八ヶ岳、死の彷徨?もしくは呆れた彷徨 〜 桜平でワシも考えた・根石岳小屋撤退


- GPS
- 07:51
- 距離
- 17.0km
- 登り
- 1,091m
- 下り
- 1,065m
コースタイム
- 山行
- 7:33
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 8:44
天候 | ガス 時々日が射す なお、降りてきてからの帰路、晴れてはいないものの諏訪湖方面から見る八ヶ岳連峰はあざやかでありました? |
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過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ワタクシだけかも知りませんが、唐沢鉱泉は分岐を左に取ります。まっすぐ行けば桜平になります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
特段危険なところはなし。ただし根石岳小屋のコルは爆風(小屋の人の話で15m/s以上20m/s)です。 箕冠山から降りてくると爆風でアプローチがすぐ分からなくなる恐れがあり、充分ハイマツにある赤テープを確認する必要があるかと思います。 |
写真
感想
突然思いついて、そうだ!八ヶ岳でもないが、とにかく雪山デビューはなぜか、天狗岳と思い込んでいたところもあり、諏訪へ向けて走り出した。
通常の山行きは3日をかける。まず現地到着に1日、小屋泊1日、帰路1日というところだが、ちょっと3日は無理なのでお天気をみて実行。
なぜ、こういうことになったのか。
目指すは「唐沢鉱泉」駐車場、天狗岳、ビーフシチュー。
兆候はあったような気もする。まずバラクラバを忘れたことに気がついたのは東インターに入ったぐらいであったような気もする。ヘッドランプも忘れたような気になった。
なんせ、急にその日思い立ったので少々慌てていたというか、気が急いていたのは確かだったと思う。
しかし、予定通り午後7時頃予約した茅野のホテルに着き、大雪の茅野の街で調子良く食事がてら飲み歩いていたのである。
翌朝、5時過ぎにホテルを出る。なんせ止められなかったら大変。ナビにマップコード入れ走り出す。暖かいとは思う。雪道は慣れている方。すでに先行の車が走っている。
今から思えばこの「唐沢鉱泉」分岐が問題であった。本来は左を取るべき、というか降りてきてから確認すると誰でもわかるほど大きく、唐沢鉱泉の看板が出ていたが、朝は真っ暗で特に雪道に気持ちは集中し、ここで皆チェーンを巻くために渋滞していたのだ。
前日のヤマレコ情報では唐沢鉱泉までは4駆スタッドレスでは大丈夫とのことであったので、行ってしまおうと前の車を追尾する。しかし、これは結局ダメで「桜平下駐車場」まで戻ってくることになるが、目指しているのはあくまで「唐沢鉱泉」。まだまだ「桜平」とは何者か?、はあんまり気にはなっていなかった。
ワタクシの生涯で初めて4駆でスタックすることを知った。
まずは第一の撤退がここで始まる。
ということで「桜平」駐車場下まで降りてきて車を止めた。そしてヤマレコのログも登山開始。
第二の撤退は歩き始めてどれくらいか、アホなことにサコッシュを忘れていたことに気づき戻る。
第三の撤退は「桜平」ゲート。ここで「桜平」とは何か、ちょっと気になってはいたが、あんまり深く考えることもなく「唐沢鉱泉」の公的な呼称なのだろうと考えていた。で、「桜平」ゲートにある地図の看板を見て初めてここが「唐沢鉱泉」ではないことに気づく。すでに1時間30分ほど歩いている‥‥
先ほど追い抜かれた二人がここでアイゼン装着をしていたので、一体、ここはどこなんですか?と心から純粋に「ここはどこ?」と尋ねたように思う。「ボクは唐沢鉱泉に来たんです、天狗岳を‥‥
気分は拍子抜け?というか、悲しい落胆というか、大袈裟に言えば不条理の風?のようなものが漂う‥‥もう全くのボーゼン状態?
尋ねられたお二人は一瞬呆れたようではあったが、親切に同情してくださり、「よくあることです‥あの分岐に大きな看板があるんですがねぇ‥‥」
「唐沢鉱泉はここからどれくらいで行けますか?
「えぇえぇ!、もう1時間は歩いていますよね‥‥、また戻ってならそれだけで2時間は見ないと‥‥、ここから天狗にも行けますよ‥‥僕たちは天狗まで行ってここへ戻る、その予定です‥‥」
そして置き忘れた手袋のアウターを「桜平」駐車場中で見つけコーンの上に刺して置いたことを告げてくれたのだ(iphoneを取り出す度アウターを忘れてしまう)‥‥ (この良きお二人に幸多かれ!
ワタクシはもう帰ろうとまずは思った。撤退はすでに2回、忘れ物もある、これはあまりにもケチがつき過ぎた山行きにも思える。何より心が躍らない‥‥
そして毎度のように、どうしてワシはこうなるのか、つくづくシミジミ考えてしまったんである。
お二人を見送ってから、気分は踊らないが、それでもまだ時間はあると思い直した。もうピークは全く考えなかったが(第一、根石岳を知らない?)、とにかくせっかく来たんだから、行けるところまで行こうと思い直す。
そして第四の撤退、「桜平」中駐車場に手袋のアウターを取りに戻り、再び桜平ゲートで地図を確認し、ここでまたもや手袋のアウターを忘れたことに気づく。もう「桜平」ゲートを過ぎてどれくらいであったか、ログの詳細を見ればわかるのだろうが、半ば放心状態で再び取りに戻る。途中すれ違った見るからに本格的なパーティの人が、多分放心状態の左右違った手袋をはめたオッサンに気づいて手袋の所在を教えてくれた。
さて、そこからはどこで最終の撤退とするか、が今回の山行きのテーマになった。
夏沢鉱泉登山口で出会った根石岳小屋泊まりで降りて来たパーティの人が、陽はときどき差しているがガス状態で何も見えないこと、根石岳までであれば稜線から直ぐであり風の影響は最小で避けられること、を聞いた。
で、とにかくそれでは、ゲートでのあの親切なお二人が戻ってくるのに遭遇した時、あるいは12時をタイムリミットにまずは決め、よくわからない山行きを始めたんである。
特段、気分は踊らない。さすが赤坂山と違って服装のレイヤリングは予定通りうまく行っている。しかし、雪山状態で言えば荒島、武奈、など経験のある山とそう違うわけでもない。そうなるとやはり2000メートルの稜線は知っておきたいとは思えてくる。段々、恐ろしげな風の音が近づいてくるんである。
そうこう少し厚めのウールの手袋(よくわからないので単価的には¥5,000ぐらい?)とアウターでは指先が痛くなってきたんである。ここはブラックダイヤモンドの良いの?に変更、恐ろしいものですぐさま指の痛みは解消。
そしてオーレン小屋を過ぎ、もう少し、もう少し、となってくる。降りてくる人の情報から根石岳小屋のコルは爆風らしく、時間から見てもこれはせっかくだから、ぜひ体験してから戻ろう、と思い直す。
箕冠山の手前で暴風対策としてモンベルサーマルパーカーのフードをキャップの上から被り直し、アウターシェルを着用(今回はサーマルパーカーの上にフリース、パタゴニアR1着用済み)。
これは恐ろしい確かに爆風でした。なんとか、根石岳小屋へ辿り着き、とっとと帰ろうとまずは思った。
なんせ、ワタクシの経験ではもうずいぶん以前に歩いたことのある西鎌尾根の爆風より数段すごかった。すごいもんである。
トイレを借りて戻ってくると、あの先行したお二人が入って来られた。なんでも夏沢峠より来られたらしい、その方が時間はかかるがアプローチは楽らしい。それでもこの爆風で天狗までは断念されたらしい。
ワタクシは改めてお二人に、お二人のお陰で今日ここまで上がって来られたことにお礼を述べ、トットと小屋を出て下山を決めた。だいたいつい先ほど降りてきた箕冠山へ上がるアプローチの目印の赤テープを確認するのも大変なのだ。
そしてなんとか、箕冠山へ戻りトットと下山いたしました。
さて落ち着いて今回の山行きを振り返ってみると確認できたことはミレー、ティフォンウォーム5000は素晴らしい。これは対暴風としては充分であった。手袋はやはり良いヤツが良いように思えます(使用したのはBDソロイストでした)。
そして、最終、あのお二人と三度、夏沢鉱泉登山口で一緒になり、一体どこに八ヶ岳ブルーはあるのでしょう?オレたちは何度も来ているけれど、そういうものに出会したことはないとのこと。ワタクシは十分ブルーでしたと、三度お礼を述べお別れいたしました。改めてこの良きひとたちに幸あれ!またどこかで!
これだから山はやめられない。
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