ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 6321301
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
八幡平・岩手山・秋田駒

沢尻岳〜貝吹岳

2016年03月26日(土) 〜 2016年03月27日(日)
 - 拍手
noasobi27 その他3人
GPS
32:00
距離
21.0km
登り
1,495m
下り
1,355m

コースタイム

1日目
山行
9:05
休憩
0:20
合計
9:25
6:00
320
貝沢登山口
11:20
11:40
5
沢尻岳
11:45
11:45
220
モッコ岳
15:25
五番森南側鞍部
2日目
山行
8:05
休憩
0:45
合計
8:50
6:10
60
五番森南側鞍部
7:10
7:25
215
五番森
11:00
11:20
60
地森
12:20
12:30
70
1026m地点
13:40
13:40
20
貝吹岳
14:00
14:00
60
仙岩峠
15:00
仙岩トンネル岩手側入口
天候 26日 曇りのち晴れ
27日 晴れ
過去天気図(気象庁) 2016年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
延々と続く雪庇

感想

 約10年前の記録で忘れられない山行がある。なかなかヤマレコにアップできなかったが、今ケガのため山に行けないので、この機会にと思い、昔を思い出しながらアップすることにした。なお、この山行は盛岡山友会が岩手県境の487kmを完全踏破したものの一部であり、「県雇用の風」として2020年12月に盛岡山友会が自費出版した60ページには、リーダーのFRKW氏の記録が掲載されている。以下の記載は、当時私がメモした記録をそのまま引用したもので、忘れられない山行の一つである。

 今年から山スキーを始めた。きっかけは、昨年12月に銀世界の皆さんから誘われたからである。若いころは、休みの度にスキー場に行っていたが、それは30年も前の話である。大丈夫だろうかという不安もあったが、先輩諸氏のアドバイスを受けながら、1月に山スキーを購入した。そんな折、沢尻岳〜貝吹岳までの県境縦走の計画が出てきた。どうしても行ってみたいという強い思いから、すぐに申し込んだ。22キロの県境尾根をスキーで歩くことが楽しみで楽しみで、当日が待ち遠しくて仕方がなかった。当初、メンバーは9人だったが、最終的に4人での山行となった。計画当初から、県境グループのODさんが、ルートの高低差から距離、エスケープルートの資料収集から事前の現地確認をしてくれた。この事前調査が、山行当日大きく役に立った。
さて、山行1日目である。
5時30分、繋温泉駐車場に集合。KIZM君と犬伏トンネル入り口で合流後、貝沢登山口まで雪の少ない道を進む。
6時20分、登山口着。準備をし、記念撮影後、6時40分、縦走組4人とサポート隊11人の総勢15人で出発。7時06分、夏道分岐。7時12分、スキーを外して沢を渡渉。その後、順調に進むが、9時30分ごろ、夏道との合流点手前あたりから、雪が重くなり始めるとともにシールに雪が付き始める。シールにコブのように雪が付くとは思っていなかった。そういえば、「ワックスを持っていかなければならない」という記録を読んだことがある。迂闊であった。MURさんからワックスを塗ってもらう。11時22分、沢尻岳山頂着。皆で記念撮影。
先行していた4人のパーティーのうち3人(一人は沢尻岳で留守番?)が大荒沢岳山頂から羽後朝日岳に向かっている。何時か行ってみたい強い思いに駆られる。11時40分、サポート隊が引き上げてくれた荷物を受け取り、CLFRKW、SLKIZM、シェフFJMT、FNKSの4人で16キロ先の貝吹岳を目指す。行く先に嫌な雲がかかっているが、天気は晴れ。風少しあり。
 沢尻岳から一旦下り、1277mのモッコ岳を目指す。青空と、前日降った雪と、木々の霧氷に感動。沢尻岳からの下りでは、サポート隊に見送られながら、シールを付けたまま、へっぴり腰で鞍部へ滑り降りる。気持ち良い。
12時00分、定時の無線交信したFRKWさんから、サポート隊から食糧のラーメンを受け取っていないことを告げられるが、すでに鞍部まで来ているので、戻るわけにもいかない。予備食、非常食で対応することとして、前に進む。雪質は、クラストした雪の上に新雪が積もっている状態。新雪がなければ、前に進むことは困難であったと思われた。前日の雪は我々に味方している。
12時43分、モッコ岳着。モッコ岳は大きな山であったが、全員足並み揃えて登ることができた。小雪まじりで少し暗くなる。
振り返っても、行く先はるか先までも、延々と大雪庇の稜線。雪庇はすでに崩れているところや、新雪で隠れているがクラックが入っているところも多くある。ここが核心部かと思われるところが何か所かあったが、トップのKIZM君は慎重にも果敢に進んでいく。
13時30分頃から青空が見え始める。五番森手前の鞍部をテン場とすることとして進む。P1074付近から自分のシールに雪が付き始める。FRKWさんからシールに付いた雪を取ってもらいながら、騙し騙し進むが、テン場手前の下りでどうにもならなくなり、スキーを外し担いでテン場まで下る。15時35分、テン場着。テントを張り、シールにワックスを塗って明日の山行に備える。17時頃から宴会が始まる。持ってきたうどん6人分のうち4人分で、FJMTシェフが「盛岡じゃじゃ麺」と「チータンタン」を作ってくれた。朝に2人分を回し、ラーメンは無かったが、メンバーの非常食で十分間に合った。非常食の準備は何時もしている。大勢に影響なし。
ここまで順調に進んだことから、「明日は、11時ごろには貝吹岳に着くだろう」などと、明日の厳しい山行を知らないまま、アルコールも入り、テンションも上がる。「多い、多い」と言いながら、いつの間にか、ビール6本、ワイン1本、焼酎1本をFRKWさん、FJMTさん、KIZM君の3人で全部飲み干してしまった。明日の朝は4時起床として、9時ごろ就寝。星空が綺麗だった。

27日、4時起床。快晴。
 綺麗な朝焼けを見て、FJMTシェフが本職のカメラを構えた。ついでに自分も1枚撮ってもらう。朝飯を食べ、テントをたたんで、6時17分、テン場発。五番森まで、いきなりの急登。登りきったところで振り返ると、昨日歩いた稜線が雲一つない快晴の下、遥かかなたまで見渡せる。これ以上ないご褒美だ。
山頂手前にスノーシューの跡。山頂より先にはスノーシューの跡がなかったので、自分たちがエスケープルートにしていた新幹線停車場から登ってきたものと思われる。7時7分、五番森山頂着。360度のパノラマに「すんげ〜、すんげ〜」と自然に声が出る。写真を撮りまくる。
7時15分、五番森発。何度も登り下りを繰り返し、ここが核心部かと思われる個所ではスキーを担いだりしながら進む。はじめの核心部は、新幹線トンネル上部からの地森への長い急登。10時55分、地森山頂着。やっと登り切った先には、P1026の下地森へのヤセ尾根の急登。随分先から見えていた核心部中の核心部。
快晴、無風。山頂で一休みし、腹ごしらえした後に鞍部へ下る。地森からの尾根はブッシュ。鞍部まではスキーを使ったが、下地森への登りはヤセ尾根になり、途中からスキーを担いで登る。両サイドは切れ落ちていている。木のあるところは担いでいるスキーが枝に引っ掛かり苦労する。雪を踏み抜く、バランスを崩したりすれば、滑落必至。トップのKIZM君は重い荷物を担ぎながら慎重に、そして力強く登りきる。そのあとに3人が続いたが、2日前の30cm程度の雪が無かったら、越えることができなかったであろう。ここは、雪が有っても、雪が無くても越えることが難しいであろう。この条件で登れたのは、ラッキーとしか言いようがない。地森を出発してから約1時間後の12時20分、4人全員、下地森着。12時30分、下地森発。
下地森から貝吹岳までもアップダウンがあり、貝吹岳の手前でスキーを担いだが、13時35分、貝吹岳に到着。
貝吹岳からはツボ足のトレースに沿って進み、13時57分、仙岩峠着。ここからシールを外し、お楽しみのスキー滑降のはずであったが、足がクタクタで思うように滑れない。何とか、15時05分、全員無事に仙岩トンネル入口着。県境のメンバーが温かい蕎麦、フルーツ、お茶を用意して待っていてくれた。最高に感動。
良きメンバーに恵まれ、そして、沢山の方々のサポートで、2日間無事に歩ききることができました。皆さんに感謝、感謝、感謝です。ありがとうございました。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:44人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら