槍ヶ岳(黒槍、天を穿つ!)
- GPS
- 16:49
- 距離
- 26.3km
- 登り
- 2,145m
- 下り
- 2,129m
コースタイム
- 山行
- 4:15
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 4:37
- 山行
- 10:14
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 11:48
天候 | ド快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道はすこぶる良かった。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
「オレは槍より剱だな。」
4年前のあの頃、本社会議の鬱々とした気分を紛らす為に毎月1回だけの東京出張では神田の石井スポーツに寄り道をしていた。
靴を物色していた時に、店の年配のオヤジが思い出話を聞かせてくれた。イタリアのドロミテ山塊、ヨーロッパアルプス、剱も行ったし槍も登ったと。その時に呟くようにボソっと言ったのがこの一言だった。シビれたね。俺も行くよ!この靴で!って、ちとワイズがキツかったが買ってしまった。もちろん富山県民の俺は剱贔屓だ。剱が優位とオヤジが考えていると勝手に解釈した。それで剱に登った上で、槍の穂先でオレも剱の勝利を宣言するって。まあ上手い具合に乗せられたのだ。だが、槍にはなかなか行けなかった。連休が取りにくくなったし、コロナも起きた。今年も諦め気分だった。しかし突然行ける状況になった。山行2日前、宿も取れた。
念願叶って槍の穂先に立つとオヤジの呟きの、その真意がようやくわかってきた。槍は頂上直下までストックを突きつつ登った。そう言う意味では普通の山行だった。そこから梯子と鎖でガチガチではあるが山行のスパイスの様な穂先の登りがあった。別にそれがどうと言う訳で無い。北アのど真ん中に立つ興奮。どの山からでも見つけられるあの特徴的な槍の穂先に立つ高揚感。他の山でもって代え難い感動は槍唯一のものだった。他方、剱は剣山荘を過ぎればストックは使わない。手と足と体で登る山。そりゃ、古くからの登山者は剱もヌルくなったと嘆いているかもしれないが、遅咲きの登山者には十分過ぎる過酷さと沸騰する様な満足感。
槍と剱、よく並べて語られる事の多いこの2峰は実は全く異なる山だった。オヤジなりに優劣をつける意図はそもそも無かったのだ。山の話をした訳じゃ無い、オヤジが自分の話をしただけだった。だから言うでは無く一人呟いたんだ。ようやくわかった。
だから頂上でオレも呟いた。
「オレはブナ林もいいな。」
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