焼石岳(金明水小屋泊)〜忘れがたき山行


- GPS
- 31:26
- 距離
- 27.2km
- 登り
- 1,845m
- 下り
- 1,836m
コースタイム
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 7:50
天候 | 1日目晴れ、2日目雨と強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
注意して登れば問題なし。焼石岳山頂から南本内岳への夏道が見つからず |
その他周辺情報 | つぶ沼登山口から少し降りると、ひめかゆ温泉(今回は利用せず) |
写真
感想
遅レコ、すみません。
それほどの頻度ではないが、それでも長く山に登っていればこんなこともあるかな、ぼんやりと思っていましたが、この山行がまさしくそれでした。
以前、何度かつぶ沼キャンプ場で家族キャンプをした際、近くにある焼石岳登山口から少しだけ登ったことがありました。その後、アプローチが大変、銀明水、金明水などおいしい水場がある、お花畑は必見などの情報を得て、いつかは登ろうと思っていました。ある時、若者一人を誘って挑戦したのですが、たいしたことは無かろうと、たかを括っていたこともあり、ジーンズのハイキング以下の装備。銀明水は超うまかったものの、大雪渓でビビり、その後の沢登りと見紛う登山道に閉口し、泉水沼で大休止した時は、頂上はあきらめようかとさえ思いました(実際、そこでUターンする登山者も結構多かったように記憶しています)。その時は何とか山頂に至りましたが、汗で重く張り付いたジーンズが気持ち悪くて、すぐに下山開始。お花畑を愛でる余裕もなく、長い長い下りをヘロヘロになりながら、やっとのことでつぶ沼に戻ったのです。
実はその翌日が健康診断日で、血液検査があったのですが、筋肉破壊酵素?(CK)の数値が異常に高かったようで、帰宅後、急性心筋梗塞の疑いで再度病院に呼び出されました。「大丈夫なのにー」と不服そうにしている私に向かって、医者は「筋肉組織が大量に壊れている」と、精密検査をしようとするので、前日山登りをしたと言ったら、「ラグビー選手でもこんな数値にはならない」と怒りの眼差しを向けてきました。実際、石沼を過ぎたあたりからは、膝のクッションを使う余裕がなくなり、関節や筋をかなり痛めたのが原因のようです。そのトラウマから、しばらく避けてきた焼石岳でしたが、何となくまた行ってみようと思ったのでした。
どうせなら、焼石岳頂上→南本内岳ピストンの後、金明水小屋で一泊(あわよくば経塚山のピストンも)と欲張りの計画で臨みました。週末だし、金明水小屋は人気がありそうだし、小屋泊まりは少し不安でしたが、ここは「ダイエット登山」と決めて、必要最小限の食料を持って出発しました。確かに、つぶ沼口からのアプローチは長く、それなりに厳しい登りでしたが、ゆったり広がる雲海、神秘的な石沼、見事な花畑、銀明水からの残雪渓などを堪能して歩くと、泉水沼まで割と苦も無く歩いていました。焼石岳山頂はほぼ通り過ぎるだけとして、焼石神社の碑や大石群を抜ける道を経て南本内岳に向かうおうとするものの、雪渓の後の笹薮に数回阻まれ、夏道を見つけられないまましばし彷徨。結局今回はあきらめることにしました。
天気は最高。東焼石岳までの花畑は癒しの世界。あとは、ゆっくり金明水小屋を目指すだけ。と、思いきや、いつ終わるともしれないアップダウンが待ち構えていました。六沢山から見える小屋は、結構近い感じがしたのだが、それからの道のりも果てしなく、シラネアオイの群生に励まされながらやっとのことで小屋にたどり着きました。
予想に違い、無人の(中沼からの直登ルートが雪融けの増水に阻まれていたようです)きれいな小屋で、念願の金明水で入れたコーヒーでたそがれながら、「ダイエット登山」の完遂を確信して至福の時を過ごしていると、なんと、小屋の管理をされているAさん、Sさんのお2人が到着されました。水汲みなどを手伝いつつ今日のルートや山の話をしている間に、山海の旬料理や銘酒がずらりと並び、「こちらで一緒にいかが?」と誘われました。「ダイエット登山」の目論見が破たんした瞬間でした。
新鮮な海鞘、牛タン、採りたての山菜のテンプラなどを肴に、遅くまで時間を忘れて山のいろいろなお話を聞き、ゆったりした時間を過ごしました。登山道のメンテナンスをしながら登って来られたとのことで、次は私もお手伝いすることに決めたのでした。
翌日は雨に強風という天気だったので、私を気遣って頂き、時々飛ばされそうになりながらもゆっくり下山して頂きました。途中、凛として咲くキヌガサソウも見せて頂きました。
銀明水小屋まで降りてくると、天気も回復してきました。携帯電波も届くようになった瞬間、多数の着信に気づき、「もうすぐ下山」と呑気なメールを送ると、家族から「すぐ帰れ」の返信。お2人には失礼を詫び、すぐに下山。焦っていたのか、途中の雪渓で2回ほど夏道を見失い、藪漕ぎしながらも、何とか駐車場に帰還しました。斎場で父は安らかな顔で眠っていました。葬儀や種々の手続きを終えた今、また山でゆっくり父を考えようと思っています。
Aさん、Sさんとの約束も果たすべく、また焼石岳に向かおうと思います。
(迷いましたが、一つの区切りとしてこのレコのアップをします。)
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