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Yamareco

記録ID: 451961
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

悪天候・眺望ゼロの西天狗〜奇跡の絶景

2014年05月22日(木) [日帰り]
 - 拍手
84mo10 その他1人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
07:55
距離
7.2km
登り
914m
下り
912m
歩くペース
ゆっくり
1.21.3
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

7:10唐沢鉱泉登山口-9:15第一展望台-10:00第二展望台-11:30西天狗岳山頂11:45-13:00第二展望台-13:20第一展望台-15:00唐沢鉱泉登山口
天候 曇り後雨・みぞれ
過去天気図(気象庁) 2014年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
諏訪南ICより唐沢鉱泉Pへアプローチ。駐車場はam6:30で3台(1台は鉱泉関係者?)。
コース状況/
危険箇所等
第一展望台少し前から先、岩場まで積雪多し。アイスバーンも少々。6本爪アイゼン使用。とにかく踏み抜き多数で歩きにくいです。狭い登山道に斜めに積もっている箇所が多く、消耗しました。岩場は、遠方から見ると難易度が高そうですが、実際は足場もしっかり確保出来て思ったより登りやすいです。
コースタイムは、装備の着脱と悪天候、冬山経験が無い事もあり、参考になりません(笑)。

下山後、諏訪南インターに向かう途中の八ヶ岳エコーライン沿いにある産直「たてしな自由農園・原村店」で野菜とお菓子・パンを購入。直営パン屋さんも隣にあり、自然食品に興味のある方には大変オススメです!
http://www.tyokubaisyo.com/chiki/hokurikusinnetu/nagano/lightbox/tate-haramura.html
わかりやすい登山口。
わかりやすい登山口。
緑の回廊。
ここまで結構あります。
ここまで結構あります。
残雪がぎっしり、軽アイゼン装着。
残雪がぎっしり、軽アイゼン装着。
第一展望台より、眺望ゼロ。
第一展望台より、眺望ゼロ。
こんなに雪深かったとは。踏み抜き跡多数。
こんなに雪深かったとは。踏み抜き跡多数。
みぞれか雨かわからない上に、強風。気温もどんどん低下し撤退がちらつきます。
みぞれか雨かわからない上に、強風。気温もどんどん低下し撤退がちらつきます。
第二展望台直下の雪庇。
第二展望台直下の雪庇。
眺望ゼロ。強風。
眺望ゼロ。強風。
岩場へ取り付く。
岩場へ取り付く。
上も下も何も見えず、寒気が吹き付ける。
1
上も下も何も見えず、寒気が吹き付ける。
登頂、達成感から放心。
1
登頂、達成感から放心。
世界から切り離された感覚になる頂上、別の惑星のよう。
1
世界から切り離された感覚になる頂上、別の惑星のよう。
ヤマネチ。フォームが公式ロゴに近づく。
4
ヤマネチ。フォームが公式ロゴに近づく。
なんも見えねーぞコノヤロー!
2
なんも見えねーぞコノヤロー!
下山中、下からの突風がガスを吹き飛ばし何かが見える!
下山中、下からの突風がガスを吹き飛ばし何かが見える!
あそこから登ってきたのか!
2014年05月22日 12:06撮影 by  iPhone 4, Apple
3
5/22 12:06
あそこから登ってきたのか!
そしてあんなとこを登っていたのか。
2014年05月22日 12:34撮影 by  iPhone 4, Apple
2
5/22 12:34
そしてあんなとこを登っていたのか。
撮影機器:

感想

 人気の八ヶ岳、中でも休日は多くの人で賑わうだろう天狗岳に平日、相方と2人で向かいました。計画では唐沢鉱泉〜西天狗〜東天狗〜黒百合ヒュッテ〜唐沢鉱泉の周回コースを回る予定でした。
 前日の予報では午前は晴れ、午後から曇りという事で、早い時間からのアタックを試み、7:10登攀開始。八ヶ岳PAから見た八ヶ岳は既に雲に隠れていましたが。

 標識のある分岐まで、九十九折れのなだらかな登り。苔蒸した美しい緑の登山道を楽しみながら登りました。予想以上に距離があったような。
 そこから第一展望台までの間は意外に多い積雪に苦戦。展望台に着いてもガスは晴れません。

 ここからは本当にきつかった。まず積雪の量。1m以上はまだ残雪があり、踏み抜きの跡が多数あります。もちろん自分も何度も踏み抜き、6本爪アイゼンでしたがかなり神経と体力を消耗しました。トレースがありなんとか道迷いは免れましたが、ピンクテープは雪に埋まっている箇所も多かったです。
 それに加えて風がどんどん強くなり雨もぱらついてくる。ザックカバーを初めて使用しました。雨はそのうちみぞれになり強風とともに吹き付け、装備をフルに着込んで体温の低下から身を守りながら何度も撤退を考えました。相方曰く「修行だねえ」と。
 
 第二展望台を通過後、一度下って登り、岩場に取り付きアイゼンを外しました。みぞれは止みましたが相変わらずの強風、濃いガスにより視界はゼロ。岩場はかなり傾斜がありましたが、マークを頼れば思ったより登りやすく、あとは風と寒さに精神的に負けないようにがむしゃらに登りました。

 そしてついに登頂。撤退を考えつつの登頂なのでなかなか現実感が湧きませんが、じわじわと達成感に満たされていきました。頂上部以外は下界も含めすべてがガスに覆われているため、まるで異世界、別の惑星のようでした。不思議と風が止み、ガスの向こうからうっすらと陽が差したため短めの食事休憩。

 コースタイムオーバーと悪天候を鑑み、東天狗岳はあきらめ唐沢ピストンに計画変更。さあ岩場を降りよう、と、その瞬間、山裾から突風が吹き上げて来ました。
 すぐ近くの赤岳辺りの山肌が少し見えるなーと思っていたら、なんとその突風が目の前の膨大なガスを一瞬にして吹き飛ばし、信じられない事に、今まで登ってきた光景から中央道の走る北杜市〜茅野市の下界の風景までが一気に全画面で見えました。ありえない現象に思わず相方ともども絶叫。しかしカメラを構えたその瞬間、再びガスの中へ。奇跡の一瞬は10秒程、残念ながら記憶の中にしか残りませんでした。その後、もう一度晴れ、ヤマレコにアップしたのはその時のものです。
 相方は「こんなの見たら一生山はやめられないわー」と言い、自分は、直に目の当たりにした強烈な体験には何もかなわないと思ってしまいました。
 この日は常に何かに見られて登っているような一日でした。強風とみぞれと雨に打たれながらも、アイゼン着脱と昼休憩の間だけ不思議とうっすら陽が差し、最後に少しだけ絶景のご褒美をもらえました。「少しだけ」というところに愛情と厳しさを感じます。わずか10秒だったからこそ、一生の思い出になりそうです。

 その後は相変わらずのガスの中、雪の斜面では尻セードを楽しみながらのんびり下山。千葉県まで車での帰宅に使う中央道が集中工事で大渋滞のため、道志みちのさらに裏の抜け道を相模湖〜津久井〜八王子まで抜けるのに峠5つほど越えたのでした。

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