弥山双門ルート経由で八経ヶ岳〜10年越しリベンジ
maxalliance
体力度について
- GPS
- 19:35
- 距離
- 23.6km
- 登り
- 2,783m
- 下り
- 2,806m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 11:11
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 12:45
- 山行
- 5:33
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 6:26
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
双門コースはバリエーション同然のつもりで カナビキ尾根分岐より下部は、迷うことはないだろうが踏み跡不明瞭 |
| その他周辺情報 | かどや食堂→天川三叉路交差点角。ご主人かなり世話好きでアットホーム。登山バッジも購入可。山頂の弥山小屋は全種売り切れ 洞川温泉…90分駐車無料 |
写真
挙げ句の果てに釘のいくつかは氷壁と一体化しており、ジャンプせざるを得なかった。人生最大の死を感じたポイントだが、夏は見た目ほど怖くない
4
感想
(登山1年目で運良く槍ヶ岳〜西穂高を達成してしまい、勢いそのままに冬山挑戦。地図も持たず、運動靴と軽アイゼンのみで近畿最難関と言われる八経ヶ岳双門コースに突っ込んで凍死寸前となった2013年2月。あのときの自分が如何に浅はかで口に出すのも恥ずべき行為だったか、今も折に触れてフラッシュバックしてくる
あれから10年。百名山も80座を経験してきた今なら再挑戦が赦されるだろうか、今回は初心に返る意味も込めた自戒録です)
6/1、10年ぶりのリベンジということで入念な準備をして関西空港に降り立ったが翌日台風2号がやってくるということで停滞。現地友人のすすめでわなかたこやきを肴に、このあと数十本ものハシゴを登るにも関わらず難波で5本のフライングハシゴをして大都会難波にて危うく濁流に飲み込まれ
6/2、大和川が決壊寸前、大阪が水没すると聞いて畑の様子を見に行く。まじで決壊寸前だがピーク過ぎたぽい、ワンチャンいけるか
6/3、台風一過で晴天、観光できそうなので吉野山へ。吉野川はえぐすぎる濁流、明日大丈夫か？ここから世界遺産熊野古道の最難関ルート、大峯奥駈道のスタート地点だ。那智勝浦までの数百キロの紀伊山地主峰稜線をトレランやTJAR戦士たちは練習に使うらしい。素敵やん
6/4、弥山川は水量は凄まじいが透き通っており、満を持して熊渡より登山開始。八丁河原は水没していなかったが、水量はやはり多そうで想定より早くクロックスに履き替えて渡渉が始まった。10年前もこのあたりは雪が少なかったので、記憶通りの位置にハシゴがあったり景色に感動しながらワクワクで進んだ
一ノ滝の鉄橋を渡ると左に明瞭な踏み跡あるがミスリード。橋に戻って右にいくとハシゴ出現、ここから仙人グラテラスまでの標高差300mを20本以上のハシゴで繋ぐ垂直コースの始まり。のはずだがまたまた左右に分かれた。右は雨の影響か断崖絶壁方面へ斜めに土が露出しておりいきたくない(こっちが正解。または左から少し上がってトラバースもできそうな感じではあった)。左へいくと看板があり、左向きになっていたので、登山靴に戻してそのまま進んだ(実はこれが後述の看板トラップ)
少し進んで違和感。ハシゴが出てこない。看板通りにきたのにおかしい。けれども絶妙な位置にピンクテープは続いてるし、ヤマレコの足跡データもあるし、恐らく正解ルートと10〜20mしか離れていない。間違いには気づいたものの、分岐が沢山あるので常に右へいけばいまにも合流できそうだ。しかし急傾斜のトラバースが怖すぎていくにいけない。時間は余裕あるのでこのまま突き進んでみると、三方崖に囲まれたポイントに。巌双門の直下のようだ、一応取っ掛かりを探したがこれ以上はロープないと危険すぎると判断し、引き返す
鉄橋まで戻ると3時間以上が経過していた。もう右しか選択肢がないので決心ついたが間違えたら引き返せないくらいには足場が悪かった。ここでこんなに手こずった記憶がないので、おそらく台風で土が崩れちゃったのかも。ハシゴ地獄を突き進んでテラスから双門大滝を見て大休憩。核心部を越えて始めて気付く手足の傷と疲労感。まずい先を急がねば
大滝を巻くため、ここからさらに100mほど登って下り返すが、ここも蟻の戸渡みたいな両脇垂直の危ない箇所が多かった。多分10年前はこのルート通ってない、テラスから間も無く下ったはず。どうやって進んだんや…巌双門への分岐と思われるポイントも見つけたが時間切れのため省略した
4時間ぶりくらいに弥山の河原に出た。10年前はここから一気に雪が増えて雪庇から沢へ何度も落ちてずぶ濡れになったな。しばらくは安心と思いきや、油断ならない渡渉と高巻きがこの先も連続する。遥か頭上にハシゴを見つけた時は絶句したね、散々上がってまたすぐ下りるんだから。たまらずクロックスで渡渉無視の水線歩きをチョイス。もうバテバテ…
弥山ルート最後の核心は、空中ハシゴと空中回廊。空中ハシゴは足が動いて力入らないので握力全開、妙義の鷹戻しに近い感じで、疲れて油断するとかなり危ない。空中回廊は手の鎖もあるので見た目以上に楽。10年前は回廊のクギが氷結してたし下の沢がヘッドライトでも見えなかったから本当に一か八かだった
狼平避難小屋には、熊渡を15時に出発した京都からの先客が一人。弥山に何度も来られてるらしく、紀伊山地の世界遺産の歴史など色々教えてもらった
6/5、小屋からは一般ルート。先人が整備してくれた道のなんと歩きやすいことか。弥山小屋も立派。普段登山バッジなど買わないが、ここだけは自分の原点でありリベンジ記念だったがまさかの売り切れ。聞くと天川村の麓でも売ってるらしく、安堵して近畿最高峰八経ヶ岳へ。登頂した瞬間、10年間の憑き物がとれたようだった。下りはそのまま狼平まで戻って熊渡へ。カナビキ尾根は多少踏み跡が不明瞭なだけで危険箇所もなくゴール
さて、先の看板トラップだが、聞くところによると地元山岳会だかが世界遺産以降増加してる素人侵入防止のためあえてミスリーディングしてるのだとか。はっきり言わせてもらうが老害百害あって一理なし。老人かどうかはしらんけど。核心部での看板ミスリードは致命的となりうるし、バリエーションルートであることを強調したいなら看板やピンクテープを撤去すればいいだけだと思うのは自分だけだろうか…
個人的に色々な思いの詰まった本ルート、冷静に振り返ると素晴らしい景観と近畿最難関の噂に違わぬ難易度で好きな人はハマってしまうのも納得だ。百名瀑双門大滝は、テラスから見るだけでも日本最難関を体感できたが、レコをみてみると厳冬期に直瀑をクライミングする人がいるらしい、まさしく人外魔境
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