記録ID: 5721852
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ハイキング
奥多摩・高尾
【鳩ノ巣城山】熱中症警戒アラートが発報している日に、山は登ってはいけません
2023年07月17日(月) [日帰り]


体力度
3
日帰りが可能
- GPS
- 05:21
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 1,123m
- 下り
- 607m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 4:15
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 5:12
距離 9.4km
登り 1,140m
下り 607m
9:17
9:23
18分
手製道標地点(写真32)
9:55
10:32
9分
休憩地点(写真40−43)
12:25
御岳山駅
▼ヤマレコアプリを使用しているため、時刻の精度はかなり高いと思われる。大檜峠の休憩時間も、記憶や写真撮影時刻からも正しく反映されていると判断している。
▼ヤマレコアプリでは反映できなかった二回の休憩を手動で入力した。休憩時間は写真の撮影時間を採用しており正確だと考えている。
▼中目木山直下の急勾配でも、心が折れかけて数分座り込んだが、それは休憩時間に含めなかった。
▼綾広の滝は通過していないので削除した。また御岳山も登った山リストから削除している。
▼ヤマレコアプリでは反映できなかった二回の休憩を手動で入力した。休憩時間は写真の撮影時間を採用しており正確だと考えている。
▼中目木山直下の急勾配でも、心が折れかけて数分座り込んだが、それは休憩時間に含めなかった。
▼綾広の滝は通過していないので削除した。また御岳山も登った山リストから削除している。
天候 | ▼山への気持ちが盛り上がることが少なくなった2023年、それでも休日ずっと家で燻ぶっているのも精神的にいいことではないので、重い神輿を上げるかの様に山に行くことを決意した三連休初日、偶々貯まったmontbellのポイントを使って購入したアタックザックの試運転も兼ねて、多摩百の一つである鳩ノ巣城山に行くことにした。三連休中の天気予報は、山行決行予定日の月曜日が一番良いとのことだったが、前日の予報では、どうも正午過ぎと夕方に雨が降る予報となり悪化、逆に決行予定日前日の日曜日の天気の方が良さそうだという結果に頭を抱える場面もあった。また女房に山に行くと告げると、熱中症警戒アラートが出る予報なのに?と呆れられた。 ▼山行当日の朝、アラームに叩き起こされる。珍しく山に行くか否かの逡巡もなく、すぐに起床しテキパキと準備をする。起きた直後の午前4時は暗かったが、まだ夏至から1ヶ月程度しか経っていないこの時期は4時半になると十分明るくなっていた。 ▼新たに入手したアタックザックが軽い。こんなに軽い重量で山に行くのは多分初めてで、これは快適な山行が約束されたも同然との気分で玄関を出た瞬間に、早朝にもかかわらず襲い掛かってくる高温高湿の空気がそんな私の淡くてあまい期待を容赦なく打ち砕く。都市部だから、山間部に行けば空気も気温も違うと自分に言い聞かせ、萎えかけた気持ちを繋ぎとめた。 ▼2時間程電車に揺られ鳩ノ巣駅着。残念ながら、奥多摩に来ても涼しさは感じられなかった。恨めしそうに空を見上げると青空、雲は少なく強い日差しが目や肌に痛い。山行当時は、公式な梅雨明け宣言は出されていないが、もう梅雨明けしているだろうと独りごちた。 ▼鳩ノ巣駅から数分で、取付部に着く。登山道は、鬱蒼とした樹林帯の中を登っていくおかげで、夏の強い陽射しによる暑さというより痛みに近い苦痛は感じずに済むが、きつい勾配を登ることによる体温上昇は不可避だった。まとわりつくような蒸し暑さに危機感を常に感じる。途中一瞬だけ、多摩川からの冷気が尾根に上ってくる場所があったが、この山行を通して高温・高湿に悩まされた。 ▼前回登山の湯久保尾根と違い、ハルゼミの鳴き声はしないが、どうも蝉らしき昆虫の存在感が濃い。交通量が非常に少ない登山道周辺を住まいとしているセミから見れば、私は予期せぬ闖入者に他ならない。蝉らしい悲鳴を上げて私の足元から飛び去っていく。蝉にしてはやたら低い位置にいる事が、しばらくこの正体不明の昆虫を蝉であると断定することを拒むが、何度もその様な場面に出くわした結果、やはりこれは蝉だろうと結論づけざるを得なくなった。但し蝉の種類まではわからなかった。また道中で蝉の抜け殻も発見、再度梅雨は明けていると確信した。 ▼取付きから1時間ちょっとで、本日最大の目的であった鳩ノ巣城山の山頂を踏む。高温高湿な空気が早くも体力、気力を削り始めている。鳩ノ巣城山までの勾配は、急ではあるが、下りで怖さを感じるほどの傾斜ではなかったという事実が、既に目的を達成したのだから熱中症のリスクを冒してまでこの先進む必要がない、鳩ノ巣に引き返して白丸ダムでも見に行こうという気持ちを一瞬駆り立てたが、まずは大楢峠までは行きたいと思いなおし、鳩ノ巣城山から先に進むことにした。 ▼鳩ノ巣城山から大楢峠までは、幸い比較的平坦な道が続いたことで呼吸と気持ちを落ち着かせることができ、体温の上昇も防げたと思うが、それでも体力・気力は消耗し続けていたと思う。また、随分前から存在だけはしっていた楢の倒木も見ることができてよかったのだが、ここでまた一つ、目的を達したという気持ちの緩みもあっただろう。大楢峠通過後すぐの中目木山直下の急登が、体力的にも精神的にもきつく、前進を諦めて引き返す一歩手前まで追い込まれた。急斜面で数分座り込む。ここで諦めた場合、ヤマレコの赤線図は中途半端になり、再度鍋割山まで赤線を伸ばすために再訪しなければならない事態を想像すると、鍋割山までは何としてでも辿り着かないといけないという最小限ではあるが、気力が湧いてきた。 ▼幸い中目木山から先は、しばらく平坦な道が続いたが、どうも体調がすぐれない。体が重いというか、気力が漲らないというか。行動食の柿の種を咀嚼した際、咀嚼音が頭蓋骨にやたら響くという今までに経験したことのない事象が発生した。これは熱中症の前兆かもしれないと思い、30分以上の休憩を取ることを決断した。レジャーシートを敷いて横になる。山行を通して風を感じた場面は少なかった(鍋割山付近の急登中に、一瞬そよ風が吹いた記憶あり)が、横になっている時に仄かな空気の流れを感じることが出来た。心地よかったのだろう、2度ほど微睡んだと思う。途中異音で目が覚めた。エンジン音のような重低音だ。林業の人がチェーンソーでも使っているのかと思ったが、長く続かない。獣か?熊というより猪かもしれないと感じ、熊鈴を十数秒激しく鳴らす場面があった。結局音の正体は分からずじまいだった。 ▼目安だった30分間しっかりと休憩した。レジャーシートを片付けながら、日出山方面にはいかずに、鍋割山から御岳山を巻き、ケーブルカー、バスを使用して御嶽駅に下山することを最終決断した。奥の院周辺の登山道は、濡れていて滑りやすく段差も大きいので、転倒リスクを最小化するために、安全で歩きやすい芥場峠経由で奥の院も大きく巻いていく正規の登山道を使用することにした。 ▼休憩が効いたのか、体は少し軽くなった感じがした。途中雲が多くなり、暑さが心持ち和らいだ気もした。そういえば正午ごろに小雨が降るかもという予報だったから、雲が多くなってきたのかな?などと考えながら、前に進んでいく。気持ちにも少し余裕が出て来た様だ。鍋割山手前で急登が波状攻撃を仕掛けてきたが、気持ちが大きく揺れることはなかったと思う。 ▼無事、鍋割山に到着。気持ちが一気に緩んだのが分かった。芥場峠着、完全に気持ちが切れたと思う。あとは何も考えずにケーブル駅までひたすら歩くだけ。途中カモシカに遭遇するなど予期せぬイベントもあったが、マシーンと化した感情や脳みそは、道中の記憶を刻み込むには硬くなり過ぎたのだろう、ケーブル御岳山駅に到着してヤレヤレ、ようやく帰宅できると思ったこと以外記憶に残っていない。 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
電車: 最寄駅 → 鳩ノ巣駅 【復路】 ケーブルカー:御岳山駅 → 滝本駅 バス:ケーブル下BS → 御嶽駅BS 電車:御嶽駅 → 最寄駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
<総括> 鳩ノ巣城山取付きから鍋割山までのコースは、危険を感じる箇所や難易度が高いと思われる個所もなく路盤の状態も良好、藪なども見当たらず、上りで使用する分には歩きにくさやストレスを感じる箇所もなかった。只、全体的に勾配はきつめで、それも長く続いたり、短時間に何度も出現したりするので決して楽なハイキングコースではない。今回は上りで使用したが、仮に鍋割山からの下山に使用しても、もちろんそれなりの注意は必要だが、下坂で恐怖を感じるほどの急勾配ではないとの印象を持った。 <鳩ノ巣駅〜取付個所(写真5)> ・駅から取付個所まで道標による誘導なし。青梅街道に出て、青梅方面に100m程度進むと写真2の看板がある個所を右折、坂を下っていく。 ・坂の下に雲仙橋が架かっており、橋を渡って徒歩数分で取付個所の石段を発見出来る。 <取付個所(写真5)〜鳩ノ巣城山> ・ほぼ急登が続く。平らな部分は、大檜峠周辺部に限られる。 ・路面の状態は良好、岩が露出している部分も少なかったと記憶している。歩きにくさによるストレスはないと思われる。 ・大檜峠を過ぎてすぐの所に、北西側に眺望が開けている地点がある。六ッ石山や本仁田山を望むことが出来る。(写真13・14参照) ・当初取付個所から鳩ノ巣篠山までの区間は、相当勾配がきつく、私の技術レベルでは下山使用に適さないと想定していた。今回実際に登ってみて感じたことは、決して傾斜は緩くないが、下りで使用したとしても恐怖を感じるほどの勾配ではないとの印象を受けた。勿論上りに使用するときより、下山時はより注意が必要であることは言うまでもない。 <鳩ノ巣城山〜大楢峠> ・当初、鳩ノ巣城山から大楢峠方面への下りも、勾配がきついことを警戒していたが、常識的な注意で十分対応可能との印象を得た。 比較的平らで歩きやすい道が続く。路面の状態も引き続き良好。鳩ノ巣城山までの急登に乱された呼吸を整えたり、体力の回復が期待できる区間。 <大楢峠〜鍋割山> ・大楢峠から中目木山に向かうには、四叉路となっている地点(写真30地点)で鍋割山方面左手の道を100m程度進むと手製の道標があるのでその地点右折する。(写真32地点)なお、この道は2023.7.17現在通行止めとなっている(写真31参照)ので、通行する場合は自己責任でお願いいたします。 ・写真32地点からしばらくは踏み後不明瞭だが、奥に尾根筋が見えているので、それを目指していけば大きな道間違いはないと思われる。 ・中目木山直下の登坂は、個人的にはこの山行で一番傾斜がきつかったと感じた個所。木につかまりながら登った記憶あり。但し、急登区間はそんなには長くは続かない。 ・中目木山には山頂プレート類はないというのが定説だったが、今回2つ設置されていることが確認できた。設置されたのは比較的最近と思われる。 ・中目木山から鍋割山近辺までは、比較的勾配の緩い登山道が続く。相変わらず路面の状態は良好。 ・鍋割山直前の急登にはロープが2本設置されている(写真52・53・54参照)が、登りでは使用しなくても十分対応可能。なお、下のロープ(写真52・53)は、上部杭との結び目部分でロープ本体に解れが発生していた。登りの際は使用しないに越したことはない。下山時は、強度が十分か、体重をかける前に確かめられることをお勧めする。 |
その他周辺情報 | ▼特記事項なし |
写真
1. おはようございます。本日は鳩ノ巣駅から鳩ノ巣城山を踏み、大楢峠・鍋割尾根・日出山経由で三室山を踏んた後、軍畑に下る予定です。奥多摩行電車はそこそこ混んでいたが、鳩ノ巣で下車したのは私だけだった。
6. 鳩ノ巣城山へのコースは、山と高原の地図には記載もなく、守屋の登山詳細図でも、道標なしで般コース扱いでははない。少し心配しましたが、路面も泥濘もなく良好で、藪に苦しめられることもありませんでした。
8. 蝉の抜け殻を撮影。本格的な夏到来を確信。もう絶対に梅雨明けていると思う。そういえば鳩ノ巣城山周辺の尾根では、蝉がやたら低い位置にいるみたいで、足元で短い悲鳴を上げて闖入者の私から逃げ去る場面が際限なく繰り返された。あれは何蝉だったのか?
19. 山頂の概観も撮影。御覧の通り、山頂は広めだが薄暗くて眺望はない。登山開始後1時間強で、本日の最大の目的は達成してしまった。後は熱中症にならないよう細心の注意を払いながら、どこまで計画を実行できるのかの勝負となります。
29. この倒木のことは、登山系ブログ等で知っていました。2015年というと私が登山を始めた年だから、倒れてしまう前の姿はどう足掻いても見ることは出来なかったんだなと諦めがついた。
33. 写真32地点からすぐの場所に落ちていた登山者への狩猟に対する注意書き。色々興味深いのですが、一番印象的なのは、人間の味方のはずの猟犬の描写の仕方でしょうか?気が立っている猟犬には注意ということなんでしょうか?
34. 写真32の道標からしばらくは踏跡が不明瞭でしたが、取り合えず(分かりにくいが、奥に写っている稜線、現地ではすぐ分かる)に乗ってしまえばいいと割り切れば、何とかなります。
36. なんとか気持ちを立て直して急登を登り終えました。下調べでは、中目木山には山名板がないと聞いていたのですが、本当につい最近だと思うが、立派なプレートが設置されていました。
46. 例のあの人の作品を久しぶりに見ました。表記は黒ナギの頭となっていますね。中目木山の別名が、白ナギノ頭の様ですから、それと対となる名前ですね。薄い字で、山名の由来を考察していますが、私が聞いたのとは違うかな。
57. 坂を登り切りました。ふと西の方角にまた尖った山。撮影時にはやはり天地山と思って撮影していますが、違うみたいです。Peakfinder使用しても正解はよくわかりませんでした。
59. よかった、ようやく鍋割山に到着です。通算3回目。ここでもピンボケしているね。そして色々余裕ないんでしょう。鍋割山から大岳を写そうとずっと思っていたのに、撮影し忘れました。
60. 鍋割山からは芥場峠経由で大回りして奥の院を巻くことにします。疲労を考慮し、段差もあり滑りやすい奥の院周辺の登山道を敬遠しました。これはそろそろ鍋割分岐についてもいいのではとソワソワし始めた時に、撮影した写真。下に芥場峠・大岳間の登山道が見えました。分岐はもうすぐです。
63. カモシカに遭遇したので慌ててカメラを向けたのですが、まったく上手く撮影できていません。カモシカに遭遇するのは3回目かな?この後すぐカモシカは、登山客に驚いて逃げて行ってしまった。残念です。
感想
▼もう題名の通り、こんな暑い中東京近郊の低山にハイキングなんかに行ってはいけませんという至極当たり前のことを電車賃を掛けて確かめに行った様な山行でした。勿論、熱中症には十分気を付けていた。だから少しでも体調に異変があった場合は、すぐに休憩を取ることを心掛けていたし、その通り実践したし、飲料水も十分携帯していたし、荷物も極限まで軽くしていたしと、無計画に灼熱の中出かけたわけではないけど、外出しないほうがいい日というのは間違いなくあるわけで、この日も間違いなくそういった日だったと。
▼オリジナルの計画では、東京里山100選の山踏破目的で。日の出山経由、高峰・三室山と踏んで軍畑に下山予定だったが、体調と相談の結果、御岳から下山へと大幅に切り上げることにした。冷静さが残っていたと言えば聞こえがいいが、単に体力、気力が続かない状態だっただけとも言う。
▼詳しくは書かない、カモシカの件とだけ備忘録として記載するが、人間思わぬところで恨みを買うんだなということを痛感した場面があったので、いつかこのレコを読み返した際に自分への戒めとして思い出せるよう記載しておく。尚、今回は私が恨みを買う様な行為をした訳ではなく、他山の石としたいということです。
▼写真のキャプションが完成したのでアップしてしまう。感想欄には加筆予定はないが、天気、コース状況等々は時間を掛けてでも、何か書き込む予定。
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