尾瀬で秘夢をみた


- GPS
- 17:38
- 距離
- 41.6km
- 登り
- 2,175m
- 下り
- 2,185m
コースタイム
- 山行
- 2:34
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 2:56
- 山行
- 6:23
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 6:53
- 山行
- 2:34
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 3:05
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
久しぶりに休暇がとれる事が決まった時に思い浮かんだのが尾瀬だった。以前、雪の残る春と紅葉の時季の尾瀬ヶ原散策を楽しんだが、今回は時間もあるし、燧ヶ岳と至仏山も登ってみたい。余裕をみて3泊4日の予定を立てた。
1日目。
初日は東電小屋泊。昼前に戸倉駐車場到着し、鳩待峠から木道をのんびりと降りる。思ったより涼しくはないが、気分は高揚している。山の鼻へ到着後、至仏山荘の食堂でカレーを食べて、いよいよ尾瀬ヶ原の木道へ。手をかざして湿原の青さを眺めつつ、向こうに燧ヶ岳、ふり返ると至仏山。とうとう来たと思った。日差しは時折り強かったが、この風景にフィルターを掛けたくないと思い、サングラスはしまって歩いた。
東電小屋に到着すると、お風呂が沸いているとの事で、一番に入らせていただき、サッパリしたところで生ビールをいただく。
2日目。
東電小屋の食事は晩も朝も美味しかった。昼の弁当を受け取り、見晴のテン場へ。
手早くテントを張って、登るのに不要なものをザックから出して見晴新道へ。長く鬱蒼とした樹林帯のなか、ぬかるみのある道を辿り、ようやく頂上へ着くと、雲の切れ間から尾瀬沼と陽に照らされる尾瀬ヶ原が見えた。岩場に腰を下ろして弁当を開く。おにぎりの昆布のしょっぱ味がちょうどよい。失敗したのは、東電小屋で補充した500mlペットボトル1本しか持って来なかった事。残り半分くらいしか残っていないからあまり飲めず、メシがノドを通りにくい。弁当は半分残して降りる事にする。
何度もコケそうになりながらも無事に戻り、炊事場で水をガブ飲み。テントに入って、途中ドシャ降りにやられた着ているものを全て脱ぎ、全裸になってマットに横たわり、身体をゆっくりとほぐす。トレーニングの効果は出ているが、昨日今日で少し痩せてしまったように思う。軽い食料にしたせいで、摂取カロリーが足りていないせいだろう。育ててきた筋肉が落ちるのは困る。あとでステーキ丼を食べに行こうか。それにしてもビンビンと薄い生地を打つ雨音が心地よい。などと考えていたらいつの間にか眠ってしまったようだった。
ふと目が覚めると、誰かがスッと入ってきたところだった。女性?なぜ?あっ、と下を隠す前に唇を重ねられ、そのまま身体を受け止めると相手も裸だった。身体が熱っぽい。丸い尻の奥がすでに…。いや、こういうのは流石にまずいと思ったが、もうどうしようもない。ようやく相手を見ると、どういう訳か20年ほど若い懐かしい姿の妻であった。
変な夢を見てしまった。
外はもう薄暗く、少し賑やかになっている。すっかり冷えてしまった身体を起こすと、どこから入って来たのか薄膜に張り付いている小さな白い蛾に気がついたが、その模様がまるで私の事を笑っているかのように見えた。
3日目。
出発組が去り、再び静かになったところで起き出して朝食をとる。雨はあがっているが、いつでも降り出しそうなあんばいなのでシェルを羽織って出発する。この日は見晴新道をまっすぐ。途中、キャップを被った顔中白髭の人が橋に腰掛け、水量のある沢の流れを見ていた。近づいた私に気づき、こちらに向けた顔があまりに知っている人に似ているので、立ち止まって声を掛けたが、顔を背けて別人だと言う。私は無礼を詫びて離れたが、少しして振り返ると、彼はそのままじっと沢を見つめ続けていた。
沼尻に到着。以前来た時は火事で消失していた休憩所も再建されていた。湖は小雨に煙っていて、遠くを数羽の鳥が行き交い、近くでは鷺が片足をくの字に立ちながら獲物を探して水面を見ている。時折風にあおられた雨が休憩所に吹き込み、デッキの端に立った足を濡らすが気にせず眺め続けた。この静寂を再び観られてよかった。この後ビジターセンターまで行くつもりだったが、もうすっかり満足してしまった。
最終4日目。
至仏山に登って帰る。出発が少し遅れたがバスの時間には余裕がある。台風予報の影響か、遠くを眺めても木道に歩いている人はおらず、しばらくの間、広い原を独り占めした。
山の鼻に到着し、気を引き締めて登り始める。しばらくして振り返ると雲が晴れて視界が開けた。池塘が白いのは雲を映しているのだろう。
それにしても頂上が遠い。着いたか?を何度か繰り返したが、ホンモノの頂上は雲の中だった。標識を撫でて直ぐに出発。降り始めると時折見える尾瀬ヶ原が徐々に遠くなっていく。名残惜しい。またいつか。今度は妻と来ようと思った。
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