2月 中央アルプスミニ縦走 檜尾岳〜空木岳(敗退)
- GPS
- 80:00
- 距離
- 34.3km
- 登り
- 2,942m
- 下り
- 3,115m
コースタイム
- 山行
- 8:30
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:40
- 山行
- 10:40
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 12:30
- 山行
- 6:45
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 7:20
天候 | 2/19 小雪 2/20 曇り/晴れ 2/21 快晴 2/22 雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
2/22 JR駒ヶ根駅まで徒歩 |
コース状況/ 危険箇所等 |
このとき駒ケ岳ロープウェイは大雪による故障のため運行休止中(2014年12月〜2015年3月末まで)。ロープウェイ運休のため、林道駒ケ岳公園線は通行止め。バスは駒ヶ根橋まで。 登山口(標高約1200m)からいきなりラッセル。標高2500mくらいまでひたすらラッセル。また標高1500m〜1700mに腰ラッセルの急登あり。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ハードシェル
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
バラクラバ
毛帽子
靴
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
スコップ
昼ご飯
行動食
非常食
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
わかん
|
---|---|
備考 | わかん(スノーシュー)は必携。 |
感想
冬の中央アルプス短距離縦走、檜尾岳〜空木岳に挑戦した。樹林帯はわかんを着けて膝以上のラッセルが続く。結果は空木岳手前で雪崩れ敗退。尾根〜稜線ルートなので雪崩れは大地獄以外完全に予想外だった。駒ヶ岳ロープウェイは故障により運休中、そのせいか登山者の姿はまったく無し。敗退はしたものの、冬山を存分に味わえた楽しい登山だった。
1日目:
まずは檜尾岳を目指す。登山口(標高約1200)の階段を上るといきなり膝まで足が埋まる。すぐにわかんを履いた。トレースは形跡すらまったく無しだが予想通り。尾根が北よりから西よりに変わってからが大変だった。急斜面の直登なのだが腰が完全に埋まる軟雪で、前に出した足に体重がかけられない。あまりに苦しすぎてここであきらめて帰ろうかと思ってしまうほどだった。ピッケルで前の雪を切り崩し、両手をついて全身雪まみれで何とか少しずつ這い上がった。そのままラッセルを続けるも16時ごろ体力が限界に達し、足がまったく動かなくなり幕営を決定。初日はここまで6時間登り続け、たった500mしか高度を稼げなかった。
2日目:
本日中に登頂できるかわからないので、登れるところまででいいや、と思いながらゆっくりめにスタート。100mほど登ると雪の沈みが浅くなってきた、とはいえまだ膝ラッセルだ。途中赤沢の頭(1991.7m)は右側をトラバースし、いつの間にか通り過ぎていた。この少し先で木の間から空木岳が見えた。ラッセルが軽くなってペースが上がり、500m登った時点でまだ3時間半しかたっていない。行けそうなので本日中に登頂を決意する。標高約2400mの小(シャクナゲの)ピークに着いたころから空が晴れ始め、正面に真っ白な千畳敷が見える。このピークでルートは直角に曲がっており、悪天候時注意が必要。ここから尾根は傾斜が緩くなり、細かなアップダウンや、やや細い場所を通過する。1箇所左から巻く必要がある。そろそろ森林限界付近だがなかなか頂上は近づかない。ようやく檜尾避難小屋が見えたころには体はフラフラで倒れそうになる。小屋に荷物を降ろして頂上を往復した。
3日目:
6時出発。天気は快晴で絶好の縦走日和。ただ西から低気圧が接近していて、翌日は悪天候。空木登頂後はできる限り池山尾根を下っておきたいな、とこのときは思っていた。熊沢岳までは基本的に稜線通し。途中のアブミがついた岩場は潅木を頼りに登った。熊沢岳から東川岳はまけるピークはできるだけ巻いて通過した。東岳に着いたころから西の地平線に低気圧の雲の塊が見え始め、徐々に近づいてくる。空木岳の登りは雪が締まって登りやすい。やせ尾根を通過してルンゼ状の斜面を登る。ここは夏は鎖場になっているところだが、この時期は雪の急斜面になっていた。ルンゼに入るといきなり腰まで雪に埋まる。このルンゼは雪の吹き溜まりのようになっているらしい。改めて斜面をよく見るといかにも雪崩が起きそうな感じがして少し引き返した。休憩がてらこのまま突っ込むかどうかかなり悩んだ。空木の頂上はもうすぐ目の前だが雪崩が怖い。もし明日も好天ならここで幕営して、早朝雪の締まった時間に突破するという方法もあるが、西から低気圧の雲が迫ってきていて明日は悪天候、稜線は吹雪かもしれない。悩んだ末、結局今日来た道を引き返すことにした。やはり安全第一だ。ここで敗退は完全に予想外で、復路が体力的にも精神的にも苦しい。足が重くチンタラとしか歩けない。熊沢岳に着いたころ、雲の塊が中央アルプスに到達した。日没し、ヘッドライトを頼りに歩く。ガスで何も見えなくなる前に小屋に着かなければ、と気持ちは焦るが足はなかなか動かない。ガスに飲まれるぎりぎり前、18時半になんとか避難小屋に到着。もう食べる元気すらないほど疲れきっていた(食べたけど)。
4日目:
小屋から外を覗くと予想通りのホワイトアウト。ただ雪はそれほど強くないようだ。ホワイトアウトの尾根をルートを間違えず、森林限界まで下れるか、かなり不安になる。前日のまでの疲労がかなり溜まっていて、下山ルートを間違えた場合、登り返す体力はあまり残っていない。完全に夜が明けてから出発。ホワイトアウトだが、15mくらい先の対象物まで何とか見えるので少し安心する。コンパスを頼りに北東へ。こういう場合、人間はリング状に歩く習性をもつらしい。つまりまっすぐ歩けない。10歩ごとにコンパスで確認しながら歩く。ほどなくして森林限界に到達し、自分のつけたトレースを発見。これで生きて帰れると一安心。あとはトレースをたどって一気に下山をした。
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