三多気桜から学能堂山往復


- GPS
- 04:50
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 813m
- 下り
- 808m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道 |
その他周辺情報 | 登山口の杉平に蕎麦屋 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
先週末は久しく遠ざかっていた『ふるさと兵庫100山』に復帰したが、それは花見登山の中断でもある。月が替わって今週末、幸いにも土曜日が好天に恵まれ、そろそろベニバナヤマシャクヤクの開花が見込まれる季節となった。ベニバナヤマシャクヤクは鈴鹿山地の各所に自生地があり、鈴ヶ岳に連なる茶野の群生など、見ごたえがあるのだが、ベニバナといっても花の色は白だ。赤い花をつけるベニバナヤマシャクヤクの咲く近場の自生地としては、大峯前衛の観音峯山と三重・奈良県境の学能堂(岳ノ洞)山の二か所しか思い当たらない。兵庫県下、但馬地方に赤いベニバナヤマシャクヤクの自生地があるのは確かながら、それがどこなのか、情報がない。岡山県には蛇紋岩地のカルストが広がっていて自生地がありそうなのだが、お寺の庭の話しか引っ掛かってこないから、ターゲットにはならない。観音峯はロープで囲った狭い範囲にしかないとなると、もう、学能堂山以外には候補はなくなるわけだ。
この時期、学能堂山は花目当ての登山者で込み合うというから、覚悟の上の出陣となる。普段より気持ち早めの出発だったが、当初駐車地に定めていた津市出張所に行ってみて、いや待て、三多気桜のほうが近いぞ、三多気の駐車場へ行こう、となり、カーナビに頼って進むと、とんでもないころへと誘導される。普段、目的地に近づいたらヤマレコのGPSに切り替えてチェックするのだが、なぜかそれを怠っていた。というわけで、すっかり山行開始が遅くなってしまったのだった。
それでも、雲一つない青空のもと、まだ5月の余韻を残した心地よい風に吹かれて歩き始めると、気分は上々。見慣れたノアザミやクサノオウも、一際輝きを増して見える。先ほど車で上がってきた道をバス道路まで下り、宿場の面影を残す杉平の集落から反対側の林道に入って登り始める。道路に面した空き地にはぎっしりと車がとめられている。「登山口」とその少し上のスペースにも車がずらりと並ぶが、いずれも三重・鈴鹿の地元系で、先手必勝という感じだ。
目的のベニバナヤマシャクヤクは、一週間前の段階で麓では開花、山頂では堅い蕾、ということだった。ここのところ気温が低いので、山頂の開花状況は楽観できない。なので今日は、林道を進んで麓の花を確実に見ておくべきだろう。あらかじめ調べておいた自生地付近を行ったり来たりしてみるも、発見できず。前後して登ってきた6−7人の高齢パーティーと我々高齢ペアとが一群となってきょろきょろしながら登っていく。そしてついに、パーティーの一人の女性が紅色をちりばめた緑の一角を発見。我々だけだったら見落としていたかもしれない。嬉々として写真に収め、じっくり鑑賞する。
この先、林道終点付近で一輪咲いていた。ちょうど居合わせた下山のペアによれば、朝は蕾だったとか。花は同じ一日でも咲いたり、閉じたり、散ってしまったりとむずかしいものだ。山道は次第に傾斜を増して、杉の植林帯の谷間を登り、稜線直下は泥濘の急登となる。尾根に乗り上げると緩やかな登りとなり、ようやく自然林が現れるが、またすぐに植林帯にかわる。だが、山頂は近い。前方が明るくなって山のてっぺんの輪郭が見て取れるようになると、灌木林、そして草原と植生が変化して広々とした山頂に飛び出す。山頂手前の泥濘は、前日の雨のせいで特に手強い。
山頂部からは360度の見事な眺望が広がっている。三角点を越えて南にせり出した尾根上にベニバナヤマシャクヤクの自生地はある。どの株もまだ蕾は固く、ようやく一輪が開花しているに過ぎなかった。麓で花を見ておいて正解である。三角点の峰に戻って昼食とする。雑踏を恐れていたが、藤原岳や氷ノ山など、このところにぎにぎしい山に登っているので、それほどストレスを感ぜずに済んだ。もっとも、山頂の開花ピークとなるだろう一週間後は、どんな込み合い状況なのか、保証の限りではない。
なんせ、自宅まで帰るには時間を要するので、あまりのんびりするわけにもいかず、気持ちのいい山頂を辞して下山にかかる。泥濘に足を取られぬように注意しながら下る。途中、『ミツマタ』分岐を右に見送る。今朝最初に駐車した津市出張所を起点とした場合、ここに登りつくことになる。鞍部から谷に下り始めたところで、kinuasaがキクラゲを発見し、収穫する。下りは速く、難なく林道終点に降り立つ。もう一度、ベニバナを拝顔していこうと、林道を下ることにする。朝発見した一群の株を再訪し、再度写真に収める。さらに下りながら、上りで見逃した自生地があるかも、と周囲に注意を払いつつ進む。そして、林道から少し離れた一角に、こもれびを浴びて鮮やかにほほ笑む(かのように開花した)淑女たちを発見したのだった。あでやかな花園という感じで、今日のミッションを十分に果たした瞬間であった。
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