瞽女ヶ岳(ごぜがたけ) - 苦労して立ったピークにこんな山名が付いていたなんて知らなかったよ。
- GPS
- 09:59
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 1,241m
- 下り
- 1,239m
コースタイム
- 山行
- 9:46
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 10:00
06:56 渡渉
07:46 P790
09:08 西への分岐点通過
09:17 尾根の巻き開始
09:57 一旦尾根復帰
10:20 辺見尾根到達
10:40 ロープ下降点
11:02 P1313
11:39 辺見尾根到達地点通過
11:47 辺見尾根の巻き開始
12:17 辺見尾根復帰
12:35 P1284
12:45 ランチ休憩(55分)
14:03 大谷山(P1195.2)
14:22 瞽女ヶ岳北峰(P1208)
15:00 標高約1035のピーク
15:42 標高約850のピーク
16:21 車道出合
16:42 ゴール
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
<スタート 〜 辺見尾根> ・出原上BSそばから薄川に降り渡渉しますが、飛び石は無理です。 ・P790付近までは割と明瞭な道型があり、その後も標高1050付近まで踏み跡らしきものがあります。 ・標高1050付近で、明瞭な踏み跡が尾根筋から西方向に外れて行きます。私は尾根筋に進み難儀したので、踏み跡を辿るのが正解なのかもしれません。 ・尾根筋を10分ほど進むと(標高1100付近)岩壁に阻まれ巻きを強いられますが、行けども行けども尾根に乗れる場所が見つからず、なんとか一旦は苔むした沢の源頭部様の急斜面を登りましたが、その先も尾根筋は進めず岩尾根の下(西側)をトラバースしたまま辺見尾根に乗りました。GPSの軌跡を見ればわかるように、尾根を登り詰めたピーク(標高約1270m)には到達できませんでした。もしそのピークからこの尾根を下ろうとした場合は、ほぼ間違いなく10m以上の懸垂下降が必要になると思われます。と言うか、止めた方が良いです。 <P1313 〜 P1284> ・直登不可、あるいは登れても降りられない岩峰がいくつかあります。RFが重要ですが、先が見えないので運頼りの面があります。場所によっては薄い踏み跡があるので、怪しい岩峰が現れたらまず巻き道を探しじっくり進みましょう。テープ等はありません。 ・P1313手前ではロープで降りた場所があります。私は戻る予定だったので、降りた際のロープをそのまま残置し、P1313から戻った時にそのロープを使って登りましたが、戻る予定が無い場合、こういう場所での進退の判断は難しいでしょう。 <P1284 〜 瞽女ヶ岳北峰(P1208らしい)> ・Vルートとしては特に危険はありません。 ・やや低木がうるさくなりますが、個人的にはVルートらしく楽しい尾根歩きになります。 <瞽女ヶ岳北峰 〜 ゴール> ・Vルートとしては特に危険はありませんが、とにかく勾配がキツイ下りが続くのでつま先注意です。 ・ヤブ漕ぎ、と言うより小枝漕ぎが何ヵ所かあります。 ・薄い踏み跡を散見しました。 |
写真
装備
備考 | ・今回も所要時間の見積もりが甘過ぎる。 |
---|
感想
今日は敬老の日の月曜日。3連休のおかげで、やっと山に行ける。
明日は仕事だけど、天気も土日に比べれば今一つだけど、3週間ぶりにやっと山に行ける。
喜び勇んで向かった先は、前回に引き続いての小鹿野。これだけ連続で来ると、だいぶ土地勘も付いた気がするなぁ。
今回は、前回歩いた辺見尾根のP1199の更に先(上)を歩く周回ルートだ。最初は時計回りに歩くつもりだったが、何となくその場合に下山する尾根の方がリスクが高そうな気がして逆回りにした。結果的にはこれが正解、と言うか幸運だったと思う。もし時計回りに歩いたら、恐らくこの尾根を降りることはできなかったのではないか。それほどの強敵だった。
スタート直後、川を越えた先の尾根に取り付くのだが、期待した橋どころか浅瀬もない。水深は10Cmほどだと思うが流れも速く、ゴアテックスのハイカットでも濡れずに渡るのは無理だと思い、コンビニ袋に両足を突っ込んで川に入った。途中で袋の底が破れはしたが、水が袋の中に少し溜まる程度なら大丈夫。しっかりしたゲーターであれば大丈夫かもしれない。
尾根に取り付いてからは、どうということもなく順調に高度を稼ぐ。今日は距離も長くないし楽勝かと思っていると、標高1100m付近で岩壁に阻まれた。やむなく岩尾根の下(西)の斜面を尾根に沿って登っていくが、なかなか尾根の壁が途切れない。足元も悪くなって来るし「このまま奥に進んで大丈夫か?」と少し不安になった頃、壁が途切れ、沢の源頭部のような湿った苔だらけの斜面に出たので、ここだとばかりに這い登った。
あれですね。高度感が、初めは怖くても次第に慣れてくるのと同じように、急斜面も慣れってあるようですね。幸か不幸か急斜面の恐怖感が麻痺していたから、冷静に登れたんだろうと今は思う。
しかーし、登り付いた場所は、プチ切戸状の鞍部だったため、すぐまた尾根筋を外して歩かなければならなくなった。とは言え、一旦尾根に乗ったことは、歩く場所の高度が一段高くなったわけなので正解だったのではないかと勝手に思っている。(結果論ですが)
その後は、二度と尾根に乗ることなく、尾根の下斜面を登り続けて辺見尾根に達した。いやー、辺見尾根に乗る支尾根がこれほどとは、、、とりあえず無事に辺見尾根に乗れたことに感謝しよう。
思い返せば、途中の標高1050付近に、不自然なほど明瞭な踏み跡が、尾根を外して西に延びていたなぁ。確認する術はないが、あれを辿って行けば、もしかしたら安全に辺見尾根に乗れたのかもしれない。
辺見尾根に乗った後は、予定通り西のP1313のピストンを決行したが、この僅か300mほどのルートも険しかった。尾根上に大岩がゴロンゴロンと置いてある感じかなァ。直進か巻きか、行きつ戻りつ、一ヶ所ロープで降りながら、何とかP1313に立つことができた。
そうそう、コース状況でも書いたように、ロープを残置してP1313に向かった際、ザックもデポして行ったのだが、ザックが無いとこんなにも身軽なのかとすごく感激した。そして、戻って再び背負ったザックは、先の感激を木端微塵にするほど重かった。
P1313から戻った後も、P1284の手前までは尾根を進めず北側の急斜面を歩かされた。
後でGPSログを見て思うのだが、登ってきた支尾根を登り詰めたピーク(標高約1270m)とその南東にあるピーク(標高約1280m)、どちらのピークも踏めなかったが、この一帯は相当厄介な山容をしているのではないかと想像する。
ランチ後、辺見尾根から下山する支尾根の起点となるピークに到着すると、なんとそこには「瞽女ヶ岳」の山名板があった。地形図には標高の記載さえないピークに名称があるとはビックリだったが、確かに名称があっても不思議でないピークらしいピークだ。これも後で調べてわかったことだが、正確にはココは瞽女ヶ岳北峰とのことで、そこから南東にあるピークが南峰(地形図ではP1199)らしい。
当初は赤線を繋ぐために、その瞽女ヶ岳南峰にも足を延ばす予定だったが、もうすぐ15時、これから下山する支尾根にも何が待っているかわからないので、今日は断念し下山を開始した。
下山した尾根は、踏み跡こそ薄かったが、特に危険な場所は無く、急な下りで少しつま先が痛くなったものの、日没までは十分(?)な時間を残して下山することができた。
情報のないルートの状況が、行ってみないとわからないことは承知の上だが、今回ほど険しく困難で楽しくなかったのは初めてだ。高度が上がり両神山に近づくほどに、辺見尾根だけでなく支尾根も含めて険しくなるのかもしれないなぁ。私はここまでリスキーな山歩きは望んでいないし、何より楽しくないのは戴けない。うーん、辺見尾根踏破に特に拘っているわけではないし、この先どうするか、検討の余地あり、だな。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
kinoeさん おはようございます
またまたkinoeさんのレコを見なければまず知ることのなかったマイナーなピーク
・・・レコ拝見してて勉強になります。
それにしてもほとんどの写真が樹林帯、またもや写真見てて遭難しかかりましたよ(笑)
ランチ休憩した箇所、そこだけあきらかに光が差し込んでてそれもなんだか神々しい感じしますね!
そこエリアの奥深さがよくわかる今回のレコでした。
kinoeさんならそのうち諏訪山をバリで行っちゃうんでしょうね(笑)
お疲れ様でした〜
drunkyさん、
毎度の御来訪ありがとうございます。
この辺に限らず、地元の人にしか知られていない山名は、全国各地に一杯あるんでしょうね。
ちなみに、辺見尾根上には他にも、三合落岳、煤ノ山、大谷沢ノ頭、西沢ノ頭などの名が付いたピークがあるようです。
drunkyさんも、せっかくGPSという武器を手に入れたのですから、マイナーな山域に足を踏み入れてみてはいかがですか?私の今回のルートのように、ハズレの場合も時にはありますけど、ワクワク感は十分ですよ。
諏訪山ですかぁ?
調べてみると、なるほどヤマレコには北からの登頂記録しかないようですね。考えておきます。
drunkyさんも、櫛形山のリベンジと白根三山縦走、お疲れ様でした。
kinoe さん、こんにちは。
また、両神に向かって道がのびましたね。が、確かに、近づけば近づくほど、岩場になる可能性が高いです。両神の稜線付近は、岩だらけで、これからは、クライミング的要素が、増えてくるかもしれません。2人いれば良いのですが、ソロだと危険度は、大幅に上がります。当然、支尾根の方も険しくなってくると思いますので、撤退ができなくなる可能性もあります。日も、これからは、つるべ落としですから、気が付いたら動けなくなったなんてないようにしなければなりません。
全線開通は待ち遠しい限りですが、無理はなさらぬよう、くれぐれも気をつけてください。
misuzuさん、
そうですよねぇ、どんどん岩だらけになりそうですよねぇ。
感想でも触れたように、辺見尾根踏破より未踏の支尾根踏破の方が性に合っている気がしていて、支尾根の登り降りのついでに辺見尾根も繋げられたらと進めてきましたが、尾根筋を歩きたい私にとって、今回のように支尾根の下しか歩けないのは、危険であることももちろんですが、何よりも楽しくないんですよね。
ピークハントのように辺見尾根に乗ることが目的ならそれも可なんでしょうけど、私はそれよりも支尾根を楽しみたいので。。。そんなわけで、この先どうしようか思案中です。
もちろん無理はしません。その意味でも、より安全と思われる方を下山に使用するように心がけています。
アドバイス、ありがとうございました。
kinoeさん こんばんは
辺見尾根のP1313〜p1284間はコブが多くうまく進めるか心配していましたが、やはり大変だったのですね
登りに使った尾根の最後のトラバースも大変でしたね 地形図では尾根通しに行けるように思えるのですが、情報のないルートは本当に何が現れるかわかりません。
自分の先週末の山行も、事前の情報がなく最後は壁に阻まれてリタイアしましたが、とても楽しい山行でした。楽しくないのはダメです
リスキーな場所が多すぎたのでは?
検討の余地ありです。 ほかにも素晴らしい尾根がたくさんあります
warutepoさん、
仰る通り、登った尾根のピーク周辺は地形図で読み取れる起伏の中に、更に細かい起伏がある感じですね。歩く方向が違えばRFの結果も違ってくるかもしれません。更には、もし将来ルートが確定したとしたら、登り専用下り専用の一方通行になるかもしれませんね。
楽しくないのはダメですよね。道楽なんですから全く同感です。
と言いながら、warutepoさんが断念した尾根を完登したら、その達成感(優越感?)は半端ないだろうなぁ、などと、、、勝手なもんです。
今週末(今日)は、一旦辺見尾根を忘れて、のんびり行こうと思っていたのですが、多忙から解放されて気が抜けたせいか、すっかり風邪をひいてしまいボケーっとしてます。
旅レコの文字、読めるんですか?私は老眼でとても無理です。
kinoeさん こんばんは
禁断症状が出る寸前の出撃でしたね
両神山まで、ジワジワ迫ってきましたね〜!
今後の山行の参考にさせていただきます!・・・って! なりませんよ〜
おそろしく険しくなってきてるじゃ〜ないですか!((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
これは〜・・・私のルーファイでは、確実に遭難ですよぉ〜
読んでいて右へ左へと方向感覚が、おかしくなりそ〜
こ〜いった山域を歩けるのはkinoeさん warutepoさん beginner53さん
misuzuさん のような的確なRFが出来る山仙人に限られますね
ここは正直本当に難しそうですね!この先は、いったいど〜なってるのでしょうか?
PS:「確かに俺はココにいる!」←いい味でてましたよ〜
RossiRossiさん、
残念ながら両神山までは行かないかもしれません。
険しさは確実に増すでしょうし、たとえ頑張れば行けるとしても、楽しくないのは私の貧相なポリシーに反しますからね。ただ自分の中で、得られる達成感が楽しくない山歩きに勝ると思えれば行くかもしれません。葛藤中です。
あのですねぇ、RFなんて、要は目的地までのより安全で歩きやすいルートを見極めること(と言っては怒る人がいるかもしれませんが)なので、誰もがやっていることですよ。RossiRossiさんだって、十分できていると思いますよ。もし失敗だったら戻れば良いわけですし。
それと、イメージダウンにならなければ良いのですが(笑)、実は私は技術の向上だとか堅苦しいことはなーんも考えていません。自由に適当に楽しむことしか考えていません。もちろん、それなりの場所には相応の技術が必要でしょうが、それなりの場所に行きたいと思わない限り、それに必要な技術は求めません。逆に言えば、持ち合わせている技量で行ける場所にしか行きません。
写真10、いいでしょ?わかってもらえてうれしいです。
kinoeさん、こんにちは 。無事の御帰還、何よりです 。
山名もそうですが、「瞽女」なる言葉を初めて知りました 。ググってネット記事を読み漁っていたら夜更かししてしまいました 。同名の瞽女さんもいらっしゃったようですよ 。
kilkennyさん、
探究心旺盛ですね。凡人の私はそこまで興味を惹かれませんでした。
> 同名の瞽女さんもいらっしゃったようですよ 。
どういう意味なのか暫く考えてもわからなかったので、調べさせられました。
高田瞽女である杉本キクエの妹弟子のキノエのことですね。
こういう所から歴史や文化に触れるというのも、何か新鮮な感じがしましたが、残念ながら瞽女ヶ岳の由来までは届きませんでした。
紅葉の時期になったら、久しぶりに奥久慈に出向こうかなと思っています。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する