黒又川中岩沢西ノ沢〜百字ヶ岳〜毛猛沢百字ノ沢
yamakurumi
中澤慧
- GPS
- 56:00
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 1,611m
- 下り
- 1,422m
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- 山行
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- 休憩
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- 合計
- 0:00
- 山行
- 13:20
- 休憩
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- 合計
- 13:20
- 山行
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- 休憩
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- 合計
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| 過去天気図（気象庁） | 2022年09月の天気図 |
|---|---|
| アクセス |
国道252号 鳥越沢スノーシェッド付近の駐車スペースに1台デポ ■黒又川第二ダムについて 黒又川第一ダムから黒又川第二ダム間は2004年以降災害通行止めとなっているため、一般の人はボートをチャーターしてのを入渓は不可。 黒又ダム、黒又川第一ダム、黒又川第二ダムは貯水率を公開していなく、水位が不明。 したがって、事前に水位を黒又川第一ダムなどで現地調査せずに山越えすると賭け要素が強い。 今回は貯水率がそれなりにあり、パックラフトなしでは泳ぐ必要があった。 区間は800mくらいのため、泳ぎと歩きでの入渓も可能。 実際に浦和浪漫山岳会の菅井猛パーティーは黒又川黒石沢へ泳ぎで入渓している。 ●貯水率が高い場合(2021/6 中澤) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3359331.html https://youtu.be/5AyX9I57pjI?t=212 ●貯水率が低い場合(2008/9 童人 トマの風) https://tomanokaze.sakura.ne.jp/top/?p=1602 |
| その他周辺情報 | ■1979/8/28〜9/2 家田勇男(現姓：永井)単独 (ゼフィルス山の会、アサギ同人) 末沢川足沢〜黒又川檜沢左沢下降〜檜沢中ノ沢右俣〜中岩沢西ノ沢下降〜東ノ沢出合まで往復〜中ノ沢〜大熊沢三ノ沢下降 『岳人』No.390 1979年12月号 毛猛連山の沢�� 『日本百名谷』(黒又川中岩沢 執筆者) 『日本登山大系 2 南会津・越後の山』(黒又川中岩沢 執筆者) ■1995/9/20 豊野則夫、他 (釣行) 黒又川中岩沢〜東ノ沢出合〜CS滝まで(往復) 豊野則夫『源流のイワナ釣りガイド』山と渓谷社 ※ボート入渓(2022年現在、一般の人は不可) ■2000/9/15〜17 わらじの仲間(須田忠明、三好恭子、矢本和彦) 黒又川中岩沢西ノ沢〜百字ヶ岳〜足沢左岸尾根 『わらじ 年報24 2000年度会活動報告』 WEB(故・矢本和彦氏)：http://yamo.server-shared.com/snb103.html ※ボート入渓(2022年現在、一般の人は不可) ■2008/9/20〜23 童人 トマの風(大野卓、矢野敦已、太田原由起子) キンカ沢〜上ノ大沢〜黒又川中岩沢〜百字ヶ岳〜足沢下降 『とまのかぜ 年報 No.16』 WEB(童人トマの風)：https://tomanokaze.sakura.ne.jp/top/?p=1602 ※ダムの貯水率が低い |
写真
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寒くて泳ぎたくないのでパックラフトでアプローチ
装備
| 個人装備 |
パックラフト
パドル
ライフジャケット
|
|---|---|
| 共同装備 |
7.9mm 50m
6.5mm 40m
|
感想
足跡少ない豪雪地帯の沢が好きな自分だが、毛猛の沢は全く眼中に無かった。あまりにも山深くアプローチも困難なため、興味を持ったところで行けない山域と思っていた。
nkzwさんからパックラフトという手段を教えてもらい、今回初めて毛猛に足を踏み入れることができた。
豪雪地帯ゆえの悪さを存分に有しており(下手な5級沢より悪い)、水量の割にかなり苦労させられたが、とても良い沢だった。
悪場担当を拝命したが、実際のところは、この滝登りたいと自分が駄々をこねてnkzwさんが寛容に付き合ってくれるという有様だった。ただそのお陰で、全ての滝を見ることができたし、不動滝の登攀や東ノ沢〜中ノ沢間のゴルジュ突破もできて非常に充実した。
毛猛沢中ノ岳前沢は記録未見なので行ってみたかったが、突っ込んでいたらやばかったのでブレーキをかけてくれて感謝。
「行ける山域」となった毛猛の地形図を眺めていると、行ってみたい沢が本当に多い。今は檜沢左岸の沢が気になって仕方が無い。nkzwさんとまた来たいと思う。
毛猛の沢はアプローチや下山や日数のことを考えると入り辛い。
しかし、その奥深さ・位置が毛猛という山域の魅力の一つであることは間違いない。
この周辺は40年近く前に家田勇男(現姓：永井)が単独での継続遡下降で多くを明らかにした。
登山大系を見れば沢の網羅率が凄まじいことがわかる(毛猛連山の執筆者が家田)。
黒又川第二ダムは2004年以降通行止めになっている。
ゲートの鍵を持っている一部の釣り師はここを車で通過してボートを利用しているようであるが、
一般にはボートをチャーターしての入渓は不可能となった。
アクセス欄にも記載した通り、黒又川第二ダムは貯水率を公開していないため、上ノ大沢からのアプローチは泳ぎが発生するか不明だ。
2021年に中澤が単独で黒又川に行った際は水位が高く、"泳ぐと結構たいへんそうだ"という印象であった。
そのため今回パックラフトを担いで行ったが、無駄になる可能性は大いにあった。
田子倉湖へ抜ければ確実に生かせるが日数が足りないため、今回のルート取りでは賭けだった。
9/17(土) 晴
キンカ沢から尾根を越えて上ノ大沢へ入る。地質図をよく見てもらいたい。
黒又川は左岸と右岸で岩質が異なり、左岸側は花崗岩で構成されており、とても美しい。
穏やかな流れとブナ林に癒やされながら懐かしの黒又川第二ダムへたどり着いた。
どうやら減水はしているが、湖岸を歩くよりは早そうでパックラフトが無駄にならなくて済んだ。
中岩沢へ入ると、さっそく大釜があり、泳ぎになりそうだったので舟をたたまずそのまま漕いで取り付いた。
下部のゴルジュは白と赤が混じった縞模様でとても美しい。ただ、ヌメリが尋常じゃない。
少し進むとヌメリも少なくなり、泳いだり荷揚げしたりしながら進んでいく。
20mの滝は左岸から巻けそうだったが、yamakurumiが水流横断ラインで登っていった。
中ノ沢の手前にタープを張り、薪が少ないながらも米を炊いて細々と焚き火をした。
9/18(日) 曇りときどき雨
西ノ沢へ入ると大きい岩が多くなり、高度を稼いでいく。
30mのナメ滝は快適に登る。
多くの滝を越えていくと丑松沢が出合い、ついに不動滝が見えた。
近づいてみると、登れそうということで準備。
1P目 中澤 35m ��+
左から取り付きトラバース。いったん壁に出れば快適に登れたがプロテクションは取れず、そのまま二段目上まで。
2P目 yamakurumi 45m �� A1
左右どちらからでも行けそうと、迷っていたが右から。少し上がったところが悪そうで、時間をかけていたがハーケンがしっかり決まり、無事突破。
フォローで登るとやっぱり悪い。パックラフトとパドルを担いでやることじゃない。中澤はアックスを使って登った。
不動滝を登り終えると悪そうな6m滝が出てくる。中澤は左から巻くがyamakurumiは登っていた。不動滝より悪かったとのこと。
その後もゴルジュがずっと続き、滝も大きいものが増えてくる。雪渓を越えたあたりから登れない滝も増えてきて、高巻きを強いられる。
高巻きは灌木帯までの草付きが急でかなり悪く、アックスに頼った。高度を上げていくと裏三山がよく見える。
なかなかゴルジュは終わらず、雨も降ってきてもうお腹いっぱい。日が暮れる頃にようやく草原に飛び出た。未丈ヶ岳が見える。
草原は斜度があったので、稜線に出て適当な場所を刈払いした。夜は風が強く、雨は一瞬パラついたがすぐ止んでくれた。
檜沢からは雪渓の崩壊音がなり続けていた。
9/20(月) 晴
起きると満点の星だ。暗いうちから出発し、百字ヶ岳の山頂で日の出を迎える。檜岳も毛猛山も格好いい。
猿倉山、守門、浅草岳も見える。赤くなる雲や空をしばらく眺める。
毛猛沢には雪渓が見えるが、話し合って予定通り中ノ岳前沢を行くことにした。
コルから中ノ岳前沢に降りていくが、草原の中に爪楊枝で抉ったようなゴルジュが続いている。
源頭部から沢型に入るのに高さが結構ありなんとかずり落ちた。
すこし下っていくと降りられない滝が出てきて、懸垂支点も取れないので高巻きに入る。
ここも周りが急な草付きでかなり悪い。巻き上がったところで沢を見るとこんな草付きのゴルジュがかなり続いている。
降りられない滝が出るたびにこの巻きは厳しいということで、尾根を越えて百字ノ沢側へ降りることにした。
百字ノ沢は比べると下りやすく、二俣までいくと明るく開けたゴルジュが広がっていた。
二俣より下流は美しい滝がとても多く、いくつかの懸垂を交えて快調に下っていくと毛猛沢の雪渓が見えた。
明らかにこのまま降りていくと詰むので、大高巻きすることに。というか、中ノ岳前沢を下降していたら詰んでいた可能性が高い。
大高巻に入るところから、この3日間で一番天気がよくなり、中澤はグッタリ。
なんとか高巻き続けて雪渓の末端まで行くことが出来た。
毛猛沢は本当に綺麗な沢でゴルジュが色を変えて楽しませてくれるが、時間が押していて足早に通り過ぎていくことが惜しい。
穏やかになり、堰堤をから踏み跡をたどると国道252号にピッタリ飛び出た。
家田(永井)さんはWakaがブログをキッカケにやり取りがあり、昔の会報などを送ってくださった。
会報はすべて手書きで書かれており、記録は独創的なものが多く素晴らしかった。
中岩沢は家田さんが情熱を注いだ毛猛の沢から『日本百名谷』に選出している。
しかし、前述の通り、そのアプローチの困難さや知名度の低さからなかなか入られていない。
2021年にその険悪な出合を見てから「僕が行かないと」という謎の使命感のようなものがあったので、遡行できて嬉しかった。
今回足を踏み入れてみて、ここを40年前に単独で何度も通っていたのか…と、家田さんの凄みを感じた。
一緒に行ってくれたyamakurumiに感謝。
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