丹沢/玄倉川小川谷廊下
- GPS
- 09:34
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 1,823m
- 下り
- 1,829m
コースタイム
天候 | 曇り(22℃) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
玄倉林道ゲート手前の駐車場を利用。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆石棚山山腹登山道 急斜面に設けられた登山道で崩壊も多い。シングルトラックが基本だがハーフトラック程度に削られた部分も多々ある。小川谷からの登り口は最後の堰堤の後のゴーロの二俣を左(小川谷)に向かうとすぐにテープ、目印の杭等が左手に見える。 県民の森側の登山道入口に注意書きがあるが作業用道路としてが基本。 |
写真
感想
梅雨明け寸前、小川谷廊下を再訪。夕べの雷雨もあって水量は多く、最後の樋を登れなかったけど、十二分に満足の行く沢を満足できた。反省点もあるけど。
元々はAki-CLさんの計画だったけど発熱のため欠席となった。来ていれば23回目の小川谷廊下だったと言うから凄い。13Kさんも5-6回目。小川谷廊下が初めてなのはT井君だけだ。でも穴の平橋への林道が通れなくなってからはみんな来ていない。片道約1時間の林道歩きの追加は少々かったるいが、ウォームアップと思えば許容範囲かな。でも楽だった記憶が強いから微妙だ。
立間大橋の手前の林道ゲートは昨年から7月から9月30日まで進入禁止になっている。ここから穴の平橋まで標高差で200m位と実は結構登っている。林道を歩いていると仄かに百合の匂いが漂っているので、顔を上げると土手にポツポツと咲いている。他にもホタルブクロとか見られた。何も穴の平橋まで行かなくてもと言う所だがトイレもあることだし、忠実に穴の平橋まで辿り、そこで沢装備を装着した。さて、どこから下ったか?と探したが良く解らないので駐車スペースのガードレールの切れ目から降りて行く。記憶のある木の柵で覆われたゾーンに出合い、今日はそこを右へと沢に降りて行った。結局グルリと廻って同じになるので左に行った方が近い。そこから堰堤下りが始まるが、堰堤の鉄梯子にはいずれも「使用禁止」の表示がされていた。確かにヤバい程グラグラのものもあり、そろりそろりと降りて行く。なんだかんだで小川谷に降り立っていざ遡行開始と言うまで30分程経っていた。
持参したトポは丹沢の谷110のものでちょうど20年前のものだが、ここ小川谷に関してはほぼ変化は無い印象だった。最初に出合うのが「2mの簡単な滝」とあるが水流を直登しても4mはある。水量が多いので右壁の苔付きゾーンを登った。滝上に立つとF1-5m大岩が見えて来る。左岸側に未だに流木があり、2つのピンも使いながら流木を踏んで乗越す。岩伝いに飛んで行くとF2-6mが見える。ここは右壁から高巻いた。滑るとことなんでロープも出す。この後にナメマークがあるがそれ程顕著ではなく、F3-5段5mに達する。ここでT井君、ウズウズとしたようでウォータースライダーだ!とはしゃいで滑って行った。
ナメ床が続きすぐにF4-2段5mに出合う。13Kさんが先頭で難なくテラスに立って水流沿いを登りだす。上段は左の方が楽そうだけどなぁと思いながら見ていたら、最後の一手の所でスリップダウン、釜まで落ちてしまった。え、え、と言う感じで焦りまくったが、ザックがクッションになりヘルメットも役立ち、幸いと左ひざの軽い打ち身だけで済んだ。10%位だが背負って降りることも覚悟しながらも大丈夫かと聞くと、大丈夫とのこと。怪我が無くて本当に良かった。また行くと言うのでザックを置いて左側から行くように促した。ここを超えて第2ゴルジュ帯になる。
F5は左岸側の流木の一本橋を行く筈だがなかなか滑って難しい。岩に登ってクリアーして垂直の小滝をシャワークライミングで乗越して釜を湛えたF6に至る。F6は右壁がツルツルだが2本のピンが打ってある。右壁の手前側から草付きを高巻いて行く。19年前はここクリアーできたんだけどなぁとかなり悔しい。しかもこの高巻きはF6を超えた後にお助けロープはあるもののかなり高度感のあるルンゼのトラバースがあり、結構危険だ。
F7が写真の滝か自信は無いがこの滝は左壁を越えて行く。先ほどのこともあり、基本的に危険がありそうな所はロープを出して行った。13Kさんがトップで行き、続いてT女史、T井君がアセンダーの自己確保で、ラストが僕と言う具合。この滝上で青い尻尾を持ったトカゲを発見。胴体は縦縞模様だ。家でGoogleで画像検索するとイシガキトカゲそっくりだ。準絶滅危惧種とWikipediaにある。それが丹沢に!?元気が無かったので写真を3枚撮ってサヨナラしたがそれで良かったのか、ちょっと揺らぐ。
さて沢に戻るともう間もなくツルツルの大岩だ。真ん中の太いロープでごぼうで登って行く。そして石棚ゴルジュに突入。F8-7mは手前のリッジを数手登ってから水流沿いに形成されている階段状のスラブに移って行く。F9-7mは左壁を登る。ここはノーザイル。そして容易な2m滝越しに石棚F10-2段20mが見えてきた。石棚は左の岩場を登る。ここは13Kさんが40mザイルで行く。中間支点は4箇所。この上の小滝を超えたところで小休止。既に歩きだしてから5時間半、入渓してから4時間経っていた。今日は随分と時間を掛けて楽しんでいる。F11は左側のルンゼ状を登り、テーブル状の岩をク過ぎるともう終わりも近い。名残惜しいものだ。ゴルジュのナメ滝は概して水流沿いの方が滑りにくい。避けて高巻くと却って戻るのに窮することもある点は要注意だ。
最終の樋状の滝F12-5mが見えてきた。13Kさんも初めて見る水量だと驚いていた。上の方はまだしも取り付きの所は流水のはね具合が凄まじい。13Kさんはサクサクと左のリッジを登って行き、ロープを出す準備をしている。最初にT井君が樋に取り付こうとしたものの水圧に押し飛ばされてしまった。やっぱり無理みたいだ。次にT女史が右壁から登って行った。上から1/3位の所にハーケンが打ってあり、そこの残置スリングをアブミにしてみたりするが次の一手がなかなか伸びない。直上が辛いのでツルツルのスラブを這いながら絶妙のバランスで水流沿いに移動していく。T井君もこれに習って登り、見事完登。回を追う毎に技術も向上している。最後に僕がトライ。ハーケンからの直上ルートで行った。ハーケンの左上に1cm位のスタンスがあり、ここに立ち込んで這い上がることが出来た。
この後、左が壊れた堰堤をくぐり、ゴーロに出る。まだナメも美しい。どの辺りで右岸に取り付いたか記憶の糸をたぐりながら沢を詰めて行くと右手に東沢を分けてもう一つの堰堤に出合う。ここを超えたら記憶のあるゴーロの遡行終了点だ。ここで沢装備を解くと同時にヒルチェック!僕とT女史にそれぞれ発見し、13Kさんが持参したアルコールと食卓塩で弱らせた後に磨り潰しの刑に処した。前もって山行記録をチェックして「ヒルがいるぞ!」と警告を発してた13Kさんの準備の良さに救われました。しかしまあ、小川谷までヒルが居るとは。実のところここで見つけたヒルはまだいずれも1cm位と小さかったが穴の平橋へ向かう林道では3cm位の巨大ヒルを見た。
休憩の後、二俣を左手に進むとすぐに登山道(作業道)が見えた。テープと赤白の杭が目印になる。石棚山山腹登山道
と言うのだろうか。急斜面に設けられた登山道で崩壊も多く、基本的にシングルトラックだがハーフトラック程度に削られた部分も多い。逆方向だと分岐が多いので迷いやすそうだ。50分程度で穴の平橋に着く。ここからが以前からの増分で余分に感じるところだが、小川谷へのより好い降り口を探しながら歩いた。穴の平橋から10分程でケルンが積まれているのを発見した。ここから降りて行くパーティも多いかもしれない。この先は崖が立っていて余り良くないが穴の平橋から20分程の堰堤で好適な踏み跡を発見した。夏の間はここから入るのがロスが小さいかもしれない。
遡行に5時間とは随分沢で遊んだものだ。危うい場面もあったが結果的には楽しい一日になって良かった。翌日には梅雨明けかとのニュースだったが、ずっと曇り空、帰路で一時晴間が見えた。林道を歩いているとカナカナとヒグラシが啼く声が聞こえた。涼しい気温と合わせてもう盛夏も過ぎたのかと戸惑いを感じた。
F4で5m程落下、滝壺に着水。皆に心配をかけたが、幸い左ひざの打撲擦傷だけで行動には支障なし。何度も登っている小川谷廊下だが初めて(?)落ちてしまった。二日経つがまだ左ひざは腫れて痛い・・・
ヤマビル被害は、4匹1名、1匹2名、0匹1名。見つけたヒルは消毒用アルコールと食卓塩の連続攻撃で弱らせて、小石の角で八つ裂きにして止めを刺した。
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