遊楽部岳・太櫓川左股川北西面沢登り、北北西面沢下り
- GPS
- 28:40
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 1,153m
- 下り
- 1,148m
コースタイム
10/12:テン場6:11→8:26co750m二股8:40→9:52co1018m付近10:04→11:18(見市岳)11:20→11:31遊楽部岳山頂12:02→13:28co750m二股13:35→15:18テント撤収15:40→16:47車止め
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
*****リーダーganさんがMLに出した報告です*****
さて先週の記録です。実質最後の沢を飾るに相応しい遡行で、十分な満足感を覚えています。同行下さった3人にお礼を申し上げます。
ルート/395太櫓川〜510右股〜最高地点〜遊楽部岳山頂〜北西面沢〜林道
タイム/11日12時06分375林道P〜13時20分495C1 12日06時15〜06時25分510分岐〜08時25分750分岐〜
11時17分1270稜線〜11時32分山頂12時00分〜13時26分750分岐〜15時14分C115時40分〜16時46分
375林道P
レベル/難易度★☆体力★★面白さ★★★やぶ漕ぎ★
天候/快晴
夕食/キムチ鍋・岩魚から揚げ(食担チョー)
メンバー/やまじい、マリッカ、チョー、gan
◆見通し
今年は未遡行や記録を残していない沢ばかりを遡行対象にしている。
なるべくたくさんの沢を本に載せたいとの思いからだが、ここにきて予定のページ数をオーバーする見込みが濃厚になってきた。出版元と交渉しているが、見通しは芳しくない。いくつか掲載しないルートが出てくるが、残念なことこの上ない。
さて、そんな中で実質今年最後の沢になったのが、太櫓川本流からの遊楽部岳だ。過去この沢を下降では使っているが、登りでは未経験だ。
3連休の日月の予定が、天候の都合で一日前倒しになり、メンバーは6人から4人に代わる。林道に入ると幸運にもゲートは開放されている。終点手前の空き地まで3km弱あったから、その分余裕の行動となる。午後1時20分、錦秋という言葉がみったりの紅葉全盛の標高495地点でキャンプとなる。
◆前触れ
来月の沢納会の場所も同じだが、その200m上流にテントを張り終えた。
大量の流木が集まる。やまじいとチョーさんは釣り竿を垂らす間もなく、形のいい岩魚が次々とヒットする。 国道から下流は禁漁だが、上流は可能だ。たき火は豪勢に燃え続け、酒のピッチも当然上がる。周囲の黄葉の見事さと言ったらない。過去これほどの絶景の中での沢キャンプは数えるほどだ。「山が燃えている」とはマリッカさんの素直な感想だ。何時にテントに入ったのか覚えていない。
◆喝采
5時前に目覚める。
前夜のキムチ鍋の残りを食べて、明るくなった6時出発の予定だったが、チョーさんがハーネスを履くのに手間取っている。だからスワミベルトにすればいいのに・・・と出かかる言葉をぐっと飲み込む。510分岐までは300mもない。 左右の水量は等しいが、どちらも水の美しさの優劣はつけられない。右に入って530で3mの小滝だが、先行するやまじいからシュリンゲをもらう。2m、3mの小滝が連続し、585では巨岩の間から放射状の4m滝だ。610でミニゴルジュだ。微妙なヘツリを要求されるここを私だけが突破を試みると、見事に抜けて喝采を浴びる。
630から3m、3m、2m、10m、5mと滝と釜が連続し、興奮は最高潮となる。10m滝の突破口が見つからない。 一旦戻り、2m滝の下から左岸を巻かざるを得ない。ここだけで30分は費やしただろうか。チョーさんの靴が破けて、私の細引きを使って応急修理だ。
◆時間の経過
650の10m滝も印象的だ。右側に苔付きの岩壁があり、ホールドもあるので全員フリーで直登するが、高度感がある。私は最後の一手が嫌で右の木に逃げた。直ぐに5m滝だ。670付近から谷間が狭くなり、渓谷らしい雰囲気に圧倒される。695の放射状の5m滝も歯が立たない。 手前から右を巻く。720分岐を右に取り、750分岐に8時25分に着いた。ここを左に取ると山頂直登の北西面沢で、拙本1冊目に載せている。2005年10月9日10日、洋ちゃん、こざるの3人で遡行し、下りは本流を使ったのだ。今回はこの逆ルートを計画した。本流の右を進むと、大滝こそないものの、手ごわい小滝が多く、時間の経過を忘れるほどだ。
◆惚れ惚れ
810分岐の水量は1:1だ。左に進むと、835m滝は階段状で楽に登れる。
840分岐も景観がいい。左1m、右3mの滝となり、右を行くと、855ではまな板の上を流れるような5m滝に惚れ惚れする。さらに5m滝を右から巻くと、870分岐は左を取る。幅30センチの10m滝はゴルジュになり、やまじいが躊躇せず突破するのに私も続く。915の10m滝は以前懸垂下降した記憶が残る。チョーさんが右側から突破するが、最後はなかなか厳しい。残り3人はシュリンゲをもらう。幅10センチのミニゴルジュの後で、970の僅か2m弱の滝だが、手がかりがなく、単独での突破は無理だ。やまじいの手を補助にして私が先行する。3m、5m滝と続き、10m滝もまた安易な登攀を許してくれない。チョーさんが岩穴を利用して上がり、やまじいも続く。私は嫌な予感がして、ここは素直にザイルをもらった。マリッカさんの口数が少ない。相当な緊張感だったのは想像に難くない。
1105で源頭になり、1175涸れ分岐右を取る。1210で沢形は終わり、ここから右の稜線に向けて本格的な藪こぎの開始だ。はい松を避けながら30分で1270で夏道に抜けると、そこはほぼ最高地点辺りだった。白状すれば私は1170付近で夏道に抜けたいと思っていたが、それがどこの分岐だったのかは不明だ。着いた山頂は誰もいない静けさで、マリッカさんの野望はまたしてもはかなく終わる。
◆象徴
見事な山頂からの眺めだ。
羊蹄山や狩場山、白水岳など全方位の山がくっきりと見えている。
太櫓岳の黄色の帯をまとった麓がひときわ美しい。これほどの好天なのに、臼別頭からの夏道には人っ子一人見えはしないのが、いかにも山深い遊楽部岳らしさを象徴している。やまじいからビールが出てきて、なめるように皆で回し飲みだ。名残惜しいが、夕暮れが近いので長居はできない。12時丁度、山頂から北西に向かって藪下降する。1110で源頭になり、1055では右岸から水が湧き出る。いくつか小滝もあるが、問題はない。750分岐には13時26分着だ。640から610までまとめて左岸から高巻き、難所を越える。結果下りでは650の10滝だけの懸垂で済んだ。テン場に着いたのは15時14分、3時間強で着けたのは上出来だ。大量のキノコのお土産でザックは重くなったが、16時46分に車に着いた。4人が揃いも揃って満足しきったのは、握り合った手から十分その思いが伝わってきた。
◆サプライズ
八雲で運転から解放された私は車中単独宴会の開始で、機嫌上々で飲んでいる。長万部でやまじいと別れ、長万部温泉ホテルで汗を流す。440円と安いのにも増して、何よりひなびた湯船と温泉らしい臭いと黄色がかった泉質が私好みだ。
これで今回の沢旅が終わりかというと、実はもう一つある。ニセコ大魔人山荘での観楓会に午後8時過ぎてのサプライズの乱入は、大いに歓迎された?と自画自賛したい。二人には申し訳なかったが、私だけが生ビールにワインと御馳走になる。まだまだ居たいところだったが、30分ほどでお別れ、その後喜茂別までは覚えているが、その後に気付いたのは自宅駐車場だ。マリッカさん、チョーさんに帰りはすっかり甘えました。
今朝起きると頭がガンガンする。それほど飲んだ積りはなかったが、喜茂別で買った日本酒の空瓶を見つけ、この1本が余分だったなと反省は尽きない。
◆おまけ
太櫓川ルートの中でも北北東面沢と並んで、本流詰めもなかなかのレベルだ。
★☆と★★の中間か。
特に秋の遡行はその趣ある景観がたまらないほどの魅力に富む。
*****marikka感想*****
ブナの黄葉の素晴らしさ!
沢形の厳しい美しさ!
釣り上げた岩魚の唐揚げ、ビールに最高!
キノコも美味! で、言うことなし。
遡行中は緊張で、喉は渇いていないのに口がカラカラに乾いた!
沢の直登の岩登り、高巻きで木にしがみついたり、藪漕ぎで笹や灌木をおしのけたり等で、翌日は足だけじゃなく腕や肩が筋肉痛だぁ!
そういえば、今回の失敗はカメラにメディア入れ忘れてきたこと。
内臓メモリーに画素数を最小にして、証拠写真しか撮れなかったこと。
なので、写真イマイチです(+_+)
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