都留アルプス【豊かな水と発電の歴史みち】


- GPS
- 03:33
- 距離
- 6.6km
- 登り
- 348m
- 下り
- 384m
コースタイム
- 山行
- 3:15
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 3:29
過去天気図(気象庁) | 2023年06月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車
ゴール:富士急行線 谷村町駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
都留アルプスは、地元の登山愛好家グループの方々が整備したご当地アルプス。山仕事の作業道や送電線の巡視路を活用した、全長およそ8Kmのハイキングコースです。アルプスという名前ですが、岩場はほとんどなく、緩やかなアップダウンを繰り返す「街の裏山」を楽しめるルートです。 【十日市場駅〜楽山球場裏登山口】 駅前の坂をまっすぐ国道まで下り、右折します。国道沿いは歩道が狭く、交通量が多いので注意。桂川をまたぐ佐伯橋を渡ると、川上に見えるのが田原の滝。橋のたもとには松尾芭蕉の歌碑がある公園やトイレがあります。 トイレの脇から小さな踏切を渡り、陸上競技場の外側を反時計回りに回り込むと桜並木があります。そのまま舗装道路を登っていくと野球場、それも反時計回りに進むと、バイオトイレの裏手が登山口です。 【楽山球場登山口〜ピーヤ〜パノラマ展望台(長安寺山)】 都留アルプスはほぼ全区間が土の、緩やかなアップダウンのある道です。都留アルプス山の前後の上り下りはやや長く急ですが、15分もあれば登りきれる長さです。 眺望がいいのはいくつかある送電鉄塔、千本桜植樹地、富士見展望台です。パノラマ展望台はこのコースで唯一、富士山が見えるスポットです。 冬や春先、雨の日などは泥濘状になり滑りやすい箇所があります。 ミツマタ群生地、楽山公園上(千本桜植樹地)、元坂には下山ルートとの分岐があり、時間や体力に応じてコースアレンジが可能です。余裕があれば、富士見展望台からそのまま北にすすみ、狼煙台から都留市駅方面に下山するのもおすすめです。 トイレ:田原の滝、楽山球場裏バイオトイレ、ミュージアム都留(郷土資料館)、谷村町駅 |
その他周辺情報 | 【おにぎり京】 営業時間:6:30〜17:00 月曜定休 都留文科大学前駅ちかくにあるおむすび専門店。 地産地消にこだわり、お米は小淵沢の契約農家でつくられた特別栽培米を使用。お米の一粒ひとつぶを感じるしっかりしたおむすびです。 【すがや】 営業時間:9:00〜18:00 火曜定休 かりんとう饅頭が人気。出来たては外がカリカリ、中のあんこは甘さ控えめのさっぱりした味わい。持ち帰りで時間がたってしまった時は、トースターで温め直すとカリカリが復活します。 【ならや】 営業時間:9:00〜19:00 月曜定休 すがやさんの近くにある和洋菓子のお店。人気は注文を受けてから詰めてくれるクリームクロワッサン。焼き上がりはお昼前で、取置きもできますよ。 【ハンドメイドレストラン鎌倉】 営業時間:11:30〜21:00 木曜定休 明るいご夫婦が切り盛りしていらっしゃる洋食屋さん。ランチの時間はいつも混雑しています。予約がおすすめ。 おすすめメニューはハンバーグと煮込みハンバーグ。ライスか分厚いトーストかが選べます。煮込みハンバーグと普通のハンバーグでは、デミを使い分けるこだわりっぷり。ふわふわジューシーなハンバーグは、行動食を食べた山歩きのあとでもペロリです。 都留文科大学前駅から歩いて3分ほど。 |
写真
綺麗な景色には邪魔もの扱いされがちな送電線ですが、これが水力発電のまち、都留の風景です。
10分ほどで登り切れる小さなお山のてっぺんには、日本で一番小さいと噂される東照宮。江戸時代は天領だった都留・谷村のお城には、冷涼な気候と江戸からの近さから、将軍の飲むお茶の葉を保存する蔵がありました。将軍との関係の深さを感じられる場所です。
感想
【田原の滝】
桂川にある三段の滝。もとは佐伯橋のすぐそばにありましたが、関東大震災に伴う崩壊によって川上側に移動。崩壊を止めるため、現在は柱状節理など元々の姿に近いデザインを取り入れたコンクリート製の堰堤となっています。
富士山の噴火で流れ出た桂溶岩流はこの付近で止まり、末端崖を形成しました。この崖に沿って太郎次郎の滝や長慶寺の湧水など、「東桂・十日市場湧水群」と呼ばれ多くの湧き水が存在します。
桂川は田原の滝より川下は深い谷となり、谷の上に位置する集落は農業用水の確保が課題でした。江戸時代の藩主秋元氏は田原の滝の上から用水路を掘らせて水の安定確保を果たしました。谷村堰堤と呼ばれるこの水路は現在も谷村町に張り巡らされ、綺麗な水を送り続けています。堰堤は田原の滝を間近に眺める展望広場から見ることができます。
【ピーヤ】
大正9年に建てられた水道橋で、正式名称は鍛冶屋坂水路橋。橋の中には発電用の水路が走っています。取水口は東桂駅のそばにあり、都留アルプスのハイキングコースの足元をトンネルが通っています。ゴールにあたる谷村発電所では、パイプラインを流れ落ちる水力を使って発電しています。
ピーヤというのは橋脚を意味する土木用語(英語のpier)。地元の人たちは親しみを込めてそう呼んでいますが、土木用語が一般に親しまれることは珍しいこと。富士吉田から大月にかけての桂川流域には明治から大正にかけて多くの水力発電所が作られましたが、建設に際し地元の協力がたくさんあったそう。地域との関わりの深さが、この愛称を生んだのでしょう。
鍛冶屋坂は道志村方面と都留をむすぶ交通路で、かつては都留への木炭や生糸、山村への生活必需品を積んだ馬が行き交っていた場所でした。坂の下には馬の市が開かれ、馬の蹄を保護する蹄鉄をつくる鍛冶屋が立ち並んでいたところから、この名がつきました。ピーヤの下を貫通する旧道トンネル入り口の壁面には、当時の様子も描かれています。
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