【川内】中杉川ユウ沢遡行・広倉沢右俣〜早出川中流下降
- GPS
- 31:02
- 距離
- 38.8km
- 登り
- 2,227m
- 下り
- 2,264m
コースタイム
天候 | 3日間晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
松次郎ゼンマイ径の途中にキボシアシナガバチの巣があり刺された。今シーズンは要注意。 |
写真
装備
共同装備 |
ロープは50m1本でちょうど良かった。
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備考 | ・ラバーソール適 |
感想
盆休みの山行の練習として3連休を確保したが、天気が良いのが下田川内くらいしかない。虻は懸念されたものの、今年は残雪が多いので水温が上がらず、虻の発生は遅いのではないかと希望をかけて、中杉川から早出川への周回を計画した。
【初日】
長い運転を経て早出川ダム駐車場へ。朝から暑くてところどころ横断する沢で水浴びをしながら進んでいくが、松次郎ゼンマイ径に入ってすぐのところでtamoshimaがキボシアシナガバチに刺される。しかも数か所刺され、大丈夫かと不安になるが、しばし待っても大して腫れてこないし、痛みも治まってきたので進むことに。しかし径路上に蜂の巣があるためここで谷に向けて下降開始。途中で傾斜が強まり、緩い場所へ向けてトラバースしているとMSOが小滑落。朝からなんだか幸先が悪い。ともあれ入渓成功。懸念していた虻もほぼいない。
しばらくはダムへの堆砂によりできた河原だったが、中杉川出合までこれが続くだろうという予想に反して泳ぐ箇所が出てくる。結構長い。
中杉川へ入ると一気に水量は減り、ゴーロが続いて平凡。やっと子落としの悪場が出てきて、せっかくなので滝を登ろうとするが、これが結構難しい。tamoshimaが空荷になって何とか登り、後続はゴボウ用フィックスロープとビレイを組み合わせて何とか登った。が、苦労もむなしく次の滝は登攀不可。結局、左岸から巻いて懸垂下降で沢に戻る。
ゴルジュはその後も続くが、遡行図には素晴らしいゴルジュとか書いてある割に平凡なゴルジュで、これがきっと山抜けのせいなのだろう。さらに進んで上部ゴルジュに至っても、側壁は立派だが遡行内容は薄いゴルジュで、飽きた頃にゴルジュ終了。問題の山抜けの現場を見て、少し進んだところで幕営。朝より虻が多いが許せないほどではなかった。
【2日目】
ユウ沢に入ると多少傾斜が増し、次第に滝も出てきて下部よりは面白いが、簡単で登り応えはない。広倉沢へ最短で行くために左の枝沢に入ると立派な滝が出てきて、出だしだけは登り応えがあった。その後はひたすらゴーロやガレを進んでいくと次第に水はなくなり、脆い岩が所々露出する泥地を登っていくと、鞍部に出る。
鞍部からの広倉沢右俣右沢下降は、しばらく滝がなく至極順調であったが、地形図で等高線が混み始めるあたりから案の定滝場となる。以外にも立派な滝場で小滝が連続して、クライムダウンや懸垂下降を組み合わせて下っていくのはなかなか面白く、景観も良い。滝場が終わると今度は深いゴルジュとなり、さらに進んで本流との出会い直前にまた滝場。ここはクライムダウンできる滝ばかりだが多少技術を要するものもあり面白い。
右俣本流に合流すると、水量が一気に増えて、ところどころ泳ぎも交えながら楽しく順調に下る。二俣の直前で12m滝があり、これは結構壮観だった。
広倉沢の二俣以下は、大した滝もなくあっさり下れるだろうと思っていたが、甘かった。まさかこんなに下ってから雪渓が現れるとは。それも、この時期にありがちな崩れそうな雪渓で、しかもゴルジュ内にあるのでそうそう巻けない。意を決して素早くくぐり、雪渓がこれだけであることを期待したが、結局3回もくぐる羽目になった。終盤の4m滝(ヒロクラ渕)は登るのは面倒そうだが飛び込みで快適に下り、いよいよ早出川本流へ。
そろそろ幕営したいところだが、広倉沢出合は適地ではない。上流へ向かうのは無駄なので、下流へ進むことにすると、すぐに大釜淵。遡行は大変そうだが下降は楽。と思ったが沢を塞き止めるように浮く流木を越えるのが意外に大変だった。
大釜淵を越えて少しで、増水には耐えないが幕営可能な場所があり、天気は崩れなそうなのでここで幕営。しかし完全に暗くなる直前まで多数の虻に悩まされた。
【3日目】
明るくなると虻がうるさそうなので暗いうちに起きて朝食。明るくなると案の定虻だらけで、さっさとこの虻地獄から抜け出すべく、どんどん沢下降。歩きと泳ぎとをひたすら繰り返す。大渓谷として定評のある沢だが、滝もなく変化の乏しい、飽きやすい人には向いていない沢だと感じた。立派で美しい渓相にも飽き飽きしたころ、見覚えのある中杉川出合に到着。虻の量は相変わらず一昨日より格段に多く、どうやら2日間で発生がかなり進んだことを確信。悪いタイミングで来てしまった。
金ヶ谷出合までは湛水していないことが分かっていたので、駒の神前後のアップダウンを嫌い、金ヶ谷出合まで本流を進む。堆砂により河川下流域のような、不思議な景観。金ヶ谷出合からは、登山道跡に直登しようとしたが、1箇所がやや悪くて、念のためロープを使った。沢慣れていればこのショートカットはかなり有効だと思う。最後は激暑の登山道跡歩きをこなして駐車場へ。
【総評】
中杉川と早出川は、長くて変化が乏しく、大味な沢という印象。どちらも定評のある所だが、期待しすぎるとがっかりするかもしれない。一方の広倉沢右俣右沢は情報がなかったが、以外にも立派な滝場があり、期待以上だった。こちらを遡行して中杉川を下るというのも悪くなさそうである。
全体としては、3日間かけて川内山塊の代表的な沢を周遊することができ、好天にも恵まれて充実した山行であった。が、虻による不快さが楽しさを上回った気もする。
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