礼文島8時間コース
- GPS
- 08:47
- 距離
- 30.9km
- 登り
- 1,121m
- 下り
- 1,127m
コースタイム
- 山行
- 7:17
- 休憩
- 1:33
- 合計
- 8:50
天候 | 曇り一時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
船
|
コース状況/ 危険箇所等 |
植生保護のため歩行路は限定され、嘗ての枝道はすべて閉鎖 |
その他周辺情報 | 香深港に礼文温泉うすゆきの湯 |
写真
感想
船泊の宿の主人にスコトン岬まで送ってもらい、最先端の展望台から海に浮かぶ海驢島(とどしま)を見て最果ての地を感じ旧8時間コース(今の岬めぐりコース)を歩き始めた。昨日の午後から降り始めた雨は未明に上がり、今日は一日曇りの予報で期待していなかったが、晴れてきて礼文岳(490m)が見え、その右肩には薄っすらと利尻山(1,721m)を望むことができた。
礼文島は、大規模な山火事の後、木が生えず笹が覆う山や丘が特徴的な風景を持っている。西海岸の鮑古丹(あわびこたん)に下り、鮑古丹神社にお参りして、ゴロタ山へと向かった。笹原の見晴らしの良い稜線でゴロタ山(180m)に達すると標識には「ゴロタ岬」と記されていた。雲海の先に礼文岳が望めその肩には利尻山が載っていた。ゴロタノ浜は霧の中で鉄府の先の稲穂ノ崎が見通せた。
海に出ていた霧が一挙に上がってきてゴロタ山を下りる頃には完全に霧に覆われてしまった。笹原の稜線を進み海岸線まで下りゴロタの浜を歩いていると穴あき貝ある、エゾマキガイの貝殻でツメタガイに襲われて穴をあけて食べられてしまったらしい。鉄府の集落の手前にレブンアツモリソウ自生地があり柵で保護されていた。道に近いところに咲いていてしっかり写真を撮ることができ今回の目的の一つが達成できた。暫く進むと鉄府の分岐に到り、観光トイレが設置されていた。
旧8時間コース(岬めぐりコース)を逸脱し浜中にあるレブンアツモリソウ自生地に立ち寄った。此方はガイドブックにも載った観光地で監視員も常駐し8:30から解放している。入口で支援金1,000円を入れるとバッチが貰える。入ってみると木道が設置され保護されているが、花は少ししかない。“未だ”咲いていないのではなく減ってしまったらしい。熊や猪、鹿、狐などの大型生物のいない此の島では踏みつけや食害の心配もない。一説には受粉に必要なミツバチが減ってしまったことと観光客が絶え間なく訪れるため蜂が近寄らなくなったのではないかとのことだった。6月には此処を閉鎖し少し西の自生地を開くそうだ。貴重な固有種いつまでも残ってほしいものだ。
以前の8時間コースはスコトン岬から始まり“愛とロマンの8時間コース”と云われたが、今は浜中バス停を起点とし、宇遠内以南の海岸線は立入禁止となってしまい、峠を越えて香深井に向かっている。従って此処は既に新8時間コースの途中、天気も回復し、鉄府への分岐を直進し西上泊への道から左に分かれ車止めを越えて笹原の道に踏み出した。展望の良い稜線だが目標物は何もない。召国への分岐で大休止を取った。
8時間コースを南に進むと240m程の顕著なピークの西側直下を巻き次はP263の東側を巻いた。道は大沢川上流の谷道となり源頭部に達すると礼文岳登山道分岐で今は廃道となってしまったが二並山(455m)越えて礼文岳に達し内路或いは起登臼に抜けることができる魅力あるルートだった。源頭部を越えると西海岸に流れ落ちる谷を2本越えてアマナ川の北尾根を下った。先端まで来ると以前“愛の砂すべり”と呼ばれた急降下でアナマ川河口に下る。嘗ては砂地の急斜面を滑り降りたが、今は傍らに付けられた登山道を下るようになっていた。
急峻なアマナ川は滝もあり河口に到ると穏やかで問題なく渡渉でき、振り返るとアマナ岩が聳えていた。左岸河口にも険しい大岩がありてっぺんに標識が建っているようだった。此処から宇遠内に掛けては厳しい海岸線歩きで8時間コース最大の難所だ。初っ端からは断崖絶壁が迫り波に洗われた海際を浸かって行くか大きな段差の岩を登るかの選択で濡れるのはいやで大岩を越えた。ゴロゴロの岩が連続する海岸線の岩場を進みウエンナイ川の河口域に点在する家屋が見えてくると宇遠内で殆どは番屋と廃屋だが現住のお家も一軒残っているそうだ。20年前の登山地図には、民宿ウエンナイ荘の記載もあったが・・・
嘗ての8時間コースは、この先も海岸線を歩き礼文滝、地蔵岩を通って元地に達していたが30年程前に事故があり、訴訟となり礼文町が訴えられた。それ以来通行禁止になってしまい今の8時間コースはウエンナイ川を遡り峠を越えて香深井までとなっている。急峻な登山道を登っていくとひしゃげた神社の残骸がありウエンナイ川に架かる橋を2度渡り枝沢に入って上り詰めると、標高188mの標高点の打たれた峠に達した。香深井川の流域となり谷の合流点で礼文林道に達した。同行者は疲れが出て前途の計画を放棄し、香深井へと下山した。
一人となって礼文林道コースをダラダラと登り返し、標高184mで登り勾配が落ち着き、一寸したピークの西側を巻いて行くと礼文滝分岐に達した。途中で追い抜いて行った軽トラックが置いてあり滝への道を降りて行ったようだ。P219を過ぎ230m程のピーク東側を進むとレブンウスユキソウ自生地に達した。花期にはまだ早いが、ハクサンチドリやキジムシロが咲き乱れていた。ツアーの団体が歩いて来てガイドの説明にシャッターを押す人達だった。先に進むと西側に短い分岐路があり先端に行って見ると元地漁港の展望が良くその北の地蔵岩も望むことができた。林道は下りとなり桃岩展望台への道道765号線に合流した。観光バスがたまに走る元地への旧道で今は旧桃岩トンネル手前までしか行けない。
香深の街に到りフェリーターミナルの近くにある今日の宿、民宿やざわに到着した。民宿で近くの香深温泉うすゆきの湯の入浴券を貰いゆっくり汗を流した。夕食には生ウニがたらふく食べられ至福のひと時を過ごした。
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