GW・金峰山・瑞牆山レスキューサポートと大日小屋の整備



- GPS
- 80:00
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,777m
- 下り
- 1,758m
コースタイム
5/3 瑞牆駐車場11:17-富士見平小屋12:12〜13:10-大日小屋テント場14:20
5/4 大日小屋5:51-大日岩6:57〜7:03-砂払の頭8:05-金峰山9:12〜10:06-金峰山小屋10:15〜11:43-大日岩14:30〜15:10-大日小屋15:45〜17:10-富士見平小屋17:35
5/5 富士見平小屋8:55-瑞牆山11:55〜14:30-富士見平小屋16:30
5/6 富士見平小屋13:05-瑞牆駐車場13:35
天候 | 5/3 晴れ 5/4 快晴 5/5 曇り、時々雨、夕刻に雨 5/6 雨のち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
「瑞牆山」 富士見平小屋から小屋裏の坂を登ると、凍結箇所が出てきて、天鳥川までのかなり凍結部分が多い。 天鳥川を渡ってしばらくは凍結部分はなく、雪もないが、左に大ヤスリの岩峰を見るようになると、岩の間の急登はほとんど凍結している。 稜線に登りつくと、弘法岩分岐、不動岩への下山路の分岐があるが、そこから頂上まではすべて氷か雪の上を歩く。例年に比べ雪が多かったせいでテラテラの氷にはなっていないが、スリップの可能性が大きく、ここまでのすべてでアイゼンが必要。 特に、凍結箇所は、アイゼンなしでムリして登れても、下れないことが多いので注意。 「金峰山」 富士見平小屋から尾根に登り、飯森山を巻く道に入ると、凍結が始まる。 大日小屋のを過ぎた沢のところでアイゼンを履く人が多い。砂払いの頭までは、凍結箇所多い。 砂払いから金峰山までは、ところどころ岩や地面が出ているところが目立つ。気温が上がれば凍結はなくなり、腐った雪の上を歩く。アイゼンはあった方が良い。 |
写真
ここまでの道では、全く想像がつかないだろうと思うが、それは今日のお天気が良いせいで、実はここは朝方には0度近く下がることもある、2000mに迫る高地なのだ。あと五分もあるけど凍結した登山道が待っていることは、なかなか気づきにくい。実際、運動靴の子供がたくさんいた。
富士見平小屋の登山道に看板が出ていますが、料金は、テント場使用と同様、富士見平小屋でお支払いください。
ただし、つけているアイゼンはまちまちで、チェーンスパイクあり、4本、6本、そして10や12のふるアイゼンまで。技術があればチェーンスパイクや6本でも大丈夫ですが…
さっそく、チェーンアイゼンの方がスリップ。
フラットに足をおいて、とアドバイスしたら、滑らずにあがれていました。
というように、フラットフッティングがきちんとできていないと、アイゼンは役に立ちません。
小屋か瀬すぐのところから凍結が始まり、天鳥川への下りはほとんど凍結。にもかかわらず、アイゼンのないパーティーも少なくありません。
いちいち声をかけます。
感想
富士見平小屋にボランティアレスキューができて、1年たち、メンバーも安定してきました。
訓練はしましたが、実際我々ができるのは、遭難や事故の予防のために、何をするかだと思っています。
それは、事前の注意喚起のための声掛けです。
昨年のゴールデンウィークは、レスキューが活動を開始して直後でしたが、連日三名一組で瑞牆山直下に上がり、ロープのフィックスなどで登山者のサポートをしたほか、小屋で、通過する登山者へのコースの案内、具体的には、上ではアイゼンが必要です、という事を強調することですが、運動靴で来てしまった人たちの何組かは上にあがるのを断念していただきました。
それでも上がる人たちはいるので、上のチームが都度都度声をかけ、注意を喚起し、ロープを適宜使用していただきました。そのせいかどうかはわかりませんが、連休中に我々が把握している限り事故はなく、県警から直接感謝の連絡がありました。
そんな昨年の実績がありますから、今年は固定メンバーが昨年より減っているので、どこまでできるか心配でしたが、なんとか無事故が達成できたようです。
雪が多かったことが、ツルツルの凍結は少なかったこと、後半の天気が悪く、登山者の数が少なかったせいもあると思います。小屋で貸し出すアイゼンは昨年は3セットでしたが、ことしは10セットに増やしてありましたが、連日で払っていました。もともと小屋に貸し出しを期待することは間違いと思いますが、最低限の防御策として用意していました。それでも、借りたいということを小屋に申し出てくれるだけ、意識は向上しているのかと思います。以前は意に介さずに登って行ってしまう人たちの方が多かったから。
金峰山、瑞牆ともに、ゆっくり登り、登山者を失礼ながら、観察させていただいていましたが、装備の具合や歩き方を拝見すれば、声をかけるべき方々は分かります。そういう方に声をかけ、注意を促すことで、結局は達成できた無事故なのかな、と思っています。
チェーンアイゼンの発想の見事さは感心するものがありますが、最近思うのは、その一方で、歩き方ができていない方には、逆に危ないものだなと思うことです。山に限らず、地面をしっかりとらえて滑らずに歩くには、フラットに足裏前面の摩擦を効率よく使うことですが、アイゼンを履く場合、それはより大切になります。
ですから、ツメの短いチェーンアイゼンの場合、アイゼンよりもよりフラットフッティングに気を遣わないと逆にスリップの危険性が増します。そう考えていたら、目の前でその通りのこと(急斜面の凍結部分を、チェーンの方がつま先だけであがろうとして滑った)が起こり、フラットに足をおいてください、とアドバイスしたら、見事に滑らずに登られたので、思った通りだと自分で感心してしまいました。
また結構土踏まずだけの4本アイゼンの方もおられ、あれも歩き方に工夫のできる、慣れた方以外はちょっと危ない感じが満載のものでした。山慣れた感じの方ほど10本や12本の本格アイゼンをつけておられ、そうでない、慣れていない風の方ほど、中途半端な不完全な装備、あるいはノーアイゼンで来られていたので、やはり、山への向き合い方の問題と感じました。
こういうことに対しては、社会的な啓発しかないので、登山口での案内はもちろん、普段からの山のリスク管理の普及に努めなければならないなと強く感じた次第です。
同じ山でも、季節や天気で、全く違う様相を示すことは、本当のところ、経験しなくては身に染みないものですが、知識としてインプットし、そのための準備をする意識をもっていただけるようになれば、少なくとも事故に至るようなことは防げるのではないかと思います。
長いこと山に登っているものの務めは、そのあたりかなと、最近強く思うようになってきました。
ずーっと単独行だけで山登りを続けてきましたが、最近山仲間が急激に増えていますので、自分の務めを果たしていくことも大切と、自分自身が学びながら、山の登り続けることがこれからの課題と思っています。
最後に、大日小屋ですが、40数年間無人が続いています。
しかし、トイレの使用、テント場の使用と、あの場所の利用率が高く、そういう意味でも整備が必要と、管理している富士見平小屋では考えてきましたが、今年から徐々に体制を整えて行こうと準備をはじめてました。
無料でテントを張れるから、小屋に泊まれるから、トイレを使えるから、と認識している方もいるのかもしれませんが、国立公園内の事です、何らかの管理は必要で、費用を負担していただくこともお考えいただくのも登山者の務めかと思います。富士見平小屋前を通った方はご存知と思いますが、大日小屋の宿泊もテント利用も、富士見平で支払ってくださいと看板を掲げてあります。でも、なかなかそういう方はおられません。小屋にある料金箱にも、お金が入っていたことは少ないと聞いています。
でも、我々がテントで泊まった際には、ほとんどの方には快くご協力いただけました。おひとり、タダだと思ってここまで登ってきたのに、言われましたが、その方にも最終的にはご納得いただけたと聞いています。
今後、テント場の整備、小屋内の掃除などの宿泊設備の整えなど、進めていきます。いまは、寝具は使用できませんが、10人程度の宿泊スペースは掃除してあります。入って左の手前部分です。他のスペースも泊まれますが、ちょっとほこりが積もっているかも。水は小屋に向かって左に沢が流れていて使えます。ただ、夏に向けて水量が減っていくので、注意が必要です。
今後、都度都度にお知らせします。
GWのおつとめ、お疲れ様でした。
うちは何年か前のGWに金峰山に登ったのですが、
その頃はヤマレコとかも知らなくて情報収集も足りなくて、
登ってみたら砂払いの頭から上がスキー場みたいな完全雪山でびっくりしました
(初めての雪山らしい雪山でした
それ以前に奥多摩とか丹沢で薄く雪ついてる山には登ったことあって、6本爪アイゼンは使ったことがあったので、一応アイゼンは持っていたのですが、
まだちゃんとしたグローブを持ってなくて軍手(!)だったので、手が濡れてめちゃくちゃ冷たかったです。
瑞牆山荘と山頂のピストンに12時間かかり、次の日筋肉痛で階段が下りれなかったのを覚えています。
たぶんうちみたいな山登ラーがたくさん押し寄せて、devilmanさまのような方にはいろいろとお世話になっていることと思います。
そういうへっぽこ山登ラーを代表して、心からお礼申し上げます。
どうもありがとうございます
旦那さんはどんな人なのかは、わからないけど、やさしい人なんでしょうね。
それにしても、CATさんは、山が好き、だよね。
だったら、一度ちゃんと山を習いません??
ヤマレコとかネットで見るんじゃなくて、直に人に聞いて登るのがいいと思うなあ。
雑誌読んで、ネット見ただけで来られても、山は困るんじゃないでしょうか。
けっこう経験も積めているみたいですが、それを生かしましょうよ。
今までの経験て、無駄にはならないと思いますから。
一度、お二人で富士見平小屋にテント泊でも小屋泊まりでもいいので、お出で下さいね。
何しろ、山好き、が大切です。
GWもこういった作業だったのですね。
本当にありがとうございます。
(ふふ、実は金峰山に行って来たのだ。レコはまだ手つかず)
でもさ〜〜あんまり登山者甘やかしたらいけませんぜ。
ロープまで出してあげてはイカンでしょ
一生懸命やってくれてる所に悪いけど・・・
維持費がかかるのもわかるんだけど・・・
大日小屋の使用料は高すぎだと思う。
4000円だよね?
寝具付きならまだナットクなんだけど、壁と屋根があるだけなんだもん。
1000〜2000円に設定した方が回収率高くなると思いますよ〜〜
瑞牆山の場合はどうしようもないですよね。
一昨年までは大けが、救助、盛りだくさんで・・
それで昨年レスキューができて、下でも上でも指導して、面倒見て、無事故。
いちいち、次に来るときにはね、と念押しして。
まあ、時間かかりますが。
大日小屋ねえ、本当におっしゃる通りだよね。
あれじゃ、お金取れないよねっていうのが正直なところなので、何とかしなくちゃ、と始めたのですよ。
今年中には屋根と床とドアとトレイをなんとかして、寝具も一新して。
と思っていますが、とりあえず、テントにしてください。
天場はいいところです。今度整備しますし。
金峰山に行ったんですか。いつなのかな。目の前通り過ぎれば気づくけど。
瑞籬や金峰は一見、簡単にも見えるコースですが、時期的に・・・登山者によりかなり安全意識が違いますね。
私も連休・北アでいかなに初心者がノーアイゼンで登り樹林帯ですが、滑落を数メートルしているの見ました。少し打撲したようですが・・・無謀というしか無い方も見受けます。あまりにも危険な場合は注意しますね。
写真を拝見すると、軽アイゼンでも厳しい感じがありますね。
前爪蹴り込んで行かないと怖いように思えます。
チェーンは初心者向きと思いきや、アイゼンを使いこなすベテランが使わないとスリップしますね。私も使いますが、接地面を考えて使わないと滑りますので、使いこなせないとチェーンもある意味危険だと思います。
大変なボランティアですが、これからも宜しくお願いします。
コメントありがとうございます。
チェーンアイゼンは、初めて履いた時には、大変便利で驚いて、
こんなもの最初から履いたら、歩き方覚えないよ、という感想だたんですが、
今は、おっしゃるように、却って危ないかも、と思っています。
そうしたら、現実に目の前でスリップされた方を見たので、やっぱり、と思った次第。
なかなか難しいですね。きちんとした訓練された人だけが山に来るわけではありませんから。特に最近のブームで雑誌がたくさん出て・・
瑞牆山は、なぜかそのイメージが家族向けの山とかのようで、あの大岩の急登のくせに、子供連れなど、ちょっとしたハイキング感覚の人たちが多いのも、考え物です。仕方なく、小屋前での声掛けや、連休には頂上直下でロープフィックスしていますが、本来は自己責任に任せるべきところ。
ほっておけば怪我して小屋に駆け込んでくる人も多いわけで・・
それはそれとして、また、楽しい山に登りたいですね。
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