愛知川渓谷からハライドへ【ヒロ沢に泊まり渓谷の核心部を満喫】
- GPS
- 64:00
- 距離
- 15.3km
- 登り
- 1,445m
- 下り
- 1,432m
コースタイム
- 山行
- 4:00
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 5:35
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 8:40
天候 | 5/5:快晴 【気温】駐車場スタート時:18℃ 夕食時:13℃ 5/6:薄曇り【気温】テント場スタート時:13℃ 駐車場帰着時:22℃ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
朝明駐車場を利用。有料:環境整備協力費名目で500円 (1泊でも協力金は500円でした。) |
写真
感想
5月4日を絡めて遠征を予定していたが、あいにくの天気で断念。
しかし5月5-6日は良さそうなので、以前からやってみたかった
愛知川(神崎川)の核心部を流れに沿って散策してみよう。
【5/5】
今日はゆっくり行程なので、8時過ぎに朝明駐車場に着くと
やはり満車状態。なんとか数台残ったスペースに車を停める。
次々と出発して行く人たちは殆どが中尾根辺りから釈迦ヶ岳へ
登るようだ。
五月晴れの素晴らしい天気だ。肩に食い込むザックは重いが、
今日はのんびり行程だ。ゆっくり行こう。
林道のゆるい坂を上がって猫谷から羽鳥峰峠へ向かう。
せっかくなので羽鳥峰に立って、緑が鮮やかな県境稜線の山並を
眺めた後、稜線を越えてヒロ沢へ入る。
初夏ののんびりした景色が広がる「羽鳥峰湿原」はヒロ沢の源頭部で、
湿原の清流にアカハライモリの泳ぐ姿も見られる。
咲き始めた石楠花やコイワカガミを眺めながら右岸沿いの緑滴る道を
下る。
豪快なナメ滝が現れると次第にヒロ沢も立派な谷となって愛知川に
飲み込まれる。
出会いの樹林を抜けて、白い大石が河原を埋める愛知川に出ると、
目がくらむほど光に溢れている。岩の間を緩やかに流れる清流と
周りの新緑、頭上は抜けるような青空。身も心も解放されるようだ。
出会いの台地にテントを設営した後、河原でゆっくり昼食を摂っても
時間はたっぷり。まずは空身で天狗滝へ向かおう。
対岸の岩壁を攀じて愛知川本流の右岸高みに出て、薄い踏み跡を
辿る。
樹林の隙間から廊下状の渓谷が続いている。
やがて流れのある小谷に出会うと梢が途切れる。
注意して谷に沿って本流へ降りると、緩やかなナメと白い花崗岩が
明るい淵を形成している。七丈淵?だ。
もっと近づきたいがスタンスが心配なので諦めよう。
再び高みに戻り固定ロープで大岩を越え、しばらくすると僅かに
開いた石楠花に出逢う。緑の中で一際目を引く鮮やかさだ。
再び小さな谷を横切り、大岩を捲くような白滝谷コースを見送ると、
いよいよ天狗滝だ。固定ロープにすがって岩壁を淵の岩場に降りる。
切り立った両岸からエメラルドグリーンの淵へ轟音を響かせて
一気に落ち込む愛知川最大の天狗滝、そして下流側には深い廊下。
自然が創り出す感動の渓谷美だ。
今度は手前の小谷から流れに下りて、滝の落ち口へ立った後
左岸をへつって上流へ遡ってみる。高みの道からは見られない
美しい景色を眺めて往路を戻る。
ヒロ沢出合いに戻った後、今度は更に上流へ行ってみよう。
右岸・左岸と徒渉を繰り返し、歩ける所まで遡ってみる。
きらきらと陽に輝く水面や、切り立った岸壁を眺めながら進むが、
これ以上は飛び石伝いもへつりもむつかしい。靴のままでは此処までか。
沢歩きの真似事もできたので引き返そう。
テント内を整理して、横になっている間につい寝てしまったらしい。
気づいたらそろそろ夕暮れだ。暗くなる前に夕食を済まそう。
陽が沈み静寂に包まれると、愛知川の瀬音が一段と大きく聞こえる。
初夏を思わせるこの時期だ、誰かに出逢うと思ったが、
結局天狗滝で出逢った一人だけ、全く静かな愛知川だった。
【5/6】
甲高い鹿の鳴き声で目が覚めるともう5時少し前だ。
パンとコーヒーで簡単な朝食を摂った後、左岸へ徒渉点探しを兼ねて
朝の散歩と洒落た後、テントを撤収する。
靴を濡らさず徒渉を終え樹林の濃い左岸の道を行く。
落ち葉に埋もれた薄い踏み跡で、荒れた枝谷を大きく回り込んで
再び本流左岸山腹へ出るとやがて小さく開ける場所で「お金谷出合い」の
指標を見る。
「お金へ」と書かれたペンキに従ってお金谷に出て、今日最初の目的地
「お金明神」へ向かう。
お金峠へ向かう急な谷を再び左岸に移って幹の書き込みを目印に
右手山腹を直登すると磐座「お金の塔」が現れ、お金明神の天狗様と
ご対面だ。お賽銭をあげ、今回の安全登山をお願いして下る。
谷を横切る2頭のカモシカを見送って「お金谷出合い」から次の目的地
大瀞へ向かう。
相変わらず不明瞭な踏み跡で、いきなり緑鮮やかなコバ地に出て、
脇に鎮座する優しいお顔の地蔵様を過ぎると、タケ谷・中峠の分岐だ。
分岐を左折して崖を下ると愛知川の景勝地・大瀞に出る。
廊下で空が仕切られた眺めも渓谷の美しいところだが、靴を濡らさず
徒渉できるポイントが見つからない。目の前の対岸にリボン見えるが
飛び石伝いは無理だ。だったら好きな場所を渡ろう。
靴を脱いで崩れた橋の下を渡り瀞の間近で寛ぐ。
橋下の岩壁を力づくで攀じて縦走路に戻り、下水晶谷の右岸を辿って
広く開けた中峠に上がる。縦走路が交差する峠から南下して道を水晶岳へ
逸れると、今年初めてのハルリンドウそして山頂では1本の木にだけ
早くもシロヤシオが咲いていた。
あいにく展望は望めないので早々に根の平峠に下る。
食事をするには少し早いので、予定通りブナ清水を昼食場所にしよう。
峠から伊勢谷に出て中流から源流に向いブナの新緑に囲まれた広い
谷の斜面に出てザックを降ろす。
伊勢谷の源流に腰を下ろしてカップ麺をすすった後コブ尾根へ向かう。
途中ですれ違う登山者に国見岳方面のアカヤシオ情報を聞くが、
どうも期待できないらしい。先日の雨や風で残った花も散ったようだ。
シーズン最後のアカヤシオを期待して青岳へ立ち寄る予定だったが、
諦めて直接ハライドへ向かう。
足元に散った花びらを見ながらヤシオ尾根分岐を見送りしばらくして
やっと僅かに残ったアカヤシオを見つける。アカヤシオは残念だが
腰越道分岐が近づくと今年もいっぱいのコイワカガミが迎えてくれた。
腰越峠からは今回最後の登りだ。裸のザレを登り岩場に出ると
緑の中に白い花が見えた。気の早いシロヤシオだった。
やはり今年は少し花の交代時期が早いのだろうか?。
山頂に出るとハライドにしては珍しく風も無く穏やかだ。
後は下るだけだ、ゆっくりしよう。
少し霞みがちだが、コーヒーを飲みながら釈迦ヶ岳から御在所岳までの
展望を楽しんだ後、のんびりと北尾根を朝明へと下る。
あいにく二日目は曇りがちの天気だったが、ヒロ沢で一夜を過ごし
天狗滝から大瀞にかけての愛知川の核心部や、お金明神・ブナ清水と
見所の多いコースを予定通り歩けて楽しいG/W山行だった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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onetotaniさん、おはようございます
ハトからヒロ沢に入るところまだ行ったことないことを思い出しました。
山椒魚もいるんですね。渓流の音も聴こえてきそうです。
お金明神に、大瀞の崩れた橋、そこから銚子ヶ口に行ったことを思い出しました。
ハライドもいいところですね。
愛知川沿いの魅力満載の2日間でしたね。
higurasiさん 今晩は。
一度はこの辺りを沢歩きの真似事をしたかったので
テントを担いで行ってきました。
時間を気にすることなく流れを辿って渓谷美を満喫してきました。
県境稜線を越えて滋賀県に入ると鈴鹿は何処も静かですね。
こんにちは。
二日間,お疲れ様。
鳩鳥峰湿原には山椒魚がいるんですね。
県境稜線のすぐ脇なんですが,静かで良い雰囲気の印象を持っています。
仙香池と似た感じです。
良い天気に恵まれ,愛知川大満喫ですね。
この時期は,ヒルも出ないし,のんびり沢散策には最高の季節です
totokさん 今晩は。
三重県側は賑わったようですが、滋賀県側に出ると
静かな山歩きが楽しめますね。
天狗滝から大瀞へ、そして伊勢谷からブナ清水。
汗ばむ季節になると水辺を辿るのコースは爽快ですね。
コブ尾根に出ればアカヤシオも見られると思ったんですが前日の雨で
散ってしまい残念でしたが、このエリアはヒルの被害も聞かないので、
良いシーズンを迎えましたね。
渓流と、しっとりした樹林に包まれて
過ごす、静寂の時間、至福なひととき
ですね。
道がわかり辛い箇所もさすが
見事なルーファイで。
見所満載の、素敵なコースですね。
komakiさん 今晩は。
実はG/Wは大杉谷を予定していましたが4日の天気が芳しくないので、
代案の愛知川へ出かけました。
青空と新緑に囲まれて、ゆったりと時には激しくと表情を変えて流れる
愛知川の渓谷を満喫できました。
そして何十年ぶりかでまどろみを覚えるほど、ゆっくりした時間を
過ごしました。
愛知川界隈の見所に加えて、アカヤシオ見物までと欲張ったコースを
計画しましたが、これだけは残念でした。
ザックは重かったけど、楽しい二日間でした。
onetotaniさん おはようございます。
なかなか渋いコースですね。お金明神、大瀞、天狗滝・・・何十年も前に行った思い出が蘇りました。それから大瀞の鉄橋は朽ち果てているのですね。そうなると自分で渡渉するしかないのか・・・また行きたいけど、苦手だなぁ
テン泊して、ブナ清水、ハライドへ抜けるのもonetotaniさんならではのコースと思いました。GWの最後を好天の中、十分楽しめましたね。
これもお金明神の天狗様のご利益かな???
sugi-chanさん 今晩は。
二日間で踏んだピークはハライドのみ。
今回はピークハントよりもヒロ沢・愛知川・下水晶谷・伊勢谷と
4本の谷筋を辿り、周辺の見所をすべて廻ってみました。
あわよくばアカヤシオもと期待しましたが、これは見事に外れました。
出逢う人も少なく、静かに我儘ペースで歩けました。
初夏を思わせるG/Wの山行に相応しい楽しい時間でした。
その日コクイ谷でテント泊して
神崎川で釣りをしていました。
羽鳥峰湿原のあれはアカハライモリです。
Ctcnさん ご指摘有難うございます。
愛知川(神崎川)は本流も支流も清流が心地良いですね。
onetotaniさん、こんばんは!!
ヒロ沢や大瀞など、こんなきれいな所なんですね。
以前、知り合いに鈴鹿の上高地があると聞いてて、その付近は行ってみたいなぁと思いつつ、行けずでした
川と新緑のきれいさに驚きました
それにしてもなかなかの距離ですね
お疲れさまでした!!
busanさん 今晩は。
神崎川でもこのエリアは愛知川渓谷と呼ばれる美しい所です。
鈴鹿の上高地から下流部は特に見応えがある核心部が続きますので
何度通っても飽きません。
四季を問わず渓谷美を楽しめますので、是非お出掛け下さい。
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