記録ID: 428347
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積雪期ピークハント/縦走
栗駒・早池峰
山猫森 竹ノ子森ダイレクト尾根を行く
2014年04月13日(日) [日帰り]
体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 09:47
- 距離
- 14.6km
- 上り
- 1,340m
- 下り
- 1,335m
コースタイム
06:50 駐車地
08:00 P589
09:10 中ノ沢森
10:55 竹ノ子森
11:15 P1046
11:45 山猫森
12:05 P1017(折り返し地点)
12:35 山猫森
13:40 竹ノ子森
14:45 中ノ沢森
15:30 P589
16:35 駐車地
08:00 P589
09:10 中ノ沢森
10:55 竹ノ子森
11:15 P1046
11:45 山猫森
12:05 P1017(折り返し地点)
12:35 山猫森
13:40 竹ノ子森
14:45 中ノ沢森
15:30 P589
16:35 駐車地
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
✿登山道のない春山の尾根に雪はあるのだろうか。藪こぎするかしないかは大きな問題である。雪の上をサクサク歩く場合と、藪を漕ぐ場合ではエネルギー消費量と通過時間が大きく異なってくるからだ。日帰りの登山計画を立てるに当たり、あれこれ考えても解決しない問題なので、僕は前日の午後からP589まで下見に出かけた。 http://www.yamareco.com/modules/diary/16530-detail-70562 ✿今時期の寒湯沢は濡れずに渡渉するには困難な水量。ちょうど、苔むした倒木が橋のように架かっていたので、その上を通過した。 ✿中ノ沢森まで稜線上にほとんど雪は無いが、P589まではかつて道があったのではないかと思うほど藪は薄い。しかし、P589以降の稜線はもし雪がないとやや厳しい藪こぎになるのではないかと思われた。P589でアイゼンを装着して東側斜面に残った雪の上を歩いた。中ノ沢森から先は雪山となる。 ✿今回の行程の核心部は竹ノ子森の直下の斜面である。雪庇や雪崩の心配は無かったが、滑落が怖い。登りはいいのである。問題は下りだ。僕は今回、下りに懸垂下降が必要と考えてロープを持参していたが、アンカーとして利用できそうな丈夫な灌木がなかったため、結局キックステップで後ろ向きに降りることにした。最後までハシゴを降りるみたいに後ろ向きで降りられると良いが、時折急斜面で小さな段差を回避するためにトラバースしなければならなかった。午後になると重い雪がアイゼンに纏わりついて玉になってアイゼンの刃が立たない。二度滑落しかけた。反射的にピッケルを刺して滑落停止した。 ✿竹ノ子森から分水嶺上は雪堤を歩く。須金岳、虎毛山、栗駒山、鳥海山、禿岳、360度素晴らしい眺め。広い雪堤を散歩するがごとく分水嶺を歩く事ができる。 ✿前日の下見の帰り、寒湯沢で子グマに遭遇した。沢で水を飲んでいたのかもしれない。僕の気配を察知して一瞬目が合って、すぐに逃げていってくれた。 ✿道の無い未知のルートを切り開ける方。急斜面のアップダウンのある長い雪上を歩ける方。ピッケルで滑落停止できる方。そして何よりも、"山猫森に行ってみたい"と熱い情熱を持っているあなたにこの記録を捧げる。 《関連記録》 臼ヶ岳 西栗駒の鋭峰に立つ http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-289851.html |
写真
感想
山猫森に到達することを考え続けて3年、ようやく一つの答えに辿り着いた。
他に考えられるバリエーションルートとして、清水倉森(すずくらもり)経由でP995に登り返して到達するルートがあるし、体力のある方であれば須金岳から縦走するのも良いと思う。
無雪期であれば保呂内沢から西ノ又沢を詰めて山猫森という方法もあるだろう。
登山道の無い藪山を歩くこと。
思い描くだけでワクワクする。
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コメント
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今回も度肝を抜かれました 竹の子森へはダイレクト尾根のピストンでしたか 昨夏、須金から下るときに眺めましたが、かなりの傾斜でしたよ。てっきり須金から向かうものと思ってました。でもその須金との稜線も鋭いですね。tooleさんだけの世界です
東側から見る須金や虎毛、見ることの困難な姿を今回も見せてもらいました。
モコネリ山・・ いや山猫森登頂おめでとうございます
何をおっしゃいますか。
kamadamさんの羽後朝日から和賀岳を歩かれた記録にはかないません
今回は距離が短いですから、誰もいない3つの森の中をゆったりと歩くのがテーマでした
森のくまさんにまでお会い出来たのは想定外でしたが
須金経由で歩くのが正攻法かと思いますが、距離が長くなりますからね
kamadamさんにも生で須金から虎毛の裏側を眺めていただきたいです。
来季モコネリ山いかがでしょう?
なかなかですね
うまい言葉が見つからず、うーーーんtooleさんらしい渋く秋田への愛情溢れる!!!記録
こぐまちゃんとシロクマちゃんとか絵本がありましたが、迷子かなあ。かーさんいたらこわいですね。
なかなかですね、と褒められるのも嬉しいですね
コメントありがとうございます
この山域を登山対象と考える方はほとんど居ないと思われますから、よくわからんというのが多方だと思います。
かーさん出てきたら、どうしてたでしょうね
怖いですね。
でもクマに会うのも念願だったんです
お帰りなさい
レコに友情出演までさせていただき、すみません
実を言えば、あの日は禿に沈む夕日を撮りに行っていたのです
5時頃、オニコウベ付近にはいましたよ
でも、tooleさんはもうお帰りの時刻だろうと思い、登山口と思われる方面には行きませんでした。
まあですから、全くの気のせいでもなかったわけですけど…
私の出足がもうちょっと早かったら、味噌置いてきたんですけどね
名前に興味のあるエリアですが、私は人様のレコで満足いたしま〜す
でも本当に、ご無事にお帰りで何よりでした
やはり、そうでしたか
理由はよくわからないですが、近くにSpringさんが居るだろうって思ったんです
あの日、帰りに鬼首で汗を流して行こうとも考えたのですが、確か店じまいの時間が早かったかなと思い直して帰ってしまったんです
鬼首はSpringさんの庭みたいなところですから、またニアミスあるかも
山猫登頂お疲れ様です。
登山道の無い山のレコは、読んでいてワクワクします。
分水嶺が気になったのはtooleさんの気配がしたからですね。
途中の藪漕ぎ少なくて良かったですね。
1週でここまで融雪進むのかと驚いていたところです。
次はどこの藪山に行かれるのかな?
やはり、syasyuさんも僕の気配を感じられてましたか
山猫まで広い雪堤の上を歩くのですが、正面にとても美しい栗駒の姿が見えました。
ヤマレコの常連さんが何人いらっしゃるだろうと思っていました。
あとは、鳥海山と月山ですね
この日は選び放題でしたね
雪解け早いですね。
帰りはここに朝は雪あったのになぁ、と思うことがありました。
そろそろ藪山歩きはキツくなってきますね
山猫森、竹ノ子森、どちらも初めて知った山ですが、なかなかの難ルートだったようですね。
特に竹ノ子森の核心は非常に神経を使う下降になった御様子で、
無事に下山されて、何よりです
支点になる灌木は必ず有る訳ではないので、雪山での懸垂下降は難しい問題ですね。
私も何度かそのような状況に遭遇した事が有り、悩める問題であります。
特に高峰ともなると灌木はかなり少なくなるので、3000m峰のような岩と雪しかないような場所に行く際は、お守りとしてハーケンを2枚だけ持参してます。
ただ、雪が有るのであれば、支点を作る方法は幾つかありまして、
代表的な方法はスノーバーや、デッドマンを使った方法でしょうか。
それらは高価なギアなので、残置したくないのであれば、
安価な土嚢袋を使った支点作成、もしくは、雪を削って支点を作るスノーボラード、という方法もあります。
特に、スノーボラードについては特殊な道具なしで、雪さえあれば支点が作れます。
(補強用に木の枝を使いますが、無い場合は竹割りばし等で代用してます)
灌木を使った支点に比べると信頼性には欠けますが、非常時用として覚えておいて損は無い技術かと思います。
まぁ、でも、あくまで非常用でね^^;
スノーボラードは、最近の登山だと、昨年の前穂高岳で使用しましたが、
雪の支点なのでヒヤヒヤしながら下降しました。
あれは常時使用するもんではありません(笑)
なるほど☆
高度な裏ワザがあるわけですね。
今回は腐れ雪でしたから、なんとかなりましたが、雪質によってはそういった技術が必須になる場面も出てくるでしょうね。
検索かけると、色々とわかるのでいい時代ですよね。
こういった技術は何度か練習しなければおそらく使えませんね。
来季の課題としたいと思います。
Luske隊長直伝の懸垂下降ですが、まだ実戦で一度も使用していません。
夏になったら、まずはひとりで滝を下降できるように練習しようと思います。
構想3年ですか。すごいですね。
竹ノ子山の坂は急そうですね。
山猫森では,谷山浩子の「猫の森には帰れない・・・」という歌を思い出しました。
恥ずかしながら、全然すごくないです。
山猫森到達まで3年も掛かってしまったのは、自分の計画立案能力と力量が伴わなかった証左であります
今回のルートで最も重視したのは稜線まで雪が繋がっているか、ということでした。しかもその雪質は深く沈み込まない程度でなくちゃダメだね、と注文の多い料理店のようなワガママっぷりだったのです
conanさんも吹突岳お疲れ様でした。
今時期は気温が高くなりますから、午後も遅い時間だと自分のトレースは跡形もなく消えてしまいます。
蝸牛山の北東の稜線650m以下は広い尾根になりますから、下りはコンパスかGPSが使えないと厳しかったと思います。
尾根を下っていると思っていたら、いつの間にか沢を下っていたり、果ては尾根上にいくつも小さなピークがあるようですから難しかったでしょうね。
ともあれ、ご無事で何よりでした
谷山浩子の「猫の森には帰れない・・・」
http://youtu.be/C33x3qW1F7U
今回の山行にふさわしい歌ですね。
僕も今回が最初で最後で、猫の森にはもう帰れないと思います
今回も圧巻の登りでしたね。
計画をお聞きした時、ありえないと思いましたが、さっとやっつけてしまうところが、tooleさんの凄いところ。何より意志が強いなと思いました。
花山峠から1017までは何とかなりそうですが、たけのこから須金はどうするの?再ダイレクトでしょうね 鬼首峠まで行く時は、声をかけてくださいね。私の気力体力が(万一)戻ったら、お伴させてくださいね。
今回の山猫森までの道のりは、日帰りするには不安だったんです。
途中の藪こぎはもちろん、その他どんな困難があるかわかりませんからね
だから前日に下見をすることにしたんです。
竹ノ子森までの情況を自分の目で確かめられさえすれば、踏破可否の判断がつくと思っていました。実際、これは行けると思ったんです。
次回この続きがあれば、須金〜竹ノ子を馬蹄形するしかないですね
cheezeさんの仰る通り、再び竹ノ子ダイレクト尾根は登るか降りるかしなくちゃならないわけです
悩ましい問題ですね
もしも鬼首峠まで行くことがあれば、cheezeさんにお声掛けさせていただきます
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