伊吹山の花畑はこれから。雲中の山上茶店でのデジャヴュとイノシシの神


- GPS
- --:--
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 165m
- 下り
- 1,214m
コースタイム
- 山行
- 3:20
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 4:50
天候 | 雨ときどき止む |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
往路: 八王子06:05(JR横浜線) 新横浜06:52/07:15(東海道新幹線こだま703号) 米原10:16 米原駅西口🚏10:40(湖国バス・伊吹山登山バス¥1600) (☎️予約:長浜営業所0749-62-3201) スカイテラス伊吹山12:00 復路: ジョイいぶき🚏18:14(湖国バス¥240) 近江長岡駅🚏18:24 近江長岡18:29(JR東海道線¥240) 米原18:39 ※米原駅前泊 |
写真
感想
母親が伊吹山に登りたいというので、前からヤマシャクヤクの時季に行ってみたいと思っていた霊仙山と一緒に計画することにした。
伊吹山には2002年と2016年と過去2回登っているが、いずれもGW中で花の時季にはまだ早かった。
そのため今回は5月下旬にしようかと思ったのだが、そうするとヤマシャクヤクの時季が終わってしまうため、5月中旬の3週目とした。
20年前は大学のゼミの自然観察だったので山頂駐車場から周回、6年前は麓の上野登山口からの往復だった。
今回は翌日霊仙山を登るので、行きは米原駅から山頂駐車場(スカイテラス伊吹山)まで伊吹山登山バスが出ているのでそれを利用し、下りは麓の上野登山口まで歩くこととする。
今日は太平洋岸を低気圧が通過するとのことで関東地方は朝から雨。
新幹線車内から見る途中の静岡、名古屋は本降りの雨。
近畿地方は午後から曇りの予報だったが、山の天気の回復は遅れることが多いのでこれは天気は期待できないなと思った。
雨の米原駅に降り立ち、西口で予約していた伊吹山登山バスに乗る。
思った以上に人が並んでいて驚いたが、半分くらいの人は「JRハイキング」で来ている人のようだった。
JRハイキングの人たち用のバスも用意されていたようでバスは2台来た。
JRハイキングの人たちがたくさんいたからよく分からなかったが、バスは予約していてもバス停前のチケット売り場でチケットを買わなければならなかったとのこと。
なのでバスが来てからチケットを買いに行って最後に乗り込んでもまだ席に余裕はあったので、別に予約は必要なかったかもしれない。
米原駅からスカイテラス伊吹山までは1時間20分かかるのでトイレは済ませておくようにバス停でアナウンスがあった。
すぐ近くに座っていた老人が途中で乗務員にトイレに行きたいと言ったのか、「いや、このバスは路線バスですから…」というようなやりとりが聞こえてきた。
で、戻ってきてどうするのかと思ったら手持ちのコーヒーの缶ボトルを取り出して用を足し始めた。
車内でボトルに用を足す人は初めて見たが、それにしてもトイレは済ませておくようにアナウンスはあったし、そもそもどうして利尿作用のあるコーヒーを飲んだのか理解しがたい。
歳を取ったからといって今までの経験が役に立つわけではないらしい。
スカイテラス伊吹山の駐車場に到着すると、思ったとおり霧の中。
ただ雨は思ったよりも強くない。
これなら歩いているうちに晴れてくるかもしれない。
初めて伊吹山に来た20年前もこんな感じだった。
5月中旬なのでもう少し花が多いかなと思っていたのだが、結局花はまだ多くなかった。
6年前、4月の終わりに来た時はアマナがたくさん咲いていた↓が、まだアマナも咲いていて、そんなに咲いている花に違いはない。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-857017.html
今年は5月が寒かったからかもしれない。
JRハイキングの人たちが持っていたパンフレットに「伊吹山の花畑」と書いてあったが、花畑の時季にはまだまだ全然なっていなかった。
雨も弱くなったと思ったらまた降り出してという感じなので、山頂の茶屋のひとつである「宮崎屋」に入ってゆっくりとする。
座敷もテーブル席もあり、広くて快適だ。
店の隅のテーブル席に座って伊吹そばを食べていると、あれ?このシチュエーション、この場所、知っているなという感覚になる。
ただ、20年前も6年前も山頂の茶屋にには寄っていないし、これがデジャヴュというものか。
それとも伊吹の神のなせる業か。
山頂のヤマトタケル像は有名だ。
深田久弥が『日本百名山』で「お気の毒くらいにみっともない作り」と書いているが、何度も見ていると柔和な笑顔に見えてくる不思議な味わいのある像である。
ただヤマトタケルは倒された方で、伊吹山の神はイノシシなのである。
そのイノシシの神の像は前に来た時に見そびれていたため、今回探してみると伊吹山寺のすぐ横に見つけることができた。
そしてそのすぐ横に看板があり、そこにはかわいいイノシシの絵があり「いぶちゃん」と書かれていた。
ずいぶんとかわいい神様になったものだ。
伊吹山の神を怒らせたヤマトタケルは氷雨に打たれて衰弱したとの神話だが、日本海側と太平洋側の気候がぶつかる場所にある高い山なので伊吹山は気象が激しいのだろう。
そういえば日本の最深積雪を記録しているのも伊吹山だったはずだ。
伊吹山の壁のような南面を下り始めると、やっと雲が取れてきた。
対面には雲が流れて霊仙山が見えている。
明日は晴れてくれるといいなと思う。
上野登山口から近江長岡駅までバスはあるが、今回は歩いて「いぶき薬草湯ジョイいぶき」まで行く。
途中にあった廃工場は「住友大阪セメント伊吹工場」だったらしい。
巨大セメント工場が操業停止したということは伊吹山からの石灰岩採掘は停止したのだろうか。
同じように信仰の対象だった秩父の武甲山は無残にも山頂から削られてしまったが、伊吹山は山頂部は削られなかったのはどのような違いがあったのだろうか。
ヤマトタケルが兜を奉納した武甲山とヤマトタケルを倒した神のいる伊吹山。
後者の方がやはり強かったということだろうか。
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