予想だ。すでに大和葛城山あたりでカタクリとギフチョウが盛りとなっているだろうから、行ってみるか、と思う反面、このあいだ「くらます」から眺めた北の白い山々が頭から離れない。あそこなら、まだ雪があるんじゃないか。最後の最後、本当の最後のチャンスかもしれないぞ。結局、この考えが勝利を収め、但馬へと向かうことになった。仏ノ尾と青ヶ丸は、ずっと気になりながらそのアプローチの悪さと情報の乏しさから、今日まで足を踏み入れていない。自分にとって、いわば謎の山域である。加藤文太郎がそれぞれ兵庫白馬、兵庫鷲羽と呼んだという二座だ。
山登りで国道9号を北に向かった最北は”はち高原口”、その先は湯村温泉と浜坂での海水浴、城崎のカニ鍋旅行であったが、今日は国道9号からさらに国道482号に入り記録を更新。そして。香美町小代区佐坊を目指す。途中、4回、地元の方々に道を尋ね、いずれも丁寧に教えてくださって、佐坊集落の仏ノ尾林道の起点にたどり着いた。ここまで、細い舗装道路をぐいぐいとのぼってきた。ようやく駐車スペースを確保。登山開始だ。佐坊集落は山の中腹にあって、眼下には深い谷、それを隔てて鋭く立ち上がる山々を見晴らせる地にあり、ちょっとチベットの集落を思わせる不思議な魅力を漂わせている。山村にも拘わらずその規模は大きく、人々もアクティブで活気がある。
林道はまだ雪の眠りのさなかであり、登山口までは歩いてゆくほかない。ここで片道1時間余りを消費する。林道が曖昧になる頃、だだっ広い雪原に到達した。その左奥まで進むと、「仏ノ尾→」「登山道」の標識がある。どこにも「道」はない感じだが、その指す方向へと林内に進む。この先、雪に覆われているように見えるので、アイゼンを装着する。なんとなく尾根かな、と思われるふくらみに向かって進んでいくと、雪の解けたところにはトレールが顔を出していた。そんなところにはイワウチワの大きな葉っぱが、たくさん陽を反射して広がっている。この先しばらくは雪がモザイク状に残る。小尾根らしくなると全面雪に覆われるが、やがて「道」は左の斜面をトラバースするようになり、一旦雪が剥げる。左の谷の源頭をかすめて右の稜線に再び乗り上げ、登っていく。この場所に、ランドマークとなっている栗の大木がある。下りの時には尾根をまっすぐに進まぬように注意が必要な箇所だ。ここからは完全に雪に覆われる。しばし登ると、大きな尾根に合流する。自分たちが登ってきたのは支尾根に見えるので下りの際には右に折れる感じになり、要注意である。
尾根が大きくなってからは、どんどん傾斜が急になっていく。雪は当然のことながら溶けかかっているので、アイゼンの効きが悪くなる。それでもどっさりと雪があり、勾配はますます急なので、なかなかきつい登りである。杉の植林帯が長く続いたあと、ブナの大木が目立つ温帯広葉樹林へと変わる。この辺りにくると、左手後方に鉢伏山、真横に扇の山、左手前寄りに青ヶ丸が雪を纏って誇らしげに聳えているのが見える。下の山村を見下ろすと、その高度感がまた爽快である。右手は切れ落ちて、緩んだ雪の崩落の可能性を意識せざるを得ない。上を見上げれば白い稜線が天の果てまで続くかのようである。まだまだか。そうこうしているうちに、これまでより一段と見事な眺望が開ける。扇の山がマッターホルンのように見えて、若い頃ゴルネグラートから眺めたその素晴らしい眺望が頭をよぎった。ここからちょい上ると「登山道」の標識が木に括られていて、まるでまだ遠いかのようだが、山頂は目前。真っ白く広々とした山頂空間に飛び出した。そこには右の尾根から登ってきた単独行者の真新しい足跡があった。山頂からは、思わず息を飲む素晴らしい眺望が。ここで昼食。シャツ一枚になっても暑いくらいの陽射し。雲一つない青空の下、風もなく実におだやかな山頂である。山頂から少し青ヶ丸方向へ進むと雪原が広がり、鉢伏山と扇ノ山の眺めがこれまた見事だ。今日は林道歩きに往復2時間を余分に費やすことになるので、「青ヶ丸」はまたの機会とし、往路を慎重に下って出発点に戻る。こんな素晴らしい山行が今シーズンの最後の雪山となって、ほんと、ラッキー!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する