【奥美濃】道の駅夜叉ヶ池の里から行く冬雨のアラクラ〜黒津山〜五蛇池山〜小蕎麦粒山〜蕎麦粒山〜湧谷山〜丁子山
- GPS
- 11:31
- 距離
- 20.5km
- 登り
- 1,969m
- 下り
- 1,981m
コースタイム
天候 | 天気@ 曇りのち雨 気温@ 道の駅夜叉ヶ池の里・さかうち2℃(AM5:30頃)、黒津山−1℃(AM9:10頃)、蕎麦粒山1℃(PM12:30頃)、湧谷山1℃(PM3:30頃) 風@ 北西のち南東の風少々 積雪@ 麓では0cm、アラクラ〜黒津山1m位、五蛇池山〜蕎麦粒山1.5〜2m位、湧谷山80cm〜1m位 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
@概況@ 雪はアラクラ尾根の広瀬城跡標高450mくらいから出始めその後程なくしてつながるようになる。雪質は一部フカフカの部分もあったが概ね良く締まっていた。このためスノーシューは持っていったが使用せず、大部分はツボ足で歩行。沈み込みは踝からスネ程度だった。五蛇池山から蕎麦粒山を降りた所までは12本爪アイゼンを装着、全行程ウィペット2本で通したが、特に小蕎麦粒山の前後は急斜面&厳しいトラバースがあり、ピッケルでないと危なくて、持ってこなかったのを後悔した。至るところに発達した雪庇が有り、一部細尾根もあり踏み抜き滑落に注意が必要だった。また、灌木やシャクナゲのやぶ漕ぎもあり通過に難儀することもあったが、ごく一部だったのが救いだった。小蕎麦粒山からは冷たいみぞれ混じりの雨になったが、雪が緩むことは無かった。蕎麦粒山には西側からの真新しいトレースがあった。湧谷山にも遊らんど坂内スキー場跡からの真新しいトレースがあった。それ以外にトレースは無かった。 以下、セクションごとの状況。 @アラクラ尾根と黒津山@ JA施設の裏手から尾根にアプローチ。標高450m位にある広瀬城跡から雪が覆うようになり、アラクラでは1mを超えていた。雪質は良く締まっていてつぼ足で多少の沈み込みで済み、快適に登っていけた。明瞭な尾根を行く行程で迷うようなことは無かった。途中、細尾根の急斜面で灌木のやぶ漕ぎを余儀なくされた部分があってやや難儀した。それ以外にも所々にやぶにぶち当たることもあったが、難儀するほどでは無かった。 @アラクラと黒津山のJCTから五蛇池山まで@ 黒津山からアラクラ側に少し降ったところからのJCTから、鞍部まで降って五蛇池山に登り返す行程。鞍部から五蛇池山への登りの途中に細尾根があり、雪庇歩きを余儀なくされた。ここは雪庇の踏み抜きに警戒しながら通過。それ以外はおおむね快適な雪稜歩きで、つぼ足で問題なかった。 @五蛇池山から小蕎麦粒山まで@ 五蛇池山から見る小蕎麦粒山、蕎麦粒山方面は見るからに険しく、硬い雪面に備えて12本爪アイゼンを装着。ピッケルは持ってこなかったので心配したが、小蕎麦粒山の直下で岩が立ち塞がる部分があり、厳しいトラバースを余儀なくされた。ここはピッケルの長い刃を深く刺す必要がありウィペットでは心許なく断然ピッケルに分がある。雪面は思ったほど硬くなくそれに救われた感じだった。 @小蕎麦粒山から蕎麦粒山まで@ 小蕎麦粒山から蕎麦粒山に向かうと程なくして大きな岩峰が立ち塞がる。小蕎麦粒山側から見ると妙に盛り上がった巨大な雪庇といった見た目だが、行ってみると岩峰であることに気付かされる。ここを直接超えるのはロープがないと無理。なので北側の斜面を降りて大きく迂回するか、南側の断崖絶壁をトラバースするかで処理する必要がある。自身は南側の断崖絶壁をトラバースしたが、切り立った狭い足場に壁みたいな雪が貼り付いており、ここでもピッケルがないことを後悔するほどに恐怖した。ここは無難に北側から大きく迂回するほうが良い。その後、蕎麦粒山本峰への登りは山頂直下が急斜面&シャクナゲのやぶ漕ぎとなって難儀した。とにかく積雪期のこの区間はピッケルが必須で、ウィペットはその長さゆえに邪魔になり危険。ピッケルを持たずにここに来ることは叱られるレベルであった。この前後からみぞれ混じりの雨になる。 @蕎麦粒山〜P1075〜大谷川下降点@ 蕎麦粒山には本日のものと思われる踏み跡があった。ここからの降りは急斜面で、この踏み跡を踏襲すると固く締め固まり歩きにくくて、これまでとは違う意味で難儀した。P1075との鞍部までで12本爪アイゼンはお役御免とした。トレースは大谷川への尾根へと下降していた。時間の経過とともに雨は本降りとなりガスは濃くなり視界はなくなっていった。 @大谷川下降点〜湧谷山〜丁子山@ ここから再びトレースなしとなる。視界もなしとなり、修行の歩きに徹しざるをえなかった。この間全般に緩やかな尾根でおおむね快適な雪稜漫歩となった。ただし細かなアップダウンは多いので、疲れ知らずとはいかない。積雪は80cm〜1m前後といったところで、ツボ足でたまにズボズボなることもあったがスノーシューを履くほどではなかった。道中至るところに発達した雪庇もあり天気が良ければ最高の雪稜歩きとなるところだったが、今回は本降りの雨で視界はほとんどなく黙々と歩くしかなかった。湧谷山には再びトレースがあった。遊らんど坂内スキー場跡からの登山者はそれなりにいるようだ。 @丁子山から遊らんど坂内スキー場跡までの下降@ 標高差700mの急斜面が続く。トレースを辿ると歩きにくくてしょうがないので、途中から適当な場所にずらして下降した。天気が良い日みたいに雪が緩み過ぎることはなかったので、たまに踏み抜く程度で快適にスピーディーに降りることができた。 |
その他周辺情報 | 道の駅夜叉ヶ池の里さかうち https://yashaikenosato.com 営業時間8:00〜17:00 道の駅星のふる里ふじはし https://www.ibikogen.com/michinoeki.html 営業時間は季節により変動有りだが朝は10:00ころから夜は19:00〜20:30位のよう。日帰り温泉(有料)、足湯(無料)も有り。 |
写真
感想
今回は、奥美濃の秀峰として名高い蕎麦粒山をメインにその周辺に鎮座する合計7峰を反時計回りに周回するツアーを組んだ。この日は夕方から雨の予報なので、雨でも冷えてしまわないように用意周到のうえ臨んだ。思ったよりも早く雨が降り出し、後半は本降りの雨とガスとなってしまったが、蕎麦粒山まではその美しさ、雪深さ、厳しさを存分に堪能させてもらったので十分満足。しかしそんな中で反省点もあった。ピッケルを持参しなかったことだ(忘れたのではなく、敢えて持っていかなかった)。雪山にピッケルというのは行ったことのない山なら持参すべきだと改めて認識した次第だ。こういった気の緩みが事故を招くことになることを今一度肝に銘じ今後は気をつけたい。
以下、備忘録。
@着用衣服・装備(スタート時)@
ミレーの変態アミアミパンツ、メリノウールのベースレイヤー、化繊のタイツ、薄手フリースジャケット(ポーラテックパワーグリッド)、靴下(中厚手)、フェイスタオル、ハードシェルパンツゲイター内蔵、ヘッドランプ、リストウォーマー、厚手ウールグローブ、オーバーグローブ(ショート丈、ゴアテックス)、腕時計、前後コバ付き冬季ブーツ、ウィペットポール2本
@持参装備・衣服(状況により使用する物など)@
12本爪ワンタッチアイゼン(使用)、チェーンスパイク、スノーシュー、サングラス、ビーニー(使用)、ハードシェルジャケット(使用)、ハードフリースジャケット(使用)、予備化繊ベースレイヤー(使用)、予備下着、予備インナーグローブ(使用)、予備タオル(使用)、防寒テムレス(使用)、エマージェンシーシート、ヘッドランプ2個(1個使用)、予備のGPS機、気象観測計(使用)、スマートフォン(使用)、モバイルバッテリー、単3、単4リチウム乾電池、キズパワーパッド、ロキソニン、テーピングテープ、ダクトテープ、ICOS(使用)、その他(財布、鍵)
@飲・食料@
ポカリ900ml×4本、500ml×1本(900ml×2本消費)、フランクロール(消費せず)、ミニアンパン5個入(全消費)、ミックスナッツ(全消費)、スイートポテトまんじゅう4個(1個消費)、サラミソーセージ1本(消費せず)、ICOS(2本消費)
ザック総重量(スタート時):12.79kg
コメント
この記録に関連する登山ルート
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同じ日に蕎麦粒を登ったものです。
まさか同じ日に五蛇池から蕎麦粒を目指している方がいたとは驚きです😲
レコ読んでるだけで緊張感が伝わってきました😨
後半は雨も本降りで大変だったと思います☔
改めてお疲れ様でした😊
蕎麦粒山へのトレースはkei7985さんのものでしたか。トレースを見て、この奥深い山中でも1人じゃないんだと、勝手に連帯意識を育んでいました(笑) 心に余裕を与えてもらいました。ありがとうございます m(_ _)m
雨の中の登山は何かと面倒ですが、しっかりした装備を身につけると、まるで頑丈な建物の中で台風から身を守られているような安心感がありました(大げさですね)
これからもどうぞご安全に!
これは凄い!
蕎麦粒&五蛇池は岐阜県人の山好きにとって憧れの山。
雪も中途半端なこの状況で湧谷山までとは恐れ入りましたm(_ _)m
小蕎麦粒手前の岩場は結構な岩壁なのですね。
比較的雪の多かった2019年2月、灌木を掴んで苦労して乗り越えて記憶が蘇りました。
それにしてもeight-woodさんの山行歴、ハイレベルの連続ですね。
もう私の年齢では絶対に無理、嫉妬さえ覚えます
これからもフォローさせてもらい、魅力的・刺激的なレコを楽しませてもらいます
くれぐれも安全に山行を楽しんでくださいね
自分もこの界隈は思い入れのある場所でして、かつて若かりし時分、車の免許をとりたてで、この界隈にドライブに出掛けて、この岐阜にこんな秘境があるものなのか!と、カルチャーショックを受けたことをつい昨日のことのように思い出されます。以来、この界隈は自分にとって憧れの地であり、これからもそうあり続けると思います。今回そんな山々を巡ることができて幸せでした!
これからも安全には十分気をつけて登山を楽しみたいと思いますm(_ _)m
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