疲労困憊の釈迦ヶ岳


- GPS
- 09:39
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 1,054m
- 下り
- 1,050m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
不安な場合は、林道に入ってすぐ左手に二台くらいのスペースがあるのでそこに停めることが出来ます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
守子神社側ルートは登山者が少なく、トレースがあまり期待できません。 夏道のほうが危険な箇所もあります。 また、山頂直下の直登区間上部は木もほとんど無い為、滑落に注意が必要です。 |
写真
感想
寒さの出口も見えそう、でも今度は急激に気温が上がると報じられています。
何事もほどほどが良いと思う自分ですが、なかなか自然はそううまくはいかないようです。
ということで、今シーズンの厳冬期雪山ラストチャンスと捉え、今年も釈迦ヶ岳を守子神社口から登ってきました。
何度も登っているルートなので問題は無い筈だったのですが、いろいろな条件が重なって想定外の体力消耗。近年に無い疲労困憊の登山となりました。
最大要因は雪質と昨年更新したスノーシュー(TUBBS FLEX TRK)が合わなかったのか、そもそもスノーシューではなく初めからワカン+アイゼンをチョイスしたほうが良かったのか?
急登ではスノーシューもアイゼンワークのようにキックステップ気味に登らないと上がらないことがありますが、フレームが樹脂製のTUBBSは先端が反ってずり落ちてしまう状態が頻発。一度雪を崩してしまうとなかなか抜け出せなくなり悪循環に嵌って体力を消耗します。締まった雪ならこういうことはあまり無いのですが、新雪の深雪や特に春先のベタ雪は可能性が高いかもしれません。
以前使っていたMSRライトニングアッセントは金属フレームである点と、デッキ下にしっかりとした滑り止め用金属横歯が二枚付いていたのでこの手の滑りに強かったのか?
TUBBSにも後ろの方に小さな樹脂製の横歯が付いていますが、ちょっと頼りないです。
ライトニングアッセントで今回の雪質に文字通り「歯が立った」かは不明ですが。
去年同じTUBBSでこのルートを歩いています。特に登りで苦労した記憶も無いので写真を比較したら、去年は前山の登りでトレースを使えたこと、釈迦ヶ岳手前の直登は草が出ていて雪とのMixでグリップがあったことがわかりました。
また、正午頃にかけ気温が上がってきてスノーシューの裏側に雪玉が付く現象も初めて体験しました。アイゼンの下に雪玉はよくあることですがスノーシューは初めてです。
付く量が多いので足を上げるのに重く、落とすために蹴り込むのも力が要ります。
もう一点。ザックのショルダーハーネスに取り付けるカメラホルダーを今回初めて使ったのですが、ザックバランスが微妙に崩れたのも結構響きました。そこに加えて若干不要な物も持って行ったので総重量が増えたのも敗因でした。
前山の急登ですでに悪戦苦闘。もう今日は撤退かなとも思いかけましたが、空を見ると快晴で風も無く穏やかじゃないですか。こんなに良い気象条件はそうそうありません。時間も早いし牛歩戦術で行きゃいいじゃないかと思い直して再出発しました。
急登にさしかかると10歩進んじゃ肩で息をして立ち止まりの連続。時折スリップが起きると更に疲労に拍車がかかりました。他人のトレースがこの時はつくづく羨ましく思えたものです。この時期、滅多に入山者が居ないこちら側ルートの長所が短所に変わった瞬間です。
山頂肩稜線まであと標高差50mの急斜面でスリップ対処がまったく出来なくなり、逆に滑落気味で危険を感じました。本当はもう少し緩やかな所で判断していれば良かったのですが、一旦平坦な場所を作ってそこでアイゼンにチェンジ。スノーシューは雪面に突き刺してデポしました。
途中、前山の先でまず使わないであろうチェーンスパイクも木の枝にデポしていたのでスノーシューと合わせて2Kgくらいは軽量化している筈。
幸いにして踏み抜きはさほどなく、無事残りの区間を登り切ることが出来ました。稜線に登り詰めたその先には苦労をねぎらうようなビクトリーロードが待っていてくれました。諦めずに登ってきて良かったなとしみじみ。
ビクトリーロードを一歩一歩進んでいくいと、突然踏み抜いて片足全部が埋まりました。脱出するのにも一苦労。でも先ほどまでの登りの苦闘に比べりゃなんのその。ようやく一番の高み(山頂より10m以上高い)まで到達するとその先に赤い鳥居が目に入り「やったー!」と肩で息をしながら声が出ましたよ。こんな感動的な登頂はもうかなり以前に忘れていたものかと。
山頂には登山者一名。そのあとも入れ替わりで数名の登山者が訪れていましたが、皆さん鶏頂山経由ルートのようでした。
山頂からの眺望は極めて良好。遠景のクリア度は昨年のほうが上だったように感じましたが、今年は登るのに苦労した分だけ素晴らしい風景として目に焼き付きました。
守子神社ルートの今日の登山者は自分一人でした。元気な時はスノーシューを楽しむべくあちこち寄り道をしながら下山していきますが、今回は余計な体力を使わないで早く降りたいので自分のトレースを忠実に追っていきました。
今日の反省点はなんといっても状況に応じた道具の使い分けでした。
履物については面倒なのでついついおろそかになりがちですが、急登区間は初めからアイゼンで行くべきでした。不安定な急登途中での履物交換はザックなどが下に流れる可能性、自分自身も滑落する危険性が高いです。また、態勢がきついので充分にベルトを締められない為、途中でアイゼンが脱落することも考えられます。
今日のルート、今日の雪質。アイゼン+ワカンだったらどうだったかは不明ですが、一度スノーシューの快適さを知ってしまうと、なかなか手放せないのが実は判断を鈍らせているのかもしれないとしみじみ思った山行でした。
コメント
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いやどーも!
すごい快晴じゃないですか☀️
青い空が濃くてステキです😆
色々と不具合はあっても、これなら全てチャラですよね😁
うらやましい😭
最後はやりきった疲れと満足感でしょうね✨
前山までなら私も行けるかな?
いや、行かないですけど😲
八方ヶ原も雪が多そうで、桝形山もトレースないだろうなーと尻込みしています😅
雪の釈迦ヶ岳は憧れですけど、少しずつ実力を着けて、いつかは!です😃
美しい雪景色ありがとうございました✨
先細りの体力気力。
いつまでこのルートが登れるか自信は無いですが、来年もまたチャレンジしたいと思っています。
今シーズンに考えていた社山が歩き残しですが、今後の天候が気になるところです。
そんなこんなで気を揉んでいるうちに春がやってきて、また花のシーズンが始まるのでしょうね🌸
積雪期、何度か登頂している中でも今回は格別?
大変苦労されたようですが、無事辿り着けて何よりです
スノーシューの効果は雪山では大きいですよね。
ただ手助けになるはずの道具が逆にお荷物状態にもなるとは
何でも使えば良いわけではない・・・適材適所でしょうか。
白さが映える会津駒〜三岩岳から地味な前黒山まで。
報われるような山頂展望ですね、お疲れ様でした。
このルート、毎回辛いなぁと思ってましたが今回はMaxでした😭
以前、2年連続でこの時期に約束したわけでもないのに偶然同じ日に登って、wakasatoさんと野球親爺さんにお会いしたのがのが懐かしいです。
自分はやはり加齢による体力低下もあり、来年ここを登れるかどうか不安ですが、頑張っていきたいと思ってます。
ノートレースの釈迦ヶ岳、しかも累積標高1000mオーバーですか😲スゴイ お疲れ様でした。
山頂にこんなに積もっているなんて、今年はやっぱり雪が多いですね。
御釈迦様の台座にヒーターってw ツリーホールみたいになっていてなかなかの危険箇所のような😆 触らぬ神に祟りなしってやつですね(笑)
山頂直下の笹原、木がなくて、もっと暖かくなると雪崩が起きそうな斜面に見えるんですが、どうなんでしょ?
もともと脚力があるほうではないので、ちょっと雪質雪量が変わっただけでヤラレちゃいました。
お釈迦様は本体が集めた熱が台座に伝わるのでそこだけいつも雪が無いのではと想像していますが、実は他の未知なる力が😱
山頂直下。
夏道は西側の中岳側を登り、中岳〜釈迦ヶ岳稜線に接続しますが、この区間は積雪期限定で皆さん直登をしています。ご指摘のように上部は木が無いので崩れる、あるいは滑ると止まらない可能性があります。
昨日の状況ではクラストした感じが無かったので大丈夫だと判断しましたが、夏道側も傾斜がきつくて木が無いのは一緒なのでこちらのほうが安全だと思います。あくまで現地の状況次第ですが。
万が一雪崩れた場合、200mくらい下部で傾斜が緩んで木も出てくるのでそこらへんで止まると思います。あとは基本的に南面なので雪量は少ないかもですね。
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