涸沢岳(敗退)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 33.6km
- 登り
- 1,394m
- 下り
- 1,386m
コースタイム
- 山行
- 7:43
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 9:48
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道はよく踏まれており明瞭 |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
装備
個人装備 |
テン泊装備一式(1泊)
|
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備考 | 涸沢のテント場は虫(蜂かな?)が多く、虫除けスプレーを持って行ってよかった |
感想
昨年テント泊登山で行った涸沢に、今年は「涸沢岳まで登ってみよう」と腕試しのつもりで行ってきた。
結果は敗退。
体力不足と経験の足りなさが最大の敗因だが、撤退地点のすぐそばで、2日前に一人滑落して亡くなっていたそうだ。そう言われてみれば、ここは確かに、足を引っ掛ける・滑らせる、などのミスをすれば命を落としてもおかしくはない場所だ。このような場所で、もし雨にでも打たれたら…考えるだけでぞっとする。
それに、ここに登ってくる途中で偶然出会った山岳パトロールの人も「今日は夕立が早いかもしれないよ」と言っていた。この情報を得ていなかったら、自分勝手に好天を決め込んで、登り続けていたかもしれない。岩場は雨に濡れると難易度が上がる。好天時に難なく登れた岩稜が、下りで雨に変わっても登りと同じ技量で安全に降りられるとは考えられない。
あと、これは後付けの蛇足かもしれないが、2日前にここに居たのであろう救助隊たちの思念が、まだ周りの岩々に貼り付いて残っていたのだろうか。
「山で命を落とすべからず」
自分でも驚くほど納得して撤退を決意できた。残念さも悔しさも無かった。
時間には余裕があることが分かったし、休憩を小刻みに挟めば体力的にも何とかなりそうだ。ペース配分もある程度分かったし、登頂は次の機会を待てばいい。
敗退地点(ザイテングラート)からテント場への帰りは、奥穂から降りてきたという人とおしゃべりをしたり、周りの景色や高山植物を観察しながらのんびりと降りた。
テント場に帰り着いて、水汲みと支払いを済ませたら、すること(やらなければならないこと)が無くなってしまったので、石に腰をおろしてぼんやりと景色を楽しむ。腹に雪渓を溜め込んだ吊り尾根は、何度見上げても美しい光景だ。この景色を眺めていると、すべてのことがどうでもよくなる。人はこの瞬間のために、難を圧して、山に登るのかもしれない。(違うのかもしれない。まあすべてのことはどうでもいいことですね)
しばらく景色を眺めていると、お腹が「ぐぅ」と鳴ったので、ちょっと早めの夕食の支度に取り掛かる。夕食を食べている途中で、前穂のあたりから激しい夕立が始まった。「こりゃたまらん」と急いでテント内にこもるが、これでいよいよすることが無くなってしまったので、ごろりと横になっていたらいつの間にか眠ってしまったようだ。
「ほら!すごい虹だよ!3じゅうになってる!」
外から聞こえる歓声で目を覚ますと、夕立はすっかりやんで、谷間には美しい虹が掛かっていた。穂高の大自然からのプレゼントだったのだろうか。こんなプレゼントをもらってしまって、私には穂高の大自然に返すものが無い。我が身の卑しさが心に沁みる。
寝具(シュラフ)は冬用のものを持ってきたが、暑くも無く寒くもなくすこぶる快適だった。ろうそくを焚いた寝る前のテント内の気温が20℃。
翌朝は朝から快晴。朝食を済ませて、懸念だったトイレに行くが、心配していた渋滞はまったく無かった。
「涸沢で生まれた雲子は、ヘリコプターで空を飛ぶねんで」
用を足しながら、ワケの分からないフレーズを思いつく。ここの紅葉期は、トイレで1時間待ちが当たり前だそうな。となると、その時期少なからぬ猛者は屋外で(後は敢えて言うまい)
テント撤収時に晴れているのはすこぶる気分がいい。(雨の中の撤収はサイアクな気分になる)軽くなったはずのザックが、容赦なく脚に負荷を掛ける。
「事故は下りで起こる」
セオリーを頭の中で何度も何度もくりかえし、無事に横尾まで降りたときは正直ほっとした。
ここでバテていたときは、秘蔵っ子のアクエリアス500ccを飲もうと思って持ってきていたのだが、思ったより脚は元気だったので、そのままザックの「おもり」となってもらった。涸沢ヒュッテで売っていた缶ジュースが400円だったので、涸沢まで行って帰ってきたこの秘蔵っ子は、500円くらいのプレミアが付いたのではなかろうか。我ながら意味がよく分からないが、最後のほう(明神館あたり)では、「これを飲んだら負け」みたいな意地になっていた。(結局飲まずに家まで持ち帰った)
こういうアホなことをしなければ、荷物はもっと軽くなっていたはずである。次回は粉末タイプを持って行く事にしよう。(忘れていなければ)
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
備考:
上高地BT→涸沢の登りで消費した水量:
真水500cc、アクエリアス300ccくらい
真水は1000cc携帯したが、予想より消費量が少なかった。朝早く気温が低かったからだろう。気温の高い昼行の場合は適量と思われる。
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