記録ID: 491866
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
北アルプス鏡平~三俣〜高天原〜雲ノ平
2014年08月02日(土) 〜
2014年08月06日(水)
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
コースタイム
1日目
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
9:00
0分
9:00
8/2 新穂高−ワサビ平ー秩父沢ーシシウド原−鏡平小屋(泊)
8/3 鏡平ー弓折乗越ー双六小屋−トラバース道−三俣小屋△(テン泊)
8/4 三俣ー鷲羽岳ーワリモ岳ーワリモ分岐ー岩苔乗越ー高天原ー高天原峠ー雲ノ平 ー黒部源流ー三俣△(テン泊)
8/5 悪天で停滞
8/6 三俣−三俣蓮華岳ー双六岳ー双六小屋ー弓折乗越−鏡平ーワサビ平ー新穂高
8/3 鏡平ー弓折乗越ー双六小屋−トラバース道−三俣小屋△(テン泊)
8/4 三俣ー鷲羽岳ーワリモ岳ーワリモ分岐ー岩苔乗越ー高天原ー高天原峠ー雲ノ平 ー黒部源流ー三俣△(テン泊)
8/5 悪天で停滞
8/6 三俣−三俣蓮華岳ー双六岳ー双六小屋ー弓折乗越−鏡平ーワサビ平ー新穂高
天候 | 8/2晴れ後曇り2時〜雨 8/3晴れ後曇り10時〜稜線ガス 8/4雨&ガス時々曇り 8/5雨&ガス 8/6雨&ガス下界は曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
夜行で3時過ぎに着くのに、路線バス始発が7時で乗り継ぎ悪し! 帰途は8/6の16時発平湯温泉〜新宿 |
コース状況/ 危険箇所等 |
<新穂高〜ワサビ平小屋> 所々舗装の林道歩き。微妙に登りで行きは結構時間食う。晴れていると弓折岳〜笠へ伸びる稜線が正面に見えて、いい感じです。林道脇にはコキンレイカ、クガイソウ、シモツケソウ、ウツボグサ、ソバナ、ヨツバヒヨドリ、ツルアジサイなどお花いっぱい。ワサビ平小屋前の清流のお水うまい! <ワサビ平〜鏡平> 少し林道の続きがあり、奥丸山への橋に出たところから登山道になるが、平たい石積みの道でとても歩きやすい。傾斜も秩父沢までは緩やかで明るい川原沿いの道。秩父沢にはすぐ上部に雪渓が残っており、冷気が心地よい。しっかりした橋がかかっていて安心。広い川原は絶好の休み場。この先数分で秩父小沢の流れを渡るが、ここが鏡平までの最後水場です。この先チボ岩と書かれた石積み帯にでて、振り返ると秩父沢の谷筋が良い眺め。傾斜が増して、潅木帯のなかの道になるが、相変わらず石積みの道が続き、よくここまで整備したなあ!と感心する。イタドリ原の標識があり前方を見晴らせる。さらにいくとシシウド原に到着。現在は大ノマ乗越への道は廃道のようで鏡平経由1本のみ。ここには広いベンチがあり休憩によい。鏡平へは樹林帯を右へトラバース気味に進み、ちょっとした湿地帯と木道にでて、明るく開けて鏡平ぽい雰囲気になってくる。オオレイジンソウ、ミソガワソウ、オオバノミゾホオズキ、クルマユリ、などが次々現れる。あと5分の岩にかかれた表示に励まされひと登りで台地に上りつき、再び木道に導かれ鏡池へ到着。ここは槍の倒影写真のポイント。ここから小屋は目と鼻の先です。この日小屋は激混みで1畳2人の状態でした。水は雨水利用らしいが、この時期は宿泊者は水道蛇口から使い放題。 <鏡平〜弓折乗越> 歩きやすく、気持ちのいい道です。鏡平から潅木帯を少し上ると、森林限界になり 弓折乗越までトラバース気味の緩やかな登りで、お天気よければ槍穂高が屏風のようにそびえたち本当に伸びやかな道。高山植物も増え、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲを主体にチングルマ、コイワカガミ、アオノツガザクラ、トモエシオガマ、ヨツバシオガマ、モミジカラマツ、タカネグンナイフウロ、クロユリ、ホソバトリカブト、など草原性のお花がいっぱい。最後ジグザグに登り稜線にたどり着くと弓折乗越。ここにはベンチがあり、小広い台地は一腹ポイント。雪渓が残り、雪渓脇より次々にお花畑が広がる別天地。 <弓折乗越〜双六小屋> ここからも気持ちの良い稜線歩き。細かい上下を繰り返して、双六小屋まで基本尾根上の道になっており、不明瞭箇所なし。次々にお花畑が現れ、槍穂の眺めとあいまって、お天気よければ、これぞ稜線漫歩、ルンルン気分で歩けます。 稜線上は前述のお花に加え、ミヤマキンバイ、ミヤマダイモンジソウ、ハクサンチドリ、テガタチドリ、ミヤマコウゾリナ、タカネニガナ、ミヤマリンドウ、クロトウヒレン、ウサギギク、ハクサンボウフなどお花がいっぱい。稜線上は残雪が結構あるが、水のとれそうなところはなく秩父小沢〜双六までは水場なし。 最後ハイマツのトラバースを緩く下ると広く平坦なテン場がみえてきて双六小屋。 <双六小屋〜三俣小屋(トラバース道)> 双六小屋には雪解け水の飲料用蛇口あり、お水はフリーです。冷たくておいしい。小屋前の広いベンチは登山者の休み場。小屋〜いきなりハイマツの中の急坂でハイマツ帯を抜けると分岐点。双六直登、中道、トラバースの選択。一番右のトラバースを進む。基本双六分岐からは一旦カールの底へ向かってゆるく下ってゆき、その後三俣峠へ向かってゆるく登っていく感じでトラバースといっても標高差は他の道とあまり大差ないかも。トラバース道は雪解け水が至る所でえられるので、この時期水の心配なし。雄大な三俣カールの中を進むので景色も変化に富んですばらしい。またお花畑もいたるところに広がっており、稜線と違ったスケールの大きさに感動する。歩きやすい道で、不明瞭箇所なし。短い雪渓はあるが問題なし。三俣蓮華へ近づくと広大なハクサンイチゲ、シナノキンバイのお花畑がひろがり、息を呑むほど。三俣峠からはハイマツ帯のくだりで、そこを抜けると三俣テンバがみえてくる。急なガレ場をくだると大きな雪渓にでて、そこがテンバの一旦だ。三俣のテンバはこの雪渓の雪解け水が豊富で、水はこの流水からパイプで引いてきている。だんだん畑のように上からあちこちにサイトがあり、都合は結構たくさん脹れそう。トイレは三俣山荘の内トイレのみ。 <三俣小屋〜鷲羽岳〜ワリモ分岐> 小屋〜ハイマツ帯をしばらく行って、あとはひたすらジグザグのガレバ急登だ。とにかく道をはずさないように、落石注意。通行時は雨・ガスで視界ゼロ状態につき、周りの様子は不明。途中標高があがってからは、風も強く、風雨が両方くると、なかなかきつい。特に、黒部からの吹き上げの風は半端でない。鷲羽〜ワリモ稜線も同様の状況。なおこの稜線の道はお花がすばらしく、チシマギキョウ、イワギキョウ、ミヤマコゴメグサ、イワオウギ、ミヤマクワガタ、タカネシオガマ、タカネツメクサ、イワツメクサ、シコタンソウ、ミヤマキンバイなど乾性のお花畑がひろがる。 <ワリモ分岐〜岩苔乗越〜高天原> 岩苔乗越まではジグザグのガレバを急降下していく。乗越には大きな雪渓が残り、その雪渓脇を高天原へ登山道が縫って下っていく。この道も原始そのままの道といっていいほど自然が豊かだ。お花畑もすばらしく、下っていくに従いまわりの原生林が深い奥の奥の雰囲気をかもし出す。道は明瞭だが下るにつれ、原生林の中に入り込み、悪天時はけっこうつらい気がめいる雰囲気になる。木の根っこや雨ゆえ水溜りのぐちゃぐちゃ道の悪路だが、これも高天原への試練か。かなり下ってすっかり原生林の道になり、やがて水晶池分岐に到着。池まで木のかぶった歩きにくい道を急降下しポッカリ水晶池へ出る。急に視界が開けて目前に水晶池が現れ、ちょっと感動。池というより浅い水溜りという感じだが、まわりの雰囲気が広々のびやかで、これまでの苦労が報われる感じ。戻ってここからは同じ原生林でも木々が大きくなって抑うつ感から開放される。下りきると高天原峠からの道を合わせ、まもなく前方が開けて、高天原湿原に出た。木道が小屋まで続き、まさに楽園に着いた心地だ。ワタスゲの群落がすごいが遠く離れて近くへはいけない。木道にはニッコウキスゲがすこし咲き残っていた。小屋は高天原外れの台地に位置して、遠くからは丁度木々の陰にかくれ見えない。小屋には冷たくおいしい水が引かれダシッパになっている。 <高天原温泉 からまつの湯> 小屋で協力金200円を支払い(宿泊者は無料)日帰り温泉につかりに行く。小屋〜ゆるやかに下って15分〜20分程度、温泉沢沿いにある。湯船は3箇所、まったくオープンの露天風呂、脱衣場のみ屋根つき、湯船は囲いもなくオープンの男湯、全体を囲われた女湯の3つ。貸切状態で念願の温泉につかる。max10人ぐらいはつかれそうな広さだ。雨でずぶぬれの体にはなによりのご褒美だった。お湯は白濁して硫黄臭がしてこれぞ温泉という感じだ。温度はすこしぬるめだった。露天風呂のほうが温度が高いらしい。露天は沢沿いのすぐそばで入りたかったが雨で脱衣場に屋根なく、断念。 <高天原〜高天原峠> 小屋〜分岐まで戻り、ここから高天原峠へ向かう。分岐〜基本木道が続き、岩苔乗越への道と比べると格段に歩きやすい。ワタスゲやキスゲの咲く湿原帯はいかにも高層湿原そのもの光景が続く。岩苔小谷へ一気に下り、立派な橋を渡ってしばらく沢沿いに進む。ペンキマークを目印に道を外れないように!やがて樹林帯の急坂が始まる。しかしところどころ木道がひいてあり、歩きやすい。キヌガサソウ、モミジカラマツ、ミヤマガラシ、カニコウモリ、ゴゼンタチバナ、ホソバキソチドリ、マイヅルソウ、コツマトリソウなどお花も多い。サンカヨウ、エンレイソウ、ツバメオモト、ショウジョウバカマなどはすっかり実をつけている。ミズバショウは大きく葉を成長させて、花の面影なくはっぱオバケ状態。高天原峠まで深い原生林の中の道だ。 <高天原峠〜コロナ尾根〜雲ノ平> 峠からは樹林帯の急登が始まる。途中高天原湿原と高天原山荘の赤屋根が見えたり、向かいの水晶岳の稜線が見え隠れする。途中数箇所長いはしごがあって、ここを乗り切るとまもなく平坦な台地にでる。木道が敷かれ、ほっとできる。**庭園と呼ばれるお花畑が現れ、チングルマ、イワカガミ、アオノツガザクラ、イワイチョウの混成お花畑。もっこりした岩のへばりつくように花畑が形成され、庭園と呼ばれる所以で独特の雰囲気がある。一旦樹林帯の登りになるが再び木道にでて、以降は雲ノ平独特の大岩を積み重ねたような台地をアスレチックのように飛び移りながら進む。上記のお花ベースでキバナシャクナゲ、キバナノコマノツメ、ヒメイワショウブ、ミヤマリンドウ、シナノオトギリなどもちりばめられる。 直下の大きな雪渓をへていよいよ庭園ぽくなってくる道を進む。やがて頂上の測量点をへて、石の上をぴょんぴょん跳びながら下っていくと雲ノ平の稜線登山道と合流する。ここは雲ノ平山荘の目の前、庭園のお花畑は今が絶頂でチングルマ群落は本当に見事だ。このあたりが花期がずばりはまって最も美しかった。 <雲ノ平〜三俣> 雲ノ平からはほとんどが整備された木道を辿る。非常に歩きやすく、10年以上前に歩いた時の印象と異なり、ずいぶん整備されたのだと思う。すばらしい雰囲気の雲ノ平を荒れないままに残していきたいものだと思う。キャンプ場の分岐から以前三俣に抜ける道は荒廃ひどく環境保護のため使用禁止。祖父岳へ向かう稜線沿いの道のみになっている。相変わらず木道が続き歩きやすい。途中雪渓が残っている場所があるが、特に問題なし。ハイマツ帯のなかも木道あって助かる。やがて祖父岳と三俣の分岐点。ここは三俣への道を選択。最初はゆるやかにくだるが、大きな雪渓脇を辿るようになる。1箇所雪渓を渡るが問題なし。やがてハイマツ帯の急坂を急降下していく。ここから黒部源流までは一気にガレバを下る道で、登りにとるときつそう。ようやくガスから抜け出したが、相変わらずの雨が吹き上げてくる。 下りきったところが黒部源流で立派な標識が三俣側にたっている。源流はけっこうな流れでロープが渡してあるが、橋はなし。通常は難なく渡れるが、水量増えると渡渉になるかもしれない。源流からはゆるやかに三俣まで登りが続く。数箇所小沢を渡り、最後ジグザグにのぼると稜線の三俣山荘分岐に出る。 <三俣〜双六小屋(直登ルート)> 三俣峠までは略。峠よりガレ場をジグザグに登ると三俣蓮華岳まで20分ぐらい。カールに残る残雪、広大なお花畑は一見の価値あり。頂上付近ミヤマダイコンソウの群生も見事。頂上は以外に広く縦長。相変わらずのガス&雨で視界なく、眺望望めず。稜線を辿るルートは思ったよりずっと歩きやすく。三俣カールの残雪側を辿る道は無風で暑いぐらい。逆に黒部側の稜線にたつと暴風雨状態でまったく状況変わるのがおもしろい。あまり上下がないため、快適な稜線歩きが楽しめる。カール側はハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ミヤマダイモンジソウ、ハクサンボウフ、ヨツバシオガマ、トモエシオガマ、タカネヤハズハハコ、アオノツガザクラなど草原性のお花畑がたいへん美しい。丸山に向かう稜線はガンコウランの大群生地でこれほどまとまった群生が残っているとは嬉しくなってしまう。やがて中道分岐、ここも直登ルートをとり、双六岳への最後の登りにはすばらしいお花畑が待っていた。チングルマとハクサンイチゲを主体に日本庭園風の雰囲気ある花畑だ。双六頂上は強風視界ゼロで、本当なら槍をバックに平頂の写真を撮りたかった場所だ。ここから名物の平たい台地をケルンや石積みを目印に進む。雪渓脇を急降下すると3つの道の合流点に達する。 |
写真
撮影機器:
感想
出だしのお天気は絶好調だったが三俣ベースキャンプに入ってから3日間雨とガスの悪天候に見舞われ、散々でした。楽しみにしていた水晶岳はおあずけ、もうひとつの目的の高天原温泉に計画変更してなんとか行き着けたものの、その後の笠が岳への縦走も断念、そのまま下山となりました。まあお天気には勝てないので、次のお楽しみということで。
(追記)
8/11露天風呂の写真、追加でアップしました。
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