君にはまだ早いかな… 奥穂高の稜線は「またおいで」と…


- GPS
- 32:00
- 距離
- 33.2km
- 登り
- 1,392m
- 下り
- 1,377m
コースタイム
上高地BT7:08 - 8:51徳沢 - 10:003横尾10:50 - 14:10涸沢(泊)
2日目
涸沢4:35 - 5:55ザイテングラート - 6:15涸沢(撤収)6:50 - 9:01横尾 - 10:06徳沢 - 11:50上高地BT
天候 | 1日目:くもりのち夜半に雨 2日目:くもり時々弱い雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
上高地までバス(2,050円/往復) |
コース状況/ 危険箇所等 |
横尾までは問題のない道です。 橋を渡って登山道に入るとそれなりの山道になりますが、特に危険はありません。 本谷橋を渡るともう夏道が出ているのでそちらを歩きます。 気温はもう高いのですが、解けかけて濡れた氷が岩を覆い、大変滑りやすくなっています。 踏み抜きと並んで要注意です。 涸沢テン場までの谷では何度か落石を見ました。(車のタイヤほどの岩) 転がりだすときにはガラガラと音がしますが、雪の上では音もなく転がってくる印象です。 ザイテングラードまでの斜面を直登しましたが、傾斜も一定で登りやすい斜面です。 下りの滑落に注意すればいいでしょう。 |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
装備
個人装備 |
レインウェア 1
インナーダウン 1
ミドルレイヤー(山シャツ) 1
予備ソックス 1
帽子 1
手袋 3 アウター1、インナー2
サングラス 1
登山靴 1
アイゼン 1
テント 1
テントマット 2 銀マット1、エアー1
シュラフ 1 カバ−付き
テントシューズ 1
ストーブ 1
ガスカートリッジ 2
コッヘル 1
水タンク 1
マグカップ 1
食事小物 1 箸、スプーン等
食材 6 食
行動食 1 式
非常食 2 日分相当
ザック 1
ストック 1
ピッケル 1
シャベル 1
地図 2 地形図、山と高原地図
腕時計 1 コンパス、高度計機能
ナイフ 1
救急セット 1
ヘッデン 1
カメラ 1
小物 1 細引き、電池、熊鈴等
携帯カイロ 2
スマートホン 1 GPS機能
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感想
前回の山行から3週が過ぎて季節も梅雨に入りました。
前回の撤退の理由が天候の悪化、つまり雨が降るからやめた! ってことなのに、梅雨に入って同じ山に行くってどういうこと?
そんな矛盾に内心突っ込みも入れながら、かまわずに今回も行ってしまいました(笑)
天気が悪いと危険も増える、それは確かです。
だから雨が降る日は山に行かないってのはちょっと違うでしょうね。
自分が気を付けるべきは雨ではなくて、そこからどんな危険があるのかを知って対処すること。
分からないものを不安がって先に進めないのはもったいない。
だから今回の心構えは、「雨を怖がらないこと」
…って、子供みたいですが(笑)
平湯温泉あかんだな駐車場からの始発バスは、前回と同じく私ともう一人の焼岳に向かう乗客でスタートしました。
車中であれこれ話をしながら上高地までの道連れでしたが、無事に登頂、下山されましたか?
この上高地から涸沢までのアプローチの長さを舐めて前回失敗しているので、今回は余計な寄り道や道草は避けて無駄のない動きもテーマの一つです。
バスターミナルの登山ポストに届を提出したら、あとは最短距離で明神、徳沢、横尾をめざします。
やたら急ぐこともありませんが、一定ペースで歩くことを心がけます。
梅雨に入ってやはり雨の状況は気になりますが、この日は雨どころか青空ものぞき、上々の空模様♪
ただ予報によると、晴れ間は今日までで明日からはまた雨マークのようです…
横尾で早い昼食を済ませ、つり橋を渡って涸沢に向かいます。
橋の手前には、ここから先は登山道なので装備のない人は入山しないよう注意書き。
なんだか別世界の扉を開けて入っていくような、わくわくさせてくれる看板です。
これまでの遊歩道から少々険しい登山道へと姿を変えて道が続きます。
屏風岩を左に見上げながら谷を詰めた先には本谷橋。
先月はここから雪道でしたが、さすがにここにはまだ雪は見えません。
代わりに夏道が姿を見せていて、急登の先、谷を見下ろしながらトラバースしています。
いつの間にか足元は雪で埋まり、周りの風景も白く染まっています。
気温だけはそれほど下がっていないので、雪の状態は俗にいう「腐って」います!
泥濘のように滑るところあり、踏み抜きあり…で進むのが一苦労!
体力を急激に消費しながら涸沢に近づいていきました。
しんどい時の常とう手段、歩数を数えながらやっと着いた涸沢ヒュッテ、
前に広がるテン場には、団体用に見える大型のテントばかり10張ほどが並んでいました。
何かのイベントとかちあったのかと不安を感じましたが、聞くと大学の山岳部の合宿らしく、歩いている宿泊者(?)ものんびりしている人がいなくて…
先に設営しておくと後で受付が回っていくと表示があり、その通りテントを張っておきました。
(周りが団体用の大型ばかりで、私のテントがおもちゃに見える…)
テン場の周囲はぐるりと穂高連峰のトップスターが峰を連ね、明日の登山道になるザイテングラードも一望できます。
食事を終えたあたりで雨音がテントを打つようになり、時折雨脚が強まります。
もし到着が遅れていると、この雨の中を着いて設営するシーンもあったのかと想像してしまいました(汗)
早く着いてよかった!
このシーズンに来る以上全行程ガスの中なんて状況もあり得ると思っていたのが、この歓迎には感激です♪
ここのテン場、今までの山での宿泊とはずいぶん様子が違い、蛇口の水はそのまま飲めることとトイレが水洗なのにびっくりです!
電話で聞いた時に、「今は…」と言っておられたので、水道が無料で使い放題なのは雪解けのこの時期ならではかもしれませんが。
売店でピールを仕入れて♪♪ と行ってみると、なんと自販機がありましたよ!
ところ変われば…ですねぇ!
明日はよほどのことがない限り予定通り先に進みます。
降ったり止んだりの予報ですが、風とガスの方が心配でもあるので、様子を見て進むようにしましょう。
3時近くに目が覚めると雨の音は止んでいて、風もない静かな時間だけが流れています。
湯を沸かして食事を済ませるうちに外は少しずつ白み始め、出てみるとガスも何とか晴れて周囲の稜線が見えていました。
今日のこの後の天気は予断を許さない、というよりまた崩れるとは思います。
でもスタートを切れるのがとりあえずは嬉しく、張り切ってテントを後にしました。
トレースはほとんど見えませんが、見上げる限り白出のコルまで斜面が続いているので直登するだけです。
滋賀の伊吹山の冬ルートと同じ感覚で歩けそうだと一安心です。
こういう斜面ではスタート地点がいつも見えているので振り返るたびに登った感が大きく、ついつい張り切ってペースを上げてしまいます。
今回もその通りですぐに息が上がり、体力に見合ったのんびりペースに戻して少しずつ足を進めることに。
1時間ほど登ると右にはザイテングラードの岩が並び、見上げると多少コルが近づいた感もあります。
ただ、ここにきて頭痛が起こり始めたかと思うと、しばらくの間に強く痛むようになりました。
高山病で頭痛があるのはよく聞きますが自分では経験がなく、心配していなかったんです。
しばらく斜面に座って様子を見ていましたが改善の気配がなく、またここで行くか戻るかの選択を迫られる事態となりました。
頭が痛いのさえ我慢すればゆっくり歩ける状態ではありました。
休み休み登り続けてコルに届けば状態も変わるかも…
そんな心境で少し歩いてみるのですが、これが本当に高山病の症状ならば標高を下げる以外に対処法がないことで、動けるうちに下るのが唯一の選択肢だろうと考え直し、ここはまた楽しみを先に置いておくことにしました。
実際下り始めて数分で頭痛は嘘のように消え、さっきのは気のせいだったのかと首をかしげる始末です。
斜面の下りは伊吹山での経験がそのまま役立ち、あっという間にテン場に戻っていました。
昨夜のお隣さんだった日大(?)の山岳部の合宿パーティーは撤収中。
もう一つ慶大(?)の一行は雪の斜面で滑落停止の訓練中(に見えました)。
頭痛が治まってみると体は元気でよほどもう一度登り返そうかと虫が騒ぎだします。
でもさすがにこれからだとタイムオーバー。
この穂高の山たちは何度楽しませてくれるのか…(笑)
昨夜の下準備が効いたのか撤収は早くに片付き、横尾に向かって沢地形を下り始めました。
ここから見下ろす地形の大きさに今更ながら感動です。
ガスが何度も出かけては消えてくれるので迷うこともなさそうです。
一つしでかした失敗は、気温が高くて雪はズルズルの状態なのに不注意に足を運んで滑り、アイゼンの歯を引っかけて見事に頭から谷側に転倒したこと。
滑落する傾斜ではなかったので助かったのですが、手のつき方が悪かったようで右手親指を捻挫してしまいました。
このシャーベット状の雪は扱い難いったらないですね!(いやいや、お前が下手なだけ…)
下る時間が予定外の午前中になったもので、雪のないところまで降りた後は、ぎらぎらの反射光のないやわらかい光を楽しみながらのハイキングでした。
残雪と新緑の取り合わせもいいし、苔の緑やシダの緑、木々の新芽も山にかかるガスも、昨日の登りでは時間の浪費を恐れて目を向けなかった「いいもの」たちとの出会い…
2度続けての撤退に、雪の穂高をまだ甘く見ていたと反省材料はたくさん溜め込みました。
帰りのバスで涸沢で合宿していた大学の先生と一緒になり、高山病は睡眠不足や疲れから起こりやすもなるものだと教えてもらいました。
つまりそこに気を付けて次回元気に歩ける余地があることを知って「よし、もう一度!」と思えたことです。
無雪期に一度歩いておくのはやはり有効なんだろうな…
「前回の反省を生かして今回は100%の成功!!」とはいきませんが、一つずつ対処できることが増えていたり応用できる経験や知識も少〜しずつ増えています。
その少〜しの差で、同じ山でも前回と違うものを見つけたり、違う経験ができたりするのが不思議なところです。
だから今回も「今日来てよかった!」
ふふふ・・手こずってますね
雨の中では疲労が蓄積しますね
わたしはハードな山行をするおりには三日まえから寝る時間をしっかり確保してます。
わたしの場合は、睡眠不足が一番足に堪えます
いずれにせよ、無理しないのは正解ですね
よりよき山行を でわでわ
ウエダさん、こんにちは
いやー、奥穂は難しい
心技体のどれもが少しずつ足りないような気がしていますが、事故や遭難につながる事態を避けながら時間を過ごせたらいいと思っています。
なかなか上達しないのは、途中で引き返しても毎回満足してしまっているせいかもしれません
とはいえ、できる準備を怠って途中撤退ではもったいないので少しずつ進歩しなければ
年齢相応のケアも考えますよ…
ありがとうございました!
こんばんは☆
穂高、また行かれたんですね〜
私は、秋に涸沢に行ったんですが、トイレや水などここは山なんか?!と思うような感じで充実していてビックリしました
高山病・・・・私はいつもそのままいっちゃうタイプなんですが、無理はいけませんよね。
なんとかなれー!!って思いますよね〜
標高下がればホンマ楽になりますよね〜!
あっ、でもはやく標高をさげようと思って、かなり飛ばして下山した時があって、その時は、登山口についた瞬間、頭がグラっとしてヒドイ吐き気と頭痛がおこり、歩けなくなりました
次回からは高山病がでないことをお祈りしています(>_<)
bebebeさん、ありがとうございます!
普段ソロで動いていると、自分の知識や技術がそのまま山行の限界を示すようです。
鈴鹿など地元の山でもいくらでも撤退を繰り返していますが、同じ状況下でも次は乗り越えられる経験を持って帰れたらそれは価値のある山行だと思えます。
bebebeさんもソロで高山病の経験があるんですね
トラブルの渦中では不安なものですが、なんとかしなきゃ! と開き直るのが特効薬のようですね
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