冬季百名山54座目:鳥海山


- GPS
- 12:43
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 1,789m
- 下り
- 1,779m
コースタイム
- 山行
- 10:57
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 12:43
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
月山から頭だけ見えていた至高の頂。
鳥海山へ三度目の挑戦の時が訪れた。
前日に春の嵐が訪れ麓は大雨。
恐らく山頂近辺は降雪したと思われる。
そしてアタック日は平日。
妙高山の悲劇フラグが2つも立っているが
3つめの寝坊フラグはしっかりへし折り
北麓の中島台より5:30スタートを切った。
中島台ルートは序盤数キロの遊歩道を過ぎると
登山道が消える冬季限定のバリエーションルート。
難易度高いわ寒いわでガクガクしながら
ブナの巨木「あがりこ大王」に見送られ
未開樹林に足を踏み入れる。
とりあえず地図と地形を見ながら
雨で消えかけた滑走痕と足跡、
所々見かけるピンクテープを追いつつ
2本流れる川の間を縫うように進めばよさそう…
これが功を奏しほぼ迷うことなく
樹林区間を抜けることができた。
突如現れた大雪原。
左の外輪山・稲倉岳を構成する障壁から
流れるように稜線を追うと真っ白な新山が正面に!
雪原には踝程度の降雪がありトレースは完全に消失。
何にも無いってことは、なんでもアリってこと。
道は違えど、ゴールは一つだ!
外輪山に守られた凪の雪原。
今日は自分が先頭なので白いキャンバスに自分だけの足跡を描ける!
正面の文殊岳を目印に千蛇谷に向かって縦横無尽に突き進む。
良く見ると外輪山の稜線に人影が見える。
南方面から攻めるルートもあるようなのでそちらからの登山者?
どちらが先に山頂取れるか勝負!
雪質は程よくツボ足のままで歩き続けられるが
地味に斜度が上がっており無意識のうちにペースダウン…
千蛇谷の夏道と合流する頃には昼を過ぎてしまっていた。
ここからは更に斜度が増し所々凍結箇所も見られたため
ツボ足縛りを捨てアイゼン装着。
バテ気味になりながらも一気に神社まで駆け上がった。
神社は建物がほとんどが雪に覆われており
氷柱にエビの尻尾が付くという春季にしかみられない自然の作品が並ぶ。
あとは新山を取るのみ。確か神社側と裏側の2ルートあったはず。
レコでは全て裏側から登られているが神社側がどうなってるか気になる…
よし、行ってみっか!( ゜∀ ゜)
ストックをピッケルに組み換え久々のダガーポジションで山頂アタック。
が、少し登ったところで凍結した岩壁と垂直の雪壁に挟まれて動けなくなる。
これは滑ったら即死すぎるぞ。メットも確保も無しで行っていい斜面じゃない…
よし、やめよう!( ゜∀ ゜)←
冬山と島山で無茶すると痛い目見るのは経験済みだしなw
ゆっくり後ずさりし大人しく王道の裏ルートへ。
こちらは膨大な雪で岩塊が埋め尽くされており
急ではあるものアイスツールの刺さりは良好。
神社ルートとは難易度にえらい差があるw
ピークはあとわずかという所で
七高山方面から伸びるトレースを発見し敗北を知った…
頂上付近のロックガーデンは雪で覆われスノーモンスターのよう!
で…どれが山頂だ?w
ピークの石板は埋まってて目視では解らないよなぁ…
とりあえず足跡と見かけの高さと2年前の記憶を頼りに
左のピークに登ってピッケルを突き刺す。
ここを、俺の山頂としよう!!
山頂からは取り囲む外輪山の向こうに
日本海岸線、月山、朝日連峰。
焼石岳・栗駒山・船形山などの奥羽山脈が一望できる格別の絶景!
無雪期の色鮮さから白青に塗り替えられた景色は
より気高く、険しく、孤高の存在感を放ち登頂の喜びを引き立てる…
絶景を目に刻みながら山飯を1時間弱堪能させてもらった。
正面に見えるもうひとつの岩峰にも登ってみると歩いてきた雪原が一望!
月山のように溶岩流が構成する複雑な台地を雪と太陽が煌めかせていた。
これはすげぇ。。。マジで今日来れてよかった!
しかしこちら側は風を遮るものがなく爆風。
感動も束の間撤退を余儀なくされた。
下山開始は14:45・・・また日没フラグ出てるし急がねば。
バッカン登山者に習ってノーアイゼン&ストックを駆使して滑走!
これが大正解で登りの3倍近いペースで下れる。
あっという間に樹林帯に突っ込み夕陽に照らされる新山に別れを告げ
まだ日のある18時過ぎに帰還成功した。
春の嵐が山をキレイにし、山頂へ導く足場となり、
霞を落として遠望を効かせてくれた。
妙高山では雪で泣かされたが
鳥海山では雪が笑顔に変えてくれたんだ。
本当に、この日以外無いと言える、最高の春山日和だった。
冬季百名山54座目・踏破!
★ルートレビュー★
難易度:B
あがりこ大王〜千蛇谷の区間は登山道が無いため
地形と現在位置、歩く場所の確認が常に必要。
ただしトレースは多くピンクテープもあり二つの川の間を
抜けるように進めばまず迷うことはまずありません。
雪原は千蛇谷の外輪山を目印に自由に足跡を描くのみ。
新山頂上は斜度がきついため短いながらもピッケルを使う箇所があります。
体力度:B
標高2236m 標高差1775m 平均斜度9.7° 登り8:05(10.5km) 下り3:29(10.5km)
歩行距離は長いものの適度な勾配が続いているため思いのほか足に疲労は溜まりません。
千蛇谷区間が最も角度がきつく辛さのピークとなります。
反面下りはかなり歩きやすく歩幅が稼げるため登りの倍以上の速度で下山可能です。
展望:B
樹林区間からは数回海岸線と鳥海山の稜線が見えるのみ。
4キロ程度進み標高900mを過ぎたあたりで樹林を抜けると大雪原!
外輪山と日本海の眺望を交互に愉しめます。
山頂からは月山&朝日連峰と焼石・栗駒・船形山などの奥羽山脈の峰々、
歩いてきた溶岩流台地が太陽に輝く様を見下ろすことができます。
総評:B
バリエーションルートではありますが攻略法を理解すればそう難しくはなく
外輪山に守られているため風の影響も受けづらいため
冬山中級者程度であれば問題なく登れると思います。
雪原に出てからは景色に引き寄せられ自然と足も進むはず
なにより北方面から鳥海山を眺められるのはこの時期とルートのみ!
下山路が快適すぎてバックカントリー始めたくなってしまうのが
唯一の欠点かもしれませんw
★ルートレビューリスト(冬季百名山)
https://wp.me/PcUql6-1aj
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