戸隠山・高妻山・乙妻山縦走


- GPS
- --:--
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 1,635m
- 下り
- 1,624m
コースタイム
- 山行
- 11:16
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 12:15
天候 | 快晴(但し風速15〜8m) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
道路向かいにトイレもあり、非常に便利。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
蟻の戸渡りまで来ると、誰にも助けて貰えなく、一度踏み出すと(当然下りの方が難易度高いので)引き返すことさえ出来ないので。 百間長屋前後の登りで、恐怖を感じるなら引き返す方が無難だと思います。 明らかにそこで滑落した人の慰霊碑もありましたし・・・。 剣の刃渡りは最怖。 ここ、跳び箱のように跨いで通過する以外不可能だと思う・・・。 |
その他周辺情報 | 戸隠牧場入り口にある蕎麦屋「岳」がオススメ。 牧場内自販機も割り増し料金は無いので、下山後の清涼感に。 前夜泊の場合、周辺は蕎麦屋のみ(夜は閉まる)、コンビニは15キロ近くないので注意。 |
写真
ただ、重力で垂れ下がるカメラのケースの位置を修正して、再び振り向いて写真撮れてない(映りこんでいるのは気がついていました)あたりに、そこまで余裕はなさげな斜度でした。
奥のような岩場を四つんばいになって進んできて、ようやくの休憩場所(しかも左足のみ)
左側が絶壁なんで、極力左を見ないようにしていましたが、やっぱ高いなぁ・・・。
下まで150メートルでしたっけ?
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
予備靴ひも
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
保険証
携帯
時計
サングラス
ナイフ
カメラ
ヘルメット
エマージェンシーシート
ビビィサック
|
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備考 | 念の為に、ビビィとシート細引きは常備。 結果いらなかったが、距離的にも外せない装備ですよね。 |
感想
高妻山に登るにしても、どうしてもチャレンジしたかった戸隠山からの縦走にチャレンジしてきました。
予報では天気は晴れながらも、0時から9時までは風速14メートル。
9時から12時が9メートル。翌日(土)は平均8メートル。翌々日(日)は雨。
び、微妙すぎる・・・。
若干の不安感はありつつも、5時頃スタート。
トイレに張ってあった熊出没(具体的な場所付)注意の看板にビビり、山ラジオを装着、
しかし熊への不安が拭い切れず、車道を歩いて戸隠神社奥宮入り口まで移動。
ここでヘルメットを持った6人程の集団を抜く。
奥社前で登山届けを提出し、家族へも連絡し、挑戦開始。
基本単独行なので、しつこいぐらいに「ほうれんそう」の約束はしています。
今回は、「百間長屋」通過(+20分)もしくは「蟻の戸渡り」挑戦連絡後、
2時間半以降までに「一不動避難小屋」に到達、もしくはそれ以前通過の、
「九頭竜山」、危険箇所クリアしたよ連絡=「八方睨」あたりのどこかで
電波が届くと思うから、連絡が無かったら滑落してるかもね(笑)
と、笑えない発言をして、山岳保険と警察の連絡先も併記していましたが。
結論として「百間長屋」「蟻の戸渡り」前後はドコモは電波は○でしたので、
挑戦前後ですぐに連絡することは可能でした。
奥社からは、最初は軽いジャブのような簡単な鎖場。
しかし、戸隠区山岳遭難防止対策協会が発行しているパンフレットに
***********************
北アルプスなど多くの山
・心構え=3000m級だから真剣に取り組む。困難だが普通の山である。
・地質=玢岩、花崗岩など=比較的しっかりしていて靴底のフリクションもきく。泥や土の部分が少なく滑りずらい。鎖や針金もしっかり固定されている。
・事故=転落、滑落=軽傷、重傷で助かることも多い。
戸隠連峰
・心構え=2000m級だから甘く見る。しかし、極めて特異で危険な山である。
・地質=凝灰角礫岩=風化や崩壊が激しく、手掛かりや足掛かりにした岩が抜ける。岩場に取付く前、靴底に泥がつまり滑りやすくなる。
・事故=墜落。したがってほとんど即死。
***********************
と、書いてあると事前に目にしていたので、慎重過ぎる位三点確保で進む。
序盤に、鎖使うと遠回りになり、少し怖い移動をしなければいけない所があり
これ鎖に頼ってた人どうするんだろうと、若干釈然としない気持ちになる。
そして段々とレベルの上がっていく鎖場にテンションが上がっていく。
途中の「五十間長屋」から振り返った、朝焼けと紅葉の景色が素晴らしい。
うーん、来て、良かった・・・。
「百間長屋」を越えた辺りから、勾配がキツい鎖場が増えてくる。
しかし楽しい、思わずテンションが上がって写真を撮りまくるが、
岩が抜けたらどうしようと、撮った内容も確認せずにさっさと動く。
(それで落下した人のブログも以前読んだことありますしorz)
「蟻の戸渡り」手前の登りが最大斜度?途中写真撮るのは自粛すべきでした。
しかし登りきり振り返っての絶景に心奪われる。素晴らしい紅葉です。
その直後に慰霊碑があってギョっとした後に、右に回ると「蟻の戸渡り」
「蟻の戸(塔?)渡り」直前に家族へ連絡。ドコモ電波2〜3本。
上級者は立って歩けるらしいですが、風力的にも、経験的にも危険ですし、
迷わず安全第一を選び、最初から四つんばいになって渡る。
途中途中に、手すりや、足置き場があるので、そこで人心地ついて写真を撮る。
中央辺りで強い風が吹き10秒ほど足を踏ん張るが、風が収まらないために、
諦め先に進む。ついに「剣の刃渡り」、そのままでは不安で足が進まない。
やはりここも安全第一で、事前に経験者からアドバイスを貰った通りに、
素直に跳び箱にまたがるようにして、ゆっくりと足を進める。
。(仮にここを立って渡り切る場合、天頂部は本当に切り立って居る為に、
天頂部に手をかけ、左右どちらかに降りて渡り切るんでしょうか?)
跨って進むことなど無いために、内股が攣ったらどうしようと不安になる。
途中左足を休める場所を発見?しましたが(写真参照)微妙過ぎ。
まず、そこに至るには、馬乗りの体勢から体を下ろさなければならず、
足を下ろせる15センチ程度の足場に下りるのを失敗したら落下。
・・・逆に怖くて休憩せずにそのまま進む。
馬乗り両手ホールドなら大丈夫かと、剣の刃渡り下りから登りに至る場所で
記念撮影。流石に後ろは振り向けず、ザックが映りこむ。
剣の刃渡りの下りが終われば、ガイドのクサリがあり、難所クリア。
経験者からすれば噴飯モノの経験かもしれないが、自分の実力で判断して
独りで無事クリア出来たことに、今回は物凄い達成感を感じました。
しかし、ここでようやく全行程の4分の1(当初は高妻山で下山予定でした)
集中力を切らさないように進む。
八方睨、戸隠山、九頭龍山は難所も無くのどかなお花畑。
フジアザミ?や、ふわふわな花などが張り詰めた心を和ませる。
一不動避難小屋には、携帯トイレブースも併設。
文字通り緊急避難の為の小屋だが、ここの存在は本当に心強い。
利用はしないが、トラブル時に無理に下山や夜営をしなくても、
夜を明かせて無事下山出来る保険が。心の余裕を生む気がします。
避難小屋から六弥勒分岐までは楽勝ムード。
段々と勾配が上がって行き、九勢至からは一転して急登。
十阿弥陀は大きな岩がごつごつとしていてそこを乗り越えていく感じ
また、一部雪の跡があった為、今年これ以降は普通に降雪しそう。
「高妻山」到着は11時。
(ベースタイム試算の提出した登山計画書では13時到着イメージ)
ここまでのペースと、残り時間を逆算して、日暮れ前には降りれると
家族に予定より2時間早いが、2時間プラスして乙妻山に行くと連絡。
乙妻山への下りで、いきなり降雪部分が増えて来て焦る。
下りも割と急なのでペースダウンし、1時間掛かってしまった。
「乙妻山」は前景大パノラマな素晴らしい景色。
山頂で2人・下り時に5人とすれ違うが、明らかに自分のペースが
落ちていて、軽身にも関わらず距離が離され追いつけない。
今回も改めて思ったが、どうも下りが苦手(通常より2割遅い感じ)な
為になんとかしたいと思っているのですが、方法が判らずもどかしい。
五地蔵あたりで初老の一組に抜かれた後に、更に単独の女性に抜かれる。
なんとかついて行こうとするが、足の指も痛いしペースが上がらない。
そこで靴を結び直そうと休憩しつつ、若干泣きが入り自己分析。
■下りが成長性E(超ニガテ)。
(過去にも南アの千枚悪沢赤石から聖縦走中に老人含む30人程に
下りで抜かれて心が折れ、聖諦め赤石から下山したことありorz)
■既にベースタイム12時間相当(実働9時間半)動いている為しょうがない。
■足の爪切り忘れたし、この靴おろしてから3回目の山行だし・・・。
などと、萎えた気持ちを取り戻すために、お守りとして持っている
マルトデキストリン入りのエナジージェルを飲みつつ10分休憩。
これが効いたのか、急速に回復。 『もしかして: シャリバテ?』
単に休息不足か、パンとグラノーラのみで10時間動いた反動かは
判りませんが、そこからは人並みのペースには回復。
しかし、帰りの「不動滝」「滑滝」経由戸隠牧場ルートは要注意。
戸隠山の方だけに神経が行き過ぎて、このルートのリサーチ不足でしたが
濡れた岩場をクサリで降りていく場面が数か所に、泥・濡れ岩場多数、
何より(登りでこのルート来た場合は迷いようがないですが)下りで
初めてこのルートを通ると、ルートを見失い沢沿い引き込まれてしまい
滝まで来てしまい(足を滑らせて滑落)パターンが、ふと頭をよぎります。
正解ルートは、滝の右側にクサリが設置してあり、そこをトラバースでした。
滑滝を越えたあたりで、多分朝に戸隠神社で抜いた集団とすれ違う。
防疫処理されている牧柵を越えると、中で牛が放牧されている戸隠牧場。
踏み跡を延々と歩いていると「牧場入口」に至る。
お腹が空いたので、牧場入口にある蕎麦屋「岳」で早めの夕食。
キャンプ場を右手に見て、大きく迂回すれば登山者用駐車場着でした。
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【総評】
長文になりましたが総括しますと、元々修験道だったらしく
荒々しいが雄々しいパワースポットだったと感じました。
整備されたハイキング道とは違う、「山」を登っている感じ。
挑戦してふと振り向くと雄大な自然が広がっている素晴らしさ。
かなりお勧めのスポットです。
ただし、何があっても『自己責任』(生命的な意味も含めて)で
今回は雪も無かったですし、風もまだ許容範囲だったので、
私も「運良く通行できた」だけで、次回はどうかは判りません。
ただ、素晴らしい景色と達成感に、忘れられない山行となりました。
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