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記録ID: 758667
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ハイキング
奥武蔵

武甲山・大持山(浦山口駅〜浦山大日堂BS)

2015年11月03日(火) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
14.8km
登り
1,426m
下り
1,199m
過去天気図(気象庁) 2015年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
橋立川の登山道入口には橋が2本
橋立川の登山道入口には橋が2本
破壊された橋
杉林の中の急登
毒々しく実るマムシグサ
毒々しく実るマムシグサ
伐採地から小持山を望む
伐採地から小持山を望む
発破の際の退避所
発破の際の退避所
眼下に広がる秩父盆地の白
眼下に広がる秩父盆地の白
武甲山にはカラマツが多い
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武甲山にはカラマツが多い
杉林の緑とカラマツの黄のコントラスト
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杉林の緑とカラマツの黄のコントラスト
大持山手前の露岩は絶景地
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大持山手前の露岩は絶景地
防火帯は色とりどり
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防火帯は色とりどり
真っ赤な秋
一面苔むした巨岩
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一面苔むした巨岩
冠岩の廃集落

感想

埼玉で育った私にとって、武甲山は小学校から眺めることができた馴染みの山。しかし、石灰石の採掘で標高を下げ、歪つな山容を曝すあの山に登ることができると知ったのはだいぶ後のこと。
武甲山にはこれまで二度登っているが、前回訪れたのは10年以上前のこと。いずれも妻坂峠を経由し、表参道から一度、大持山からシラジクボを経て一度、下山はいずれも浦山口へであった。今回は、逆のコースを辿り、浦山口を起点に、山頂からシラジクボ、大持山、鳥首峠を経て、秩父側の浦山大日堂へ下るコースをとる。
11月3日は入間基地で航空ショーが行われるとのことで、池袋始発の電車は早朝から混雑している。西武池袋線はこの日のために大規模な臨時ダイヤを組んでいるという。西武秩父駅から御花畑駅への乗継ぎ時間は6分。駅間を歩くだけなら十分な時間だが、乗継ぎ切符を持っていない場合、1台しかない御花畑駅の券売機の混雑次第では心もとない。
浦山口駅は、早朝は無人となっている。駅から線路をくぐって、鍾乳洞の下を抜け、橋立川沿いの林道を行く。砂利道を舗装路を交互に踏みしめ進むと、林道終点の登山道入口に至る。登山道入口には、いずれも歩行者用の2本の橋がかかっている。木橋に気づかずに立派な橋を渡ってしまったことに何故か少し後悔してしまう。
さらに少し進むと、もう一度沢を渡る。以前橋がかかっていたことを示す橋脚がむき出しになっており、沢には石伝いに木橋がかかっている。傍らの岩陰には橋の残骸が哀れな姿を曝している。
この先は植林の中、このエリアでは屈指の斜度の急坂を登っていく。下るも辛い、登るも辛い坂である。尾根筋に出ると途端に緩やかになりほっとする。植林とカラマツ林との境目の広い道を行くと長者屋敷の頭である。この辺りからは南に小持山の三角形の山頂が望まれる。
長者屋敷跡は影森の琴平丘陵にあり、現在では周りに人家もないところ。こんなところに住んでいた長者とは、人々から嫌われた悲しき長者であろうかと思っていたが、調べたところ、根岸城という中世の城跡のことを指すとのことである。
長者屋敷の頭からは再び直登が始まるが、すぐに南へ尾根を巻くようになる。発破から身を守るための退避所が設けられているが、退避した方が危険ではないかと思われるほど荒れてしまっている。急坂を登り切ると山頂直下の十字路に出る。ここから山頂の御嶽神社はすぐ先である。
山頂には2箇所の展望所がある。第1展望所からは、秩父盆地が眼下に見渡せる。武甲山の石灰石採掘場も白ければ、秩父盆地の街並みもまた白さが鮮やかである。両神山から浅間、榛名、赤城の眺めもよい。第2展望所からは北東側の芦ヶ久保方面が見えるが、第1展望所と比べると眺めはよくない。
シラジクボまでは一気の下り。小持山への登り返しの斜面から後ろを振り返ると、武甲山は杉の植林帯の緑色と、カラマツの黄金色がコントラストをなしている。南側から見る武甲山は、石灰石採掘で削られている山ということを忘れさせる綺麗な形をしている。
小持山山頂直下には高ワラビ尾根への分岐を示す赤いテープがあって紛らわしいが、小持山には尾根を直進する。山頂は狭いが、東側が開けている。石灰岩の岩をいくつか超えていく少々ハードなルートであるが、大持山の手前のピークは、露岩の絶景地であり、西側の展望が大きく開ける。高ワラビ尾根や仙元尾根は地形が手に取るように分かる。また、すぐ先の大持山から有馬山、酉谷山にかけての稜線や両神山の眺めもよい。ただし、露岩は不安定な角度で下は絶壁なので、転落にはくれぐれも注意が必要である。
大持山は小持山より広い山頂であるが、休憩するのであれば山頂手前の露岩か、山頂先の妻坂峠の分岐で関東平野が一望できるポイントの方がよい。ウノタワへの道は防火帯の尾根となり、紅葉を愛でながら気持ちよく歩ける。北側は葉を落とした木々が多いが、南側は今が紅葉の盛りである。ウノタワは開けた小平地で、やはり紅葉の美しいところである。
鳥首峠への道は、工事中の箇所を巻くところもあり、急な登り下りが連続する。眺望も利かず、なかなか辛い道である。急坂を下りきると鳥首峠。今日はここから浦山の大日堂へと下っていく。
谷や山腹を巻くように歩く。道幅は狭く、決して歩きやすいとは言えない道である。やがてたどり着く冠岩の廃集落には数軒の家屋がたたずむ。ここを訪れるのも10年ぶり以上であるが、家屋はいまだ健在で、時が止まっているかのようである。鳥首峠を越えた名栗側にも白岩の廃集落がある。車道も通らない土地では暮らし続けることは難しいのだろうと思ったが、帰りのバスの中で聞いた話では、浦山では、ダムの完成によって新たに車道が通じたときに、これで家財道具を運び出せるようになったと、やはり廃集落が生まれたそうである。
以前大日堂のバス停を利用した際には、まだ通常の路線バスが走っていたと記憶しているが、今は秩父市営のマイクロバス「ぬくもり号」が運行されている。ピンクに塗られた小型の可愛らしいバスが西武秩父駅、秩父駅に通じている。西武秩父駅には、国道沿いの駅入口のバス停から歩いて2分ほどである。

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