村杉岳


- GPS
- 09:28
- 距離
- 20.9km
- 登り
- 1,920m
- 下り
- 1,909m
コースタイム
合計9時間30分
過去天気図(気象庁) | 2025年04月の天気図 |
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アクセス |
写真
装備
個人装備 |
ブーツ:DYNAFIT TLT SPEEDFIT
スキー:Nordica Unleashed 108 W 174cm 141-108-130mm
ビンディング:FREERAIDER 15 EVO
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感想
4月5日にシルバーラインの銀山平側も開通になるとのことで、そちら方面の山を考えていたがよくよく確認すると開通時間は午前9時とのこと。目的の山へ向かうにはちと遅い。村杉岳へ行ってみないかとのKさんからのお誘いがあり、計画に乗らせてもらうことに。今季は積年の課題の奥利根を渡ったこともあり、次の目標がぼやけた状態だったが、まだ向かったことのない村杉半島へ赴くことで新しい景色が広がるのではなかろうかと。
早朝発予定のため、前日のうちにシルバーラインを抜けておく必要がある。夕方にシルバーラインに入ってトンネル内を走っていると、銀山平出口には厳重なバリケードが設置されている。今まではこれほどではなかった気がするのだが、この日の状況は絶対にここを通させないという強固な意思を感じさせる。奥只見丸山スキー場の第4Pへ向かい、Kさんと翌日の計画を確認して寝袋に潜り込む。
午前3時前に行動開始、まずは林道へ向かい闇夜の滑走、林道に出て少し行ったところでシール貼り。このルートを気に入って何度も来ているKさんによると、今季はやはり雪が多いため特に困難な箇所はないとのこと。橋を渡って少し行ったあたりから斜面の登高開始。闇夜ながら周囲には太くて大きなブナが林立していることが分かる。Kさんによるとここのブナ林は自身の経験の中でも指折りの重厚さという。浅草岳の入叶津側のブナ林に勝るとも劣らないとのことだったが、実際にその通り。残雪と新緑の時期に来たら心身ともにとろけてしまうのは間違いない。
空が白んでくると背後に未丈ヶ岳が白く浮き上がり、その背後には駒ケ岳や荒沢岳が姿を見せる。これまで何度も歩いてきた山々の初めて目にする横顔が新鮮で美しい。倉前沢山北側の稜線に上がる頃には日が昇り、春の淡い色づきが雪面やブナの霧氷をやわらかく染める。
ここから村杉岳までの稜線は平坦と思えるくらいの緩傾斜で、ゆったりと幅の広い雪原が続く。稜線の西面は深いブナの森が稜線間際まで迫り、東面はブナの疎林が気持ちの良く広がり、典型的な背腹性を見せるのだが、それにしてもこの稜線部の平坦で穏やかな真っ白さ。今まで見たことのない風景に溜息しか出ない。池田知沙子さんはここを100m道路と表現し、他にも滑走路とかシルバーラインとかいろいろな例えをされてきたらしい。不時着経験のある身からすると、苗場山の山頂台地も不時着に適すると思っていたが、こちらの方がより平坦で障害物もないので、ここも万が一の時のために頭に入れておこうかと。
当初は周回計画だったものの、村杉岳から少し下ってみると雪付き悪くスキーでは苦労のほうが大きそうなので計画変更との判断に。村杉沢に滑り込んで春の新雪を楽しみ、素敵なブナ林を登り返す。林道までの尾根の滑りはザラメ手前の滑りにくい雪で苦労したが、こんな雪からも春を感じる。往路では暗闇でよく見えなかった只見川沿いの景色も、残雪が強い日差しに輝き眩しいばかり。今季も無事に冬を乗り切ったなと。
初めて足を踏み入れた山は、やはり期待通りに新鮮な風景を見せてくれた。ここからまた新しい山を広げることができるのかどうだか、来季以降もまた多くの雪が降るようにと願うばかり。
周回を考えていたので早出にした。スタートは只見川に降りるまではヘッデン滑走。月の入の後の行動なので暗いが、何度も来ているので不安はない。林道のデブリもそれほどでもなく、スイスイと上大鳥橋まで。ここからは至福のブナの森。空と森の色が変わっていくのを楽しみながら歩く。稜線手前で夜が明けてしまった。あと30分早出していれば日の出が見れた。稜線は何度来ても素晴らしい。さっきまでハイペースだったのに写真撮影で進まなくなる。今年の雪の多さなら色々行けるなあと思いながら久しぶりの南会津を堪能する。村杉岳から先に進み、ポコでシールオフ。下大鳥橋方面に向けて滑る。が、雪が全然ない。無理すれば行けると思うが、スキーで行く合理性が無いのでさっさとシールをつけて戻り、村杉沢を軽く滑った。ここからの登り返しのブナ林も素晴らしく、村杉沢を滑らなかったら見ることも無かったと思う。あとは白滝沢右岸尾根を滑っていくが、もう雪は終わっていてストップスノーだった。2PTのスキーヤーに会う。今までここで人に会うことが無かったので驚きと、少しの寂しさ。春を絵に書いたような風景の只見川沿いの林道を歩いて、大賑わいの奥只見丸山スキー場へ戻った。
白戸川と只見川に囲まれた村杉半島。水量の多い只見川を渡り、半島に取り付くには、基本的に上大鳥橋を利用することになる。取り付いた半島から帰る方法はいろいろあるが、その多くはもう一度上大鳥橋を渡り、魚沼に戻ってくることになる。しかし、只見川の下流には大鳥ダムがあり、下大鳥橋を利用することで左岸域に戻ることができる。結果的には、尾根の雪付きが良くなく、スキーで行く意味が無いため、引き換えした。今度行くなら歩きかな。
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