記録ID: 7184974
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲信越
幻巻(小屋祭巻機集中薮隊)
2024年08月29日(木) 〜
2024年08月30日(金)
群馬県
新潟県
体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 18:39
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 1,572m
- 下り
- 1,573m
コースタイム
1日目
- 山行
- 8:01
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:01
距離 4.3km
登り 1,081m
下り 7m
5:13
481分
スタート地点
13:14
宿泊地
天候 | 8/29:曇り、8/30:ガス・小雨、強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
平日 https://www.minamiechigo.co.jp/pdf/muikamachi/jikoku/weekday/sawaguchiR6-4-all-w.pdf 休日 https://www.minamiechigo.co.jp/pdf/muikamachi/jikoku/holiday/sawaguchiR6-4-all-h.pdf |
コース状況/ 危険箇所等 |
◎記録 2014年の山小屋50周年時の白巻企画に倣い企画した、巻機集中企画の本命 当初は3泊4日の白巻(土合駅から白毛門・朝日をへて巻機まで縦走)の予定だったが、CL代理の院試の都合で日程を短縮し、8/29,30の1泊2日でER3入山→幻→巻機のコースで実施した。 ◯台風10号 8/23の本審の時は本州を南北に横断し8/28の午後に新潟を通過する予測になっており、沢の増水や風が残ったり、アプローチ時の交通機関への影響などを懸念していたが、その後数日のうちに進路予報が遅くなっていき、直接の影響はなく実施することができた。ただ、秋雨前線と台風からの湿った空気の影響か、終始微妙な天気だった。 8/29(木) 曇り 4:00起床、sLは今一つ寝つけず寝不足気味でつらい。朝飯を急いで喉に押し込む。5時体操で出発の予定でいたが、少々遅れる。 とりあえず体操をして出発し、深沢堰堤まで林道を辿る。高曇りで気温も快適、絶好の薮日和だ。ほどなく堰堤到着。2人堰堤本体の上に行こうとするので止め、いつも通り堰堤の下を渡る。渡った先で薮装装着。出発時に済ませていた方が良かったかも。1人が夏合宿からコンパスを忘れたままなのに気付いたので、sLの古い方のコンパスを貸す。そのために非常用パックを出したりして幾分時間がかかる。とりあえず薮風に2人トップとして出発。 和彦さんから聞いた作業道の入口は堰堤のすぐそばには無く、探すのも面倒だったので本ルート通り真っすぐ尾根にとりつく。かなり急傾斜なわりに薮が薄い脳筋ルートで、ちょっと手間取るが無事通過。尾根上は下草の少ない樹林帯で、平和。かなり先まで踏み跡がある。トップもなにも不要だった。950m付近は二重稜線になっていて池がある。岩峰二つは大したことはない。岩峰ではなく「露岩」程度の呼称に改めるべきだと思う。1010m付近でたるむ。合宿でのルーティーンとして秤でザックを測る。驚きの18キロしか無かった。 夏合宿参加者の今日一日の統一見解として、ザックが小さい&軽すぎ、ピッチがめちゃくちゃ短く感じる。薮2ピッチ目は初めて1年トップで進む。ちょっと薮が生えるようになってきて、スピードが少し遅くなる。まあ1年としては平均程度か。 1240mからはRFに備えて3人トップで本隊2人(!)というキモい陣形で進む。しばらく前から腰丈程度のササが増えていて、尾根が不明瞭になった先からは背丈のササになる。平坦でさほど濃くもなく、まあ楽。トップに左・中・右散開してもらい幻沢を探す。左トップが左に登りすぎて少し不安になるがまあ問題ないだろう。しばらく進むが、中トップがうまく進めず本隊で回収した。本隊はしばらく進んで沢状地形を見つけ、その後それを辿る。しばらく後で左トップが前方に下りてきて合流する。角度も概ね正しく、これが幻沢とみて間違いないだろう。右トップはしばらく右を進んでいたが、幻沢確定とみて合流し、その後たるみ。 1年1人トップで出発するが、沢状地形が目立たず、手こずる。後ろから助言しつつ、一番はっきりしていそうなところを辿って進むが、そのうちだんだん不明瞭になり、消えてしまった。角度的にみて左の間違い沢に入ってしまったとみて、右側へ移動することにする。右の尾根地形に乗ると、樹林越しに奥に緑の森が見える。おそらく1430の張り出しとみて、その手前のくぼみ=幻沢に下る。案の定、底に岩の露出した明瞭な沢が現れ、これであっていると一息つく。 1450より少し上くらいでたるみ。たるみ時に雪渓が無く水が出ないかもという話が出てちょっと焦る。浄水器をもって来るのを完全に忘れていた。 幻沢をひたすら上へ辿る。この季節なのにアジサイが咲いている。滑ってちょっと面倒な岩場越えがいくつかある。思ったより晴れていて、ところどころ木の途切れたところから下界が見える。 しばらくして水がでてきて安心する。水がドバドバでむしろ歩きづらい。少し開けたところで水汲み、満発汲むがまあ合宿に比べれば大した重さではない。少々長引く。たるみにしてしまっても良かったかもしれない。もう少し進み、両側のササが濃くなり水が伏流したあたりで右のササ壁に取り付き、幻湿原へ進む。思いのほか濃く、手間取ってトップと離れたりしたが、結局本体はsLがラッセルして一面の草原、幻湿原に這い出した。 幻湿原は聞きしに勝る気持ちの良い草原で、高曇りの空の下、これから行く稜線も清水の谷も六日町方面も、予想以上の良い景色が楽しめた。幻経験者曰く、6月とはだいぶ景色が違うらしい。 集合写真を撮ったあと長たるみ。今回、当初は台風接近に伴う発雷を警戒し午後の稜線上には上がらず幻湿原でのサイトを計画していたが、たるみしつつ天気予報を見ると発雷確率が十分低かったため、明日の行程を短縮するため1809pでのサイトに変更した。念のためサイト地変更の途中連絡を送る。 ラッセル陣形でササ壁へ突撃、速いトップを抑えつつ、適宜トップ交代しつつ進む。後で見ると露岩方向に進んでいた。岩の手前で1年がササが滑って登れずだいぶ手間取る。手助けのしようもないので、いろいろアドバイスだけしつつ頑張ってもらう。露岩はむしろ滑らなくて楽。尾根に出て一息つくのもつかの間、尾根上はササ薮に灌木がまじり、薮漕ぎ難度が一気に上がる。灌木を左右に巻きつつ、いろいろ頑張ってやっと1809p(の手前の草原)へ上がる。このころから小雨が降り始める。徐々に強まるので、時間は十分あったが柄沢ピストンはやめにした。とりあえず隊をたるませ、sLはサイト適地を物色。今たるんでいる手前の草原も多少傾斜があるがよいところで、ピーク上のササ原も悪くない。だが、3年のアドバイスを頼りに手前の草原から南側の稜線へトラバースしていくと、南のコルが一面草原に覆われた素晴らしいところだったので、そちらでサイトすることにした。コルにある2つの池塘の間がほぼ完璧に水平な平面だったので、そこにテントを張ることにした。(これが今夜の苦しみの始まりだった) 少々風が吹き始めた中、ちゃっちゃと設営を済ませてすぐサイトした。夕サイはトマト卵スープ。初めてのメニューだったが、めちゃ美味しいものが出来上がった。トマトと卵って合うんだね。 4時からsLとW他1名で天気図を書く。台風十号と秋雨前線がうろついており少々忙しい。Wの天気図の出来としては、前線のウロコの書き忘れと、地上の気圧に寄せすぎて気団の周囲の等圧線の流れが崩れていた事などから、係取得は見送りになった。その後永田のラーメンなどで宴会。 6時すぎから就寝の準備を始めたが、このころにはかなり風が強まり、テントを激しく雨粒が叩いていた。実のところ外に出ると雨は大したことはない程度なのだが、今後明日午前中まで雨も風も弱まることはない予報だったので少々憂鬱になる。sLはテント周りを歩いていたところ、草の被さった隠れ池塘に足がはまって両足泥水まみれになる。 7時に就寝するが、sLは8時に顔に水が当たって起きる。8時半ごろから強風でテントの壁がつぶれ、顔に打ちつけてくる。深夜過ぎまで雨と強風は続き、下からの浸水でテントは水溜まりになり、なかなか眠れない一夜だった。 8/30(金) ガス・小雨、強風 3時半起床。水溜まりを処理しつつ朝サイ。今回は珍しい永谷園のビーフンで、トロッとしたスープが美味しい。朝サイを早めに食べ終わったので、テント内で少し待ってから強風の中に飛び出し撤収開始。幸い雨は無く、代わりに一面湿った濃いガスに真っ白に包まれていた。 体操2年、トップ2年で道同様の1列で出発。結局巻機まで道陣形だった。草原を突っ切って群馬側の踏み跡を見つけ、ほどなく1809pへ。霧雨が尾根を横切る強風で吹き付けてきて寒い。居頭山(2つの1809pの中間のピョコ)は巻こうとしたが、東に延びる間違い尾根を越えた先が急斜面になっていたので、おとなしく頂を通る。居頭山より先は腰丈のササ薮。1809p(北)から先は灌木交じりの肩丈のササ薮になる。コルでたるみ。皆特にさむがる様子もなく安心。 米子の手前のピークからは灌木の濃い薮で、一気にスピードが落ちる。特に1年が苦戦するので、今日はトップに出さず上級生2人で回すことにした。このあたりから何か所か稜線右側に露岩がある。さほど危険ではないが都度注意して通過。米子まで行きたくて少しロングピッチを切ったが、なかなか進めず灌木の中でたるみ。吹きっ曝しの登山道と違って、たるみ中に風を避けれるのは薮の良いところだ。 米子頭は灌木に覆われ、あたりを少し嗅ぎまわるが三角点は見つからなかった。米子までの薮で十分辟易していたのだが、前情報通り米子の先の薮は特濃の灌木薮だった。苦戦しつつどうにか進む。1750のピョコを巻いたあたりから、稜線右側のササをつなぐことができずいぶん楽。1646cは確かに平らでサイト適地だが、ササ原に灌木がまじりちょっと微妙。その先もしばらくササが続くが、1700mあたりから灌木が多くなる。左側にササが続いているように見えてトップに左巻きを支持するが、ササと見えたのはシャクナゲで、灌木につかまり進めなくなる。時間も来ていたので一度たるむ。たるみ後、2年が群馬側に踏み跡が無いか偵察したいと主張したので見に行ってもらう。本隊はとりあえず尾根上をめざした。じきに偵察から報告があり、群馬側は薄いらしい。急いで灌木をかき分けて群馬側に出る。その先は稜線右側に続くササ薮を辿って進む。しばらく進むと稜線右側のガスの中で大型の茶色い猛禽類が強風のなか舞っているのが見えた。 次第に灌木が減り、稜線は腰丈の純ササ薮になる。この辺りにはササ薮の間に微かな踏み跡があり、また附近の灌木にはあまり古くない刈り払い跡が残っており、かろうじて人通りがあることが感じられる。 最後の登りの手前、1850mでたるむ。このころには風もかなり弱まっていた。(というより、風向が東から南よりに変わって、稜線と直行方向成分が弱まって感じた)悪くないペースで来れてる、このぶんなら小屋祭グルに流したとおり11時半ごろに巻機に出れそうだ、と甘い読みをしてひとしきり盛り上がる。実際のところはそう楽にはいかなかった。1900mまでササの斜面を登ったものの、すごく綺麗な湿原を見つけただけで、この先のピョコを巻ける踏み跡はみつからなかった。ヤマレコをゴリゴリ使って探せば道に出れたろうが、諦めて1928pへ直登する。この辺りは高い木の疎らに生えた樹林で、木の下にササと細い灌木の薮が広がる。皆疲れもあり今一つスピードが上がらない。 コルから道を求めて右寄りに進むと、やっと11:54に1930m付近で木道を発見した。道の状態は悪くない。すぐにガスの中に巻機山頂が見えてきた。ガスの中に黒く人影が動くのが見えた。11:57、薮抜け。分岐で待っていてくれたのは1人だけだったが、水浸しで南風吹きっ曝しの木道を超えた先の御機屋には2年会が待っていてくれた。記念写真を撮って避難小屋へ下り、OBと一緒に60周年記念の立派な横断幕を掲げてまた写真。集中といっても1隊だけで、さらに山頂に3年が一人も迎えに来てくれなかったのはちょっと悲しかったが、薮抜けの先で人が待っていてくれる、というのはなんとも新鮮な体験で嬉しかった。 その後は現役でまとまって小屋まで下山し、金城の里で入浴&反省会、その後はそのまま小屋祭を楽しんだ。 |
その他周辺情報 | 金城の里 https://yuru-to.net/detail.php?oid=6071 山の宿 雲天 http://unten-fan.com/room/ |
写真
感想
日程を短縮する破目に陥ったのは非常に残念だったが、台風を避けて実施でき、巻機集中がかろうじて形を保つ事ができたのは良かった。微妙な天気のなかだったが、幻や1809南コルの草原、巻機近くのササ尾根など小屋周辺の美しい薮を満喫出来た。
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