無名沢BC／不帰�景�Dルンゼ敗退
長野県
えのしまん
体力度について
- GPS
- 06:50
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 732m
- 下り
- 1,821m
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- 山行
- 6:21
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 6:46
| 天候 | 曇り時々雪山麓は晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2015年03月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
沢は全体として雪崩注意です。 実際に八方尾根北面で人的誘発による面発生雪崩で怪我人がでました。 ビーコンは単独でも持つようにしています。 万が一の場合、捜索者への最低限のエチケットだと思っています。 またBCの場合他者の災害に遭遇して救助者側にまわる可能性も高いので、ビーコンは必ず携行してゆくべきです。 このエリアは日本雪崩ネットワークが参考になります。 http://nadare.jp/ |
写真
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稜線はくるぶしから膝下くらいまで。
装備
| 個人装備 |
ビーコン(1)
プローブ(1)
スコップ(1)
シール(1)
スキーアイゼン(1)
板&ビンディング(1)
兼用靴(1)
ストック(1)
ピッケル(1)
アイゼン(1)
ヘルメット(1)
ゴーグル(1)
サングラス(1)
バラクラバ(1)
ヤッケ(1)
オーバーズボン(1)
グローブ(2)
毛糸手袋(2)
ダウンジャケット(1)
毛糸帽子(1)
フリース(1)
テルモス(1)
予備電池(4)
ヘッドランプ(2)
コンパス(1)
地形図(1)
スマートフォン(1)
予備電源(1)
行動食(3)
カメラ(1)
スキーワックス(1)
シールワックス(1)
|
|---|
感想
諸般の事情により今年は車がありません。
車が無くてもBCに行きたい！
そんな思いから産まれて初めてスキーバスを予約しました。
乗ってみれば若い子ばっかりで恥ずかしいのなんの。
夜行日帰りで帰りは16時チェックインの白馬行きです。
3月10日白馬地方に雨が降り、凍った上に11日12日で70cmほど積もったため大規模な雪崩の危険があるということで樹林帯からアルパインに至るまで日本雪崩ネットワークのdanger ratingは全部真っ赤でhigh。
出発日の13日になってもアルパインは赤いまま。
当日になってやっと赤色が消えました。
それでも森林限界から上はConsiderable。
つまり相当ヤバイよ、雪崩に遭っても知らないかんねって意味です。
これで完全に心が折れて不帰�景�Dルンゼ敗退は確定。
更に上に上がれば上がるほど天気が荒れて一人ラッセル奴隷の心は完全に折れてもう山頂もいいやって気持ちになってきました。
位置は2361ピークの巻き道のところ。ラッセルとはいえあと1時間登れば山頂に到達できる位置です。
時刻は11時。
このまま登って帰りのバスに間に合わせるためにゲレンデで遊ぶのか、それともピークハントは捨ててもリスクとバックカントリーをとるのか、えのしまんは迷わず後者を選択しました。
目まぐるしく変わる雪質にラッセルする際に表層が割れて柔らかい雪の中に崩れ落ちるようになります。
山頂部から落とすDルンゼはほぼ100%自分がスラフを誘発する雪質でそれが一気に表層雪崩になるイメージしか浮かびませんが、少し下った無名沢の源頭付近は湿気の多い重雪で、結合度は高いと判断しました。
無名沢かガラガラ沢なら大丈夫だろうとの読みです。
ただ重いです。
実際のところこの重さに耐えかねて一気に破断する恐怖感は常にありました。
このコンディションで二股経由で帰りの16時のバスに乗り遅れないためにはもう迷っている暇はありません。
即行動開始です。
シールを剥がして少しだけ稜線を下り無名沢の上の方のドロップポイントに立ちます。
登りでラッセル交替した人のシュプールが一本だけ付いていました。
ヨッシャ、無名沢上部からのガラガラ沢トラバースと行こうじゃないの。
で滑り始めたら重雪だけど気持ちいいのなんの。
調子に乗って高度下げすぎました。
一応トラバースにトライします。
が、雪が重くて前に進みません。
必死で尾根越えを続けますが、途中でめげました。
自分が降りている反対側の斜面に巨大な破断面があって雪崩のあとがはっきり見えます。
あんなのに巻き込まれたらエアバッグ持っていてもひとたまりもないだろーな。
重力に逆らうのを止めたら結局南滝に降りてきました。
こんなことなら無名沢だけ気持ちよく滑っときゃ良かった。
南滝は埋まっていて問題なく正面から降りられました。
滝から振り返るとDルンゼの全貌が見えました。
近い‼
くっそー散々イメージトレーニングしたのにな。
山頂からドロップポイントにクライムダウンするたった15分のために邪魔なピッケルも持ってきたのに。
また来いやーと言っているようにえのしまんには見えました。
やがて沢を横切るデブリを滑り降りて広い河原に出ました。
湯ノ入沢との出合です。
ここまで来れば雪崩も一安心。
地図上には実線の林道が対岸にあってそこへ行く渡渉点があるはずです。
普通は河原を下って行くのですが、電柱が見えたのでえのしまんは迷わず人里に近い林道を選びました。
ところがこれが本日最大の誤算だったことに暫く経ってから気付きます。
超重雪湿雪のラッセル地獄が始まるのです。
これが半端ではなく、普通に歩くと靴底に雪が付着して最後に前に倒れてしまうレベルなのです。
河原を降りていればガラガラ沢から降りてきた人達のシュプールを使うことができたはずです。
板を上げる度に蹴りを入れて靴底の湿雪を落としながら前に進みます。
あまりの雪の重さに太ももが悲鳴を上げます。
おまけに林道は雪崩地形でいつ来てもおかしくない様相を呈しています。
実際一部雪崩で道と電線が流されています。
このスピードではバスに乗り遅れる‼
とにかくこの試練を乗り越えるしかありません。やがてもうすぐ発電所というところで、腹の底に響く雪崩の音が聴こえてきました。
おー怖わ！
発電所から先の林道にはシュプールが付いていて滑って降りることができました。
何とかバスに間に合いそうです。
二股に到着。
後から来たスキーヤーが雪崩凄かったですねと声を掛けてきました。
実は林道で悪戦苦闘しててという話をすると、結構大きかったですよ。
スキー場の滑走禁止エリアから外人が滑り込んで起こした雪崩らしく、その外人は運良く埋没しないで助けだされ怪我だけで済んだとか。
あとはシートラでアスファルトの道を延々と八方の集落まで歩きます。
誰か車乗せてくんねーかな・・・
半分くらい歩いたところでワンボックスが停止しました。
乗ってきません？
おー天の助け。
ワンボックスには大勢のBC集団。
シートラ解除、運転手が板を乗せてくれます。
この板だと今日はキツくなかったですか?
ん?！何か見覚えが・・
向こうも気付きました。
なんだ去年お世話になったガイドさんじゃないの。
ということで最後に落ちもついて無事バスにも間に合いました。
メデタシメデタシ。
後日記：
当日発生した雪崩インシデント情報です。
http://nadare.jp/2015/03/150314bc.html
想像してたよりでかい雪崩でした。
よく助かったものです。
因みにえのしまんは地図上の発電所マークの少し左を重雪ラッセル中でした。
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2月28日に雪崩に遭ってから臆病神が離れません。
「日本雪崩ネットワーク」の情報ありがとうございます。
以前、見た記憶がありますが、真剣に考えていなかったと今更ながら反省しています。
14日当日八方でゲレンデスキーをしておりましたが、ザックにピッケルを刺した人を見ると山頂まで行かれるのですかと遂声を掛けてしまいます。
唐松までと応えてくれたのでｄルンゼですかと聞くと今日は無理かもしれませんとの答えでした。ここの所100cm近く降ったので雪崩に気を付けて楽しんで下さい。と別れました。10時に八方池山荘に着くとスキー場下と異なり、雪がちらつき、ガスが出て風も出てきて私ならこれはとても無理だと感じましたが、ガスの中八方山に向かって登る人、準備するがいて逞しいと感じる一方、お気をつけてと祈るしかありませんでした。
その中で無名沢から下られたことを読み、コメントを書いています。
ルートを見ると2361mからの下りで結構厳しい所を滑ったようで驚いています。私は数回滑っていますが、もっと右寄りの優しいルートを下っていますが。無名沢に下りる所崖のようではありませんでしたか。
北面で雪崩があった話は聞いていましたがそれ程大きな雪崩とは知りませんでした。後日、どの辺で起きたか調べてみます。
確かに2月21日八方山ケルンから？沢を滑った時、その右側にトラックがありどこから滑ってきたのだろうと思ったことがありました。
いずれにしろ、雪崩に気を付け楽しみましょう。
もしかして赤いウェアの方ですか？
声掛けていただいたの自分だと思います‼
結局無名沢から降りてきました。
途中結構急な斜面はありましたが、気持ちよく滑れました。
ピッケルは林道で電線に引っ掛かりそうで邪魔なだけでした。
雪崩は林道で悪戦苦闘していたため現場を見ていませんが、音は凄かったです。
日本雪崩ネットワークにも出てましたね。
そうでしたか。
あの時、隣りに女性がいたようだったので同じ人だと思いませんでした。
bumpkinさんの2月28日のレコ拝見しました。
デブリの写真を見てよく助かったと思いました。
私自身若栗ノ頭で雪崩なんて想像もしていませんでした。
雪があれば何処でも起こり得るのですね。
肝に命じたいと思います。
enoさん こんにちは
なかなか危険な状態の中お疲れ様です。
この時期沢筋は本当に恐ろしい限りです。
ワタクシの場合尾根と縦走が主体なので危険は少ないですがそれでも細心の注意を払っています。
１人でもビ−コン、スコップ、ゾンデは必携品ですね
心がけます
tenさんこんにちはー！
今回は正直今まで滑ってきたなかで1、2を争う危険なコンディションだったと思います。
もう少し山深い所だったら尾根通しで撤退していたと思います。
メジャーなフィールドだからといって安心できるわけではないのですが、現地で雪質を確かめての最終決断でした。
なのでライン取りは保守的になりました。
林道は誤算でしたが・・・
ラッセル奴隷隊長らしい訓練だったんですね！
ナイスチョイス〜
anthemさん冗談抜きで不帰に行ってたら今頃『無謀山スキーヤー不帰から帰らず』ってYahooにヘッドラインが出てたかもしれませぬ。
無理しないのが1番です。
また条件のいいときに行けばいいんですから。
ではでは
ですよね〜！
その条件がなかなか揃わないのが悲しいです。
最近晴天の峰々を拝めていません。
えのしまんさん
お疲れさまです。(^-^)/
読んでてハラハラしましたよ。
ご無事でなにより。(^o^)v
しかも、最終的にはちゃんと
運がいいじゃないですか！
思考が現実になる出会い。
私的に物凄ーく気になったのが
「隣に女性が」のコメント。。。Σ(￣ロ￣lll)
（誰からも突っ込みなし…笑）
えのしまんさんたら、もしかして
雪女に護られた！？
オリオンツアーのスキーバス（日帰り）
直前セールで激安だったので
私も利用しましたが殆どが大学生でした。(^^;;
sionさんおはようございます。
触れてはいけない領域に触れてしまいましたね。
薄々感じてはいたのですが、隣から冷たい吐息が・・・(￣▽￣;)))
bumpkinさんが話しかけてくれなかったらそのまま・・・
あー恐ろしや、恐ろしや。
ニンニン隊長、もはや想像を超えました。
雪崩があぶないからルートを変えて行ってピークを諦めて滑降スタートしたけど今度は雪の重みを考えずに行きすぎてしまったので重重ラッセルに苦しんでどうにか帰ってきた、んですね？（←ちゃんと読めてる。笑）
結果として帰ってこられたので何よりです！
まだまだカッパフォーメーションやってもらわないと困っちゃいます！
＞そんなとこツッコめないからカッパはツッコみません！！
かっぱちゃん、まあ概ねそんな感じ?
まあいいや。
カッパフォーメーションすると山スキーにも好影響？
よしだいたい合ってた！ありがとうございます！
カッパフォーメーションすると少なくとも大いに目立つので雪崩捜索時にはすぐに見つけてもらえます。ヘタすりゃビーコンより効果アリです！
それカッパで滑ろってことね。
納得。
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